業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当社グループは、「100歳時代に価値ある豊かさと価値ある健康を」というサステナビリティビジョンを掲げ、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の実現を目指しております。

 その実現に向け、食品、化粧品、医薬品の開発を科学的根拠に基づいて行い、独自の研究成果及び製品を「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業において広く社会に提供しております。

 なお、当社は2021年8月31日付で明治薬品株式会社の全株式を取得し子会社化したため(2021年8月15日付でみなし取得)、第2四半期連結会計期間より、明治薬品株式会社の業績が含まれております。

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための、緊急事態宣言が長期に亘り、経済活動が大きく停滞いたしました。後半にかけてワクチン接種が進み、徐々に経済活動の回復の兆しが見えてきているものの、日米の金利差拡大、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした原油・原材料の高騰及び円安など、先行き不透明な状況が続いております。

 一方、このような生活様式の急速な変化にも関わらず、消費者の医療、健康及び美容に対するニーズは引続き継続しております。

 こうしたニーズに応えるべく、「中期経営計画2026」のテーマ「新価値創造 1Kプロジェクト」を掲げ、この実現のため、新規素材開発、研究員の採用強化をはじめとした研究開発投資、新商品及び主力商品への広告投資、M&A推進及びアライアンス構築に注力いたしました。

 研究開発投資では、2022年4月1日付で株式会社アンテグラルのバイオサイエンス事業を、吸収分割により承継いたしました。新商品への広告投資では、明治薬品株式会社の機能性表示食品「シボラナイトGOLD」の受注が好調であることから、特に第3四半期連結会計期間以降、同製品への広告宣伝投資に注力いたしました。

 アライアンス構築では、オンキヨー株式会社及びENEGGO株式会社への投資を通じて、新製品開発又は新市場への進出を開始しております。

 これらの取組みにより、当社グループの研究開発費は766百万円(前期比46.8%増)、広告宣伝費は35,748百万円(前期比43.8%増)となりました。

 新商品の販売では、明治薬品株式会社の機能性表示食品以外にも、累計出荷70万本超のヒットとなったまつ毛美容液及びロート製薬株式会社のアイケアサプリメントが売上高の増加に貢献いたしました。

 海外販売では、「ニューモ育毛剤」のECプラットフォーム及び代理店向けの販売が、新規事業として売上高の増加に貢献いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は60,185百万円(前期比28.7%増)、営業利益1,080百万円(前期比81.0%減)、経常利益1,264百万円(前期比78.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は374百万円(前期は3,841百万円の利益)となりました。

 

 各四半期別の経営成績の推移は以下のとおりです。

 

前期

当期

2021年7月期

連結会計年度

当第1四半期

連結会計期間

当第2四半期

連結会計期間

当第3四半期

連結会計期間

当第4四半期

連結会計期間

2022年7月期

連結会計年度

売上高

(百万円)

46,752

12,606

16,215

15,228

16,135

60,185

営業損益

(百万円)

5,673

1,575

457

△1,100

148

1,080

経常損益

(百万円)

5,767

1,617

487

△1,028

188

1,264

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりです。

  なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」をご参照ください。

 

<バイオメディカル事業>

 バイオメディカル事業では、当社独自のニワトリ由来抗体作製技術「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」及び卵黄由来の生理活性ペプチド開発技術を用いた創薬事業を行っております。

 「ALAgene technology」は、これまで治療できなかった病気に対する抗体及び既存医薬品よりも優れた薬効を持つ抗体を作製する技術として、競合他社よりいち早く製薬会社へのライセンスアウトを実現しております。

 当連結会計年度においては、本技術を活用・高度化し、あらゆる疾患を標的とした次世代抗体医薬品候補となり得るリード抗体の作製を開始しております。本研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発)」として5年間の選定を受けております。

 抗体創薬プロジェクトでは、「自己免疫疾患」「悪性腫瘍」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行っております。

 「自己免疫疾患」においては、当社内の「国際PAD※1研究センター」において、一連のPAD関連ターゲットに対する創薬研究を推進し、パイプライン拡充が順調に進捗いたしました。特に抗PAD2抗体については、各種薬効薬理試験を推進し、国内外の大手製薬企業との提携交渉を進めております。

