課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、豊かで快適な生活の実現のため、『食』と『健康』で貢献することを使命とし「日々新たに」をモットーに、以下を経営の基本としております。

・公正で透明性の高い経営を実践することにより、社会から信頼される企業を目指す。

・会社の業績向上を図ることにより、社会に貢献するとともに、従業員・お客様・株主などの信頼と期待にお応えする。

・健康に資する安全な製品・サービスを安定的に提供することにより、お客様の満足と安心を実現する。

 

(2)資本政策の基本的な方針

当社の資本政策は、以下の4点により構成しております。

①中長期的なROE向上

当社は、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えています。売上収益利益率、財務レバレッジ、および総資産回転率を常に改善してまいります。

      ②安定性の上に業績連動を加味した株主還元

株主還元については、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)の目標値を設定し、継続性・安定性を保持した上で、当期利益に対する比率(連結配当性向(DPR))目標を設定し、業績が好調な場合の連動性を高めた配当を実施します。配当に加え、自己株式の取得については、市場環境、資本効率等に鑑み適宜実施する可能性があります。

③長期的な成長と総資産回転率向上のための投資採択基準

長期的な成長と総資産回転率向上のための投資の規律として、リスクと戦略性のランク別に、投下資本利益率と投資回収期間を設定し、投資を厳選します。

④財務レバレッジの向上と安定性のバランス

成長投資の加速と株主還元の増大により、財務レバレッジを長期的に改善するとともに、継続的・安定的に企業理念を実現するため、健全なバランスシートを維持し、結果としてROEの持続的な改善を実現します。

 

当社では、こうした資本政策によって、成長投資と安定した株主還元を両立し、持続的な株主価値向上に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標

当社グループは、上記の「(1)会社の経営の基本方針」および「(2)資本政策の基本的な方針」に基づいて、以下の経営戦略を実行しております。

 

・精製糖事業の経営品質・経営効率No.1企業を目指します。

・当社グループの強みを活かして新たな事業・商材に挑戦し、「総合甘味サプライヤー」として拡大・成長を図ります。また、ツキオカフィルム製薬株式会社や自社技術を起点とした国内外における新たな事業展開を推進します。

・健康産業事業においては、多様化する顧客ニーズに合わせた事業展開を推進します。

・以上の取り組みを支えるため、社員が明るく、楽しく、真剣に働き、会社とともに成長する風土と体制作りを始めとし、生産性向上、リスク管理、サステナビリティ推進の各分野における経営基盤の強化に注力してまいります。

また、目標とする経営指標につきましては、上記のとおり、ROEを中核的な指標と捉えております。

なお、従来目標としておりました2024年度ROE8%達成につきましては、次期中期経営計画の策定にあわせて見直し、改めて公表することといたします。

当社グループとして、まずは、新型コロナウイルス感染症拡大後の事業環境の変化を適切に捉え、同感染症拡大前の収益レベルへの早期回復に努めてまいります。そのうえで、ガバナンス体制の強化、既存事業の成長、事業領域の拡大に向けた検討を着実に進め、持続的な企業価値向上に全社一丸となって取り組んでまいります。

 

(4)経営環境および優先的に対処すべき課題

当社を取り巻く経営環境につきましては、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した地政学リスクの長期化を受け、各種商品市況の高止まりや金融市場への影響による景気の先行き不透明感が強まることで、世界経済は、コロナ禍前への回帰を期待するものの、更なる危機拡大に見舞われ、その収束はいまだに不透明な状況です。2022年度も、新型コロナウイルスの影響のみならず、地政学リスクに起因する広範囲での不確実性の高まりにより、先行きを見通すことが大変難しい状況にあります。

このような状況で、まずは全社員一丸となって、各事業のセグメントにおいて、従来以上に採算性を重視した効率的なオペレーションと更なるコスト削減を進めることで、業績の早期回復に努めてまいります。そして、事業環境の変化を適切に捉え、ガバナンス体制の強化、既存事業の成長、事業領域の拡大に向けた取り組みを着実に進め、プライム市場の上場会社として、更なる企業価値向上に努めてまいります。

