課題

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針・経営戦略等

当社グループの経営基本方針は、「私たちは、“公共の芸術とお客様の夢の両立”を目指します」という創業理念のもと、住宅(建物)を通して、社会的芸術性の実現と個人的生活空間のプロデュースを行うという使命を果たし、住宅及び建物を求める数多くのお客様に、リーズナブルな価格で、世界にたった一つしかない商品を提供していくことであります。

主力事業である戸建分譲事業においては、「同じ家は、つくらない。」をコーポレートメッセージとするグループブランド「MELDIA」の認知を高め、商品性(デザイン力・企画力)を向上させることで、三大都市圏(首都圏・中京圏・関西圏)に対する供給シェアを高めてまいります。この戸建分譲事業を軸に、注文住宅事業、建設請負事業、投資事業、海外事業、ホテル事業などの周辺事業についても成長を目指してまいります。

戸建分譲事業を中心としたさまざまな事業において、グループメッセージ「Design Your Life」(人々の人生をデザインする)を達成するべく、メルディアブランドの信頼構築を追求し、利益向上のため徹底した原価管理、品質管理を行うと同時に、効率性向上に努め、投資家に魅力のある企業グループを目指してまいります。

 

(2)経営環境

当社グループが属する不動産・住宅業界におきましては、政府による住宅取得支援策や住宅ローンの低金利、テレワークの普及などを背景に、住宅市場は底堅く推移することが期待されますが、建築資材価格、人件費、建設工事費の高騰など不動産価格への影響が懸念されるほか、住宅ローン金利が上昇した場合に、消費者の不動産購入マインドへの影響が懸念されるなど先行き不透明な状況が続くものと思われます。

建設業界においては、不動産市況・設備投資動向などの外部環境の変化により受注高の減少懸念に加え、原材料の高騰や深刻な人手不足による労務費の逼迫など、建設コストは高止まりしており、厳しい受注環境が続くものと思われます。

収益不動産市場は、個人投資家や機関投資家、海外投資家などの多様な金融資産の安定的な運用環境を提供する市場となっており、今後も堅調に推移すると見込んでおります。

このような環境の中、当社グループは、主な事業である不動産分譲事業における戸建分譲事業においては、供給拡大のため、引き続き当社グループの強みである「都心エリアでの木造3階建て」の企画や設計力・施工力を活かし「同じ家は、つくらない。」にこだわった付加価値の高い住宅を、首都圏エリア・中京エリア・関西エリアに供給する考えであります。また、「同じ家は、つくらない。」という特色を活かし、ウィズコロナ、アフターコロナにおける、新たなライフスタイル、ニーズを商品企画、設計に取り入れることで、引き続き、お客様に選ばれる商品を提供いたします。

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2018年10月に、2019年8月期を初年度とする『MELDIA ACTION PLAN2021』(以下、「MAP2021」という。)を公表いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響等により実績及び業績予想に乖離が生じたことを鑑み、2020年10月27日に、新たに2021年8月期を初年度とする『MELDIA ACTION PLAN2023』(以下、「MAP2023」という。)を策定し公表いたしました。本計画の概要と実績・予想は、以下のとおりであります。

なお、2022年11月1日付で当社の創業者である小池信三が代表取締役を辞任しております。これに伴い、新たな経営体制のもと中長期的な経営戦略を策定する予定であり、決定次第速やかに公表いたします。
 

①「MAP2023」の基本方針

「MAP2023」では、主力事業である戸建分譲事業の拡大を軸として、周辺事業及び子会社を含めたグループ全体の拡大を目指し、また、「デザイン性」、「居住性」の高い住宅を追求することで顧客満足を獲得し、企業価値向上を実現することを基本方針としております。

 

②目標とする経営指標及び実績・予想

 

 目標とする経営指標(2020年10月27日開示情報)

 

2021年8月期

2022年8月期

2023年8月期

連結売上高

140,000百万円

160,000百万円

180,000百万円

連結経常利益

10,054百万円

11,200百万円

12,600百万円

連結経常利益率

7.2%

7.0%

7.0%

 

 

 実績・予想

 

