業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せず説明しております。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが見られたものの、感染収束の見通しは依然として立っておらず、また、地政学リスク等わが国に与える影響もあり、先行き不透明な状況が続きました。

このような環境の下、当社グループでは、当連結会計年度よりスタートした中期3ヵ年経営計画(「コネクト2030~商品・顧客・社会を繋ぐ」を戦略目標)に沿って、製造機能を活かした商品力の向上や来店目的を明確にした「デスティネーション・ストア」への転換を進めました。顧客との接点強化の柱の一つである自社電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」会員は376万人、Lu Vitアプリ登録会員は53万人となりました。EC(電子商取引)につきましては、2021年6月30日にアマゾンジャパン合同会社との協業により開始したネットスーパーが順調な伸びを示し、商圏シェアの拡大にも寄与しました。なお、当連結会計年度末現在のグループ店舗数は1,294店舗となっております。

また、中長期経営方針に掲げる「サステナビリティ・ビジョン 2030」の下、太陽光発電設備の導入拡大など、持続可能な社会への基盤強化を図りながら、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同表明とTCFD提言に基づく情報開示を行い、取締役会の下部組織に社会貢献サステナビリティ委員会を設置しました。さらに、従業員の健康・労働環境への配慮等を重視してグループ健康管理室を組成し、ビジョンを推進・実行する体制を整えました。

その結果、当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(自2020年4月1日

  至2021年3月31日)

当連結会計年度

(自2021年4月1日

  至2022年3月31日)

営業収益

730,168百万円

732,519百万円

営業利益

25,648百万円

21,205百万円

経常利益

28,397百万円

24,140百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

12,592百万円

9,014百万円

 

 

連結業績の分析

① 営業収益

営業収益は、7,325億19百万円(前年同期7,301億68百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、営業収益は200億74百万円減少しております。スーパーマーケット事業では、商品力を高め、「デスティネーション・ストア」への改装を進めるなか、生鮮・惣菜部門の強化を支える食品加工業及び卸売業が貢献するとともに、前期から当期にかけて子会社化した企業が寄与しました。一方、ホームセンター事業では、前年のコロナ禍における外出自粛及び感染対策により拡大した売上の反動減が見られました。

 

② 営業利益

営業総利益は、2,122億63百万円(前年同期2,106億13百万円)となり、販売費及び一般管理費は、店舗の新設・改装に伴う施設費及び人件費の増加等により、1,910億57百万円(前年同期1,849億64百万円)となりました。

これらの結果、営業利益は212億5百万円(前年同期256億48百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、営業利益は22百万円減少しております。営業収益営業利益率は2.9%となり、前年同期に比べて0.6ポイント低下しました。

 

 

③ 経常利益

営業外収益は46億3百万円(前年同期46億98百万円)となり、営業外費用は16億68百万円(前年同期19億50百万円)となりました。

これらの結果、経常利益は241億40百万円(前年同期283億97百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、経常利益は22百万円減少しております。営業収益経常利益率は3.3%となり、前年同期に比べて0.6ポイント低下しました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益8億41百万円(前年同期8億98百万円)及び特別損失43億24百万円(前年同期47億51百万円)の計上により、税金等調整前当期純利益は206億57百万円(前年同期245億44百万円)となりました。また、法人税等の合計は94億7百万円(前年同期90億83百万円)、非支配株主に帰属する当期純利益は22億35百万円(前年同期28億68百万円)となりました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は90億14百万円(前年同期125億92百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、親会社株主に帰属する当期純利益は7百万円減少しております。

 

セグメント別の経営成績

営業収益

 

前連結会計年度

(自2020年4月1日

  至2021年3月31日)

当連結会計年度

(自2021年4月1日

  至2022年3月31日)

スーパーマーケット(SM)事業

396,248百万円

405,537百万円

ドラッグストア事業

150,575百万円

152,474百万円

ホームセンター(HC)事業

130,177百万円

122,947百万円

スポーツクラブ事業

9,146百万円

9,847百万円

流通関連事業

11,269百万円

10,451百万円

その他の事業

32,752百万円

31,260百万円

合計

730,168百万円

732,519百万円

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

営業利益又は営業損失

 

