事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の視点から記載しております。当社グループはこれらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)市場動向について

 当社グループは、企業等の多様な人材ニーズに応えるべく人材関連のビジネスを展開しております。そのため当社グループの財政状態及び経営成績は、景気動向や雇用情勢の変化、企業等における人材採用活動や人材育成の動向等により影響を受ける可能性があります。

 中長期的には、人口動態、就業意識の変化や働き方、雇用・就業形態の多様化等の構造的変化が生じた場合、顧客ニーズに応じたサービス提供等の変化が求められ、当社グループの事業展開・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、情報出版事業におきましては、採用広告に加えて飲食店やショップ、住宅メーカー等の販促広告を取り扱っておりますが、顧客企業の広告費は景況や消費活動に応じて調整されるため、景気動向や消費動向の影響を受けやすい傾向があります。このため、国内の景気動向や消費動向が悪化した場合、顧客企業の販促ニーズの減退等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、取締役会等において定期的に各事業における市場動向や顧客ニーズの変化等について情報共有を図り、注力分野の選択や新たな商品・サービスの開発をはじめとする経営判断を迅速に行うことで、これらのリスクの軽減に努めてまいります。

(2)競合について

 当社グループは、人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、IT・ネット関連事業、海外事業を展開しておりますが、いずれも比較的参入障壁が低い事業であることからベンチャー企業から大企業まで競合関係が生じております。各事業において、今後一層の競争激化が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し当社グループは、既存商品及びサービスの質向上や営業強化に加え、新たなマーケットの開拓や新商品・サービス・ビジネスモデルの開発に取り組むことで他社との差別化に努めてまいります。

(3)人材サービス事業(人材紹介)における看護師分野への注力について

 当社グループは、人材サービス事業(人材紹介)において看護師紹介業務に注力しております。近年の医療機関等における慢性的な看護師不足を背景として、看護師分野の人材需要は高水準で推移しており、今後も同様の傾向が続くものと当社は想定しておりますが、医療分野における規制緩和等により人材需給が緩和する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該業務分野は、事業者間の受注競争や求職者の獲得競争が激しい状況にあり、今後も一層の激化が想定されます。当社グループにおいては、効果的なプロモーションやきめ細やかなコンサルティングの実施等により競争力を維持・向上させていく方針でありますが、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し当社グループは、看護師分野以外の領域への人材紹介の営業強化及び新規マーケットの開拓を進めていくことで看護師紹介への依存度の軽減を図り、業績の安定化に取り組んでまいります。

(4)リクルーティング事業におけるリクルート社との取引について

 当社グループは、リクルーティング事業において、リクルート社の求人広告掲載枠を取り扱っております。当該取引については、代理店形態(当社が広告掲載枠を仕入れて広告主に販売する形態)及び販売委託形態(当社が広告主の求人広告を同社に取次ぎ販売委託手数料を受領する形態)があり、これらは契約に基づき求人広告媒体ごとに取引形態が定められております。

 なお、リクルーティング事業において取り扱う求人広告掲載枠は、一部を除きリクルート社の求人広告媒体に掲載されるものであり、当該事業における同社に対する依存度は高い水準にあると言え、同社の営業戦略・販促施策の変更(契約形態の変更を含む)や同社求人広告媒体の優位性低下等が生じた場合、当社グループの事業展開・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これに対し当社グループでは、顧客企業の採用戦略構築のためのコンサルティングや採用サイトをはじめとする採用ツールの制作、採用実務請負、入社後の社員研修等、求人広告取り扱い以外のサービスの充実、営業強化により、リクルート社の求人広告掲載枠取り扱いへの依存度の軽減に取り組んでまいります。

(5)情報出版事業における配布業務及び印刷業務について

 情報出版事業においては、連結子会社㈱カラフルカンパニーにおいて、生活情報誌を各家庭に対して戸別に配布しておりますが、ポスティング方法や時間帯等に起因して、配布対象地域の各家庭からクレーム等が生じる可能性があります。なお、一部地域の情報誌については、配布業務を外部事業者に全て委託しておりますが、何らかの理由で配布業務委託の継続が困難となった場合、当該事業の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、情報出版事業については、全ての情報誌媒体の印刷業務を外注しておりますが、外注先における何らかのトラブル等により、情報誌媒体の発行日及び配布に遅延が生じた場合は、顧客及び読者からの信頼性低下により、当社グループの事業展開・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)IT・ネット関連事業における情報セキュリティについて

 IT・ネット関連事業においては、連結子会社㈱クロノスにおいて、Webシステムやモバイルアプリの開発を手掛けており、業務遂行上、顧客の有する個人情報や事業上の機密情報等を一時的に保持することがあります。これらの情報の取り扱いにつきましては細心の注意を払い、情報や情報機器、システムに関する定期的な社内教育の徹底に加え、内部監査の実施、社内における情報セキュリティ委員会の設置、ISO27001(ISMS/情報セキュリティマネジメントシステム)認証の更新等の対策を講じており、情報セキュリティの継続的な確保に努めております。しかしながら、これらの施策にも関わらず、情報の流出が発生した場合は、顧客からの信用低下や損害賠償請求等の発生により、当社グループの事業展開・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)海外展開について

 当社グループは、米国(ニューヨーク、ロサンゼルス、ダラス)、中国(上海)、ベトナム(ホーチミン)、メキシコ(アグアスカリエンテス)、英国(ロンドン)及びタイ(バンコク)に子会社を有しており、人材紹介・人材派遣・人事労務コンサルティング等の事業を展開しております。海外での事業展開においては、為替変動・現地の法規制や行政政策の変更・人件費等の変動・戦争やテロ・暴動・感染症の発生及び拡大等の危険性など、経済的・社会的及び政治的リスクが潜在しており、これらの動向により、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(8)業績の季節的変動について

