課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当該連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「地域のお客様に『美と健康と若々しさ』を提供し、当社グループに関わるすべての人と共に幸福社会を築いていける会社づくりを目指す」との経営理念に基づき、「地域一番店を創り続ける」を経営の中核に据えております。また、その実現のためには、主役の美容師が、真摯にお客様へのサービスに打込み、最高の力を発揮できるステージを提供し続けることが大変重要であると考えております。理美容業界の先を読むこと、スタッフを育てること、魅力的な職場を提供すること、それを支える経営システムを日々改善していくことが当社グループの成長の基軸であり、ステークホルダーからの信頼に繋がり、理美容業界のみならず社会全体の要請に応えるものと確信しております。

 

(2)経営環境

 当社を取りまく環境は、人口減少により市場規模が微減傾向にある中、美容室のオーバーストア化、新卒美容師の減少によるサロンスタッフの採用難など、厳しい状況が続いております。更に、選別消費の進展によるデザイン系サロンとメンテナンス系サロンの両極化、SNS等の普及に伴う集客方法の多様化、人材不足や多様な働き方への移行を背景に、「業務委託サロン」等の新業態が台頭するなど 、大きな変化の中にあります。

 また、変異株の感染拡大等、新型コロナウイルスの今後の感染状況の見通しは未だ不透明であり、美容室業界におきましても、お客様の来店間隔の長期化等の傾向が続き、依然として予断を許さない状況が続いております

 この様な経営環境の中、付加価値メニューやPB商材販売強化等の客単価アップ施策を中心に展開すると共に、スタッフ向けオンライン動画教育の拡充等、デジタル・スマート化による店舗オペレーションの効率化を図り、コロナ禍を乗り越える収益基盤の強化に取り組んでおります。

 当社グループでは、お客様ニーズと経営環境の変化に対応するべく、提供する美容技術やサービスライン、価格帯に幅をもたせた複数のブランドを展開する多様なブランドポートフォリオをグループ経営戦略の基盤とし、その強化に取り組んでおります。

 Ash、NYNY等のブランドを展開するデザイン系サロンは、ハイクオリティ・ハイセンスなサービスを提供し、Choki Petaブランドのメンテナンス系サロンは、シンプルなサービスをリーズナブルな料金で提供しカジュアルヘアファッションのニーズに応えるなど、地域のお客様に幅広くご支持いただけるサロンを引き続き展開することを営業の基本方針としてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、ステークホルダーから支持される企業であるためにも、財務体質の更なる強化、利益成長を継続していくことが重要な経営課題であると考えております。

 財務体質の更なる強化についての経営指標としては、財政状態の健全性並びに長期的な安定性や支払能力を示す自己資本比率を目標の指標にしております。また、利益成長を継続していくことについての経営指標としては、企業の収益力を判断する基本的な指標の一つであり、株主資本をどれだけ効率的に運用し、利益を上げているかを判断する指標である株主資本利益率(ROE)を目標の指標にしております。

 中長期的な目標として、自己資本比率40%以上、株主資本利益率15%以上を目指しております。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 中長期的な経営戦略として当社グループでは、暖簾分け制度への取組みを起点に国際的視野で「100年ブランドの創出」を目指しております。

 当社は、創業時からのモットーである「若々しさ、美しさ、健やかさをより便利に快適に地域のお客様に提供する」を実践し続けるとともに、最近の美容室業界を取り巻く様々な環境変化へ柔軟に対応し、今後とも継続的に業容拡大を図り、企業価値を高めてまいります。

 2021年においては、コロナ禍の影響が長期化したものの、社会経済活動への制約が徐々に緩和され、当社グループにおいては、単価アップ施策が奏功し、チェーン売上高はコロナ禍前の2019年の水準近くまで回復しております。

 もっとも、内外における変異株の再拡大も懸念される中、緊急事態宣言の再発令等コロナのリスクが顕在化した際、手元流動性を高めるため、迅速な資金確保の可能な体制を整えております。

 また、引き続き、お客様や従業員の安心・安全を最優先した事業運営を徹底すると共に、「デジタル・スマート化」により生産性向上と経営体質の強化を図り、強いサロンブランドづくりとしなやかなブランドポートフォリオ戦略を引き続き推し進めてまいります。

 特に、デザイン系サロンのAsh・NYNYブランドの強化、メンテナンス系サロンであるカットカラー専門店のChoki Petaの収益力の向上、傘下の各事業会社によるFC加盟店への経営支援の強化などを主要な経営課題として取り組んでまいります。

 Ash・NYNYにおいては、引き続き、プレミアムカラー・髪質改善やパーマ施術、厳選された付加価値の高い商品の提案、美容意識の高いメンズのお客様をターゲットとしたメニュー開発による単価施策を講じ、提案力を強化しお客様の固定化を推進し、従業員へのマーケティング教育を行うことで戦略に基づいた施策を実施し増客に繋げ、PB商品のブランド「ennic(エニック)」の販売拡大により、ブランド認知の深化を図ってまいります。

 Choki Petaにおいては、引き続き、中高年層のお客様を中心とする来店客数の増加施策など、収益力の強化を推し進めてまいります。

 SDにおいては、新規出店の加速、デジタル販促を中心とした各サロンのブランディングを行い、幅広い美容師独立ニーズに応えてまいります。

 アイラッシュサロンを運営する株式会社ダイヤモンドアイズにおいては、美容意識の高いメンズ向けのサロンDIAMOND EYES for MENの更なる拡大により、動員の幅を広げることで、新しい層の取り込みをしてまいります。

 当社グループ会社におきましては、引き続き、提供サービスの中核が「美容師」であるとの認識のもとで、業態ごとにサロンの魅力を最大限体感していただけるよう一層の顧客満足に努めてまいります。

 持株会社である当社は、引き続き、グループ会社の適切な統制、人材育成と最適な人的資源の配置、効率の高い店舗投資等により、グループの経営基盤の強化に取り組んでまいります。

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