業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度において、当社グループは地域の金融機関とのアライアンスを強化し、地元企業や地方自治体向けに従来から行っている太陽光発電システムの材料調達・施工・販売・O&M(オペレーションアンドメンテナンス)の創エネ事業を推進する中で、LED照明や空調設備による省エネ事業、電力小売事業などトータルエネルギーソリューションの展開を進めつつ、FIT後の再生可能エネルギー市場に向けた、非FIT発電所建設の本格展開、グリーン電力供給、既存メガソーラーの再生販売等の新規事業に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度においては、売上高67,169百万円(前期比1.1%減)、営業利益7,770百万円(前期比23.4%減)、経常利益7,293百万円(前期比24.4%減)及び親会社株主に帰属する当期純利益4,257百万円(前期比34.5%減)を計上いたしました。

また、目標とする経営指標である売上高営業利益率は11.6%(前期実績14.9%)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメント別の金額については、売上高はセグメント間の取引を含んでおり、営業利益は全社費用等調整前の金額であります。

① 再生可能エネルギー事業

 メガソーラー開発販売事業、メガソーラー再生事業ともに収益性の高い複数物件の販売が実現し、前年度に引き続き堅調に実績を計上いたしました。産業用の太陽光発電請負事業におきましては、環境意識の大幅な高まりを背景にいち早くFIT制度への依存から脱却し、自家消費型に特化した効果が表れつつあり、受注が一層増加いたしました。総発電コストの削減に関しては、世界全域から品質を維持した商材の調達と数多くの設置実績の経験値を活かした継続的なコスト低減を図ってまいりました。また、FIT制度に依存しないビジネスモデルとして、自家消費型の普及に加え、当社グループが太陽光発電による電力の買取を行う民間FITの仕組み(ウエストFIT)を活用した非FIT発電所の開発をすすめ、当該発電所の建設用地の大量確保と電力会社との接続連系申請に注力いたしました。また、大企業を中心に、お客様の保有施設に太陽光発電所を設置し、発電した電力を自家消費用に販売するPPA事業も堅調に受注を伸ばしております。特にタイ国においては既にこのPPA事業が主力事業として大きく成長しつつあります。いずれも需要が大きく高まっている一方で、地政学的リスクが高まる中、物流の混乱により資材納期遅延が発生する懸念は残っており、工事計画の着実な遂行に今後も細心の注意を払ってまいります。

以上の結果、売上高35,972百万円(前期比4.8%増)、営業利益6,900百万円(前期比41.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用したことによる影響はございません。

 

② 省エネルギー事業

 提携金融機関とのアライアンスによる情報を活用し、商業施設や工場・病院などのエネルギーを大量に消費する施設に対し省エネのトータルサービスを提供、特にお客様に初期費用の負担が生じないウエストエスコ事業の受注拡大に努めてまいりました。このウエストエスコ事業については、施工実績が増加することにより、LED照明は5年から7年、空調設備は10年から12年にわたり、将来の安定収入に繋がるストック事業となります。

  以上の結果、売上高1,945百万円(前期比12.1%減)、営業利益721百万円(前期比22.1%減)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用したことによる影響はございません。

③ 電力事業

 2016年の電力小売自由化より株式会社ウエスト電力が電力小売市場に参入し、安定した成長を続けてまいりました。しかしながら、昨今、世界的なエネルギー価格の高騰により、電力需給の逼迫・市場価格の高騰という事態が発生、電源確保が極めて困難な状況となり、電力仕入価格が大きく上昇した結果、株式会社ウエスト電力は当連結会計年度において2,099百万円の営業損失を計上することとなりました。

  2022年3月25日に株式会社ウエスト電力による電力小売事業の撤退を決定後、お客様には丁寧なご説明と電力切替のご案内を継続し、大半のお客様の電力供給先の切り替えが完了したことから、当該事業は6月末日をもって電力供給を終了いたしました。一方で一部の個別契約上の違約金等の取扱いにつき、解決に長期間を要すると思われる事案も発生していることから、将来の損失の可能性につき慎重に見積もった結果、電力事業撤退損失として約1,500百万円の特別損失を計上いたしました。

  自社売電事業については、約58MWのFIT用発電所を保有しており、将来の安定収入として売上高及び利益の確保が見込まれます。さらに、2022年8月より石川県穴水の約60MWメガソーラー(36円FIT)が発電開始いたしました。高収益が期待できる物件であり、安定収益の底上げが期待できます。