前連結会計年度

(自2020年4月1日

  至2021年3月31日)

当連結会計年度

(自2021年4月1日

  至2022年3月31日)

スーパーマーケット(SM)事業

16,103百万円

14,908百万円

ドラッグストア事業

3,978百万円

2,950百万円

ホームセンター(HC)事業

7,327百万円

5,061百万円

スポーツクラブ事業

△1,933百万円

△559百万円

流通関連事業

3,210百万円

3,206百万円

その他の事業

2,703百万円

2,510百万円

セグメント間取引消去

△4,598百万円

△5,322百万円

全社費用等(注)

△1,142百万円

△1,549百万円

合計

25,648百万円

21,205百万円

 

(注) 全社費用等は、主に関係会社からの配当収入及び報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

 

 

<スーパーマーケット(SM)事業>

SM事業の営業収益は4,055億37百万円(前年同期3,962億48百万円)、営業利益は149億8百万円(前年同期161億3百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業収益は58億63百万円減少しましたが、営業利益への影響は軽微であります。

株式会社バローでは、28店舗を「デスティネーション・ストア」へと改装し、生鮮食品部門の更なる強化を図り、既存店売上高(収益認識会計基準等の適用を除く)が前年同期比で1.1%増加しました。チラシに依存しないEDLP(エブリデー・ロー・プライス)を販売促進策とする店舗は、新店を含め65店舗となりました。惣菜を始めとするグループ製造商品やプライベート・ブランド商品の販売に注力するとともに、当社、株式会社アークス及び株式会社リテールパートナーズとの間で締結した資本業務提携の下、共同仕入・共同販売によるスケール・メリットの追求など、継続的な取り組みを進めました。なお、同事業のSM店舗につきましては、株式会社バローで3店舗を新設、3店舗を閉鎖、株式会社タチヤで2店舗を新設しました。当連結会計年度末現在のSM店舗数は、2021年10月に子会社化した株式会社八百鮮及び株式会社ヤマタの計13店を含め、グループ合計312店舗となっております。

同事業では、SM並びに惣菜専門店「デリカキッチン」等における好調な販売が続く中部フーズ株式会社、前期に子会社化した大東食研株式会社、当期に子会社化した株式会社八百鮮及び株式会社ヤマタが営業収益の拡大に寄与しました。営業利益につきましては、株式会社バローにおける改装費用や人件費の増加、株式会社タチヤの売上総利益の減少や開業費用の増加が影響しました。

 

<ドラッグストア事業>

ドラッグストア事業の営業収益は1,524億74百万円(前年同期1,505億75百万円)、営業利益は29億50百万円(前年同期39億78百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業収益は27億75百万円減少しておりますが、営業利益には影響しておりません。

同事業におきましては、38店舗を新設、9店舗を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計478店舗(うち調剤取扱136店舗)となりました。2021年9月に開設したV・drug岐阜大学病院前薬局(岐阜県岐阜市)では、服薬支援・医薬品情報提供など適切な調剤サービスを行うとともに、最新の調剤機器を導入し、好調に推移しております。また、岐阜県・愛知県を中心にPCR・抗原検査体制を整え、受託件数が伸長しました。

同事業では、消費行動の変化を踏まえて、Lu Vitアプリを活用した健康に関する情報発信や管理栄養士が考案したレシピ掲載、アプリ限定クーポンの配信を積極的に続けたほか、EC売上高も伸張しました。既存店売上高(収益認識会計基準等適用の影響を除く)は、マスク・衛生用品等の反動減から前年同期比1.9%減少となったものの、調剤部門が堅調に推移したほか、化粧品販売にも復調の兆しが見られました。営業利益につきましては、開業費用や人件費の増加が影響しました。

 

<ホームセンター(HC)事業>

HC事業の営業収益は1,229億47百万円(前年同期1,301億77百万円)、営業利益は50億61百万円(前年同期73億27百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、営業収益は47億円、営業利益は22百万円それぞれ減少しております。当連結会計年度に含まれるアレンザホールディングス株式会社の当該事業の業績は、2022年2月期 (2021年3月1日~2022年2月28日)を対象としております。なお、アレンザホールディングス株式会社の2022年2月期は収益認識会計基準等を適用していないため、同社の当該事業の業績につきましては、当社の連結決算時に組み替えて影響額を算定しております。