精製糖事業におきましては、国内砂糖消費量は漸減傾向が続き、2022年度も、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける可能性が想定され、消費の落ち込みは避けられず、更には、原材料価格の高騰が続くことが予想されることで、非常に厳しい市場環境が見込まれます。こうした状況のもと、当社は、生活必需品である砂糖を消費者の皆様に安定供給し、社会的責任を果たすことを最優先として取り組んでまいります。その上で、生産から販売までの最適化の検討ときび砂糖など高付加価値品の推進を軸とした商品力・販売力の強化に努めて業績の回復・向上を目指します。加えて、業界再編の動きが更に加速していくことが予想される中、この動きに適切に対応するため、同事業における経営効率・経営品質の向上に努めてまいります。

その他食品事業におきましては、子会社のツキオカフィルム製薬株式会社において、引き続き新型コロナウイルス感染症による消費減退の影響を受けましたが、箔押事業、食用純金箔事業、フィルム事業それぞれにおいて新規顧客の獲得に努め、フィルム事業では新たな用途開発により、業績の回復・向上に努めてまいります。また、当社の機能性商材としてオーラルケア分野で期待の持てるサイクロデキストラン(CI)に加え、腸内環境改善に資するカップオリゴの取り組みも更に前進させてまいります。

健康産業事業におきましては、コロナ禍による営業の自粛要請やまん延防止等重点措置等による人流抑制下に、各店舗運営でのDX化の推進と適切な運営体制に見直すことで、採算性・効率性の向上を図り、収益力改善と下方耐性強化に努めてまいりました。今後も継続して感染防止策を徹底し、お客様の健康維持増進に貢献し、安全・安心なサービスを提供すると共に、新常態における店舗運営体制を構築し、早期の業績回復を目指してまいります。

倉庫事業におきましては、既存取引先との安定した取引を継続、今後も物流需要に的確に応え、新規取引先の開拓を進め、適正な在庫水準の維持、稼働率の向上を目指してまいります。

経営基盤の強化の一つとして取り組んできたCSR経営の推進について、ESGを含むサステナビリティが重要な経営課題との意識が高まる中で、より積極的かつ能動的な対応を一層推進させるためにサステナビリティ推進委員会を新設しました。今後も、社員が会社とともに成長する風土と体制づくりを深化させ、人材育成、業務の効率化、生産性向上、リスク管理、サステナビリティ推進の各分野の強化に注力してまいります。

 

(当社と伊藤忠製糖株式会社の経営統合に関する基本合意書の締結について)

当社と伊藤忠製糖株式会社(以下「伊藤忠製糖」といいます。)との経営統合に向けた基本合意書の締結につきまして、2022年6月10日に公表いたしました。

我が国の砂糖産業を取り巻く環境においては、人口減少、低甘味・低カロリー嗜好による砂糖代替品の台頭、他国との経済連携協定等による競争の激化、近年の原料価格高騰等、不透明かつ厳しさが増す事業環境となっており、事業環境の変化への柔軟な対応、事業基盤の更なる強化と経営の効率化は喫緊の課題となっています。

こうした事業環境の中で、本経営統合を通じて、砂糖の安定的な供給体制をより一層盤石なものとすることで、事業ポートフォリオを強化し、強固な収益基盤を構築することによって、「食」と「健康」で豊かな生活の実現に貢献できる企業グループとして、持続的な成長と企業価値の向上を目指すことを目的として、今般、伊藤忠製糖と経営統合に向けて本格的な協議をすることについて合意いたしました。

現時点で想定している本経営統合の形態は、当社を完全親会社とする株式交換により伊藤忠製糖を完全子会社化し、同時に当社日新製糖は会社分割により、新設子会社に対して事業の継承を行い、純粋な持株会社となります。なお、今後の協議の進展に伴い、本経営統合の形態は変更される可能性がございます。

また、本持株会社は、東証プライム市場での上場を継続いたします。

本経営統合に関する最終契約締結は、2022年9月上旬を目途とし、その効力発生日は、2023年1月1日を予定しています。

 

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