課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2022年6月24日)現在における当社グル

ープの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの

要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。

 

(1) 当社グループの現状認識

市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動等、かつてないスピードで起こる変革の時代において、社会や顧客の要望はますます複雑化・多様化しており、その変化への対応が強く要求されております。さらに、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で変革が進む中、事業環境を取り巻くリスクにも対応していく必要があります。このような中、当社グループは、以下のような課題に対し適切に対処してまいります。

 

①自動車部品事業

長期化する世界的な半導体や原材料の供給不足と価格の高騰等により、自動車業界、並びに当社グループ事業に多大な影響が及んでおります。加えて、足元で進行しているウクライナ危機や中国における新型コロナウイルス感染症拡大対策としての度々の都市封鎖は、原油・エネルギーコストの極端な上昇、原材料の一層の高騰、サプライチェーンの混乱等につながり、事業環境の不透明感をさらに増大させる要因となっております。また、何れの事象も完全に正常な状態に戻るには相応の時間を要するものと予測されます。ただし、現在把握している各事象に対して対策を講じており、翌連結会計年度以降市場は緩やかに回復に向かうものと想定しております。

 

②セキュリティ機器事業

セキュリティ機器事業の主力市場である住宅市場においては、従来からの人口減少や低い経済成長率により長期的な住宅着工戸数のダウントレンドは変わらないものの、コロナ禍における在宅勤務に対応できる新たな住宅へのニーズや市場が顕在化してきました。また、宅配、家事支援・福祉等のサービス事業者、不動産管理会社では、IoT機器との連携による居住者への新たな価値提供が求められてきております。一方、世界的な半導体や原材料の供給不足と価格高騰、ウクライナ危機や新型コロナウイルス感染症の影響による原油・エネルギーコスト・輸送コストの上昇が、サプライチェーンの混乱に影響を与えており、当グループ事業へも多大な影響が及んでおります。

 

(2) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」の経営理念のもと、「Innovation for Access」を企業メッセージとして掲げております。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、更なる企業価値の向上を測る尺度として、2019年度~2022年度の中期経営計画において、成長・安定をキーワードに「新事業・新商品開発」、「収益基盤の強化」、そして「人材育成」を3つの基本方針に掲げ、計画目標を達成させるべく推進してまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、本年、2019~22年中期経営計画の最終年を迎えます。ALPHA WAYに掲げる経営理念「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」をグループ全員で共有し実践してまいります。また、当社グループに携わるすべての関係者のコンプライアンス意識を向上させることに努め、企業としての社会的責任を果たしてまいります。さらに人の暮らしに関わるアクセスをもっと安心で便利にという意味を込めた企業メッセージ「Innovation for Access」を実現すべく、グループ一丸となって更なる努力と精進を重ね、お客様から信頼される『アルファブランド』の確立を目指します。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①自動車部品事業

当社グループの自動車部品事業では、当社グループとしては、総力を挙げたあらゆるロス削減並びに合理化活動を徹底し事業への影響を極小化していくとともに、将来に向けた投資の継続により持続的な成長戦略の具現化に全力を挙げてまいります。

 

②セキュリティ機器事業

住設機器部門では、サプライチェーンの問題による影響を極小化していくとともに、付加価値を向上させた電気錠の新商品開発を継続し、今後も成長が見込まれる電気錠市場において国内シェアを拡大させてまいります。更には、過去に販売した電気錠の代替需要等を対象にしたストックビジネスについても継続して取り組みます。海外市場においてはアルファブランドの浸透を図り、中国、タイの拠点で引き続き拡販活動を行ってまいります。

ロッカーシステム部門では、IoT化によるロッカー管理の効率化・省力化とQRコード決済やクレジット決済対応によるお客様の利便性向上を一層進めてまいります。同時に、薬局・ドラッグストアやホテルなどの非対面・非接触・業務効率化のニーズに対応した、新たな商品やサービスの開発を行なってまいります。

 

③財務上の課題

当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等があります。当社グループの資金に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。

前連結会計年度において「守りの財務」を前提として手許資金の確保を優先した結果、財務健全性が低下しました。当連結会計年度は低下した財務健全性を向上させる施策を推進いたしました。翌連結会計年度以降は引き続き財務健全性を担保しつつ、必要な投資案件には機動的に対応できる「攻めの財務」への転換を進めてまいります。

 

 

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