(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の感染者数が増加と減少を繰り返すなかで、一進一退の動きが続きました。
当社グループの事業領域である小売・サービスにおいて、個人消費は持ち直しに足踏みがみられます。消費動向の背景をみると、実質総雇用者所得は横ばい圏内となっており、消費者マインドはこのところ弱含んでいます。
このような中、当社グループでは各事業分野において、感染症関連分野の拡充や営業活動のオンライン化、商圏の拡大及び事業再編に積極的に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の概要は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態 (単位:百万円)
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
資産合計 |
40,847 |
39,724 |
△1,123 |
△2.8 |
負債合計 |
19,492 |
17,585 |
△1,906 |
△9.8 |
純資産合計 |
21,355 |
22,138 |
782 |
3.7 |
ロ.経営状態 (単位:百万円)
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
売上高 |
55,513 |
54,924 |
△589 |
△1.1 |
営業利益 |
2,782 |
2,760 |
△21 |
△0.8 |
経常利益 |
2,683 |
2,792 |
109 |
4.1 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,837 |
1,708 |
△129 |
△7.0 |
ハ.セグメント経営成績
売上高 (単位:百万円)
セグメント名称 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
クリクラ事業 |
14,881 |
15,019 |
137 |
0.9 |
レンタル事業 |
14,626 |
15,916 |
1,290 |
8.8 |
建築コンサルティング事業 |
8,495 |
7,449 |
△1,045 |
△12.3 |
住宅事業 |
10,341 |
10,686 |
344 |
3.3 |
美容・健康事業 |
7,213 |
5,921 |
△1,292 |
△17.9 |
セグメント間消去 |
△45 |
△69 |
△24 |
- |
合 計 |
55,513 |
54,924 |
△589 |
△1.1 |
営業利益 (単位:百万円)
セグメント名称 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
クリクラ事業 |
1,627 |
1,269 |
△358 |
△22.0 |
レンタル事業 |
1,333 |
1,621 |
288 |
21.7 |
建築コンサルティング事業 |
807 |
872 |
65 |
8.1 |
住宅事業 |
74 |
233 |
158 |
212.4 |
美容・健康事業 |
122 |
151 |
28 |
23.1 |
その他調整 |
△1,183 |
△1,387 |
△204 |
- |
合 計 |
2,782 |
2,760 |
△21 |
△0.8 |
② キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
営業活動による キャッシュ・フロー |
6,454 |
2,847 |
△3,607 |
△55.9 |
投資活動による キャッシュ・フロー |
△1,448 |
△1,107 |
341 |
- |
財務活動による キャッシュ・フロー |
54 |
△3,743 |
△3,798 |
- |
現金及び現金同等物の 期末残高 |
14,188 |
12,187 |
△2,001 |
△14.1 |
③ 仕入、生産、受注及び販売の実績
イ.商品等仕入実績
当連結会計年度の商品等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
クリクラ事業 |
3,554 |
92.4 |
レンタル事業 |
4,306 |
93.1 |
建築コンサルティング事業 |
1,190 |
89.5 |
住宅事業 |
20 |
78.3 |
美容・健康事業 |
899 |
103.4 |
合計 |
9,970 |
93.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.商品等仕入実績には、フランチャイザーより賃借しているレンタル商品の当期受入に相当する賃借額及び少額資産購入高を含んでおります。
ロ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
クリクラ事業 |
2,653 |
98.1 |
美容・健康事業 |
233 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額は、製造原価によっております。
ハ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
住宅事業 |
4,887 |
86.9 |
2,701 |
66.6 |
建築コンサルティング事業 |
308 |
67.2 |
184 |
51.0 |
合計 |
5,196 |
85.4 |
2,886 |
65.3 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
クリクラ事業 |
15,017 |
100.9 |
レンタル事業 |
15,913 |
108.8 |
建築コンサルティング事業 |
7,448 |
87.7 |
住宅事業 |
10,686 |
103.3 |
美容・健康事業 |
5,857 |
81.6 |
合計 |
54,924 |