 「悪性腫瘍」等の各種難治性疾患においては、抗FSTL1抗体等を用いた薬効薬理試験を行うことで大手製薬企業との提携交渉を進めております。

 これらの抗体創薬プロジェクトの強化のため、タンパク質解析国内トップレベルの実績・技術力を誇る株式会社アンテグラルのバイオサイエンス事業を、吸収分割により承継いたしました。「ALAgene technology」とプロテオーム解析技術を組み合わせることで、創薬ターゲットの探索・同定をより強化し、世界初の抗体医薬品の開発が加速することを目指しております。

 さらに、AI専門チームを新たに組成し、ターゲット探索から抗体の設計までのプロセスの短縮化を行っております。

 「ペプチド創薬プロジェクト」では、引続き骨形成不全症の治療薬の候補として、「リプロタイト」の作用機序の解明と、動物モデルでの薬効評価、薬物動態評価を行うことで、製薬企業との提携交渉を継続してまいります。

 また、バイオメディカル事業では、新たな創薬ターゲットに対する抗体作製に加え、外部企業からの分析・効能評価試験等を受託するLSI(Life Science Information)事業を行っております。

 これらの結果、バイオメディカル事業の当連結会計年度の売上高は、220百万円(前期比41.3%減)、セグメント損失は231百万円(前期は81百万円のセグメント利益)となりました。

 

<BtoB事業>

 BtoB事業では、機能性素材、健康食品及び医薬品等の研究開発及び製造を行い、食品・医薬品メーカー、流通事業者等に販売をしております。当事業が属する機能性表示食品及び健康食品等ヘルスケア市場は、健康維持、増進への高い意識を背景に、市場規模が拡大しております。

 当連結会計年度より、新たに連結子会社となった明治薬品株式会社の「CMO※2事業」及び「CHC※3事業」の業績が当セグメントに含まれております。なお、当連結会計年度において、明治薬品株式会社は、決算日を5月15日から7月31日に変更し連結決算日と同一になっております。これにより、明治薬品株式会社の2021年8月16日から2022年7月31日までの業績が当セグメントに含まれております。

 機能性素材の販売では、当社の主力商品である「ファーマギャバ」の売上高は、1,271百万円(前期比5.8%減)となりました。海外市場では、特に中国でのロックダウンの影響を受ける結果となりました。国内市場では、機能性表示食品制度における「GABA(ギャバ)」の届出件数は716件(2022年7月31日時点)で、引続き第1位の採用実績を維持しております。食品メーカーによるGABAの採用拡大が継続しております。

 骨形成成分である「ボーンペップ」の売上高は、176百万円(前期比29.0%減)となりました。特に海外の乳業メーカーでの採用が進んでおり、現在20社以上で採用されております。

 OEM事業の売上高は、625百万円(前期比15.4%減)となりました。国内を中心にヘルスケア企業向けダイエット食品、健康飲料は堅調に推移しましたが、コンビニ向けパウチゼリー等の受注が想定より後ろ倒しとなりました。当社のOEM事業は、独自の素材を中心にエビデンスのある原料を組み合わせて提案しており、引続き国内外でプロジェクトを進めております。

 新規事業である越境ECでは、TモールGlobal等のECプラットフォームや現地代理店向けが増加し、売上高は300百万円となりました。

 新規の製造・販売チャネルでは、明治薬品株式会社の手がける医薬品製造受託の「CMO※2事業」の売上高が3,642百万円、機能性食品・医薬品等のドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC※3事業」の売上高が1,801百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度のBtoB事業の売上高は、8,079百万円(前期比183.3%増)、セグメント利益は1,660百万円(前期比115.6%増)となりました。

 

<BtoC事業>

 BtoC事業では、「発明企業の通販事業」として当社独自の機能性素材を配合したサプリメント及び医薬部外品(「タマゴ基地」ブランド)並びに化粧品(「フューチャーラボ」ブランド等)の商品を、通信販売の方式で消費者へ直接販売を行っております。

 第3四半期連結会計期間以降、顧客獲得効率指標のCPO※4及び収益性指標のLTV※5を重視しながらも、新商品へ積極的に広告宣伝投資を行い、2022年7月末時点の当社グループ全体の定期顧客件数は、1,001,356件(前年同期773,844件、前年同期29.4%増)となりました。