同事業におきましては、商品原価の改善に取り組むとともに、プライベート・ブランド商品の開発・販売を進めました。前期巣ごもり需要の反動減、2021年8月の天候不順等により、営業収益が前年同期を下回りました。店舗につきましては、株式会社ダイユーエイトで3店舗を新設、1店舗を閉鎖、株式会社ホームセンターバローでキャンプギア専門業態の第1号店「CAMP LINK岐阜店」(岐阜県岐阜市)を含む2店舗を新設、株式会社タイムで2店舗を新設し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計158店舗となっております。同事業では、建築資材が好調に推移しましたが、既存店売上高(収益認識会計基準等適用の影響を除く)は、株式会社ダイユーエイト、株式会社ホームセンターバロー及び株式会社タイムの3社で前年同期比3.0%減少しました。営業利益につきましては、売上減少に伴う売上総利益の減少が影響しました。

 

 

<スポーツクラブ事業>

スポーツクラブ事業の営業収益は98億47百万円(前年同期91億46百万円)、営業損失は5億59百万円(前年同期19億33百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業収益は1億95百万円減少しておりますが、営業利益には影響しておりません。

同事業では、緊急事態宣言区域の一部店舗で臨時休業や時短営業を行ったものの、感染対策を講じながら通常営業を行い、既存会員の維持や休会制度利用者の復帰促進に努めました。店舗につきましては、月会費を抑えたフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」9店舗(うちフランチャイズ運営7店舗)を新設、6店舗(うちフランチャイズ運営5店舗)を閉鎖し、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計193店舗(うちフランチャイズ運営59店舗)となっております。同事業では、前年に比べて休業店舗及び休業期間が少なく、損益分岐点の低減に向けての固定費削減への取り組み効果もあり、営業損失が縮小しました。

 

<流通関連事業>

流通関連事業の営業収益は104億51百万円(前年同期112億69百万円)、営業利益は32億6百万円(前年同期32億10百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、営業収益は18億83百万円減少しておりますが、営業利益には影響しておりません。

物流、資材卸売、設備メンテナンスなど、流通に関わる事業に携わるグループ企業では、店舗新設や改装に伴う什器導入や、経費削減及び環境負荷低減に繋がる設備への入れ替えを進めました。

 

<その他の事業>

その他の事業の営業収益は312億60百万円(前年同期327億52百万円)、営業利益は25億10百万円(前年同期27億3百万円)となりました。収益認識会計基準等の適用により、営業収益は46億56百万円減少し、営業利益への影響は軽微であります。当連結会計年度に含まれるアレンザホールディングス株式会社の当該事業の業績は、2022年2月期 (2021年3月1日~2022年2月28日)を対象としております。なお、アレンザホールディングス株式会社の2022年2月期は収益認識会計基準等を適用していないため、同社の当該事業の業績につきましては、当社の連結決算時に組み替えて影響額を算定しております。

同事業には、ペットショップ事業、不動産賃貸業、保険代理業、衣料品等の販売業等が含まれております。ペットショップ事業では、首都圏を中心に入居する商業施設が休業要請を受けて一部店舗で営業を自粛したものの、前年に比べて休業店舗及び休業期間は少なく、売上は堅調に推移しました。店舗につきましては、株式会社アミーゴで5店舗を新設、株式会社ホームセンターバローで2店舗を新設、2店舗を閉鎖、株式会社ジョーカーで1店舗を新設、1店舗を閉鎖したことにより、当連結会計年度末現在の店舗数はグループ合計115店舗となっております。

 

当連結会計年度末における総資産、負債及び純資産の残高、前期末対比の増減額及び増減要因は次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度
(2021年3月31日)

当連結会計年度
(2022年3月31日)

増減

総資産

404,458百万円

410,365百万円

5,907百万円

負債

249,267百万円

247,844百万円

△1,422百万円

純資産

155,190百万円

162,521百万円

7,330百万円

 