98.9 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、有価証券、棚卸資産、固定資産に関しては、重要な会計方針により継続的な評価を行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 5.会計方針に関する事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
・財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末における資産総額は、39,724百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,123百万円減少しております。これは主に、販売用不動産が482百万円、受取手形及び売掛金が430百万円増加した一方で、現金及び預金が2,001百万円減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債総額は、17,585百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,906百万円減少しております。これは主に、短期借入金が1,300百万円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産額は、22,138百万円となり、前連結会計年度末と比べ782百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が633百万円増加したことによるものであります。
・経営成績等の分析
(売上高)
売上高は、前期比で589百万円減少し、54,924百万円となりました。
クリクラ事業では、クリクラボトルの前期比微増などにより、売上高は前期比で0.9%増加しました。レンタル事業では、ダスキン事業ケアサービス部門での事業数追加や株式会社アーネストでのワクチン職域接種会場運営の大口顧客からの受注などにより、前期比で8.8%増加しました。建築コンサルティング事業では、コンサルティング部門のsuzukuri Div.での業態転換に伴う受注棟数減少もあり前期比で12.3%減少しました。住宅事業では、すまい給付金の申込期限の影響で上半期の受注棟数が好調に推移した結果、前期比で3.3%増加しました。美容・健康事業においては、感染症の影響長期化に伴うメイク機会減少や株式会社ベルエアーにおける栄養補助食品の顧客数減少もあり前期比で17.9%減少しました。
(売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益)
売上原価は、建築コンサルティング事業でのsuzukuri Div.における完工棟数減少などもあり、全体では前期比で91百万円減少し、27,971百万円となりました。また、レンタル事業にて役務サービスを提供するケアサービス部門の拡大などもあり、売上原価率は前期比で0.4%増加し、50.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比で476百万円減少し、24,191百万円となりました。これは、主に株式会社JIMOSにおいて販売促進費や人件費、業務委託費を中心に削減したことによります。
営業利益は、前期比で21百万円減少し、2,760百万円となりました。
クリクラ事業では、顧客数増加のための先行投資として、直営部門を中心に営業人員の確保やサステナブルな方針に向けた投資により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は前期比で358百万円減少しました。レンタル事業では、ダスキン事業及び株式会社アーネストの売上高増加により、営業利益は前期比で288百万円増加となりました。建築コンサルティング事業では、コンサルティング部門及びエースホーム株式会社による新商品・新サービスの投入が奏功し、営業利益は前期比で65百万円増加しました。住宅事業においては、株式会社ケイディアイの商圏である東京都区部の土地価格上昇に伴う建売住宅の価格上昇が利益率向上へ寄与したことなどもあり、事業全体の営業利益は前期比で158百万円増加しました。美容・健康事業では、販売費及び一般管理費削減の取り組みなどにより、営業利益は前期比で28百万円増加しました。
(営業外損益)
営業外損益は、32百万円の収益(前期は98百万円の損失)となりました。
(特別利益)
特別利益は、114百万円(前期は465百万円)となりました。
情報セキュリティ対策費戻入益80百万円等の計上をしております。
(特別損失)
特別損失は、171百万円(前期は999百万円)となりました。
店舗閉鎖損失34百万円に加え、店舗閉鎖損失引当金繰入額32百万円等の計上をしております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前期比で587百万円増加し、2,736百万円となりました。税金費用は前期比で705百万円増加し、1,010百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,708百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益1,837百万円)となりました。
・キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)残高は、前連結会計年度末に比べ2,001百万円減少し、12,187百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,847百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,736百万円、減価償却費1,020百万円、売上債権の増加352百万円、未払消費税等の減少244百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、1,107百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出445百万円、有形固定資産の取得による支出207百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出333百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、3,743百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少1,300百万円、長期借入れによる収入1,000百万円、長期借入金の返済による支出2,168百万円、配当金の支払額991百万円等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりとなっております。
|
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
自己資本比率(%) |
52.1 |
55.5 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
52.3 |
53.8 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.8 |
3.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
82.3 |
45.4 |
各指標の算定式は以下のとおりであります。
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フロー及び利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、クリクラ事業、レンタル事業、建築コンサルティング事業、住宅事業、美容・健康事業の5つの事業体制のもと、基本戦略である「コングロマリット(複合的異種混成型)企業」の基盤を築いております。この5つの事業について、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討した内容は以下となります。
・クリクラ事業
宅配水業界全体の市場動向や食品衛生法などの法改正や各種制度の改正が事業の経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられます。また、「ミネラルウォーター」の品質管理も重要な影響を及ぼすと考えられるため、宅配水業界内でいち早くHACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)認証の取得や当社内での研究所で品質検査を実施することで品質維持をしております。市場動向として、異業種からの参入や付加価値型サーバーの需要増加、物流コストの高止まりなどを背景に宅配水業界の再編が続いております。
このような中、クリクラ事業では、引き続き顧客件数の拡大に取り組みます。炭酸水が飲めるマルチサーバーや浄水型サーバーを始めとする新商品・新サービスの提供を行うとともに、既存の販売手法やエリアマーケティングの強化に努め、あらゆる顧客獲得策を実行します。また、成長を支える人材の確保と育成、サービス品質の向上にも取り組み、メディア戦略や競合対策にも注力していきます。
・レンタル事業
創業事業であるダスキン事業は、株式会社ダスキンとの資本業務提携契約に基づいたケアサービス部門及びヘルスレント部門の拡充等により、今後の事業成長に繋げてまいります。害虫駆除器「with」を主力とするウィズ事業では、主要顧客の飲食店業界が感染症の影響を受ける中、組織体制の強化及び営業活動の効率化を着実に実施することで業績回復を目指すとともに、中止していた代理店の開拓にも力を入れていくことで、売上高の確保に取り組みます。株式会社アーネストでは、感染症ワクチンの職域接種会場の運営など国策事業の獲得に引き続き注力していきます。
・建築コンサルティング事業
地場建築業界全体の慢性的な人材不足や中小企業支援の政策等が建築コンサルティング事業の経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられます。
これに対応するため、コンサルティング部門においては会員工務店向け研修の充実や無料会員制度の導入により顧客接点を強化します。また、中核でない営業プロセスでのBPOの実施や、SDGsの切り口も活用することで幅広い営業活動を展開していきます。ナックスマートエネルギー株式会社では、脱炭素社会実現に向けた国及び自治体の各種施策を追い風に、住宅事業向けの顧客をメインターゲットに業容を拡大していきます。エースホーム株式会社では、加盟店支援の強化及び当社との協働による新サポートサービスの試行を行い、収益力の向上を目指します。
・住宅事業
住宅業界全体の市場動向や建設業法などの法改正、税法や各種制度の改正、テレワークの浸透による住まい方の変化が住宅事業の経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられます。
株式会社ジェイウッドでは、移動モデルハウスによるブランド認知向上やWeb対策、紹介獲得のための各種施策を実行していきます。株式会社ジェイウッド KUNIMOKU HOUSE事業においては、廉価型の企画住宅や駅近を志向する顧客向けに狭小地3階建てプランを展開することで新たな層の取り込みを進めていきます。株式会社ケイディアイでは、主たる営業地域である首都圏におけるエリアの拡大を図るとともに、注文住宅事業や中古マンションのリフォーム再販事業を展開していきます。
・美容・健康事業
通販業界の市場動向や特定商取引法などの法改正、各種制度の改正や、物流コストの高騰をはじめとする事業環境の変化が、美容・健康事業の経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられます。
