課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、傘下に鞄・袋物 及び 財布・雑貨類の小売販売の株式会社東京デリカ、アクセサリー・雑貨の小売販売の株式会社カーニバルカンパニー、帆布製バッグ・小物の企画・製造・販売の株式会社三香堂、メンズバッグ・トラベルバッグのメーカーのアイシン通商株式会社、メンズバッグ・トラベルバッグの卸売販売のロジェールジャパン株式会社を擁しており、各事業会社の独立性を高めて権限 及び 責任を明確にし、グループシナジーを追求することによりグループ企業価値の最大化を目指してまいります。また、各事業会社はそれぞれの責任を全うし、独自性を発揮しながら利益の拡大、資本効率の向上を図ってまいります。

当社グループは「感動クリエーションカンパニー」を標榜し、メーカーの分野においては「感動する商品」の企画・製造に取り組み、ファッショングッズリテール分野においては最高レベルの商品のセレクト及びディスプレイ、店舗内装、接客等を実現した店舗の中でお客様に感動体験をしていただくことを使命として企業活動を行なってまいります。

当社グループの主たる事業内容は、鞄・袋物 及び 財布の企画・製造・小売販売であり、鞄・袋物業界に属しております。鞄・袋物業界の小売市場規模は2020年度で9,480億円、そのうち、鞄専門店の売上は2,980億円であります。(株式会社矢野経済研究所「鞄・袋物産業年鑑2021~2022年版」による) 

株式会社東京デリカは鞄専門店の中で第1位のシェアを有しております。ナショナルブランド商品を主力とした品揃え型の専門店として全国規模に出店しているのは株式会社東京デリカのみであり、売上高、店舗数において第2位以下の同業他社には大きな差をつけております。全国の有力商業施設の大半に出店をしておりますが、新規の大型商業施設には積極的に出店してまいります。また、アクセサリー、時計、ソックス、軽衣料、傘等の雑貨類にも積極的に取り組み、大型店舗での併設、単独店舗の出店を行なってまいります。

さらに、ナショナルブランド商品を中心とした品揃えと PB(プライベートブランド) 商品、 NPB(ナショナルプライベートブランド) 商品の強化に注力するとともに、新規業態開発に積極的に取り組み、さまざまな業態で自社競合を避けながら出店を行なってまいります。また、既存店舗の大型化・活性化に取り組み、近隣店舗の統合や不採算店舗の退店などにより、店舗網の整備、充実を図ってまいります。EC事業については、OMO (Online Merges with Offline) 施策を推進して店舗との融合を図るとともに、新規カテゴリーの導入に努め、売上の拡大を続けてまいります。

株式会社カーニバルカンパニーは、高感度のアクセサリー小売専門店を展開しております。駅ビル・ファッションビルには「Tees Cees」、郊外型の大型商業施設には「Banana」というショップブランドで出店しており、今後も立地を厳選しながら出店してまいります。

株式会社三香堂は、国内で企画・製造した商品を主として「日乃本帆布」というショップブランドの店舗で小売販売しております。出店立地は、駅ビル、観光地、高速道路のサービスエリア等であります。製造能力を増強し、商品開発、株式会社東京デリカへのコラボ商品の供給、新規出店等に注力し、「日乃本帆布」のブランドイメージの確立及び事業規模の拡大を図ってまいります。

当社グループの海外での店舗展開については、将来の進出を視野に入れて、情報収集・分析等を行なってまいります。

アイシン通商株式会社は、機能性・デザイン性に優れた商品開発、有力ブランドとの提携等により、市場競争力の高い商品の開発に努めてまいります。

ロジェールジャパン株式会社は、営業力を強化し、業容の拡大に努めてまいります。

さらに、事業領域の拡大を目指し、メーカー部門への進出や周辺業界への取 組みを行なってまいります。M&A等によりメーカー部門への進出を図り、当社グループの製造機能を拡充し、オリジナル商品開発力の強化や利益率の向上を図ってまいります。周辺業界への取 組みについては、株式会社東京デリカにおいて既存の事業との相乗効果を見込める分野の商品群を導入して来店客数の増加、店舗効率の向上、売上の拡大、店舗の大型化をつなげるとともに、当社グループとして、新たな子会社の設立や有望な企業のM&A等により独立事業として新しい分野の事業展開を図り、業容の拡大を図ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営指標として売上高、 営業利益 、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重視しております。2023年3月期については、売上高49,123百万円、 営業利益 2,092百万円、売上高営業利益率4.3%、自己資本利益率(ROE)4.6%を目標としております。

