業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による悪化から一時持ち直しの動きがみられました。しかしながら、新たな変異株による感染急拡大などもあり、先行き不透明な状況が続きました。

 食品業界では、コロナ禍における新しい生活様式に基づく消費者需要の変化への対応が求められているなか、一部原材料価格の上昇もあり、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような状況下、当社グループにおきましては、全ての事業セグメントで外出の自粛や経済活動停滞の影響を受けたものの、主力事業である食品関連事業や、物流関連事業では前期から一部持ち直しております。しかしながら、人材派遣関連事業からの撤退影響もあり、当連結会計年度の売上高は、1,923億2千6百万円(前期比19億8千3百万円、1.0%減)にとどまりました。

 利益面では、食品関連事業における海外事業の好調、食材関連事業における棚卸資産評価損の解消などにより、営業利益は44億4千1百万円(前期比11億9百万円、33.3%増)、経常利益は50億3千5百万円(前期比13億2千4百万円、35.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億6千4百万円(前期比25億8千1百万円、378.1%増)となりました。

 セグメントごとの事業概況は、以下のとおりです。

 なお、当連結会計年度より、従来報告セグメントとしていた人材派遣関連事業について、事業撤退したことにより重要性が乏しくなったため、「その他」として記載する方法に変更しております。これに伴い、当連結会計年度における比較および分析は、変更後の区分に基づいております。

 

[食品関連事業]

 売上高は、海外事業の好調などにより、1,625億2百万円(前期比20億8千4百万円、1.3%増)となりました。一方、利益面では、新潟工場の閉鎖に伴う固定資産耐用年数短縮影響や、水道光熱費単価の上昇影響を受け、営業利益は42億8千9百万円(前期比2千7百万円、0.7%増)にとどまりました。

[食材関連事業]

 水産加工品の取扱高が減少したことなどにより、売上高は133億9千3百万円(前期比16億円、10.7%減)となりました。一方、営業利益は、棚卸資産評価損の解消などにより、2億7千1百万円(前期は7億5千7百万円の営業損失)となりました。

[物流関連事業]

 共同配送事業の取扱高増加や取引価格の見直しなどにより、売上高は132億6千万円(前期比1億3千8百万円、1.1%増)、営業利益は6億1千5百万円(前期比1億6千7百万円、37.5%増)となりました。

[食品製造設備関連事業]

 大型案件の増加により、売上高は31億3千2百万円(前期比16億5千9百万円、112.7%増)、営業利益は8千5百万円(前期は1千2百万円の営業損失)となりました。

[その他]

 当連結会計年度において人材派遣関連事業から撤退したことにより、売上高は3千8百万円(前期比42億6千5百万円、99.1%減)、利益面は1億3千8百万円の営業損失(前期は2億7千7百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて7億2千5百万円増加し、96億7千1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は81億6百万円(前連結会計年度は83億3千8百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益(47億3千1百万円)、減価償却費(51億7千8百万円)、および法人税等の支払額(△15億2百万円)によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は39億6千3百万円(前連結会計年度は52億2千6百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出(△37億6千2百万円)によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は35億4千6百万円(前連結会計年度は19億2千2百万円の減少)となりました。これは、リース債務の返済による支出(△22億1千2百万円)、長期借入金の返済による支出(△6億2千万円)、および配当金の支払額(△7億4百万円)によるものです。

 

③生産、受注および販売の実績

(イ)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

159,630

1.2

食材関連事業

2,032

△18.0

合計

161,663

0.9

(注)1.金額は販売価格(出荷価格)をもって表示しております。

2.上記については、セグメント間の内部取引消去前の数値で表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(ロ)受注実績

 一部の連結子会社は、受注生産を行っておりますが、受注当日または翌日に製造・出荷の受注生産を行っておりますので、受注高および受注残高の記載は省略しております。

 

(ハ)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

食品関連事業

162,502

1.3

食材関連事業

13,393

△10.7

物流関連事業

13,260

1.1

食品製造設備関連事業

3,132

112.7

その他

38

△99.1

合計

192,326

△1.0

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より、従来報告セグメントとしていた人材派遣関連事業について、事業撤退したことにより重要性が乏しくなったため、「その他」として記載する方法に変更しております。

3.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社セブン-イレブン・ジャパンの加盟店および直営店

153,031

78.8

151,264

78.6

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて8千8百万円減少し、821億8千4百万円となりました。負債は前連結会計年度末に比べて36億1千7百万円減少し、342億8千3百万円となりました。これは、未払金、リース債務および長期借入金が減少したことによるものです。

 純資産については前連結会計年度末に比べて35億2千8百万円増加し、479億1百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金支払いの差引により利益剰余金が増加したことに加え、為替換算調整勘定が増加したことによるものです。

 

③当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

 連結売上高は、主力事業である食品関連事業や物流関連事業では新型コロナウイルス感染症による悪化から一部持ち直したものの、人材派遣関連事業からの撤退影響もあり、1,923億2千6百万円(前期比19億8千3百万円、1.0%減)にとどまりました。

(営業利益)

 営業利益は、食品関連事業における海外事業の好調、食材関連事業における棚卸資産評価損の解消などにより、44億4千1百万円(前期比11億9百万円、33.3%増)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は、新型コロナウイルス感染症に係る助成金を計上したことなどにより、11億2千2百万円(前期比3億4千2百万円、43.9%増)となりました。営業外費用は5億2千9百万円(前期比1億2千7百万円、31.9%増)となりました。経常利益は50億3千5百万円(前期比13億2千4百万円、35.7%増)となりました。経常利益が増加した主な要因は、営業利益の増加によるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別利益の計上はございませんでした(前期は6千1百万円の特別利益の計上)。特別損失は、減損損失を計上したことにより、3億3百万円(前期比14億6千6百万円、82.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、32億6千4百万円(前期比25億8千1百万円、378.1%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源および資金の流動性についての分析

(イ)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年

2月期

2019年

2月期

2020年

2月期

2021年

2月期

2022年

2月期

自己資本比率(%)

51.0

52.1

51.5

53.7

57.9

時価ベースの自己資本比率(%)

51.6

38.3

33.1

33.3

39.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

1.8

2.4

1.0

1.3

1.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

69.7

45.9

102.9

84.9

93.2

(注) 自己資本比率            :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率      :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ  :キャッシュ・フロー/利払い

※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(ロ)資金需要および資金調達

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、製造設備の増設・更新等の設備投資によるものです。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金により充当し、必要に応じて、金融機関からの借入等による資金調達を実施しています。

 

(ハ)資金の流動性

 当社グループは、複数の金融機関との当座貸越契約を設定しております。また、当社および国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を導入しております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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