これに対応するため、株式会社JIMOSでは、各ブランドにおける積極的な投資の実施により新規顧客獲得を進めるとともに新商品開発を行っていきます。特に、前期に販売を開始したブランド「SINN PURETÉ(シンピュルテ)」のさらなる浸透と拡販に取り組んでいきます。株式会社ベルエアーでは、販路拡大を目的とする販売形態の多様化を進展させ、併せて代理店制度への業態転換を進めていきます。株式会社トレミーでは、主力のOEM事業を伸長させる一方で、レディメイド式のODM提案を積極展開することで市場環境の変化に柔軟に対応していくとともに、グループ内各社との垂直連携を強化することによるメリットの最大化を目指していきます。株式会社アップセールでは、ECモール販売の最適化を行うとともに、医薬品の取り扱い開始によって顧客数の拡大を図り、顧客のリピート購入を促進する施策を強化することでLTVの向上を目指します。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。なお、運転資金及び設備資金につきましては、子会社のものを含め当社において一元管理しております。
現在の資金調達力を維持するとともに、健全な財務バランスを追求していく方針であります。
ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、更なる成長を目指し、「連結売上高」の拡大を図るとともに、株主利益重視の観点から、「株主資本利益率(ROE)」を高水準に維持していくことを重要な経営目標としております。また、セグメントの業績管理では、セグメントごとの「売上高」「営業利益」を指標として管理しております。
(単位:百万円)
指標 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
翌連結会計年度(見込) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
増減率 (%) |
売上高 |
54,924 |
60,000 |
5,075 |
9.2 |
営業利益 |
2,760 |
3,000 |
239 |
8.7 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,708 |
2,000 |
291 |
17.1 |
株主資本利益率(ROE)(%) |
7.9 |
8.8 |
1.0 |
- |
なお、指標の分析は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 イ.経営成績等 ・経営成績等の分析」に記載のとおりであります。
また、セグメントの指標は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ハ.セグメント経営成績」、セグメントの指標の分析は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・クリクラ事業
宅配水市場は、感染症の影響により法人向け、特に大企業での消費量は減少したものの、当社の強みである個人向けにおいては、在宅時間増加に伴い消費量も増加しました。クリクラ事業では、人材採用や新商品開発への先行投資に加え、新規顧客獲得のため、WebやSNSを活用した販促や、キャラクター等とのコラボを行うなど販売活動強化に取り組みました。直営部門は、引き続き積極的な販促活動とサービス品質の向上に取り組み、クリクラボトルの売上高は前期比微増となりました。除菌意識の高まりで前期に販売数が急増した次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」は、顧客数が増加傾向にある一方で顧客単価は低下したため売上高は前期比で減少しました。結果、直営部門全体の売上高は前期比で微増となりました。
加盟店部門では、プラント関連売上高が前期比で増加したものの、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」関連商材の反動減により、部門全体の売上高は前期比同水準となりました。
損益面では、今後の顧客数増加のための先行投資として、直営部門を中心に営業人員の確保やサステナブルな方針に向けた投資により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高15,019百万円(前期比0.9%増)、営業利益1,269百万円(同22.0%減)となりました。
資産は、前連結会計年度に比べ256百万円増加し、13,312百万円となりました。
・レンタル事業
レンタル事業では、人生100年時代に向けた各事業の需要増加を見据えて、販売網の拡大やサービス体制の強化に取り組みました。
主力のダスキン事業では、ダストコントロール商品部門の売上高は前期比同水準でしたが、一方で、家事代行や害虫駆除、花と庭木の管理といった包括的な役務サービスを提供するケアサービス部門においては事業数を増やしており(2018年8月に締結した株式会社ダスキンとの資本業務提携後から販促人員を増強して営業活動拡大中)、結果売上高が増加し、ダスキン事業全体の売上高は前期比で増加しました。
害虫駆除器「with」を主力とするウィズ事業では、緊急事態宣言解除により主要顧客である飲食店も徐々に営業を再開し、停止していた定期納品も回復傾向にあったものの、長期にわたる飲食店業界の休業・時短営業の影響による顧客減少分までは補いきれず、売上高は前期比で減少しました。
ビルメンテナンスサービスを提供する株式会社アーネストにおいては、空港の水際対策による隔離施設を始めとする感染症関連の消毒・除菌作業の受注が大きく増えたことに加え、感染症ワクチンの職域接種会場の運営を大口顧客より受注したことで、売上高は前期比で大幅に増加しました。
損益面では、ウィズ事業の売上高減少及び主としてケアサービス部門の販促活動強化による販売費及び一般管理費の増加をダスキン事業及び株式会社アーネストの売上高増加が補い、営業利益は前期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高15,916百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,621百万円(同21.7%増)となりました。
