当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(業績等の概要)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引上げていく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していくことが期待されます。しかしながら、感染症が内外経済を下振れさせるリスクに十分な注意が必要であり、また、金融資本市場の変動影響等、先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による生活様式の変化や個人消費の低下が依然として続く中、原油価格の高騰による輸送コストの増大や原材料価格の値上げによる食料品の調達価格の上昇等、厳しい状況が続いております。
このような状況の中で当社グループは、スーパーマーケットとして地域社会の人々により充実した生活を提供すべく、「Better Quality & Lower Price」を掲げ、おいしく鮮度の良い商品の販売、価格訴求及びお客さまに支持され信頼される店舗づくりを推進いたしました。
主な取り組みにつきましては、以下のとおりであります。
販売政策におきましては、各種感染拡大の防止策を講じながら通常営業を継続し、商品供給に努め、地域のライフラインとしての役割を果たしてまいりました。4月にはベルクカード会員様200万人突破を記念し、豪華賞品が当たる大型のキャンペーンや、SNSを用いた商品の紹介等を行い、お客さまの来店動機を高めてまいりました。ネットスーパー「ベルクお届けパック」、お客さまのレジ待ちを解消しスマートなお買い物ができるサービス「スマベルク」は導入店舗を順次拡大し、利便性向上を図ってまいりました。また、移動スーパー「とくし丸」は、さらに拡大展開し、高齢者等に対する買物支援の取り組みを進めました。
商品政策におきましては、商品に特化したイメージチラシを作成することにより、こだわり商品の訴求を行い、また、自社ブランド「くらしにベルク kurabelc(クラベルク)」の取扱いを拡大し、毎日の暮らしにうれしい商品をお求めやすい価格にて順次発売いたしました。
店舗運営におきましては、当社最大の特長である標準化された企業体制を基盤にLSP(作業割当システム)の定着化、適正な人員配置、省力器具の活用による効率的なチェーンオペレーションを推進いたしました。
店舗投資におきましては、新店を4店舗、2021年7月に埼玉県戸田市に「戸田氷川町店」、10月に群馬県太田市に「フォルテ太田店」、11月に神奈川県相模原市に「相模原宮下本町店」、2022年1月に埼玉県飯能市に「飯能阿須店」を新規出店いたしました。また、既存店7店舗の改装を実施し、惣菜及び簡便商品の拡充、快適なお買い物空間を提供するための設備の更新を行いました。なお、2021年3月埼玉県幸手市の「幸手南店」を閉店し、2022年2月末現在の店舗数は126店舗となりました。
物流体制におきましては、自社物流の強みを活かし、商品を産地やメーカーから大量一括調達することにより配送効率を高め、商品の価格強化、品質の安定化を目指しました。また、店舗作業に合わせた配送体制の見直しを引き続き行い、店舗運営の効率化に取り組みました。
一方、連結子会社である「株式会社ホームデリカ」では、2022年1月に最先端の機械やラインを導入した新第一工場の稼働をスタートさせました。今後は第二工場と共に、より一層おいしい商品の供給体制を構築し、店舗の効率化を図ってまいります。また、「株式会社ジョイテック」は、備品、消耗品及び販売用資材等の供給と開発、また、店舗の清掃業務等、当社グループのサービス業務の強化に取り組みました。
なお、業績の動向を踏まえ、収益性の低い1店舗について、減損損失157百万円を特別損失に計上しております。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、営業収益(売上高及び営業収入)が300,268百万円(前年比105.6%)、営業利益が13,072百万円(前年比109.6%)、経常利益が13,885百万円(前年比109.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益が9,187百万円(前年比104.1%)となりました。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16,656百万円増加し153,214百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,124百万円増加し27,380百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が4,421百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ12,531百万円増加し125,834百万円となりました。この主な要因は、土地が4,810百万円及び建物及び構築物が3,072百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ9,289百万円増加し69,564百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,476百万円増加し36,225百万円となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が984百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ7,812百万円増加し33,339百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が7,916百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ7,366百万円増加し83,650百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が7,330百万円増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,421百万円増加し、11,791百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、17,059百万円となり、前年同期に比べ288百万円減少いたしました。これは、「仕入債務の増減額」が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、18,476百万円となり、前年同期に比べ4,474百万円増加いたしました。これは、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、5,838百万円となり、前年同期に比べ9,338百万円増加いたしました。これは、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
(注) 1 その他については、催事、ベーカリー部門ほかであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1 その他については、催事、ベーカリー部門ほかであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ15,363百万円増加し、297,019百万円(前年比105.5%)となりました。その主な要因は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止策を各種講じながら営業を継続し、商品供給に努め、地域のライフラインの役割を果たしたことによること、前連結会計年度に出店した7店舗が年間稼動したこと及び当連結会計年度に新規出店した4店舗が売上高の増加に寄与したこと等によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ3,394百万円増加し、75,099百万円(前年比104.7%)となりました。売上総利益率は、コロナ禍における消費者の生活防衛意識に応えるべく価格強化を継続的に実施したこと、子会社である株式会社ホームデリカ第一工場が再建に伴い年間稼働を行わなかったこと等により、前連結会計年度に比べ0.2ポイント低い25.3%となりました。
(営業収入)
当連結会計年度における営業収入は、前連結会計年度に比べ444百万円増加し、3,248百万円(前年比115.8%)と
なりました。
(営業総利益)
当連結会計年度における営業総利益は、前連結会計年度に比べ3,800百万円増加し、77,104百万円(前年比105.2
%)となり、売上高対営業総利益率は、前連結会計年度と同じ26.0%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2,660百万円増加し、64,031百万円(前年比104.3%)となりました。その主な要因は、店舗数の増加に伴う人員数の増加に伴う給与手当(前年差1,934百万円増・前年比109.3%)及び各種キャッシュレス決済への対応に伴う支払手数料(前年差562百万円増・前年比128.3%)等が増加したこと等によるものであります。売上高対販売費及び一般管理費率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント低い21.6%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ1,139百万円増加し、13,072百万円(前年比109.6%)
となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1,209百万円増加し、13,885百万円(前年比109.5
%)となり、売上高対経常利益率は、4.7%と適切な経費コントロールにより、目標とする経営指標である4.5%を
達成いたしました。
(特別損益)
当連結会計年度において、特別利益として、5百万円の計上をしております。内訳は固定資産売却益5百万円であ
ります。
また、特別損失として、293百万円の計上をしております。内訳は減損損失157百万円等であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,453百万円増加し、13,597百万円(前年比112.0%)となりました。
税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度に比べ1,094百万円増加し、4,410百万円(前年比133.0%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ359百万円増加し、9,187百万円(前年比104.1%)となりました。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しており、当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出でき、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び出店予定用地の取得を行いました。
当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と業容拡大のための成長投資を継続して計画しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
イ 固定資産の減損
当社グループは、店舗における営業活動から生じる損益が継続してマイナスである等減損の兆候がある店舗資産については減損損失の認識を判定し、減損損失の測定については各資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、今後市場環境について想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ロ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画における課税所得に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後将来の不確実な経済条件の変動等により課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
ハ 退職給付債務の算定
確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
ニ 資産除去債務の計上
当社グループは、主に店舗用土地建物の不動産賃借契約に伴う現状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しておりますが、今後新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載の通りであります。
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