中期的には売上高営業利益率8%以上、ROE10%以上を安定的に達成することを目標としております。

 

(3) 経営環境と対処すべき課題

次期につきましては、国内外での新型コロナウイルス感染症の感染の収束の見通しが立たず、懸念材料となるのに加えて、ウクライナを巡る不安定な国際情勢、エネルギー価格や原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱等により、景気の先行きは不透明な状況となっております。国内においては、さらに円安の急激な進行もあり、物価の上昇傾向が顕著となり、消費活動はますます慎重さを増し、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続くものと思われます。

一方、コロナ禍での様々な社会活動の制限が徐々に緩和、撤廃されていくものと思われ、それに伴い、リアル店舗の売上が回復傾向となるものの、インバウンド、アウトバウンドの大幅な縮小は継続し、また、生活様式の変化等もあり、コロナ禍以前の売上水準まで回復するのは難しいと判断しております。

このような状況下ではありますが、当社グループは「復活そして進化」をテーマに掲げて、「収益力の回復」、「OMO施策の強化」、「持続可能社会実現のための施策」に取り組んでまいります。

「収益力の回復」については、リアル店舗は2期連続のコロナ禍での売上不振からの脱却と、好立地への新規出店、増床改装、店舗スタッフのデジタル発信力の強化等による売上の拡大、ECは新カテゴリーや新しいキャラクターとのコラボの導入、NPB商品の増強によるECモールの売上伸長、自社サイトの大幅な売上拡大を図ります。また、PB商品の売上拡大、仕入条件改善等による商品粗利益率の向上、同一商業施設内の複数店舗の集約化・大型化、赤字店舗の積極的な退店、ECモールサイトの効率的な運営、さらに、諸経費の見直しや削減等に取り組み、収益の拡大を図ります。

「OMO施策の強化」については、リアル店舗(offline)とネット(online)での体験をシームレスに結合してお客様の購買体験をサポートします。You Tuberなどを起用したインフルエンサーマーケティングをオンライン発信するとともに、リアル店舗の店頭でも同じイメージを打ち出して実際の商品を見られるようにし、また、オンラインでの詳細な商品情報をリアル店舗でもQRコードで閲覧できるようにし、購入はリアル店舗でも自社ECサイトでも選択可能とします。さらに、自社ECサイトでの購入商品をリアル店舗で受取ることができるようにします。

「持続可能社会実現のための施策」としてはPB商品におけるリサイクル資材の活用、環境負荷の少ない商品の開発、ブランドごとの社会貢献活動等の取り組み等を強化するとともに、包装資材のエコ化と簡素化、サプライチェーンの見直し、物流の効率化等を図ってまいります。

次期の見通しにつきましては、小売事業等につきましては商業施設の新設計画等をもとに、新規出店15店舗を見込み、期中退店15店舗を見込んでおります。新型コロナウイルス感染症の感染がある程度抑制され、感染拡大の第7波などが起きないことを前提として、既存店売上高はコロナ禍前の売上に対して1割減程度までの回復を見込んでおり、さらに個別の店舗の要因を加味して予測を行ない、売上高は当期比33.4%増を見込んでおります。また、売上総利益率については0.2ポイントの改善を見込んでおります。製造・卸売事業につきましては、売上高は当期比36.9%増を見込み、売上総利益率については1.8ポイントの低下を見込んでおります。

これらにより、当社グループの連結業績につきましては、売上高49,123百万円(当期比33.5%増)、営業利益2,092百万円(当期は営業損失903百万円)、経常利益2,132百万円(当期は経常損失776百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益1,164百万円(当期は親会社株主に帰属する当期純損失888百万円)を見込んでおります。

 

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