出店につきましては、当連結会計年度に、ダスキン事業において、ヘルスレント市川ステーションとヘルスレント小田原ステーション、ヘルスレント相模原ステーション、高槻支店を開設しました。
資産は、前連結会計年度に比べ340百万円増加し、9,262百万円となりました。
・建築コンサルティング事業
地場建築業界及び市場は、慢性的な職人不足や物流コストの高騰に加え、ウッドショックや半導体供給不足による住宅部資材や住宅設備機器の納入遅延が追い打ちとなり、引き続き厳しい外部環境となりました。
コンサルティング部門では新規出店及び販売価格の改定が寄与し、売上高は前期比増加しました。一方、住宅販売を手掛けるsuzukuri Div.(前期より住宅事業から建築コンサルティング事業にセグメント変更し、当期よりコンサルティング部門に編入して集計)において住宅販売からコンテンツビジネスへと軸足を移している過程で、受注数が伸び悩んだことに伴う完工棟数の減少があり、部門全体での売上高は前期比で減少しました。
省エネ関連部資材の施工及び販売を手がけるナックスマートエネルギー株式会社では、住宅市場への転換を行ったことで主要な需要先が法人から個人に変わったことによる顧客単価の低下に加え、半導体不足による蓄電池及びパワーコンディショナー、エコキュート等の納入遅延・停止を原因とする工期遅延もあり売上高は前期比で減少しました。
エースホーム株式会社では、2020年10月に開始した当社との共同開発商品の販売好調及び、加盟店による上棟数増加に伴う卸売増加により、売上高は前期比で増加しました。なお、エースホーム株式会社は決算期変更(2月期→3月期)に伴い当期は13ヶ月決算となります。
損益面では、コンサルティング部門及びエースホーム株式会社による新商品及び新サービスの投入が奏功し、営業利益は前期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高7,449百万円(前期比12.3%減)、営業利益872百万円(同8.1%増、エースホーム株式会社ののれん償却額41百万円を含む)となりました。
出店につきましては、当連結会計年度に、コンサルティング部門において、松山支店と金沢支店を開設しました。
資産は、前連結会計年度に比べ327百万円減少し、4,084百万円となりました。
・住宅事業
住宅業界では、国土交通省発表の3月新設住宅着工戸数は、貸家や分譲住宅を含む全体では13ヶ月連続で増加したものの、当社の事業領域である持家では4ヶ月連続の減少となるなど一転して厳しい状況となりました。
株式会社ケイディアイでは、都内の土地価格上昇で用地仕入に苦戦したことに加え、ウッドショックによる構造材不足が販売在庫の減少に繋がり、売上高は前期比で減少しました。
株式会社ジェイウッドでは、国の住宅取得に係る経済対策の一つであるすまい給付金の申込期限の影響で第2四半期連結累計期間の受注が好調に推移した結果、完工棟数の増加へと繋がり、売上高は前期比で増加しました。
損益面では、株式会社ケイディアイの商圏である東京都区部の土地価格上昇に伴う建売住宅の価格上昇が利益率向上に寄与し、営業利益は前期比で大幅に増加しました。
株式会社ジェイウッドではウッドショックによる材料費高騰があったものの、売上高の前期比増加に加え、前期実施した店舗の統廃合・移転による販売費及び一般管理費の削減効果もあり、営業損失が前期比で縮小しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高10,686百万円(前期比3.3%増)、営業利益233百万円(前期営業利益74百万円、株式会社ケイディアイと株式会社ジェイウッドののれん償却額44百万円を含む)となりました。
なお、株式会社ジェイウッドは、2021年4月1日を効力発生日として株式会社国木ハウスを吸収合併しております。当該事業は、株式会社ジェイウッドにてKUNIMOKU HOUSEブランドとして継続しております。
資産は、前連結会計年度に比べ193百万円増加し、5,859百万円となりました。
・美容・健康事業
化粧品業界では感染症の影響により、インバウンド観光客による購買の消失に加え、外出自粛によるメイクアップ商品を中心とした化粧品需要の減少もあり、引き続き厳しい市場環境となりました。
株式会社JIMOSでは、感染症の影響長期化に伴うメイク機会減少により、主力であるメイクアップ商品の買い控え等が響き、売上高は前期比で減少しました。
株式会社ベルエアーでは、美容健康商材の販売が好調であったものの、主力の栄養補助食品の顧客数が減少傾向にあることもあり、売上高は前期比で減少しました。
損益面では、株式会社JIMOSでは売上高減少に伴う売上総利益減少を、販売促進費や人件費、業務委託費を中心とした販売費及び一般管理費削減の取り組みにて補い、営業利益は前期比増加しました。株式会社ベルエアーにおいては、利益率の高い栄養補助食品の販売減少により営業利益は前期比で減少しました。
また、美容・健康事業を中心とした新たな商品開発やビジネス展開を目的として、2021年7月に化粧品受託製造の株式会社トレミーを子会社化し第3四半期連結会計期間より損益計上しています(影響は軽微)。なお、株式会社トレミーは、株式会社JIMOSの主力商品の製造委託先です。
以上の結果、当連結会計年度の売上高5,921百万円(前期比17.9%減)、営業利益151百万円(同23.1%増、株式会社JIMOS、株式会社ベルエアー、株式会社アップセールと株式会社トレミーののれん償却額等185百万円を含む)となりました。
なお、自社ECサイト及びECモールを中心としたEC事業の強化を目的として、2021年9月に株式会社JIMOSよりインフィニティービューティー事業及び代謝生活CLUB事業を新設分割して株式会社アップセールを設立いたしました。
資産は、前連結会計年度に比べ637百万円増加し、5,134百万円となりました。
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