 以上の結果、売上高27,855百万円(前期比7.8%減)、営業損失745百万円(前期は営業利益2,762百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用したことによる影響はございません。

④ メンテナンス事業

 当社グループにて企画・設計・施工を行ったメガソーラー発電所を中心に、安定した売電収入を得られることを目的として施設の継続的なメンテナンスを行い、太陽光発電所のオーナー様へ安全・安心・感動を提供し、受注実績を積み上げてまいりました。契約総容量は前期末591MWより当期末645MWと、着実に増加しております。また、メガソーラー再生事業展開に伴い、購入したメガソーラー発電所のメンテナンスを随時当社グループに切り替えて販売するシナジー効果が出ております。

  以上の結果、売上高1,700百万円(前期比13.8%増)、営業利益494百万円(前期比69.6%増)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用したことによる影響はございません。

⑤ その他

 その他の売上高1百万円(前期比41.7%減)、営業利益1百万円(前期比41.7%減)となりました。なお、収益認識会計基準等を適用したことによる影響はございません。

 

生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

16,225

67.3

省エネルギー事業

717

71.0

電力事業

27,854

92.2

メンテナンス事業

1,404

117.0

その他

1

58.3

合計

46,204

81.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

35,104

85.3

10,659

66.0

省エネルギー事業

1,658

75.9

940

74.3

電力事業

27,855

92.2

メンテナンス事業

1,700

113.8

その他

1

58.3

合計

66,321

88.4

11,599

66.6

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

再生可能エネルギー事業

35,963

104.8

省エネルギー事業

1,945

87.9

電力事業

27,854

92.2

メンテナンス事業

1,404

117.0

その他

1

58.3

合計

67,169

98.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

御宿町太陽光発電合同会社

10,100

15.0

 

 

(2) 財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比4,139百万円増加し101,418百万円となりました。また、負債につきましては、前連結会計年度末比1,918百万円増加し73,865百万円、純資産につきましては、前連結会計年度末比2,221百万円増加し27,552百万円となりました。主な内容は以下のとおりであります。

 資産の増加の主な要因は、商品7,653百万円、穴水メガソーラー完成に伴い、機械装置10,535百万円、土地3,610百万円及び無形固定資産3,937百万円がそれぞれ増加した一方、棚卸資産の仕入等に伴う現金及び預金の減少8,339百万円と、電力事業撤退に伴い売掛金6,510百万円、販売用不動産1,740百万円及び未成工事支出金9,701百万円がそれぞれ減少したことによるものであります。

 負債の増加の主な要因は、長期借入金11,642百万円が増加した一方、買掛金3,919百万円及び未払法人税等1,639百万円がそれぞれ減少したことによるものであります。

 純資産の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益を4,257百万円計上した一方、配当金の支払2,032百万円によるものであります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,639百万円減少し、27,709百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況並びに、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の減少は、4,858百万円(前期は5,127百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益5,764百万円の計上、棚卸資産の減少10,916百万円及び仕入債務の減少1,515百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、4,674百万円(前期は4,037百万円の増加)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出5,160百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、2,914百万円(前期は3,315百万円の増加)となりました。主な要因は、借入金及び社債が純額で5,077百万円増加、配当金の支払額2,031百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年8月

2019年8月

2020年8月

2021年8月

2022年8月

自己資本比率(%)

21.6

21.4

24.7

26.0

27.2

時価ベースの自己資本比率(%)

27.1

36.1

110.3

205.0

177.8

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

8.0

36.5

10.5

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

13.8

2.8

12.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※2019年8月期及び2022年8月期は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績等)

当社グループの当連結会計年度における経営成績等の分析については「(1) 経営成績、(2) 財政状態」に記載のとおりであります。

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(経営戦略の現状と見通し)

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「金融機関からの借入」であり、十分な手元流動性を確保しております。資金需要の主なものは、「工事原価の支払」、「販売用物件の仕入」、「販売用資材の仕入」、「販売費及び一般管理費等の営業費用の支払」、「金融機関への借入返済」及び「法人税等の支払」であります。

これらの資金需要に対応しつつ、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的な確保に努めております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 電力事業撤退損失引当金

事業の撤退に伴い発生が見込まれる損失に備えて、合理的な見積り額を計上しております。電力事業撤退損失引当金については、自治体等との交渉の影響を受けるため、計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。

 

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