(1)経営成績等の状況の概要
①当期の経営成績
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化したものの、ワクチン接種の進展に伴い、経済活動は一時的に正常化に向かいましたが、新たな変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢に起因した経済制裁や資源価格の高騰等の影響により、先行きは依然不透明な状況が続いております。
こうした状況において、当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)における当社グループ連結業績は、酒販事業売上高が1,316億5百万円、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出により、営業時間の短縮や休業をしたことにより外食事業売上高は121億33百万円となり、連結売上高は1,434億20百万円(前年同期は1,500億3百万円)となりました。営業利益につきましては、酒販事業で49億14百万円、外食事業においては営業損失42億82百万円となり、連結営業利益は6億43百万円(前年同期は営業損失2億51百万円)となりました。連結経常利益は87億81百万円(前年同期比510.4%増)となりました。営業外収益につきまして、当社グループ会社のチムニー株式会社等が申請した雇用調整助成金15億93百万円と新型感染症拡大防止協力金64億57百万円を計上いたしました。
特別損失として、外食事業における休業期間中の人件費等として13億8百万円を計上いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益は44億1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失79億79百万円)
となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
当連結会計年度末において、酒販事業345店(前年同期比4店増)、外食事業721店(同74店減)、グループ合計店舗数1,066店(同70店減)を運営しています。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(酒販事業)
酒販事業における売上高は1,316億5百万円(前年同期は1,348億57百万円)、営業利益は49億14百万円(前年同期は62億27百万円)となりました。前年に引き続き、巣ごもり需要により売上は堅調に推移しましたが、効果が一巡したこともあり、前年の売上には及びませんでした。各自治体の自粛要請が長期化したことで、在宅需要が定着したこともあり、お客様に求められる商品にも変化があり、ノンアルコールや微アルコールなど健康を気にされる方への品揃えが必要となりました。10月には原材料価格の高騰などによる商品の値上げが相次ぎ、家計負担の増加に伴うお客様の節約志向が強まってきました。
「ウィズコロナ」の対応といたしましては、インターネットで事前にご注文を承り、車でご来店していただいて、受け取りができる「やまやドライブスルー」の展開、セミセルフレジへの切り替えを実施しました。
新規出店として、竜舞店(群馬県)、四街道店(千葉県)、小山羽川店(栃木県)、姫路勝原店、伊川谷店(兵庫県)の5店を開店しました。また、名取店(宮城県)を閉店しました。
これにより、2022年3月末における酒販事業の総店舗数は345店(前年同期比4店増)となりました。
(外食事業)
外食事業における売上高は121億33百万円(前年同期は157億64百万円)、営業損失は42億82百万円(前年同期は営業損失64億90百万円)となりました。
外食業界におきましては、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が9月末で解除されて以降、売上高は緩やかに回復していましたが、1月以降、新たな変異株の出現により再びまん延防止等重点措置が適用されることとなりました。また、外出及び会食の自粛、在宅勤務へのシフトに代表される勤務スタイルの変化、お客様の消費行動の変化、原材料価格・原油価格の高騰や人手不足など、業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に関する社会的責任を果たすべく、感染予防対策を徹底し、お客様と従業員の安全・安心を第一として、営業に努めてまいりました。
「ウィズコロナ」への対応としましては、食事需要及びご家族での利用に対応するとともに、テイクアウトスペースの設置、テイクアウト及びデリバリーメニューの強化、配膳ロボット、卓上サーバーの導入、スマホオーダーへの対応を進めてまいりました。また、お客様のニーズの変化に対応するため、FC店を中心として、ハイブリッド業態(例えば、はなの舞+焼肉牛星など、1店舗の中に2つの業態を取り入れた店舗)の店舗造りを進めました。
2022年3月末の飲食直営店は、376店(前年同期比35店減)、飲食FC店は、345店(同39店減)となり、飲食店の総店舗数は、721店(同74店減)となりました。
財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末と比較して33億62百万円(5.8%)増加し、609億77百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して50億2百万円(15.4%)増加し、375億40百万円となりました。
これは、現預金の51億27百万円の増加が主な要因です。
固定資産は前連結会計年度末と比較して16億39百万円(△6.5%)減少し、234億37百万円となりました。
総負債は、前連結会計年度末と比較して13億42百万円(△4.0%)減少し、318億93百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して33億70百万円(△12.0%)減少し、247億62百万円となりました。これは、未払法人税等が8億57百万円、未払消費税等が7億97百万円の減少が主な要因です。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して20億28百万円(39.7%)増加し、71億30百万円となりました。これは、長期借入金の23億50百万円の増加が主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末と比較して47億5百万円(19.3%)増加し、290億84百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の41.2%から45.0%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて51億27百万円(59.2%)増加し、137億91百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は、44億41百万円となりました(前年同期は使用した資金が5億円)。主な要因は、税金等調整前当期純利益が68億42百万円、新型感染症防止協力金の受取額が52億91百万円(前期は1億52百万円の受取額)あったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前年同期と比べ4億58百万円(△48.1%)減少し、4億94百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が10億54百万円(前期は11億15百万円の支出)、有形固定資産の売却による収入が1億43百万円(前期は5百万円の収入)、預り保証金の返還による支出が47百万円(前期は2億23百万円の支出)あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で得られた資金は、前年同期と比べ32億23百万円(△73.2%)減少し、11億80百万円となりました。主な要因は、長期借入金の借入による収入が25億円(前期は7億84百万円の収入)あったものの、短期借入金の純増減額が5億50百万円の減少(前期は45億50百万円の増加)となったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
酒販事業(百万円) |
105,742 |
97.9 |
外食事業(百万円) |
3,904 |
84.4 |
合計(百万円) |
109,647 |
97.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、他勘定振替等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
酒販事業(百万円) |
131,286 |
97.8 |
外食事業(百万円) |
12,133 |
77.0 |
合計(百万円) |
143,420 |
95.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。また、重要な見積りについては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
当社の経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 経営成績
当連結会計年度の当社グループの経営成績の分析は、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 当期の経営成績」に記載のとおりであります。
③ 財政状態
当連結会計年度の当社グループの財政状態の分析は、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 当期の経営成績」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは通常の運転資金などであります。
c.財務政策
当社グループは運転資金につきまして、自己資金又は金融機関からの借入にて資金調達をしております。金融機関からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案した調達を実施しております。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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