業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が相次いで発出され、景気は落ち込みと持ち直しを繰り返しました。後半に入り感染拡大が落ち着いてきたことで、経済活動は再開されて個人消費が持ち直すとともに、輸出や設備投資も回復傾向となり、経済は正常化に向かいました。しかし、年明けからはオミクロン株による急激な感染拡大が続いており、個人消費は再び減少に転じ、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社が属する洋菓子業界におきましても、繰り返される新型コロナウイルスの感染拡大と収束により売上高は大きな影響を受けることとなりました。繰り返し発出された緊急事態宣言が9月末で解除され、移動や外出などの制限が緩和されたことにより個人消費は持ち直しに転じたものの、新たな変異株「オミクロン」による急激な感染拡大により自粛傾向が強まり、再び厳しい状況となっております。

当社はこのような環境下にあっても、企業スローガン『こころつなぐ。笑顔かがやく。』のもと、スイーツを通して心豊かな生活をお届けすることを基本姿勢として、安心、安全かつ高品質な商品をお客様に提供させていただくことに注力いたしました。また長引くコロナ禍の中で、引き続きお客様や従業員に対する感染防止対策を徹底しながら、生産性の改善、人員体制の最適化、コストの削減、適正在庫の確保に努めました。

売上面につきましては、2度目の緊急事態宣言の影響を受けて2021年2月のバレンタイン商戦の売上が減少したのに加え、7月には感染力の強いデルタ株による感染の急拡大により4度目の緊急事態宣言が発出され、8月~9月の売上高は大きな影響を受けました。しかし、2020年4月~5月の1度目の緊急事態宣言時の反動や、活動制限が緩和された10月以降の売上高の回復に加え、2022年1月のバレンタイン商品の出荷が堅調に推移したことで、通期の売上高は27,207百万円(前期比6.0%増)となりました。

損益面につきましては、増収効果に加え、計画的・効率的な生産体制の構築、店舗の人員体制の最適化、経費の削減、売上状況に応じた適正在庫の確保などにより、営業利益は2,012百万円(前期比167.9%増)、経常利益は2,126百万円(前期比146.7%増)となりました。当期純利益につきましては、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた子会社、株式会社鎌倉ニュージャーマンに係る関係会社株式評価損311百万円を特別損失に計上しましたが、増益効果により1,028百万円(前期比192.1%増)となりました。

なお、コロナ前である第90期(2020年1月期)との比較では、売上高は7.8%減となり依然として新型コロナウイルス感染拡大前の水準には回復しておりませんが、営業利益は20.2%増、経常利益は24.5%増となりました。また、当期純利益につきましては6.1%減となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

[洋菓子製造販売事業]

干菓子につきましては、2021年のバレンタインは2度目の緊急事態宣言下での商戦となり、バレンタイン専用商品の売上は減少いたしました。しかしながら、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」の新規出店や、「ファヤージュ」「オデット」などの焼菓子が堅調に推移したことに加え、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めたことなどにより、売上高は4.7%増となりました。しかし、コロナ前である第90期(2020年1月期)との比較では、中元や歳暮を含むギフト商品や土産商品等が低迷し7.9%減となりました。

洋生菓子につきましては、ステイホームに伴う巣ごもり需要もあったことから、売上高は好調に推移いたしました。チルドデザートでは「カスタードプリン」や新規商品「とろ生カスタードプリン(夏仕立て)」、創立90周年を記念した新商品「プリンとチーズケーキ」の発売効果などがあり、また半生菓子でも8月にリニューアルした「ロイヤルクリームチーズケーキ」に加えて、「あまおういちごのケーキ」や「フィナンシェ」なども堅調に推移したことから、売上高は前期比で10.8%増となりました。コロナ前である第90期(2020年1月期)との比較でも、1.6%減まで回復いたしました。

その結果、当事業の売上高は25,998百万円(前期比6.0%増)となりました。しかし、コロナ前である第90期(2020年1月期)比では6.7%減となっております。

 

[喫茶・レストラン事業]

喫茶・レストラン事業につきましては、繰り返す緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けましたが、活動制限が緩和された10月以降は売上が回復傾向となったことや、12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献により、売上高は前期比で6.3%増の1,209百万円となりました。しかし、コロナ前である第90期(2020年1月期)比では26.6%減となっており、依然として厳しい状況が続いております。

 

 

②財政状態の概況

当事業年度末における資産は前事業年度末に比べ1,074百万円増加し、25,113百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加額1,966百万円、有形固定資産の減少額431百万円、関係会社株式の減少額311百万円、商品及び製品の減少額176百万円等によるものであります。負債は前事業年度末に比べ274百万円増加し、7,535百万円となりました。これは主に未払法人税等の増加額369百万円、未払金の増加額265百万円、預り金の減少額133百万円、買掛金の減少額120百万円、未払費用の減少額106百万円等によるものであります。純資産は前事業年度末に比べ800百万円増加し、17,578百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加額817百万円等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ1,966百万円増加し、当事業年度末には5,383百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益、非資金項目である減価償却費の計上、関係会社株式評価損の計上、たな卸資産の減少、法人税等の支払額の増加等により、2,626百万円の収入(前事業年度は1,635百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の回収による収入、有形及び無形固定資産の取得による支出、関係会社貸付けによる支出等により、345百万円の支出(前事業年度は143百万円の収入)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払、短期借入金の減少により、314百万円の支出(前事業年度は178百万円の支出)となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 セグメントのうち、洋菓子製造販売事業において生産活動を行っており、当事業年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年2月1日

