当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、上半期においては、昨年から続く新型コロナ感染症拡大の影響が長期化する中で発出された政府による緊急事態宣言や、広い範囲で断続的に適用されたまん延防止等重点措置が、経済活動に対して大きな制約となりました。
下半期に入ると、新型コロナウイルスワクチン接種が世界的に進んだこと等により新規感染者が減少傾向となったため、9月末には緊急事態宣言が解除され、徐々に規制が緩和されるなど、一旦は経済にも明るい兆しがみられるようになりました。しかし、新たな変異株の発生により再び世界的な感染拡大が起こり、その影響により半導体不足やサプライチェーンの混乱、さらには資源価格の高騰等により、上半期においては回復傾向を示していた我が国鉱工業生産も、9月以降は低下傾向となりました。
こうした経済情勢下、当社グループの主力事業である工場廃液を中心とした産業廃棄物の処理業は、国内鉱工業生産の回復とともに受注量・工場稼働率は昨年度より上昇傾向となりました。しかしながら9月以降は国内鉱工業生産の下落の影響を受け、受注量の増加ペースは減速することとなりました。また、原油価格の高騰によるエネルギー価格上昇の影響により、当社の生産するリサイクル燃料等の価格も上昇傾向をたどりました。さらには、世界的にカーボンニュートラルへの動きが本格化する中、当社のリサイクル中心の処理方法やリサイクル燃料に対する社会的評価はさらに高まってまいりました。こうした背景を受け、中長期的な成長に向けた大型の設備投資に着手し、また営業活動においても、新型コロナウイルスによる制約が緩やかに緩和されたことにより、積極的な営業展開が徐々に可能となってまいりました。これらにより、増収増益を確保し、利益面では過去最高益を更新いたしました。
株式会社ダイセキ環境ソリューションが手掛ける土壌汚染処理関連事業は、引続き、大都市圏における低価格競争は激しいものでしたが、同社の強みを生かしたコンサルティング営業等により高利益率案件の獲得に向けた営業活動を積極的に展開いたしました。さらには、大型インフラ整備関連事業や都市再開発案件を積極的に獲得することにより、利益率の改善を進め、増収増益を確保いたしました。
株式会社ダイセキMCRが手掛ける鉛リサイクル事業は、ほぼ100%の稼働状況、ならびに鉛相場の高止まりにより、採算は大きく改善し、増収増益を確保いたしました。また、システム機工株式会社が手掛ける大型タンク等の洗浄事業は、引続きほぼ100%の稼働を続けながら継続的にシェア拡大を図り、増収増益を確保いたしました。また、今後の事業拡大のために、引続き人材確保ならびに教育を強化し、設備増強も図ることにより、次期以降の事業拡大の準備を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高56,867百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益12,940百万円(同26.3%増)、経常利益13,118百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,376百万円(同28.4%増)と増収増益を確保し、いずれも過去最高の業績となりました。、
また、当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べ3,508百万円増加し99,264百万円となりました。これは、資産の部におきましては、主に投資有価証券573百万円が減少したものの、有形固定資産1,534百万円、長期預金1,500百万円、受取手形及び売掛金464百万円が増加したこと等によります。負債は15,821百万円と前連結会計年度末に比べ781百万円増加いたしました。これは主に長期借入金706百万円が減少したものの、電子記録債務792百万円、未払法人税等694百万円が増加したこと等によります。純資産は83,443百万円と前連結会計年度末に比べ2,726百万円増加いたしました。これは主に自己株式の取得と消却等による自己株式の増加等により1,528百万円減少したものの、利益獲得等により利益剰余金が3,484百万円、非支配株主持分が766百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当社グループは、環境関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得11,699百万円、投資活動による資金の支出3,827百万円、財務活動による資金の支出7,620百万円により、前連結会計年度末に比べ251百万円増加し、当連結会計年度末には33,914百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に法人税等の支払額3,364百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益13,037百万円、減価償却費2,384百万円等により、総額では11,699百万円の収入(前年同期比19.5%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入1,201百万円等があったものの、有形固定資産の取得による支出3,337百万円、定期預金の預入による支出1,683百万円等により、総額では3,827百万円の支出(前年同期は981百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出4,120百万円、配当金の支払額2,397百万円、長期借入金の返済による支出802百万円等により、総額では7,620百万円の支出(前年同期比149.9%増)となりました。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、環境関連事業の単一セグメントであります。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.処理実績等にて記載しております。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える重要な見積りは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大により、以下の見積りに重要な影響を与える事象は発生しておりません。
しかしながら、今後の事業に与える影響につきましては、継続的に注視していく必要があるものと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産の計上に際して、将来の課税所得の見積りに基づいて回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分については、評価性引当額として繰延税金資産を計上しておりません。繰延税金資産の回収可能生の検討にあたっては、期末時点で入手可能な情報に基づき最善の見積りを行っておりますが、経済環境の変化や収益性の低下などにより将来の課税所得が見込みを下回る場合、繰延税金資産を減額する可能性があります。
(財政状態の分析)
当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べ3,508百万円増加し99,264百万円となりました。これは、資産の部におきましては、主に投資有価証券573百万円が減少したものの、有形固定資産1,534百万円、長期預金1,500百万円、受取手形及び売掛金464百万円が増加したこと等によります。負債は15,821百万円と前連結会計年度末に比べ781百万円増加いたしました。これは主に長期借入金706百万円が減少したものの、電子記録債務792百万円、未払法人税等694百万円が増加したこと等によります。純資産は83,443百万円と前連結会計年度末に比べ2,726百万円増加いたしました。これは主に自己株式の取得と消却等による自己株式の増加等により1,528百万円減少したものの、利益獲得等により利益剰余金が3,484百万円、非支配株主持分が766百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(経営成績の分析)
当連結会計年度の売上高は56,867百万円(前連結会計年度は51,530百万円)となり、5,337百万円増加いたしました。また、売上原価は37,629百万円(前連結会計年度は35,205百万円)となり、2,423百万円増加いたしました。これは主に当社グループの主力事業である工場廃液を中心とした産業廃棄物の処理業が、国内鉱工業生産の回復とともに受注量・工場稼働率が昨年度より上昇傾向となったことによります。また、原油価格の高騰によるエネルギー価格上昇の影響により、当社の生産するリサイクル燃料等の価格も上昇傾向をたどりました。さらには、世界的にカーボンニュートラルへの動きが本格化する中、当社のリサイクル中心の処理方法やリサイクル燃料に対する社会的評価はさらに高まってまいりました。こうした背景を受け、中長期的な成長に向けた大型の設備投資に着手し、また営業活動においても、新型コロナウイルスによる制約が緩やかに緩和されたことにより、積極的な営業展開が徐々に可能となったことによります。
販売費及び一般管理費は6,297百万円(前連結会計年度は6,082百万円)となり、215百万円増加いたしました。これは主に人件費等が増加したためであります。
これらの結果、営業利益は12,940百万円(前年同期比26.3%増)、経常利益は13,118百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,376百万円(同28.4%増)、ROE(自己資本利益率)は11.1%(前連結会計年度は9.0%)となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、産業廃棄物中間処理、製品の製造に使用する原材料の購入や製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な研究開発のための費用であります。また、長期性の資金需要は、工場等の設備の投資であります。
これらの運転資金や設備資金は、自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関等より調達していく考えであります。
⑤ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度におきましては、連結ROEは11.1%(前連結会計年度は9.0%)となりました。引続き連結ROEの継続的な向上に向け、効率的な事業経営に取り組んでまいります。
お知らせ