 特に、明治薬品株式会社の「シボラナイトGOLD」の定期顧客件数は、209,379件となりました。創業74 年の歴史をもつ明治薬品株式会社が製造する機能性表示食品として、インターネットメディア中心に利用者が急増した結果、売上高は、3,194百万円となりました。受注好調による製造ラインのひっ迫により、予約販売を継続しております。

 「ニューモ育毛剤」の売上高は、27,967百万円(前期比4.5%増)となりました。定期顧客件数は441,403件と高水準を維持し、リピート購入の進展により、当社グループ全体の売上及び利益の押し上げに寄与しました。「ニューモ育毛剤」顧客へのクロスセルを引続き注力しており、「ニューモサプリ」の売上高は2,724百万円(前期比28.4%減)、「ニューモVactoryシャンプー」の売上高は714百万円(前期は0百万円)となりました。なお、「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は、2022年7月23日時点で1,500万本を突破しており、引続き堅調な受注が継続しております。

 「ニューモ」ブランドの水平展開の取組みとして、新製品のまつ毛美容液「まつ毛デラックス WMOA」の広告宣伝に取り組んでまいりました。当初は受注好調により初回生産分は完売・在庫不足となりましたが、2021年12月より出荷が再開され、売上高は、2,794百万円となりました。

 また、メガネ型拡大鏡「PFI博士ルーペ」購入顧客に対し、ロート製薬株式会社のアイケアサプリメント「ロートⅤ5粒アクトビジョン」のクロスセルを実施いたしました。両社の強みを組み合わせた販売により、売上高は1,149百万円(前期は8百万円)となりました。

 既存商品では、膝関節サプリメント「タマゴサミン」の売上高は、2,434百万円(前期比20.5%減)となり、利益に寄与しております。

 化粧品の販売では、「ヘアボーテ エクラ ボタニカルエアカラーフォーム」の販売に注力いたしました。CPOを重視した新規顧客獲得を行い、2022年7月末時点の定期顧客件数は48,241件、売上高は、3,332百万円(前期比76.3%増)となりました。

 このような受注増加、定期顧客件数の増加に対し、明治薬品株式会社内に、100ブース規模のコールセンター施設を新たに整備し、受注機能を強化する投資を継続いたしました。

 

 以上の結果、BtoC事業の当連結会計年度の売上高は、51,886百万円(前期比19.2%増)と、前期比で大幅な増収となりました。定期顧客の更なる獲得を目指し、広告宣伝費35,608百万円(前期は24,858百万円)を計上し、セグメント利益は638百万円(前期比88.6%減)となりました。

 

※1 PAD (Peptidylarginine deiminase):標的タンパクのアルギニンをシトルリン化する酵素。生体内に5種

類のPADが存在し、各種疾患との関連が報告されている。

※2 CMO(Contract Manufacturing Organization):医薬品製造受託機関

※3 CHC(Consumer Health Care):ドラッグストアでの医薬品及び機能性食品等の販売

※4 CPO(Cost Per Order):顧客1件を獲得するために要した広告宣伝費

※5 LTV(Life Time Value):顧客生涯価値

 

② 財政状態の状況

a.資産

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ10,214百万円増加し、31,159百万円(前期比48.8%増)となりました。これは主に、BtoC事業の販売拡大等による受取手形及び売掛金の増加1,786百万円、商品及び製品の増加2,045百万円、明治薬品株式会社の子会社化に伴う有形固定資産の増加2,929百万円、ロート製薬株式会社及び三洋化成工業株式会社の株式取得等に伴う投資有価証券の増加1,236百万円によるものであります。

 

b.負債

 負債は、前連結会計年度末に比べ11,606百万円増加し、24,084百万円(前期比93.0%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加等による未払金の増加793百万円、コミットメントライン契約に基づく借入実行による短期借入金の増加12,900百万円、未払法人税等の減少1,565百万円によるものであります。

