業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産活動の回復に一服感があるものの、堅調な雇用・所得情勢を背景に、消費は緩やかな回復基調を維持しております。

こうした経済状況の下、当社グループのうち、ヘルスケア等ソフトウェア事業が属する介護・医療分野に関するソフトウェア業界の事業環境は、高齢社会により社会保障給付は年々増加し、高齢者が健康で自立した生活を送ることが可能な時期を伸ばす「健康寿命の延伸」を政府が推し進めており、健康寿命の延伸に向けた介護サービスのニーズはますます高まっている中、介護業界の人手不足解消のためのICTの有効活用に引き続き期待が寄せられております。

受託開発等ソフトウェア事業における事業環境は、市場規模に大きな変化はないものの、ITの投資動向が従来の効率化のためのシステム導入から事業拡大や新規事業に対する戦略的IT投資へと徐々に変化してきております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,544,618千円増加し、19,444,636千円となりました。

 流動資産は 1,352,534千円増加し、15,154,919千円となりました。これは主に現金及び預金の増加によるものです。

 固定資産は 192,083千円増加し、4,289,717千円となりました。これは主に長期前払費用の増加等によるものです。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ 529,876千円増加し、9,443,612千円となりました。

流動負債は 152,252千円増加し、4,908,313千円となりました。主な要因は、前受収益が増加したこと等によるものです。

 固定負債は 377,623千円増加し、4,535,298千円となりました。主な要因は、受注増加により長期前受収益が増加したこと等によるものです。

 

(純資産合計)

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ 1,014,742千円の増加し、10,001,023千円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加等によるものです。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は 15,428,630千円(前年同期比 5.2%増)、営業利益は 1,825,900千円(同 23.3%増)、経常利益は 1,837,773千円(同 23.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 1,252,020千円(同 35.6%増)となりました。

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、15,428,630千円(前年同期比 5.2%増)となりました。ヘルスケア等ソフトウェア事業の売上高が前期を上回ったこと等が要因です。

 

(売上原価及び販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の売上原価は、売上高増加に伴い 9,270,769千円(前年同期比 3.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は、基幹システム導入による減価償却費の増加等により、4,331,961千円(前年同期比 2.6%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、売上高の増加等により 1,252,020千円(前年同期比 35.6%増)となりました。

 

 なお、セグメント別業績の概要は次のとおりです。

 ヘルスケア等ソフトウェア事業は、売上高 7,684,467千円(同 3.9%増)、セグメント利益 1,707,801千円(同 42.4%増)となりました。

 受託開発等ソフトウェア事業は、売上高 5,436,051千円(同 2.1%減)、セグメント利益 260,136千円(同 27.6%減)となりました。

 ヘルスケアサービス事業は、売上高 1,414,134千円(同 78.4%増)、セグメント損失 4,284千円(前年同期は 7,618千円の損失)となりました。

 ASP事業は、売上高 893,976千円(前年同期比 3.4%減)、セグメント利益 52,436千円(同 53.8%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により 2,632,366千円の収入、投資活動により1,085,559千円の支出、財務活動により 291,972千円の支出となりました。その結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ、 1,254,833千円増加し、6,959,444千円となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動で得られた資金は、2,632,366千円となりました。

 主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、1,085,559千円となりました。

 主な要因は、無形固定資産の取得等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は、291,972千円となりました。

 主な要因は、配当金の支払いによるものです。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケア等ソフトウェア事業(千円)

3,732,914

99.2

受託開発等ソフトウェア事業(千円)

5,436,051

97.9

合計(千円)

9,168,965

98.4

(注)1.金額は販売価格によっており、また、セグメント間取引については、相殺消去しております。

      2.ヘルスケアサービス事業及びASP事業はサービス業務であるため、生産実績は記載しておりません。

      3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケア等ソフトウェア事業(千円)

399,372

94.8

受託開発等ソフトウェア事業(千円)

288,955

109.4

ヘルスケアサービス事業(千円)

275,570

1,414.8

ASP事業(千円)

