課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

経営理念『Be Prime,Be Sweet.』は、すべてはお客様の笑顔のために、最高のおいしさを追求し、安心・安全な品質を確保し、最良のサービスを提供するため、一流をめざして日々進化することで、常に感動をお届けすることを約束したメッセージです。

企業スローガン『こころつなぐ。笑顔かがやく。』は、スイーツを通して「こころ」と「こころ」をつなぐ架け橋となり、かがやく笑顔を広げたいという想いを表しました。スイーツには疲れた心を癒し、心を結び、感動や歓びを記憶に刻む力があります。そのようなスイーツでお客様に笑顔をお届けしたい、それこそがモロゾフの原点です。モロゾフのスイーツは、わくわくする感動、ドキドキする感動をお届けするものでなければなりません。この企業スローガンを通して、当社の想いをお客様へしっかりと伝えてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、売上高は維持しつつも、変革を続けることで、安定した利益水準を確保していく方針としており、売上高および、事業本来の収益力を示す営業利益率を目標数値としております。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う度重なる緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発出により、依然として百貨店や土産市場などを中心に厳しい状況が続いておりますが、ワクチン接種の加速などの対策が進められつつあり、個人消費は2023年1月期には徐々に回復傾向に向かっていくと想定しております。

一方で損益面では、原材料価格が大幅に上昇するとともに、物流関連費用の増加などのコストアップ要因が見込まれますが、売上高の変動に対応した効率的な生産体制の構築や、在庫管理の徹底、店舗の人員体制の見直し、経費の削減等の施策により、利益構造の強化を図っております。

このような状況のもと、現在の中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の『2nd Step』(2021年1月期~2023年1月期)の最終年度の目標数値は、売上高30,400百万円、営業利益率4.6%(営業利益1,400百万円)としております。

なお、当社は、2023年1月期の期初より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用するため、目標数値は当該会計基準等に基づいた指標となっております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

当社は現在、2021年1月期からスタートした中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の『2nd Step』に取り組んでおり、2023年1月期は最終年度となります。『2nd Step』では、新ブランド戦略に加えて、市場および商品・ブランド戦略、生産戦略、人事・組織戦略を迅速に実行に移しつつ、すべての面で変革を続けることで、ブランド価値のさらなる向上と利益創出構造の強化につなげ、すべてのステークホルダーの満足度を高めるとともに、経営理念とサスティナビリティ(持続的成長)を実現してまいります。

この期間における当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が繰り返し発出され、それとともに景気は落ち込みと持ち直しを繰り返すなど、不透明な状況が続いております。

売上面におきましては、少子高齢化や人口減少が進む中で、限られたパイを巡って業種・業態を超えた販売競争が一段と激化しており、百貨店などの店舗閉鎖は今後も続くものと考えられます。また、中元、歳暮などのフォーマルギフトの縮小に加えて、当社で最も重要なイベントであるバレンタインデーについても変化の兆しが見られます。これに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大により、景気や雇用所得環境の悪化、個人消費の低迷などの影響が長期間にわたって残ることが想定され、厳しい状況が続くものと考えております。

また損益面におきましても、原材料価格が急上昇しつつあることに加えて、人手不足による人件費や物流コストの増加なども見込まれます。

 

そのような環境の中で、目標達成に向けた具体的な内容は以下のとおりです。

①新ブランド戦略

首都圏はさらなる成長が見込める国内最大の消費マーケットであると考えており、首都圏を中心ターゲットとした新規ブランドやマーチャンダイジングを開発し、販売を強化してまいります。

バターを楽しむ焼き菓子の新ブランド「ガレット オ ブール」につきまして、2020年8月の「銀座三越」への出店に続き、2021年3月に「大阪髙島屋」、2021年4月に「博多阪急」へ新規出店し、モロゾフの焼菓子の新たな魅力を発信しております。また、毎日21時から24時までの3時間だけオンラインショップで限定販売しているブランド「みみずく洋菓子店」につきましては、リアル常設店として2021年9月に「新宿伊勢丹」へ毎日16時から閉店までの時間限定でオープンし、新たなお客様へのアプローチを進めております。

2020年4月に事業を譲り受けました「株式会社鎌倉ニュージャーマン」につきましては鎌倉本店を全面リニューアルするとともにリブランディングを実施し、2021年度には首都圏を中心とした百貨店に3店舗新規出店いたしました。今後は鎌倉発のブランドとして、神奈川県を中心とした首都圏での販売強化と利益改善に繋げてまいります。

 

②市場および商品・ブランド戦略

・委託チャネルのビジネスモデルの強化

既存委託店につきましては、その店舗の規模や損益状況に応じてリロケーションを図るとともに、都心部の主要店舗につきましては個店別のブランドや商品対応をさらに強化していくことで、売上高の増強と収益構造の改善を図ってまいります。

・安定した収益獲得のための納品チャネルの拡大

新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けております、駅や空港、サービスエリアなどの土産マーケットや、BtoB販売を中心に取り扱う特需セグメントにつきましては、新規提案による販路拡大や、新しい得意先へのアプローチにより販売を強化してまいります。また、新しい生活様式のもとで増加を続けるインターネット通販につきましても、引き続き強化を図ってまいります。

・市場戦略実現に向けた商品開発

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)により委託店の1店舗当たりの売上高の向上と効率的な運営による利益改善を図りながら、そのブランド力と発信力をさらに強化しつつ、各戦略に対応したマーチャンダイジングの展開や商品力の強化に取り組んでまいります。

 

③生産戦略

売上高や商品構成の変化に応じて各工場の生産品目の最適化を図りつつ、市場戦略および商品・ブランド戦略に柔軟に対応できるよう、製造ラインの移設や設備の強化を図るとともに、生産性の向上に取り組んでまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく変化する製造高に対応して、各工場の人件費や経費の最適化に努めてまいります。

 

④人事・組織戦略

中長期の人員構成をにらみながら、次世代を担う人材の育成と女性活躍施策を推進しつつ、「スリムで強い将来組織」を構築してまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により変動する売上高への対応として、売上状況に応じて人員構成や配置を見直すことで、人件費のコントロールを行ってまいります。

 

今後とも、創立100周年を見据え、さらなるステップアップをめざし、中期経営計画「Re morozoff 2022 ~変革~ 」の実現に向け、経営理念『Be Prime,Be Sweet.』のもと、全社一丸で邁進する所存でございます。

 

 

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