 

c.純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,391百万円減少し、7,074百万円(前期比16.4%減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少374百万円及び利益剰余金の配当による減少871百万円、自己株式の取得及び処分による減少138百万円によるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は22.7%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。自己資本比率が前連結会計年度末に比べ17.7ポイント低下したのは、未払金・短期借入金等の増加による負債の増加率が総資産の増加率を上回ったこと及び配当金の支払等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ948百万円減少し、8,845百万円(前期比9.7%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,423百万円、売上債権の増減額△1,020百万円、棚卸資産の増減額△2,247百万円、仕入債務の増減額△615百万円、未払金の増減額584百万円、未払消費税等の増減額△645百万円、法人税等の支払額3,125百万円の計上等により、6,065百万円の支出(前年同期は5,938百万円の収入)となりました。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出1,021百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,099百万円、関係会社株式の取得による支出500百万円等により、2,539百万円の支出(前年同期は442百万円の支出)となりました。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、コミットメントライン契約に基づく借入実行による短期借入金の純増減額12,100百万円、長期借入金の返済による支出3,243百万円、配当金の支払額871百万円等により、7,679百万円の収入(前年同期は1,030百万円の収入)となりました。

 

 なお、キャッシュ・フロー関連指標は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

自己資本比率(%)

40.4

22.7

時価ベースの自己資本比率(%)

402.0

136.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

486.9

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計上しております。

3.当連結会計年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

前年同期比(%)

BtoB事業(百万円)

5,251

211.4

BtoC事業(百万円)

7,937

139.7

バイオメディカル事業(百万円)

合計(百万円)

13,188

161.5

(注)1.金額は生産価格によっております。

2.当社グループは、製品の製造にあたっては外部委託での生産を行っており、上記の金額には外部委託先に支給した原材料の仕入額が含まれております。

3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主に、BtoB事業において明治薬品株式会社の医薬品製造受託の「CMO事業」、機能性食品・医薬品等のドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC事業」の製造が含まれた事によるものであります。また、BtoC事業において、明治薬品株式会社のシボラナイト GOLDが販売拡大したため、増産したこと等によるものであります。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

BtoB事業

4,527

570.0

1,300

2,032.9

BtoC事業

バイオメディカル事業

合計

4,527

570.0

1,300

2,032.9

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.当社グループは、主に見込生産を行っており、上記の金額はBtoB事業におけるOEM製品、医薬品製造受託のCMO事業製品の受注実績であります。

3.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、BtoB事業において明治薬品株式会社の医薬品製造受託「CMO事業」の受注が含まれた事によるものであります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

前年同期比(%)

BtoB事業(百万円)

8,079

283.3

BtoC事業(百万円)

51,886

119.2

バイオメディカル事業(百万円)

220

58.7

合計(百万円)

60,185

128.7

(注)1.総販売実績の100分の10以上の売上高割合を占める販売先は無いため、主要な販売先の記載は省略しております。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、BtoB事業において明治薬品株式会社の医薬品製造受託の「CMO事業」、機能性食品・医薬品等のドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC事業」の売上が含まれた事によるものであります。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析等

ⅰ.概観

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ13,433百万円増加し、60,185百万円(前期比28.7%増)となりました。これは主に、BtoB事業の売上高の増加5,226百万円、BtoC事業の売上高の増加8,361百万円によるものであります。なお、当連結会計年度におけるセグメント別の売上高構成比は、BtoB事業が13.4%(前期6.1%)、BtoC事業が86.2%(前期93.1%)、バイオメディカル事業が0.4%(前期0.8%)となっており、前連結会計年度に比べ著しい変動はないとの認識であります。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ5,049百万円増加し、12,077百万円(前期比71.8%増)となりました。これは主に、BtoB事業の売上原価の増加3,407百万円、BtoC事業の売上原価の増加1,596百万円によるものであります。また、売上原価率は、前連結会計年度に比べ5.1ポイント上昇し、20.1%となりました。これは主に、売上原価率の高いBtoB事業の売上高構成比が増加したことによるものであります。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ12,977百万円増加し、47,028百万円(前期比38.1%増)となりました。これは主に、BtoC事業における広告宣伝費等が増加したことによるものであります。

 これらの結果、営業利益は1,080百万円(前期5,673百万円、前期比81.0%減)となりました。また、営業利益率は、前連結会計年度に比べ10.3ポイント低下し、1.8%となりました。

 営業外損益は、補助金収入の計上等により184百万円の黒字(前期94百万円の黒字、前期比95.7%増)となりました。この結果、経常利益は1,264百万円(前期5,767百万円、前期比78.1%減)となりました。