  至 2022年1月31日)

前期比(%)

洋菓子製造販売事業計(千円)

25,406,754

105.4

(内訳)

 

 

干菓子群(千円)

18,884,186

104.2

洋生菓子群(千円)

6,522,567

109.0

 (注)1.生産実績は販売価額によっております。

2.干菓子群、洋生菓子群にはその他菓子群製品及び半製品が含まれております。

3.他に他社製品仕入実績が仕入金額で725,700千円(前期比111.8%)あります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメント別商品群別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年2月1日

  至 2022年1月31日)

前期比(%)

洋菓子製造販売事業計(千円)

25,998,045

106.0

(内訳)

 

 

干菓子群(千円)

19,025,035

104.7

洋生菓子群(千円)

6,304,332

110.8

その他菓子群(千円)

668,678

98.1

喫茶・レストラン事業計(千円)

1,209,359

106.3

合計(千円)

27,207,405

106.0

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。

これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社の財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関する重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の『2nd Step』の2年目にあたる当事業年度は、以下に記載の通りとなりました。

 

(売上高)

売上高は27,207百万円となり、前事業年度と比較し1,534百万円の増加(前期比6.0%増)となりました。

洋菓子製造販売事業においては、2度目の緊急事態宣言の影響を受けて2021年2月のバレンタイン商戦の売上が減少したのに加え、7月には感染力の強いデルタ株による感染の急拡大により4度目の緊急事態宣言が発出され、8月~9月の売上高は大きな影響を受けました。しかしながら、バターにこだわった焼菓子ブランド「ガレット オ ブール」の新規出店や、インターネットやカタログ販売に注力し売上獲得に努めたことに加え、2022年1月のバレンタイン商品の出荷が堅調に推移したこともあり、前事業年度と比較し1,462百万円の増加(前期比6.0%増)となりました。

喫茶・レストラン事業においては、繰り返す緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けましたが、活動制限が緩和された10月以降は売上が回復傾向となったことや、12月にリニューアルオープンした阪神梅田本店カフェモロゾフの売上貢献により、前事業年度と比較し71百万円の増加(前期比6.3%増)となりました。

(売上原価)

売上原価は、増収効果に加え、計画的・効率的な生産体制の構築、経費の削減、売上状況に応じた適正在庫の確保などに努めた結果、対売上高比率は51.3%と前事業年度より1.5ポイント改善いたしました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、店舗の人員体制の最適化、経費の削減に努めた結果、対売上高比率は41.3%と前事業年度より3.0ポイント改善いたしました。

(当期純損益)

特別損失は、関係会社株式評価損311百万円、固定資産除売却損46百万円、投資有価証券売却損23百万円を計上し、当期純利益は1,028百万円(前期比192.1%増)となりました。

 

b.財政状態の分析

 (流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は、14,028百万円となり、前事業年度末に比較し2,024百万円増加しております。この主たる要因は、現金及び預金が前事業年度末に対し1,966百万円増加、売掛金が前事業年度末に対し129百万円増加したこと等によります。

 (固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は、11,084百万円となり、前事業年度末に比較し950百万円減少しております。この主たる要因は、有形固定資産が前事業年度末に対し431百万円減少、関係会社株式が前事業年度末に対し311百万円減少、投資有価証券が前事業年度末に対し132百万円減少、敷金及び保証金が前事業年度末に対し78百万円減少したこと等によります。

 (流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は、6,858百万円となり、前事業年度末に比較し251百万円増加しております。この主たる要因は、未払法人税等が前事業年度末に対し369百万円増加、未払金が前事業年度末に対し265百万円増加、預り金が前事業年度末に対し133百万円減少、買掛金が前事業年度末に対し120百万円減少、未払費用が前事業年度末に対し106百万円減少したこと等によります。

 (固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は、676百万円となり、前事業年度末に比較し22百万円増加しております。この主たる要因は、資産除去債務が前事業年度末に対し34百万円増加、繰延税金負債が前事業年度末に対し14百万円減少したこと等によります。

 (純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は、17,578百万円となり、前事業年度末に比較し800百万円増加しております。この主たる要因は、利益剰余金が前事業年度末に対し817百万円増加したこと等によります。

 

(キャッシュ・フロー)

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは次のとおりであります。

 

2020年1月期

2021年1月期

2022年1月期

 自己資本比率(%)

70.1

69.8

70.0

 時価ベース自己資本比率(%)

75.6

83.1

77.5

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率

2.4

1.1

0.7

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

24.7

57.9

105.7

(注)自己資本比率=自己資本/総資産

時価ベース自己資本比率=株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー/利払い

1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

2.営業キャッシュ・フロー及び利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー及び利息の支払額を使用しております。

3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。

 詳細は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

 

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