当社グループは、「人間尊重」を経営の基本理念とし、「勇気・品性・誠実」を教育理念とした運営を創立以来一貫して続けております。新しい時代の波に対して積極的に立ち向かう姿勢で取り組んでおります。
時間講師の導入、私立中高受験、チェーンオペレーション、株式公開、都立中高一貫校受検対策など、時代の先端を行く革新的な手法で業容を拡大してまいりましたが、今後も大胆にチャレンジし続けてまいります。
その成果として、当社株式は2015年11月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定され、2022年4月にはプライム市場へ移行しました。
また、当社グループは学習塾業界のサービスの本質である「質の高い授業の実践」と「合格実績」に徹底的にこだわると同時に、的確な「受験情報の提供」により、生徒・保護者様から高い支持と信頼を獲得することを常に目指しております。
当社グループは、本業での収益性を表す指標として売上高営業利益率を重視しております。2022年2月に策定した2025年3月期までの3ヵ年を計画期間とする中期経営計画では、売上高営業利益率20%を目標として設定しております。合格実績の伸長により生徒数を増加させることはもちろん、常にコスト削減意識を持ち、収益性の向上を目指し企業経営に取り組んでまいります。
従来から行っております受験勉強だけではない人間関係を尊重した指導と人間的教育の実践を今後も心がけるとともに、教務力の向上及び合格実績の更なる伸長だけに留まることなく、ニーズに合った学習指導と受験情報を提供することにより、生徒・保護者様からご支持いただける本物の塾を目指してまいります。
具体的な経営戦略は以下のとおりです。
①都立中・都立高の合格実績シェアの更なる向上
当社では、都立中・高の合格実績シェア向上が経営上重要であると考え、経営資源の重点的配分を行い、いち早く都立中受検対策に取り組みました。都立中高一貫校受検対策向けのテキスト・テスト・カリキュラムの改訂、「都立中のena」というブランドイメージの定着を図るためのイベント開催や番組タイアップ、テレビコマーシャル等を実施してまいりました。その結果、近年の都立中・高入試において、継続して高い合格実績を上げることができております。現在の経済状況及び都立中・高の大学合格実績を踏まえると、無料かつ上質な学習環境が得られる都立中・高への社会的な関心はますます高まり、当社が引き続き高い合格実績を上げていくことで生徒数の増加につなげることができると確信しております。
②大学受験までの一貫した経営モデルの確立
都立中受検の倍率は、近年は低下傾向にあるものの依然として高倍率を維持しており、不合格者が多数出てしまうのが現状です。「ena」からの受検生は高い合格率となっているものの、不合格となる生徒も多数存在しております。そこで、当社では、不合格者に対してもう一度高校受験で挑戦する機会を提供するため、また、保護者様の経済的負担を鑑みて、一定の条件を満たした新中1生の授業料を無料としております。また、新高1生向けのオンライン講座を開講するなど、小・中・高の継続的な指導体制を構築しております。今後も継続的に通塾していただけるよう生徒獲得を強化してまいります。
③新規校舎展開
2021年3月期には7校、2022年3月期には10校(全ブランド、いずれも業態変更を含む)と展開してきた新規出校のペースを維持しつつ、並行して不採算校舎の閉校も実施してまいります。近年は「ena」の出校エリアを東京西部地域から東京東部及び北部地域に変化させております。多摩地区を中心とした進学塾から都内全域をドミナントエリアと定めて新規出校を推進し、東京東部地域における都立中・高の更なる合格実績伸長を図ってまいります。また、当社グループの強みを活かせる他地域への出校もあわせて検討してまいります。
今後の新規開校計画は東京東部及び北部を中心に、以下のように計画しております。
2023年3月期:「ena」ブランド7校開校
当社グループを取り巻く環境は、少子化による市場の縮小や家庭内における教育費の抑制等の要因により依然厳しい状況が続く中、AIやIoT等の技術を利用した異業種の参入も顕著になってきており、企業間競争も激しさを増すものと思われます。
このような経営環境の中、当社グループは2023年3月期から2025年3月期までの3ヵ年を計画期間とした中期経営計画を策定いたしました。
コロナ禍を契機とした社会全体のDXが加速する中、当社グループでは特にenaオンラインclass、家庭教師Camp、個別教師Camp、ena新セミオンラインを「自宅ena」とし、本格的にDX事業に参入いたします。DX商品の導入・拡大を進めるために、関連設備の拡充やインターネットメディアを活用した効果的なプロモーションを実施してまいります。
また、最難関中高合格のための専門校舎である「ena最高水準」を全15校体制(2022年3月に8校舎新規開校)に拡充し、都立最難関高独占体制を強化するとともに、私立最難関中高受験にも進出してまいります。
引き続き、出校計画の推進に必要な校長の早期育成及び中途採用の強化、要員計画に基づく人的資源の量的・質的な適正化、校舎運営の標準化推進による経営効率の向上という課題に取り組んでまいります。
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