業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大長期化により厳しい状況が続きました。足元では国内におけるワクチン接種率の向上や感染者数の減少が見られ、今後の経済回復が期待されておりますが、変異株拡大の可能性に資源価格高騰・世界的な半導体不足などが重なり先行き不透明な状況です。

住宅業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の落ち込みが当初は目立ちましたが、国土交通省発表による新設住宅着工戸数(持家)が前年同期比増加傾向で推移するなど、緩やかな回復基調が見られております。

ホテル業界におきましては、政府による「GoToトラベルキャンペーン」により持ち直しの動きが期初に見られたものの、度重なる感染拡大に伴う緊急事態宣言発令及びまん延防止等重点措置適用により集客及びホテル稼働が停滞しました。

このような厳しい経営環境の中、中期経営計画「新未来3ヵ年計画」に基づき、当社グループ全体で収益拡大に取組むとともに、経費節減に努めました。

住宅事業では、「環境にやさしい、脱炭素社会の住宅」をコンセプトに、柱・土台・内装材に国産の檜を使用するとともに新木造ストロング工法の採用で耐震性に優れた「檜品質」、高断熱・高気密によって暮らしで使うエネルギーを半減させながら太陽光発電によりエネルギー自給自足をはかる「ゼロエネ品質」、感謝訪問(ホームドクターシステム)・24時間対応コールセンター・冷暖房標準装備などによる「快適品質」の3つの品質を実現する注文住宅4商品(日本の家・檜の家「館」「極」「輝」「雅」)を中心とした販売促進に注力しました。

また、360度3D映像を利用し当社の代表的展示場(12展示場)をウォークスルー体験出来るWEB住宅展示場を公式ホームページに設置することに加え、公式ホームページ及び日本ユニシス「MY HOME MARKET」上に開設したネットバーチャル住宅展示場で、外観・暮らし方スタイル・価格帯を選択可能なセミオーダー住宅「クレステージ15」を展開するなど、インターネットを活用した営業施策を推進しました。

ホテル事業では、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底する一方で、高単価商品の販売促進やホテル会員権事業など集客増のための対策を実行しました。

 

以上の結果、売上高は371億49百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は27億7百万円(前年同期比67.1%増)、経常利益は26億57百万円(前年同期比74.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億6百万円(前年同期比102.9%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

① 住宅事業

住宅事業につきましては、主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、前連結会計年度と比較して期首受注残が34億10百万円減少したため、売上高は350億90百万円(前年同期比2.7%減)となりました。他方、利益面では、人件費・賃借料・旅費交通費などの経費節減の結果、営業利益は43億94百万円(前年同期比34.7%増)となりました。

 

② ホテル事業

ホテル事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、シティホテルの婚礼売上・宴会売上が大幅に減少したため、売上高は18億95百万円(前年同期比30.0%減)となりました。また、経費節減に努めたものの、営業損失は9億90百万円(前年同期の営業損失は7億61百万円)となりました。

 

 

③ その他事業

その他事業につきましては、太陽光発電事業であり、売上高は1億63百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は1億28百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める住宅事業及びホテル事業は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績を記載しておりません。

 

② 受注状況

当社グループでは、当社の受注が大部分を占めているため、当社の受注状況を記載しております。

 

期別

部門別

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越工事高
(百万円)

当期
施工高
(百万円)

手持
工事高

うち施工高

第52期

(自2019年

 11月1日

至2020年

 10月31日)

建築部門

25,260

27,013

52,274

30,640

21,634

14.0%

3,025

29,613

不動産部門

1,104

5,152

6,256

4,936

1,320

 

 

 

26,364

32,165

58,530

35,576

22,954

 

 

 

第53期

(自2020年

 11月1日

至2021年

 10月31日)

建築部門

21,634

31,178

52,812

28,529

24,283

20.6%

5,007

30,511

不動産部門

1,320

5,026

6,346

4,936

1,410

 

 

 

22,954

36,205

59,159

33,465

25,694

 

 

 

 

(注) 1 上記金額は全て販売価額により表示しております。

2 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って当期完成工事高にも、かかる増減額が含まれております。

