業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい経済環境が残る中、各種政策の効果、海外経済・個人消費の改善傾向により、景気の持ち直しが期待されてきたものの、原材料価格の動向等による下振れリスクへの注視が必要な状況で推移しました。

このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、販売組織の拡充、新商品の研究開発や生産設備の更新に加え、国際事業や医薬品事業にも積極的に取り組み、業績の向上に努めました。

この結果、当連結会計年度の連結売上高は415,116百万円(前期比7.6%増)となりました。利益面においては、営業利益は53,202百万円(前期比21.8%増)、経常利益は68,549百万円(前期比19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は44,917百万円(前期比14.4%増)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は7,618百万円減少していますが、利益面への影響はありません。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

・飲料および食品製造販売事業部門(日本)

乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じたうえで、地域に根ざした「価値普及」活動を広告展開と連動させながら展開しました。

宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」および「ヤクルト400W」を中心に、エビデンスに基づいた「価値普及」活動を実施するとともに、インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」の活用やウェブサイトにおける情報提供を充実させることで、新規のお客さまづくりと既存のお客さまへの継続飲用の促進を図りました。また、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディが働きやすい環境の整備を促進するとともにインターネットを活用した採用活動を積極的に実施しました。

店頭チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」シリーズについて、家族での飲用促進を目的としたキャンペーンを実施したほか、期間限定パッケージを展開することで店頭での視認性向上を図り、売り上げの増大に努めました。

商品別では、昨年4月に「Yakult(ヤクルト)1000」、8月には「ヤクルト400W」の販売地区を全国に拡大しました。また、10月には「Yakult(ヤクルト)1000」の店頭向けシリーズ品である乳製品乳酸菌飲料「Y1000」を全国で発売しました。さらに、ハードタイプヨーグルト「ソフール」について、1年を通じて4品の期間限定アイテムを発売しブランドの活性化を図りました。

このような取り組みを中心に販売強化に努めた結果、乳製品全体では前期を上回る実績となりました。

一方、清涼飲料につきましては、栄養ドリンク「タフマン」シリーズのキャンペーンを実施するなど、売り上げの増大に努めたものの、清涼飲料全体では前期を下回る実績にとどまりました。

そのほか、東京ヤクルトスワローズのリーグ優勝および日本シリーズ制覇に伴い、応援していただいた皆さまに感謝の意を表すため、記念施策を実施しました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(国内)の連結売上高は203,293百万円(前期比1.8%減)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により売上高は22,203百万円減少しています。

 

 

・飲料および食品製造販売事業部門(海外)

海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、本年3月の一日当たり平均販売本数は約3,216万本となっています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響は、国・地域の感染拡大状況、各国政府・地方政府の方針、各種行政指導等により異なりますが、それぞれ対策を講じ、行政機関の指示に従い、営業・生産活動を行っています。

 

 ア.米 州 地 域

米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売しています。

米国においては、東部を中心とする積極的な新規開拓等により納入店舗数が増加した結果、販売実績は順調に推移し、本事業年度は過去最高の販売本数となりました。

その他米州地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制の強化を図り、売り上げの増大に努めました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は47,388百万円(前期比13.2%増)となりました。

 

 イ.アジア・オセアニア地域

アジア・オセアニア地域においては、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インドおよび中国などで乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。なお、ミャンマーにおいては、政情等に鑑み、営業・生産活動を一時的に見合わせています。

インドネシアにおいては、創業30周年キャンペーンなどの販売強化策を実施するとともに、着実な宅配組織の拡充と納入店舗数の増加により売り上げが増大し、本事業年度は過去最高の販売本数となりました。

中国においては、昨年8月に販売拠点を50か所に拡大し、さらなる販売体制の強化を図りました。また、生産体制の強化に向けて、無錫第2工場(無錫ヤクルト株式会社)の建設を進めています。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は128,199百万円(前期比11.5%増)となりました。

 

 ウ.ヨーロッパ地域

ヨーロッパ地域においては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。

ヨーロッパにおいては、プロバイオティクスを普及するための活動に対する厳しい規制の中で、健康強調表示(ヘルスクレーム)の承認に向け、各種の取り組みを行うほか、各国の市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。

イギリスにおいては、昨年9月から実施している各種メディアを通じた広告展開および量販店施策などにより、販売実績は順調に推移しています。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は9,413百万円(前期比9.9%増)となりました。

 

・医薬品製造販売事業部門

医薬品につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う医療機関への訪問自粛の対応としてウェブ会議等を活用しながら、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品等の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。

当社の主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」については、行政方針に沿って後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあるものの、医療関係者の治療選択肢であり続けるために、先発医薬品を開発した当社の強みである情報提供力を活かした活動を展開しました。また、日本セルヴィエ社とプロモーション契約をしている抗悪性腫瘍剤「オニバイド®」については、プロモーション活動を積極的に行い、市場浸透および使用促進を図りました。加えて、本年3月には抗悪性腫瘍剤「ベルケイド」の後発医薬品である「ボルテゾミブ注射用3mg『ヤクルト』」を発売しました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、入院や手術の延期、受診抑制等により当社製品の使用機会が減少したことに加え、昨年4月に実施された薬価改定において大半の当社製品の薬価が引き下げられたことにより、前期並みの実績にとどまりました。