136,545

105.4

合計(千円)

1,100,443

131.9

(注)1.金額は購入価格によっております。

      2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

      3.ヘルスケア等ソフトウェア事業及び受託開発等ソフトウェア事業の上記金額には、ライセンス料を含めております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比

(%)

受注残高

前年同期比

(%)

受託開発等ソフトウェア事業(千円)

5,545,510

97.2

1,073,436

111.4

合計(千円)

5,545,510

97.2

1,073,436

111.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケア等ソフトウェア事業(千円)

7,684,467

103.9

 

製品(千円)

3,732,914

99.2

 

設定・操作説明等(千円)

1,653,121

121.0

 

保守料(千円)

1,429,824

102.5

 

商品(千円)

868,606

99.2

受託開発等ソフトウェア事業(千円)

5,436,051

97.9

ヘルスケアサービス事業(千円)

1,414,134

178.4

ASP事業(千円)

893,976

96.6

合計(千円)

15,428,630

105.2

(注)1.金額は販売価格によっており、また、セグメント間取引については、相殺消去しております。

      2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

      3.最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

リコージャパン株式会社

2,171,443

14.8

2,180,165

14.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況を踏まえた合理的な判断を基礎として行っておりますが、この見積りは、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a.経営成績等

 経営成績等については、(1)経営成績等の状況の概要 に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社グループの経営に影響与える大きな要因といたしましては、介護保険制度を始めとした福祉、医療制度とソフトウェアの開発環境、動作環境等があります。

 当社グループの主力事業であるヘルスケア等ソフトウェア事業において、介護保険制度をはじめとした厚生労働省等の福祉・医療制度が深く関わっております。当該制度は高齢化問題等の社会的要因や介護事業所等の労働環境といった、様々な要因により毎年施策の変更や関連法の改正が行われます。当連結会計年度は、介護・福祉・医療制度の各制度において大幅な改正が実施されたため、その制度改正に対応するソフトウェアのバージョンアップを開発活動の中心とし、ターゲットの拡大、他社ユーザーからのリプレイス獲得により市場シェアの拡大を図るべく注力いたしました。一方で、そうした変化に対応するための開発やサポート関連のコスト管理を徹底いたしました。

 また、中期的な経営課題として、ソフトウェア開発におけるクラウド、SaaS等のシステム環境の変化やタブレットやウェアラブル端末との連携などIoT化が急速な進歩を遂げており、動作環境等の変化への対応や開発技術の向上も業績に影響を与える要因として認識しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループでは、運転資金及び設備投資資金は基本的に自己資金より充当し、一時的な設備投資資金等が発生した場合、金融機関からの借入を行う場合があります。余剰資金については、安全性を第一に運用を行っており、投機的な運用は行っておりません。

 当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

 運転資金需要のうち主なものは、各セグメントとも人材が非常に重要な経営資源であることから、製造費用の労務費や外注費、販売費及び一般管理費の人件費や営業費用によるものが主なものとなります。また、設備資金需要としましては、ソフトウェア開発に伴う無形固定資産への投資が主なものとなります。

 

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、第2〔事業の状況〕1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕に記載のとおりであります。

 当社グループが重要な指標としている売上高営業利益率については、前年同期より 1.7ポイント増加し、11.8%となりました。営業利益率の変動要因としては、ヘルスケア等ソフトウェア事業において、使用権販売の更新需要とともに他社製品からの入替えが堅調であったことが主な要因です。

 当期の当社グループの目標に対しては、売上高は計画より 3.8ポイント、営業利益率は 1.6ポイント上回りました。前述のとおり収益性の向上とともに、売上原価の適正な配分、販売費の管理等、経営効率化を徹底することで、利益率の向上に努めた結果と認識しております。

 引き続き、当社グループの主たる事業でありますヘルスケア等ソフトウェア事業を中心として、市場シェアの拡大等により収益性の向上を図るとともに、コスト管理や業務効率化を一層強化することで、営業利益率の向上に努めてまいります。

 

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