業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比を記載せずに説明しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、持ち直しの動きが見られています。企業収益は一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善しています。また実質総雇用者所得は、横ばい圏内となっており、消費者マインドは、下げ止まりの兆しがみられています。

 

 当社グループにおきましては、当第2四半期連結会計期間より「日本語女性向け」「英語・アジア女性向け」「男性向け」「電子コミック・コンシューマ」の4区分に変更し、事業を運営しております。

 当連結会計年度における売上は、「電子コミック・コンシューマ」が増加したものの、「日本語女性向け」「英語・アジア女性向け」「男性向け」が減少し、5,392,456千円となりました。費用は、電子コミック取次費用や業務委託費用等により外注費の増加があったものの、売上減少による販売手数料の減少や広告宣伝費の減少により、全体として減少しました。その結果、営業損失は362,809千円(前期は営業利益159,001千円)、経常損失は296,607千円(同 経常利益177,890千円)となりました。また連結子会社の清算に伴う関係会社整理損、ソフトウェアや共用資産等の減損損失等による特別損失102,523千円があったことで、親会社株主に帰属する当期純損失は412,172千円(同 親会社株主に帰属する当期純利益163,210千円)となりました。

 また、当連結会計年度末の総資産は、3,060,026千円(前連結会計年度末比453,165千円減)、負債合計は、870,263千円(同5,081千円減)、純資産合計は、2,189,763千円(同448,084千円減)となりました。

 

 事業区分別の主要なタイトル名及びその略称は次のとおりです。

事業区分

分類

主要タイトル

略称

日本語女性向け

読み物型(注1)

100シーンの恋+

100恋+

アバター型

(注2)

天下統一恋の乱 Love Ballad

誓いのキスは突然に Love Ring

眠らぬ街のシンデレラ

鏡の中のプリンセス Love Palace

新◆王子様のプロポーズ Eternal Kiss

魔界王子と魅惑のナイトメア

幕末維新 天翔ける恋

恋乱

誓い

シンデ

ミラプリ

王子

魔界

幕天

カード型(注3)

あやかし恋廻り

アニドルカラーズ

あや恋

アニドル

ファンダム(注4)

ボルSHOP

英語・アジア女性向け

読み物型

Love365: Find Your Story(注5)

Love365

カード型

Ayakashi: Romance Reborn

Ayakashi

男性向け

カード型

六本木サディスティックナイト

六本木

電子コミック・

コンシューマ

電子コミック

ぼるコミ

ボル恋comic

VCレーベル

コンシューマ

Nintendo Switch向け「even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女」

 

 

1、日本語女性向け

 日本語女性向けは、「読み物型」「アバター型」「カード型」「ファンダム」に分類して展開しております。

 主に「アバター型」「読み物型」が減少し、売上高は3,457,086千円となりました。

 

2、英語・アジア女性向け

 英語・アジア女性向けは、「Love365」等が該当します。

 主に「Love365」の減少及び、Voltage Entertainment USA,Inc.の解散及び清算を決議したことによるタイトル減少により、売上高は828,404千円となりました。

 

3、男性向け

 主に「六本木」が減少したことにより、売上高は915,409千円となりました。

 

4、電子コミック・コンシューマ

 電子コミック・コンシューマは電子コミック(ぼるコミ、VCレーベル)及びコンシューマ(Nintendo Switch向けコンテンツ)が該当します。

 主にぼるコミ、Nintendo Switch向けコンテンツが増加したことにより、売上高は191,556千円となりました。

 

(注)1.読み物型:ストーリーを楽しむことがメインとなるタイプのアプリ。

2.アバター型:ストーリーをメインに、アバターなどのゲーム性を組み合わせたタイプのアプリ。

3.カード型:カードの収集・育成要素を持つタイプのアプリ。

4.ファンダム:作品へのポジティブな深い感情的なつながりから生まれたファン文化。当社グループのタイトルを消費するだけでなく、共感・応援するファン集団を指す。

5.Love365: Find Your Story:日本語版恋愛ドラマアプリを翻訳した海外市場向けコンテンツであり、1つのアプリ内で複数のタイトルが楽しめる「読み物アプリ」。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して365,986千円減少し、1,473,158千円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、125,492千円の資金を支出する結果(前連結会計年度は232,580千円の収入)となりました。その主な要因は、売上債権の減少340,253千円及び契約負債を含むその他の増加178,907千円があった一方で、税金等調整前当期純損失399,130千円、未払費用の減少156,049千円及び未払消費税等の減少113,267千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、204,502千円の資金を支出する結果(同259,289千円の支出)となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出131,012千円及び差入保証金の差入による支出44,181千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、55,102千円の資金を支出する結果(同329,685千円の収入)となりました。その主な要因は、配当金の支払51,106千円があったことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前期比(%)

モバイルコンテンツ事業(千円)

5,392,456

合計(千円)

5,392,456

     (注)1.当社グループは、報告セグメントが単一のセグメントであります。

     2.当社グループのモバイルコンテンツ事業における主な販売先は一般消費者であり、販売代金は料金回収代行サービスを利用して一般消費者より回収しております。

     3.最近2連結会計年度における主なプラットフォーム運営会社別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は以下のとおりであります。

     4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の数値については、当該会計基準を適用した後の数値となっており、前期比(%)は記載しておりません。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

グーグル・ペイメント合同会社

3,058,007

44.3

2,402,683

44.6

Apple Inc.

