(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度(2020年12月1日~2021年11月30日)における経営環境は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、景気の持ち直しが期待されているものの、同感染症の新たな変異株が発生し、各地で感染が再拡大するなど、依然として不透明な状況が続きました。
このような状況の中、主に服飾資材と生活産業資材を扱う当社グループにおきましては、百貨店・量販店による休業や在庫調整、当社主力商品のハトメ・ホックの原材料である銅などの原材料費の高騰、半導体不足による自動車メーカーの減産・生産停止といった当社グループにとって厳しい状況でありました。しかし一方で、流行に左右されないベビー服、メディカルウェア、作業服関連のビジネスが好調に推移しました。また、廃漁網をリサイクルした素材「リアミド®」を使用した付属品・生地の開発・販売をはじめとしたモリトグループの環境へのコミット「C.O.R.E.」の推進、スケートボード、ヨガ、フィッシングといったスポーツ・レジャー関連商品への注力など、新たな事業活動を通じた「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成と収益力の強化、不採算事業の見直しを継続的に尽力してまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高436億3千6百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益16億1千9百万円(前年同期比89.1%増)、経常利益18億3千4百万円(前年同期比97.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億7百万円(前年同期比199.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度における、海外子会社の連結財務諸表作成に係る収益及び費用の換算に用いた為替レートは、次のとおりです。
(注) () 内は前年同期の換算レートです。
セグメントの業績は次のとおりです。
(日本)
服飾資材関連では、バッグ・靴向け付属品の売上高が減少しましたが、作業服向け付属品、スポーツウェア向け付属品、レジャー関連商品向け付属品の売上高は増加しました。
生活産業資材関連では、自動車内装部品、均一価格小売店向け商品、マウスパッドなどのPC関連商品、サーフィン・スケートボード関連商品の売上高が増加しました。
その結果、売上高は302億2千9百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
(アジア)
服飾資材関連では、中国・香港での北欧向け作業服関連付属品、欧米向けベビー服関連付属品、大手量販店向け付属品の売上高が増加しました。
生活産業資材関連では、中国での日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が減少しました。
その結果、売上高は80億5千4百万円(前年同期比11.5%増)となりました。
(欧米)
服飾資材関連では、作業服向け付属品、レジャー関連商品向け付属品の売上高が増加しました。
生活産業資材関連では、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が増加しました。
その結果、売上高は53億5千3百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりです。
総資産は、459億3千8百万円となり前連結会計年度末比22億3千8百万円増加しました。
流動資産につきましては、269億5千7百万円となり前連結会計年度末比14億6千1百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が9億7千8百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が6億9千2百万円増加したこと、原材料及び貯蔵品が1億4千1百万円増加したこと、商品及び製品が3億4千8百万円減少したことによります。
固定資産につきましては、189億8千万円となり前連結会計年度末比7億7千8百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が5億4千4百万円増加したこと、土地が5億1千7百万円増加したこと、のれんが1億2千9百万円減少したことによります。
流動負債につきましては、75億7百万円となり前連結会計年度末比5億8千万円増加しました。これは主に、未払法人税等が3億8千5百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が1億9千7百万円増加したことによります。
固定負債につきましては、45億1千5百万円となり前連結会計年度末比2億4千1百万円減少しました。これは主に、長期借入金が3億9千4百万円減少したこと、繰延税金負債が2億9百万円増加したことによります。
純資産につきましては、339億1千4百万円となり前連結会計年度末比18億9千9百万円増加しました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度の73.1%から73.7%と0.6ポイント増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、26億4千4百万円の収支プラス(前連結会計年度24億6千2百万円の収支プラス)となりました。これは主に、売上債権の増加により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の獲得及び減価償却費の計上により資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億1百万円の収支マイナス(前連結会計年度1千6百万円の収支マイナス)となりました。これは主に、投資有価証券の売却により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得により資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、13億8千万円の収支マイナス(前連結会計年度18億7千8百万円の収支マイナス)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出、配当金の支払及び社債の償還による支出により資金が減少したものであります。
上記の結果、現金及び現金同等物は前期末に比べて9億6千8百万円増加し、期末残高は110億2千万円となりました。
当社グループのうち連結子会社において生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注状況につきましては記載しておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
イ 売上高
売上高につきましては、前連結会計年度に比べ29億9百万円増加し、436億3千6百万円(前年同期比7.1%増)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
営業利益は前連結会計年度に比べ7億6千3百万円増加し、16億1千9百万円(前年同期比89.1%増)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が6千3百万円増加(前年同期比0.7%増)したものの、売上高が増加したことに伴い売上総利益が8億2千7百万円増加(前年同期比7.8%増)したことによります。
営業外損益は、前連結会計年度に比べ1億4千2百万円増加し、2億1千4百万円となりました。これは主に、雇用調整助成金が4千8百万円増加したこと、持分法による投資利益が2千7百万円増加したこと、為替差損が2千5百万円減少したことによるものであります。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ9億6百万円増加し、18億3千4百万円(前年同期比97.6%増)となりました。
特別損益は前連結会計年度に比べ4億9百万円増加し、2億8千7百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益が3億6千3百万円増加したこと、固定資産売却損が1千7百万円減少したこと、新型コロナウイルス感染症による損失が1千7百万円減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ9億3千7百万円増加し、14億7百万円(前年同期比199.3%増)となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループにおける資金需要の主なものは、資材・商品等の仕入・調達費用、販売費及び一般管理費等の運転資金及び新規設備や新規事業等への投資資金であります。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉に自己資金調達を原則とする方針であります。多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
当社グループにおきまして、当連結会計年度は『存在価値を創造する、あたらしい「モリトグループ」の実現』を経営ビジョンとしてまいりました。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、経済活動に一定の制限が生じておりますが、第8次中期経営計画(2022年11月期から2026年11月期の5年間)にて定めました2026年11月期連結売上高500億円、連結営業利益25億円を目指し、移り変わりの早い市場や新しい生活様式にも対応すべく各種施策に取り組んでまいります。
2022年11月期の当社グループの通期見通しにつきましては、感染症の流行再拡大、米中貿易摩擦など、世界経済の先行きが不透明な中ではありますが、基軸商品に加え、機能性、サステナブルやエコにこだわった付加価値商品の販売に注力し、連結業績は2021年11月期を上回る、売上高450億円、営業利益18億円、経常利益18.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益14.5億円を予想しております。
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