 特別損益は、負ののれん発生益の計上等により158百万円の黒字(前期1百万円の赤字)となりました。また、税金費用は、法人税等調整額を含め1,797百万円(前期1,924百万円)となりました。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は374百万円(前期は3,841百万円の利益)となりました。また、1株当たり当期純損益は、前連結会計年度に比べ145.1円減少し、△12.89円となりました。

 なお、いずれの事業セグメントにおいても、新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動への重要な影響は認識しておりません。

 

ⅱ.セグメント別の経営成績

(BtoB事業)

 売上高は、前連結会計年度に比べ5,226百万円増加し、8,079百万円(前期比183.3%増)となりました。

 主な製品別売上高は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

BtoB事業

 

 

 

ファーマギャバ®

1,348

1,271

 

ボーンペップ®

248

176

 

ファーマバイオミックス

48

49

 

ランペップ®

59

57

 

Cerepron®

121

17

 

HGP®

50

16

 

鶏卵抗体(IgY)

13

10

 

その他素材

222

110

 

素材小計

2,112

1,708

 

越境EC

300

 

OEM

739

625

 

CMO

3,642

 

CHC

1,801

合計

2,852

8,079

 

 セグメント利益は、前連結会計年度に比べ890百万円増加し、1,660百万円(前期比115.6%増)となりました。これは、明治薬品株式会社の医薬品製造受託の「CMO事業」、機能性食品・医薬品等のドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC事業」の売上が含まれた事により、当セグメントの売上高が全体として増加したことによるものであります。

 

(BtoC事業)

 売上高は、前連結会計年度に比べ8,361百万円増加し、51,886百万円(前期比19.2%増)となりました。

 主な製品分類別売上高は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

当連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

BtoC事業

 

 

 

サプリメント、医薬部外品等

34,694

43,564

 

化粧品

8,787

8,224

 

その他

42

97

合計

43,524

51,886

 

 セグメント利益は、前連結会計年度に比べ4,937百万円減少し、638百万円(前期比88.6%減)となりました。これは、明治薬品株式会社の機能性表示食品シボラナイトGOLDの受注が好調であることから広告投資の拡大に伴う広告宣伝費の増加によるものであります。

 

(バイオメディカル事業)

 売上高は、前連結会計年度に比べ154百万円減少し、220百万円(前期比41.3%減)、セグメント損失は、231百万円(前期は81百万円のセグメント利益)となりました。

 

b.財政状態の分析等

 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、事業の規模、成長性及び企業の収益力を表す各項目を重視しております。経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、成長性を重視する指標として売上高の前期比増加率20%以上、収益性を重視する指標としては、営業利益率10%を目標として掲げております。

 ただし、単年度における利益率が低下することを恐れず事業展開を行います。

 そのため、当連結会計年度における売上高の前期比増加率は28.7%と目標を達成しておりますのが、広告宣伝投資増により営業利益率は1.8%となりました。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの事業には、景気の変動等による食品市場への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの分析等

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要は、営業活動に係る主な資金支出としては、広告宣伝費、コールセンター運営費、製品の製造委託費、研究開発費、人件費等があります。

 また、投資活動に係る主な資金支出としては、研究開発施設及び設備への投資、ITシステムへの投資、M&Aによる子会社株式の取得等があります。

 広告宣伝費については、その費用対効果を検証しながら資金を投下しております。当連結会計年度においては、インターネット広告比率が上昇したこともあり、前連結会計年度に比べ広告宣伝費の投資効率が改善したと認識しております。

 新商品への広告投資においては、明治薬品株式会社の製品の受注が好調であることから、積極的に投資しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金および短期借入金を基本としており、設備投資資金は長期借入金を基本としております。

 なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は16,890百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、8,845百万円となっております。

 流動性については、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、金融機関より随時利用可能な借入枠を確保しており、機動的な資金調達に備えております。なお、流動比率は103.1%(前期は163.3%)、固定比率は108.1%(前期は35.6%)であり、健全な状況であると認識しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による今後の事業活動への重要な影響は認識していないため、これらの見積りには新型コロナウイルス感染症の影響は加味しておりません。

 

a.棚卸資産の評価

 当社グループは、棚卸資産については、収益性の低下に基づく簿価切り下げ額の測定を行っております。将来、正味売却可能価額がさらに低下した場合又は滞留資産が増加した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

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