一方、研究開発においては、セキュラ・バイオ社(米国)から日本における開発および商業化に関する独占的ライセンスを受けているPI3K阻害剤「デュベリシブ」や、4SC社(ドイツ)から導入しているHDAC阻害剤「レスミノスタット」等の開発品目の臨床開発を推進しました。なお、「デュベリシブ」については、本年3月に再発または難治性の慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に係る製造販売承認申請を行いました。

これらの結果、医薬品製造販売事業部門の連結売上高は16,992百万円(前期比6.2%減)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により売上高は702百万円減少しています。

 

・その他事業部門

その他事業部門には、化粧品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。

化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。

具体的には、昨年10月までに保湿効果の高い基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズから新商品2品を発売し、新たなお客さまとの接点拡大および継続愛用の促進を図りました。また、本年3月にヤクルトの乳酸菌発酵技術を集結した「パラビオ」シリーズから高機能美容液「パラビオ ACセラム サイ」を発売し、お客さまの満足度向上と売り上げの増大に努めました。

しかしながら、会計基準の変更等もあり、化粧品全体としては、前期をやや下回る実績となりました。

一方、プロ野球興行につきましては、観客動員数等において、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、ファンの皆さまの声援を受け、東京ヤクルトスワローズはリーグ優勝および日本シリーズ制覇を果たすことができました。今後も皆さまのご期待に応えるべく、愛されるチームづくりと各種ファンサービスの充実を図っていきます。

これらの結果、その他事業部門の連結売上高は19,473百万円(前期比10.0%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により売上高は724百万円減少しています。

 

当連結会計年度末の総資産は672,855百万円(前連結会計年度末比37,753百万円の増加)となりました。

純資産は484,935百万円(前連結会計年度末比45,174百万円の増加)となりました。主な要因は、自己株式を取得したことおよびその他有価証券評価差額金の減少があったものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。

また、自己資本比率は66.3%(前連結会計年度末比2.5ポイントの増加)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ27,959百万円増加し、150,725百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が前期と比較し10,143百万円増加の69,479百万円となったことに加え、仕入債務等の支払いが減少したこと等により、前期と比較し17,570百万円の増加となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは73,390百万円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較し、主に固定資産の取得による支出の増加や投資有価証券の売却による収入が減少したものの、定期預金(期間3か月超)からの払戻および固定資産の売却による収入が増加したこと等により、支出額が7,747百万円減少しました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△11,875百万円となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出および配当金の支払額が増加したこと等により、支出額が13,901百万円増加しました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△45,156百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 ア.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

飲料および食品製造販売事業(日本)

158,412

10.8

飲料および食品製造販売事業(米州)

47,547

13.8

飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)

128,242

11.6

飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)

9,447

9.5

医薬品製造販売事業

9,372

△15.2

その他事業

10,797

24.1

合計

363,820

10.9

 

(注) 1 金額は販売価格によっています。

2 セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

 イ.受注実績

当社グループは、受注生産は行っていません。

 

 ウ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

飲料および食品製造販売事業(日本)

195,725

4.9

飲料および食品製造販売事業(米州)

47,388

13.2

飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)

128,199

11.5

飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)

9,413

9.9

医薬品製造販売事業

16,992

△6.2

その他事業

17,397

11.1

合計

415,116

7.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。

2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しています。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

 

① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

 ア.財政状態

当連結会計年度の自己資本比率は66.3%と前連結会計年度の63.8%から2.5ポイント増加しました。

非支配株主持分を含めた純資産額は、前期比10.3%、451億円増加しました。主な要因は、自己株式の取得およびその他有価証券評価差額金が減少したものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。

また、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)は10.6%と前連結会計年度の10.1%から0.5ポイント増加しました。総資産経常利益率(ROA)は10.5%と前連結会計年度の9.1%から1.4ポイント増加しました。

有利子負債の短期借入金については、主に当社の返済により105億円減少しました。また、1年内返済予定を含む長期借入金についても、返済により54億円減少しました。この結果、有利子負債依存度(有利子負債÷総資産)は12.0%と前連結会計年度の15.2%から3.2ポイント減少しています。また、有利子負債対自己資本比率は18.1%と前連結会計年度の23.8%から5.7ポイント減少し、財政状態は依然として堅固な状態が続いています。

 

