(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う各種感染拡大防止措置が断続的に繰り返されたことにより、長期にわたり経済活動が抑制されましたが、その後のワクチン接種の普及等により状況の改善は見られたものの、新たな変異株の発生やウクライナ情勢に起因する地政学リスクの高まり等により、依然として先行きが不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、お客様や従業員の安心安全を考慮し、衛生管理の徹底とソーシャルディスタンスの推進等の感染防止への取り組みを引き続き実施し、人員配置の効率化等、各種経費削減にも努めてまいりました。
また、当社グループが持続的成長と企業価値向上を実現するために、中食・内食への対応、及び当社グループが長年提供してまいりましたコーヒーとの親和性が高い「パン」の製造及び販売を開始するにあたり、2021年9月BAKERY HINATA大宮大成町店、12月BAKERY HINATA相武台店を新規オープンいたしました。
さらに、景気変動等の業績に大きな影響を及ぼすリスクの軽減化、収益の増大化による財務基盤の安定化を図るための事業の多角化の一環として、株式会社シャトレーゼとの間で「シャトレーゼ」のフランチャイズ契約を締結いたしました。
今後も、さらにお客様に求められる価値観を提供し続けることが出来るよう、より高品質の商品やホスピタリティあふれるサービスの提供に努めてまいります。
店舗数につきましては、2021年6月ミヤマ珈琲大宮大成町店、9月銀座2丁目店、11月新宿アルタ横店を閉店いたしましたので101店舗となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ808百万円増加し、6,865百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ488百万円増加し、3,269百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ320百万円増加し、3,595百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,557百万円(前期比9.2%増)、営業損失1,237百万円(前期は1,960百万円の営業損失)、経常損失45百万円(前期は1,927百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益347百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,368百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,120百万円となり前連結会計年度末に比べ1,378百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは410百万円の収入(前年同期は1,732百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を410百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは586百万円の収入(前年同期は187百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が582百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは381百万円の収入(前年同期は1,625百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が500百万円あったことによるものであります。
③仕入及び販売の実績
当社グループの事業は喫茶等事業の単一セグメントでありますので品目別に記載しております。
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前期比(%) |
喫茶等事業 |
|
|
飲料・食品 |
590,997 |
118.4 |
雑貨 |
21,898 |
164.9 |
合計 |
612,896 |
119.7 |
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前期比(%) |
喫茶等事業 |
|
|
飲料・食品 |
4,528,121 |
109.0 |
雑貨 |
27,689 |
171.8 |
その他 |
1,563 |
94.4 |
合計 |
4,557,374 |
109.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(流動資産)
流動資産は、3,427百万円となり前連結会計年度末に比べ1,241百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,378百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、3,438百万円となり前連結会計年度末に比べ433百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が271百万円、敷金及び保証金が96百万円、繰延税金資産が28百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、2,278百万円となり前連結会計年度末に比べ6百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が60百万円減少したものの、賞与引当金が25百万円、未払法人税等が13百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、991百万円となり前連結会計年度末に比べ481百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が500百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、3,595百万円となり前連結会計年度末に比べ320百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が347百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.7%減少し、51.7%となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて383百万円(前期比9.2%増)増加し、4,557百万円となりました。
(営業損失)
当連結会計年度の営業損失は、1,237百万円(前年同期は1,960百万円の営業損失)となりました。これは主に売上高が383百万円増加したことによるものであります。
(経常損失)
経常損失は、45百万円(前年同期は1,927百万円の経常損失)となりました。これは主に助成金収入が1,096百万円あったことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、347百万円(前年同期は2,368百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは主に減損損失が142百万円あったものの、固定資産売却益を579百万円計上したことによるものであります。
また、1株当たり当期純利益は、56.87円(前年同期は387.70円の1株当たり当期純損失)となりました。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況)
2019年度57期が前中期5か年計画最終年度であり、店舗数150店舗、年商100億円の中期目標は未達でございました。57期第4四半期に58期以降の新たな中期計画を検討中に新型コロナウイルス感染症の影響が出始め、経営環境は急激に厳しい状況へと変化し始めました。58期以降は業績改善を最優先として活動してきましたが、長期化している新型コロナウイルス感染症の影響は現在も続いており、先行き不透明な状況でもあることから中期計画は検討しておりますが、確定はしておりません。
c.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、喫茶業への依存、出店政策、仕入価格の変動、人材の採用及び育成等があります。
ア)喫茶業への依存
当社グループは喫茶事業の単一セグメントである為、喫茶事業を取り巻く環境の影響を受けやすい構造にあり、拡大する市場の中でシェアを確保していく施策が機能しなかった場合は、業績に影響を与える要因となります。シェアを確保していく為に関東地区に重点をおきつつ全国展開も視野に入れて出店を行う方針です。また、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛要請や緊急事態宣言は、喫茶事業に大きな影響を与えており、収束の時期が不透明であるため来店客数が平常時までに回復するには相当の期間を要するものと思われます。しかしながら、喫茶事業で前へ進んでいく為に出来る限りの感染拡大防止策を講じ、当社グループの理念であるホスピタリティサービスの提供に努めてまいります。
イ)出店政策
店舗の収益性は立地選定の成否に大きく影響します。当社グループの新規出店先の選定に関しましては、入居保証金や賃借料等の出店条件、商圏人口等を総合的に勘案の上決定し個別店舗の採算を重視した店舗展開を行っており、出店条件に合致する物件がなければ出店数が減少し業績に影響を与える要因となります。出店先の確保に向けては情報網を駆使し、収益性の高い店舗の選定をしていく最大限の努力をしてまいります。
ウ)仕入価格の変動
当社グループの主要商品であるコーヒー豆の価格は、相場における需給の状況、生産地の政治経済の情勢、天候等の影響を受けて変動します。このコーヒー豆を含む商品の仕入価格が高騰した場合、業績に影響を与える要因となります。
エ)人材の採用及び育成
当社グループは、ホスピタリティサービスを提供することを経営理念のひとつに掲げていることから、人材の採用及び育成が重要課題であるとの認識のもと、様々な施策を実施しておりますが、最近の採用難による人手不足や教育が計画どおり行えない場合に業績に影響を与える要因となります。働き方の多様性や雇用形態の多様性等についての整備を進め、定着率を高めるとともに更なる人材の教育に力を注いでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入原価、店舗の賃借料、人件費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、有形固定資産の取得、敷金、保証金の差入等によるものであります。また、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または金融機関からの短期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,485百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,120百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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