2021年8月期

2022年8月期

2023年8月期

実績

達成率

実績

達成率

予想

達成率

連結売上高

134,036百万円

95.7%

139,006百万円

86.9%

150,000百万円

83.3%

連結経常利益

11,850百万円

117.9%

13,530百万円

120.8%

10,500百万円

83.3%

連結経常利益率

8.8%

+1.6pt

9.7%

+2.7pt

7.0%

―pt

 

 

当社グループは、厳しい市場環境下において、事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を確保し、安定的な成長を実現すべく、次の指標を経営の重要な指標として定め、目標を掲げております。

資本コストを意識した経営で企業価値向上を目指し、事業ポートフォリオ全体を見直すことで、自己資本比率40.0%以上(当連結会計年度37.7%)、ROE25.0%以上(同15.0%)を目標といたします。

 

 

③中期経営計画の実現のためのアクション

 

■戸建事業(分譲・注文)の拡大

・三大都市圏、都市部エリアの供給強化

・建築コスト及び製造間接費削減による利益率向上 

・業務効率化、システム構築による生産性向上・事業回転期間の改善

・積極的な展示場展開によるメルディア注文住宅ブランド浸透と供給拡大

・株式会社メルディアリアルティの拡大による自社グループ販売割合向上

 

■子会社・周辺事業の拡大

・外部環境の変化に応じた投資事業の多角化戦略構築(ファンド組成、リスク管理、ストック事業創造)

・海外事業におけるリスク管理体制の構築

・株式会社メルディアDCの経営管理体制強化と建設請負における新規顧客獲得による持続成長

・グループシナジーを生み出す子会社戦略の実行

 

■持続成長を実現する『自走』人財の創造

・新卒採用の拡大と、自走する社員をつくるための研修制度の拡充

・経営マネジメント人財の育成

・働き方改革、ダイバーシティの推進

 

■資本政策

・事業回転を高め、借入期間短縮を実現する

・投資事業における在庫管理の徹底

・事業ポートフォリオ全体を見直し、自己資本比率40.0%以上、ROE25.0%以上を目標とする

・資本コストを意識した経営で企業価値向上を目指す

 

■株主還元

・配当性向30.0%を目標とし、継続成長とともに安定した配当を実施する

 

■その他のアクション

・IT戦略の強化

システム強化による「お客様へのトータルサポート」、「事業効率化」、「グループシナジー創造」

・M&Aによる成長

首都圏・中京圏・関西圏における当社供給エリアで事業シナジーが望める企業を検討する

戸建分譲会社、注文住宅会社、不動産仲介会社、不動産投資会社、造成・開発会社など、直接・間接問わず、グループ関連事業を含めて検討する

 

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

当社グループの対処すべき課題は、競合他社との価格競争・受注競争における優位性を確保するために、「同じ家は、つくらない。」をコーポレートメッセージに掲げ、「MELDIA」を信頼あるブランドとして浸透させることであります。居住性、デザイン性の優れた付加価値の高い戸建分譲住宅(土地付一戸建住宅)を、一般的な世帯年収でも購入できる価格で提供するために更なるコストダウンを行い、お客様の幸せとともに当社グループの利益率を向上させてまいります。

上記を実現するため、当社グループの役員・従業員全員に対し企業理念・行動指針に基づく行動を徹底し、内部統制システムの構築、人材育成、リスクマネジメント、商品品質の向上など、強化を図ってまいります。

また、当社グループの経営資源を最適に配分し、主力事業である戸建分譲住宅の販売を強化するため、連結子会社である株式会社メルディアリアルティによる直販を拡大するとともに、棚卸在庫の適正水準を保ち、グループ全体の事業効率を高めてまいります。主力事業を安定的に運営することで、不動産投資事業をはじめとするその他附帯事業における事業効率・収益性向上を図り、グループ全体の業績を高めてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症により急速に悪化した国内外の景気は、感染症の影響が徐々に和らぐ中、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策などを背景に持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、ロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格の高騰や金融資本市場の変動、急速な円安の進行に伴う物価の上昇など先行き不透明な状況であります。このような状況においても、当社グループはお客様に選ばれる商品を提供するため、更なるコストダウンによりリーズナブルかつ、居住性・デザイン性の優れた付加価値の高い戸建分譲住宅を供給してまいります。

 

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