 イ.売上高

売上高は前連結会計年度から294億円増収(前期比7.6%増)の4,151億円となりました。飲料および食品製造販売事業部門(日本)では、37億円の減収(前期比1.8%減)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)では、195億円の増収(同11.8%増)、医薬品製造販売事業部門では、11億円の減収(同6.2%減)、その他事業部門では、17億円の増収(同10.0%増)となりました。事業部門別の調整額控除前の売上高構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が47.9%(前連結会計年度は50.7%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が43.5%(同40.6%)、医薬品製造販売事業部門が4.0%(同4.4%)、その他事業部門が4.6%(同4.3%)となっています。飲料および食品製造販売事業部門(日本)が減収となった主な要因は、新商品導入効果等により乳製品の売上が増加したものの、収益認識基準の適用により生産資機材等の売上が減少したためです。また、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が増収となった主な要因は、販売本数増加に加え、円安による為替換算のプラス影響等があったためです。医薬品製造販売事業部門が減収となった主な要因は、プロモーションフィーにより売上が増加したものの、薬価改定の影響が大きかったためです。

また、日本からの輸出を含めた海外売上高は前連結会計年度から11.9%増の1,872億円となり、海外売上高比率は45.1%と前連結会計年度の43.4%から1.7ポイント増加しました。

 

 ウ.売上原価、販売費及び一般管理費およびその他収益(費用)

売上原価は1,666億円となり、前連結会計年度から4.9%増加しています。売上総利益は2,484億円となり、前連結会計年度に比べ9.5%増となりました。売上高売上総利益率は59.8%と前連結会計年度の58.8%から1.0ポイント増加しました。

販売費及び一般管理費は1,952億円と前連結会計年度から120億円増加しました。主な要因は、飲料および食品製造販売事業部門(海外)で円安による為替換算の影響による増加、および飲料および食品製造販売事業部門(日本)で売上増加に伴い販売費が増加したためです。

この結果、営業利益は532億円と前連結会計年度から95億円の増益(前期比21.8%増)となりました。事業部門別の調整額控除前の営業利益構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が41.5%(前連結会計年度は38.8%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が55.7%(同61.1%)、医薬品製造販売事業部門が3.9%(同0.3%)、その他事業部門が△1.1%(同△0.2%)となっており、増益であった飲料および食品製造販売事業部門(日本)の構成比が増加しました。

営業外収益は167億円と前連結会計年度から13億円増加しました。主な要因は、持分法による投資利益が増加したことによるものです。

営業外費用は14億円と前連結会計年度から0億円減少しました。

特別利益は42億円と前連結会計年度から2億円減少し、特別損失は33億円と5億円増加しました。

税金費用は前連結会計年度から43億円増加しました。主な要因は、本社において税効果会計により法人税調整額が増加したことによるものです。

 

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は449億円と前連結会計年度から56億円の増益(前期比14.4%増)となりました。売上高当期純利益率は10.8%と前連結会計年度の10.2%から0.6ポイント増加しました。

 

 エ.為替の影響

為替レートの変動による影響は、当連結会計年度の売上高では142億円の増収、営業利益では31億円の増益と試算されました。ただし、この試算は、在外子会社の現地通貨建ての売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に、前連結会計年度の各在外子会社における期中平均レートを適用して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格等の影響は考慮していません。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

 ア.資金調達および資金の主要な使途

当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を確保するため、内部資金および金融機関からの借入を活用しています。

当社においては安定的、効率的に資金調達を行うため、国内金融機関6行と総額600億円の貸出コミットメント契約を締結しています。国内子会社については、主として資金調達をグループのキャッシュ・マネジメント・サービスを活用することにより、資金調達の一元化および効率化を図っています。結果として当連結会計年度末の有利子負債(長期・短期借入金)の9割以上が当社による調達となっています。

また、保有資金については、主に事業拡大のための設備投資、新商品開発のための研究開発および株主還元に活用しています。

 

 イ.資金の流動性

当社グループは事業活動を円滑に行うため、安全性、安定性を考慮し手許資金を確保しています。当連結会計年度末の短期有利子負債135億円に対し、現預金は2,029億円となっており、流動性において十分な安全性を確保しています。また、余資については、安全性の高い短期的な預金等に限定して運用し、資金運用を目的とした投機的な取引は行わない方針です。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、作成時点で入手している情報に基づき、合理的と考えられる見積りおよび仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる可能性があります。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 

 

④ 経営方針・経営戦略の達成状況

当連結会計年度は、連結売上高4,151億円(連結売上高予想4,125億円に対して26億円の増)、連結営業利益532億円(連結営業利益予想515億円に対して17億円の増)となりました。

中期経営計画の1年目としては、前期と比較して連結売上高は294億円増(7.6%増)、連結営業利益は95億円増(21.8%増)と順調に推移しました。これは、国内における高付加価値商品の導入や、海外におけるアジアを中心とした販売数量の増加等が寄与したと考えられます。

今後も、新型コロナウイルス感染症の影響による事業活動への制約や世界経済の先行き見通しへの不安からくる消費低迷の可能性等、外部環境の厳しさはありますが、「Yakult(ヤクルト)1000」をはじめとする日本国内での高付加価値商品の販売拡大や海外における市場深耕・事業展開拡大など、当社の企業理念に基づき、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」の戦略展開を推進していきます。

 

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