課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在におきまして、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「建設業を通して人と社会に大きく貢献していくこと」を基本理念とし、「人と地球に優しい、クリーンな環境を未来へ」を基本テーマに、高収益体質企業を目標に社会とともに発展していくことを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、建設事業における上・下水道工事のプロフェッショナルとして、社会資本の整備に貢献するとともに、効率的な施工の実施並びに工事コストの低減に努めてまいります。

 また、不動産事業等における事業規模の拡大を図るとともに、新規事業の確立により収益力を一層強化し、企業価値を高めることを目標に進めてまいります。

 なお、具体的な目標値としましては、目標とする「売上高営業利益率7%」の回復に向け事業を進めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの所属する建設業界は、政府の国土強靭化対策による公共投資並びに東京都における上・下水道管の老朽化設備の更新工事、浸水・震災被害対策工事の発注が今後も堅調に行われると推測されるものの、エネルギー・原材料価格の高騰並びに円安進行に伴う物価の上昇が続いており、依然として厳しい経営環境が続くことが見込まれます。

 当社グループは、今後予測される経営環境等を踏まえ策定いたしました「中期経営計画(ACTION PLAN 2022)」に基づき事業を推進してまいります。

当計画における各事業の主な戦略は、以下のとおりです。

[建設事業]

建設事業におきましては、事業を推進するためには施工管理資格及び経験を有した人材の確保が不可欠となりますため、新たな人員の採用及び在職者の人員の有効活用を進めるほか、女性職員・外国籍職員等の採用につきましても積極的に行い、施工管理要員の確保・増員を図るとともに、確かな技術の継承を行ってまいります。

また、建設事業における完成工事総利益率向上に向け、収益性の高い機械式特殊推進工事を主体とした受注に注力するとともに、完成工事利益の増加を図るため、東京都における上・下水道工事以外の港湾・河川等の土木事業の受注に取組むほか、関東圏において優秀な施工技術者、事業基盤を有する建設会社の取得(子会社化)に今後も努め、技術者の増員並びに受注エリア拡大に注力してまいります。

 

[不動産事業等]

(不動産販売、賃貸事業)

販売体制の強化を図り、保有物件販売における不動産事業等売上高、不動産事業等総利益の増加を目指してまいります。

また、安定した賃貸収入が期待できるアパート、マンション物件の取得につきましても、今後も継続してまいります。

 

(太陽光発電設備事業)

 新たな建設は行わず、保有する太陽光発電設備の販売を行ってまいります。

 

(OLY機材リース事業)

 採用される地域が全国へと広がりをみせている状況から、関東以南の中部地域において製作・整備を行う工場の建設並びに営業拠点の設置を行い、更なる売上規模、収益の向上を図ってまいります。

 

[通信関連事業]

 作業要員の補強及び作業技術の向上を進め、受注案件の増加並びにNTT局内作業以外の新たな工種の受注に注力してまいります。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 建設業界を取り巻く環境は、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックに伴う建設特需が終わり、受注競争が一層熾烈化してきている状況に加え、円安に伴う建設資材価格の高騰並びに労働者不足による労務賃金上昇等により厳しい経営環境が続いております。

 また、当社グループが行う東京都における上・下水道の更新工事、下水道設備における豪雨対策工事等につきましても、工事の発注は堅調に行われているものの、当該工事の受注におきましても競争が熾烈化していることから、厳しい経営環境となっております。

 このような環境において、当社グループが行う各事業における当面の課題並びに対応につきましては、以下の方針に基づき実施していく予定です。

 建設事業におきましては、完成工事高及び完成工事総利益の向上に向けた収益基盤の拡大を図るため、上・下水道工事以外の新たな土木事業分野における受注に取り組んでまいります。また、事業を進めていくうえで課題となる東京都からの受注のみに依存する経営リスクへの対応並びに施工管理技術者及び施工労働者の確保が難しい状況の解消に向け、当社と競合しない発注先からの公共土木事業を展開し、且つ優秀な技術、管理技術者等を有する建設会社の取得(子会社化)に今後も積極的に取組んでまいります。

 不動産事業等における不動産賃貸事業につきましては、高い利回り、安定した収益が期待できる賃貸アパート物件の取得を今後も継続するとともに、保有物件の販売にも注力し、不動産事業等売上高、不動産事業等総利益の増加を目指してまいります。

 また、当社の独自開発いたしましたOLY工法に使用するOLY機材のリース事業につきましては、官公庁での設計においてOLY工法が採用される地域が全国へと広がりを見せてきている状況などから、更なる売上規模、収益の向上を図るため、関東以南の中部地域において製作・整備を行う工場の建設並びに営業拠点の設置を行ってまいります。

 通信関連事業につきましては、売上高及び売上総利益の増加を図るため、新規案件の受注、保守・管理以外の施工の受注に注力してまいります。

 その他事業におけるクローゼットレンタル事業につきましては、利用顧客数の増加に向けた宣伝、営業活動を継続してまいります。

 当社グループは、長年培ってまいりました技術の集積により競争力を高めていくと同時に、株式公開企業としての社会的責任を認識し、コンプライアンス体制を重視するとともに、実効性のある内部統制システムの整備・充実を推進してまいります。

 

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