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ59億7百万円増加し、4,103億65百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が11億38百万円減少したものの、有形固定資産が71億38百万円増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ14億22百万円減少し、2,478億44百万円となりました。これは主に、当期における原状回復費用の増加に伴い、新規出店及び資産除去債務に係る見積りの変更により資産除去債務が28億0百万円増加したものの、未払法人税等が43億67百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ73億30百万円増加し、1,625億21百万円となりました。なお、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は1,485億87百万円となり自己資本比率は36.2%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ64億82百万円減少し、228億67百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ197億76百万円減少243億61百万円となりました。

これは主に前連結会計年度末に比べて、法人税等の支払額が56億18百万円増加したことに加え、税金等調整前当期純利益38億87百万円、仕入債務38億80百万円、未払金及び未払費用28億5百万円及び未払消費税等20億11百万円がそれぞれ減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ14億7百万円減少し、267億29百万円となりました。

これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が13億77百万円増加したものの、新規出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出が26億41百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ63億57百万円減少し、41億15百万円となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出が17億64百万円増加したものの、長期借入れによる収入が96億43百万円増加したことによるものであります。

 

③ 販売及び仕入の実績

a. 販売実績

セグメント別営業収益

セグメントの名称

営業収益(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット(SM)事業

405,537

ドラッグストア事業

152,474

ホームセンター(HC)事業

122,947

スポーツクラブ事業

9,847

流通関連事業

10,451

その他の事業

31,260

合計

732,519

 

(注) 1.当連結会計年度の期首より収益認識会計基準等を適用しております。この結果、前連結会計年度と収益等の会計処理が異なることから、前年同期比は記載しておりません。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 

b. 商品仕入実績

セグメント別商品仕入

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット(SM)事業

239,297

ドラッグストア事業

105,416

ホームセンター(HC)事業

85,149

スポーツクラブ事業

912

流通関連事業

14,146

その他の事業

15,219

合計

460,142

 

(注) 1.当連結会計年度の期首より収益認識会計基準等を適用しております。この結果、前連結会計年度と収益等の会計処理が異なることから、前年同期比は記載しておりません。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益7,325億19百万円(前年同期7,301億68百万円)、営業利益212億5百万円(前年同期256億48百万円)、経常利益241億40百万円(前年同期283億97百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益90億14百万円(前年同期125億92百万円)となりました。当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用しておりますが、営業収益は27期連続増収で過去最高となりました。一方、営業利益以下の各段階利益は減少し、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失43億24百万円の計上及び株式会社アクトスの繰延税金資産の取崩しに伴う法人税等調整額18億97百万円の計上が影響しました。なお、特別損失には、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づく減損損失33億8百万円を計上しております。

経営成績に対するセグメント別の影響を測るために、収益の会計処理が異なるものの、前連結会計年度の営業収益と単純比較をした場合、増収分(23億50百万円)に対する主要セグメントの内訳は、スーパーマーケット事業が92億89百万円、ドラッグストア事業が18億99百万円の増収、ホームセンター事業が72億30百万円の減収となりました。スーパーマーケット事業では、前期に子会社化した大東食研株式会社、当期に子会社化した株式会社八百鮮及び株式会社ヤマタが寄与したほか、生鮮食品・惣菜の強化を下支えする食品製造業及び卸売業が伸張しました。なお、中核の株式会社バローでは、内食需要が徐々に落ち着きを見せる中で既存店売上高(収益認識会計基準等の影響を除く)が前期に続いて伸張し、「デスティネーション・ストア」への転換を目的とした既存店改装効果が持続しました。ドラッグストア事業では、マスク・衛生用品等の反動減もあり、既存店売上高(収益認識会計基準等の影響を除く)は減少しましたが、前期から当期にかけての高水準の出店が増収に寄与しました。一方、ホームセンター事業では、巣ごもり需要の反動減や2021年8月の天候不順が影響し、第2四半期連結累計期間を中心に減収となりました。