2,717,702

39.4

1,899,884

35.2

グリー株式会社

362,363

5.2

289,493

5.4

SBペイメントサービス株式会社

121,974

1.8

239,970

4.5

 

(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

 重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記  重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度末の総資産は、3,060,026千円(前連結会計年度末比453,165千円減)となりました。

 流動資産は、2,289,729千円(同606,450千円減)となりました。その主な要因は、預け金が76,157千円増加した一方で、現金及び預金の減少365,986千円及び売掛金の減少337,098千円があったことによるものであります。

 固定資産は、770,297千円(同153,284千円増)となりました。その主な要因は、投資有価証券取得による投資その他の資産の増加150,062千円によるものであります。

 

(負債の部)

 負債合計は、870,263千円(同5,081千円減)となりました。

 流動負債は、757,470千円(同4,200千円減)となりました。その主な要因は、契約負債が206,867千円増加した一方で、未払費用の減少153,842千円及びその他の減少56,893千円があったことによるものであります。

 固定負債は、112,792千円(同880千円減)となりました。その主な要因は、繰延税金負債が3,115千円増加した一方で、長期借入金が3,996千円減少したことによるものであります。

(純資産の部)

 純資産は、2,189,763千円(同448,084千円減)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等によって利益剰余金が463,549千円減少したことによるものであります。

 

b.経営成績の分析

 当連結会計年度の業績は売上高5,392,456千円となりました。売上原価は2,245,923千円(前期比127,071千円減)、販売費及び一般管理費は3,509,342千円(同 861,384千円減)となり、この結果、営業損失は362,809千円(前期は営業利益159,001千円)、経常損失は296,607千円(同 経常利益177,890千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は412,172千円(同 親会社株主に帰属する当期純利益163,210千円)となりました。

 

 当社グループは「恋愛と戦いのドラマ」をテーマとした感動コンテンツを提供することを経営方針としております。当面の成長戦略は、当社が物語アプリ事業で培った物語の制作力を軸とし、従来の「ファンダム戦略」「多角化戦略」に、新分野(電子コミック・コンシューマ)からのIP創出(注)を強化する「ヒットIP戦略」を加え、「物語アプリ」及び「新分野」において事業を成長させることです。2022年6月期までは、基幹事業である「物語アプリ」そのものを改善する「アプリ進化戦略」を掲げておりましたが、2022年6月期の当社業績及びアプリ市場の停滞をうけ、2023年6月期より従来戦略を軌道修正しております。

 

(注)IP: Intellectual Property(知的財産)。当社オリジナルのタイトル1つ1つを指す。

 

 2023年6月期第1四半期以降の方針は以下のとおりです。

 

ファンダム戦略

 引き続き、「日女アプリ×ファンダム」と称し、アプリユーザーに対しグッズ・カフェ・イベント・動画等アプリ以外の楽しみを提供することで、ファンダム醸成を図ってまいります。

 

多角化戦略

 直近数年間で、既存事業に対し一定比率で新規事業への投資を行い、複数プロジェクトを走らせながら一定期間内の結果によって継続・淘汰を繰り返す方法論「投資サイクル」が機能し始めております。引き続き、既存事業と新規事業のバランスを取ることで、収益確保しながらの成長を実現すべく投資サイクルを廻し、多角化を進歩させてまいります。

 

ヒットIP戦略

 アプリ市場の停滞といった環境変化を鑑み、既存事業である物語アプリ発に限らず、電子コミック・コンシューマといった新分野発でのヒットIP創出にも注力してまいります。

 

 

1.売上高

当連結会計年度の売上高は5,392,456千円となりました。詳細については「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

2.売上原価

 売上原価は、Voltage Entertainment USA,Inc.の解散に伴う従業員の退職による給与の減少及びオフィス減床による賃借料の減少等により、2,245,923千円(前期比127,071千円減)となりました。

 

3.販売費及び一般管理費、営業利益

 販売費及び一般管理費は、売上減少による販売手数料の減少や広告宣伝費の減少等により、3,509,342千円(同 861,384千円減)となりました。

 この結果、営業損失は362,809千円(前期は営業利益159,001千円)となりました。

 

4.営業外収益、営業外費用及び経常利益

 営業外収益は主として為替差益54,175千円及び不動産賃貸料8,733千円であります。営業外費用は主として不動産賃貸費用4,022千円であります。この結果、経常損失は296,607千円(同 経常利益177,890千円)となりました。

 

5.特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益

 特別損失は関係会社整理損86,878千円及びソフトウェアや共有資産の減損損失15,644千円であります。また、前連結会計年度において、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上し、当連結会計年度第1四半期から第2四半期において、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産を計上しておりましたが、当連結会計年度第3四半期において、今後の業績見通し等を踏まえた繰延税金資産の回収可能性の検討を行い、繰延税金資産を全額取り崩したことにより、当連結会計年度において法人税等調整額を含む法人税等13,042千円を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は412,172千円(同 親会社株主に帰属する当期純利益163,210千円)となりました。

 

(注)「増加」「減少」等の表現は、前連結会計年度との比較によるものです。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、外注費、労務費等の運転資金と、コンテンツシステム開発、設備の投資資金であります。財源は、自己資金と営業活動や財務活動によるキャッシュ・フローであります。

当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益の減少等によりキャッシュ・フローがマイナスとなったものの、当連結会計年度に実行した不採算事業の絞り込み等による費用の大幅な抑制によって、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。今後、資金調達が必要と判断される場合には、速やかに増資や金融機関からの借入等を検討してまいります。

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