3 次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

4 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期末繰越施工高)に一致いたします。

5 建築部門の完成工事高は、冬季の積雪等の影響により第4四半期に集中する傾向にあります。

6 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

7 当期完成工事高は、工事完成基準に拠っております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

住宅事業

35,090

△2.7

ホテル事業

1,895

△30.0

その他事業

163

+8.5

37,149

△4.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高営業利益率8%以上の達成を目標としております。2021年10月期の売上高営業利益率は7.3%(前連結会計年度の売上高営業利益率は4.2%)となりました、

目標未達の理由は、「(1)経営成績の状況」に記載のとおり、主に新型コロナウイルス拡大の影響による売上高の減少によるものであります。

今後の対策については、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載しております。

 

(3) 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して、18億76百万円増加し、432億55百万円となりました。

流動資産は12億77百万円増加し、135億78百万円となりました。主な要因は、現金預金の増加8億33百万円、未成工事支出金の増加6億47百万円、原材料及び貯蔵品の増加1億31百万円、流動資産のその他の増加1億36百万円、及び販売用不動産の減少4億30百万円によるものであります。また、固定資産は5億19百万円増加し、295億98百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加4億40百万円、無形固定資産の増加50百万円、及び投資その他の資産の増加28百万円によるものであります。

流動負債は6億34百万円増加し、125億17百万円となりました。主な要因は、支払手形・工事未払金等の増加5億24百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加6億65百万円、未成工事受入金の増加5億円、及び短期借入金の減少10億4百万円によるものであります。また、固定負債は20億52百万円増加し、83億77百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加4億8百万円、社債の増加20億円、及びリース債務の減少2億81百万円によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して、8億11百万円減少し、223億60百万円となりました。これは、自己株式の取得による減少20億円、利益剰余金の増加12億51百万円等によるものであります。

この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末と比較して4.3ポイント低下し51.0%となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して8億33百万円増加し、55億96百万円となりました。営業活動により31億98百万円の資金を獲得し、投資活動により16億65百万円の資金を使用し、財務活動により6億99百万円の資金を使用しております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は31億98百万円(前連結会計年度比151.0%増)となりました。その主たる要因は、税金等調整前当期純利益25億30百万円の計上、減価償却費11億88百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は16億65百万円(前連結会計年度比56.2%増)となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出17億61百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は6億99百万円(前連結会計年度の財務活動に獲得した資金は52百万円)となりました。その主たる要因は、短期借入金の返済による支出10億4百万円、長期借入金の返済による支出3億63百万円、リース債務の返済による支出4億17百万円、自己株式の取得による支出20億10百万円、配当金の支払による支出3億53百万円、長期借入金による収入14億38百万円、社債の発行による収入19億21百万円によるものであります。

 

 

   キャッシュ・フローの分析

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,274

3,198

1,924

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,066

△1,665

△599

財務活動によるキャッシュ・フロー

52

△699

△751

 

分析については、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

なお、当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率 (%)

55.3

51.0

時価ベースの自己資本比率 (%)

26.0

40.6

債務償還年数 (年)

5.5

2.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍)

7.6

18.2

 

 (注) 1 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 2 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 3 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払

         (1) 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

     (2) 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。

     (3) 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを
        使用しております。
     有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
    としております。また、利払については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用してお
    ります。

 

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。資金需要のうち主なものは、事業用地・建設資金及び運転資金であります。また、資金の財源は主として自己資金及び借入金等であります。借入金については、取引金融機関とコミット型シンジケート契約及びシンジケートローン契約を締結し、資金の流動性を確保しております。適正な手許資金の水準を定め、長期資金と短期資金の均衡を保ちつつ、金利コストの最小化を図り、財務健全性の維持を図っております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社は特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。

 

繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産は、事業計画等に基づいて課税所得の発生時期及び金額を見積り、回収可能性が高いと判断した金額を計上しております。今後、経営環境の変化に伴い将来発生する課税所得の見通しが変化する場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、損益へ影響を与える可能性があります。

 

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