同様に、前連結会計年度の営業利益と単純比較をした場合、減益分(44億43百万円)に対する主要セグメントの内訳は、ホームセンター事業が22億66百万円、スーパーマーケット事業が11億94百万円、ドラッグストア事業が10億27百万円の減益となりました。ホームセンター事業では、売上減少に伴う売上総利益の減少、スーパーマーケット事業及びドラッグストア事業では、店舗の新設・改装に伴う施設費及び人件費の増加が影響しました。特需の反動減等の一時的な影響があったものの、スーパーマーケット事業における生鮮食品・惣菜の強化、ドラッグストア事業における調剤事業の拡大、ホームセンター事業におけるプライベート・ブランド商品の開発推進など、売上総利益率の向上に繋がる中期的な取り組みが継続しました。一方、原油価格・原材料価格の上昇、為替市場の変動等を受けて、第4四半期連結会計期間を中心に建築費用や水道光熱費に上昇の兆しが見られたことから、経費低減を更に進め、変化への耐性を高める必要があると考えております。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が続いたスポーツクラブ事業の営業損失は5億59百万円となりました。前期に比べて臨時休業や時短営業の期間が少なく、固定費低減への取り組み効果もあり、営業損失は縮小しました。但し、今後の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取崩し、法人税等調整額を計上しております。経済社会活動の正常化が進む中で、同事業の収益の早期適正化が継続的かつ重要な課題と捉えております。

財政状態につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ59億7百万円増加し、4,103億65百万円となりました。これは主に、有形固定資産等の営業活動に係る資産の増加によるものです。負債の部において、有利子負債は、前連結会計年度末に比べ45億72百万円増加し、1,254億56百万円となりました。また、純資産の部において、非支配株主持分及び新株予約権を除く純資産は1,485億87百万円となり、自己資本比率は36.2%となりました。これらの結果、デット・エクイティ・レシオは0.8倍となり、前期と同水準にとどまりました。なお、2024年3月期を最終年度とする中期3ヵ年経営計画の財務政策では、デット・エクイティ・レシオ0.6倍を目処に有利子負債を圧縮することを財務規律としております。

経営効率につきましては、ROAが前期の7.2%から5.9%へ、ROEが前期の9.2%から6.2%へ低下しました。ROAの低下は、経費率の上昇により営業収益経常利益率が前期の3.9%から3.3%へ低下したこと、ROEの低下は、親会社株主に帰属する当期純利益の減少により、営業収益当期純利益率が前期の1.7%から1.2%へ低下したことによるものです。なお当社は、資本コストをより意識した経営へ移行するため、経営効率指標として新たに投下資本利益率(ROIC)を採用しておりますが、ROICも前期の6.0%から4.1%へ低下しました。既述の中期3ヵ年経営計画の定量目標としてROE9.3%、ROIC6.3%を掲げておりますが、その達成には本業利益の拡大と店舗に係る固定資産の減損損失縮小の双方が課題と考えております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりで、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は228億67百万円となりました。

キャッシュ・フローの創出及び資金使途については、中期3ヵ年経営計画の財務政策において、営業活動によるキャッシュ・フローの創出は3ヵ年累計1,000億円以上、M&Aを除く設備投資額は3ヵ年累計850億円程度としております。資金使途は新店投資45~50%、既存店投資35%程度、DX関連を含むその他投資15~20%の構成を予定しております。株主還元については、配当性向25%を目処に安定的かつ継続的に行うことを基本としております。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは243億61百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは267億29百万円の支出となり、フリー・キャッシュ・フローはマイナスに転じました。設備投資額は前期と同水準の305億72百万円となりましたが、資金使途は支払ベースの構成比において変化が見られました。既存店投資は引き続き約50%を構成しましたが、新店投資は前期の約30%から既存店投資と同水準の構成へ高まりました。

なお、当社グループの主な資金需要は、事業活動に必要な運転資金(商品仕入に伴う決済資金、販売費及び一般管理費等の営業費用)及び設備投資(新店投資、既存店の改装費用等)であり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入や社債等による資金調達を行うこととしております。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、グループ内資金の活用を基本として、子会社の資金を含め一元管理を行い、当社グループ内の資金需要に備えるとともに、資金の短期流動性を確保するため、取引金融機関と総額649億円の当座貸越契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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