 当社グループは、人材サービス事業(人材紹介)において、紹介した求職者が求人事業者に入職した日付を基準として売上計上することとしておりますが、これにより入退社や配置転換等と連動した人事異動が行われる年度始め(4月)に収益が集中する傾向があります。特に、看護師分野において4月入職の割合が高いことを要因として、当社グループの連結業績は、第1四半期に利益が集中する傾向が生じております(2022年3月期の四半期業績は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (2)その他 当連結会計年度における四半期情報等」をご参照下さい)。

 上記の人材サービス事業の今後における業績動向により、当社グループの連結業績に季節的変動が生じ、当該傾向が継続する可能性があります。

 これに対し当社グループでは、看護師分野以外の領域における人材紹介マーケットの開拓を進めることで、業績の平準化に努めてまいります。

(9)人材の確保及び育成について

 当社グループは、更なる業容拡大及び収益力強化、競合他社との差別化のために、優秀な人材の採用及び育成を重要な経営課題に掲げ採用活動に取り組むとともに、人材育成と実務能力の向上を目的とした社員研修にも注力しております。しかしながら、近年深刻化が進む人手不足の影響により、各事業において、人材の採用及び育成が計画どおりに進まない場合又はスキルを有する人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障又は制約が生じる可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制等について

 当社グループのうち、人材サービス事業においては、有料職業紹介及び労働者派遣等にかかる厚生労働大臣の許可又は届出が必要となるほか、職業安定法、労働者派遣法及び関連法規の規制を受けております(海外においても、事業にかかる規制が同様に存在しております)。今後において、何らかの理由により当社グループの法規制等に抵触する事由が生じた場合や、法規制の新たな制定や重要な変更が生じた場合には、当社グループの事業活動に支障が生じるリスクがあり、これにより業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、連結子会社㈱ワークプロジェクトにおいて運営しております各保育施設は、主に児童福祉法に基づき許認可を受けておりますが、今後、何らかの事由によりこれらの許認可が取り消された場合や営業停止となった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす場合があります。

 これらに対し当社グループは、関連法案に関する法改正等の動きを注視し、法規制の新たな制定や重要な変更による事業活動への影響を軽減するための体制・施策等の構築等に取り組んでまいります。

(11)検索エンジンへの対応について

 当社グループが運営するサイトの利用者の多くは検索サイトを利用して必要な情報を入手しており、当社グループが運営する各サイトにおいても、これらの検索サイトから多くの求職者や利用者を集客しております。また、より多くの求職者や利用者を集客するためのコンテンツ制作、ユーザビリティ向上のためのシステム構築、効果的なプロモーション実施のためのスキルに長けた人材を積極的に採用し、サイト運営に取り組んでおります。今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更等の何らかの要因により、検索結果の表示が当社グループに優位に働かなくなり、当社グループが運営する各サイトの集客効果が低下した場合、当社グループの事業展開・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)保育に関する国や自治体の方針について

 人材サービス事業において、連結子会社㈱ワークプロジェクトでは認可保育所及び小規模保育事業所を運営しておりますが、今後、国や自治体の子育て支援事業に関する方針について改訂等が実施され、補助金の削減や民間企業による保育所の開設等が認められなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これらに対し当社グループは、国や自治体の子育て支援事業に関する方針等の動きを注視し、方針の改訂等による事業活動への影響を軽減するための体制・施策等の構築等に取り組んでまいります。

(13)保育施設における事故について

 人材サービス事業において、連結子会社㈱ワークプロジェクトは保育施設を運営するにあたり、お預かりする児童の安全を第一に考え、万全の体制で業務に臨んでおります。しかしながら、事故の可能性は皆無とは言えず、万が一、施設運営に関する重大な事故やトラブル等が発生した場合、当局から営業停止の命令を受けたり、多くの児童が退園する可能性があります。また、事故等の内容によっては損害賠償請求の発生や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(14)個人情報管理について

 人材サービス事業においては、労働者保護の観点から転職希望者や派遣登録者等の個人情報の管理について必要な対策を講じることが義務付けられており、情報漏洩等については罰則規定も設けられております。また、保育施設においては数多くの児童及びその保護者の氏名や住所等の個人情報も所持しております。

 当社グループにおいては、これら転職希望者や派遣登録者、保育施設の利用者等の個人情報について、個人情報保護方針に基づきプライバシーマーク制度を導入するなど、Webサイト及びシステムにおけるセキュリティや事業所における管理体制強化を推進しており、一定の管理体制を構築しているものと認識しております。

 しかしながら、当社において何らかの理由により当該個人情報等の漏洩が生じた場合には、当局より業務停止や許可取消等の処分が行われる可能性があります。また、損害賠償請求等の発生や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(15)知的財産権について

 当社グループは、Webサイトの運営や情報誌等の発行のほか、Webシステムやモバイルアプリの開発等にあたり、第三者の知的財産権侵害の可能性について調査可能な範囲で対応を行い、著作権や商標権等の知的財産権を侵害することのないよう努めております。しかしながら、予期せず第三者の知的財産権を侵害するなどの事態が発生した場合には、損害賠償請求や重要な技術の使用停止措置等により、当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(16)訴訟に関するリスクについて

 当社グループは、上場企業としての社会的責任を果たすため、社内研修の充実、諸規程の整備及び運用など適宜、内部管理体制及び教育制度等を整備しております。また、適切な内部統制システムの整備及び運用については、事業展開の状況に応じて徹底を図ってまいります。しかしながら、当社グループ及び役職員の瑕疵に関わらず、取引先や第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟等に至った場合、当社グループの事業活動に支障が生じるとともに、損害賠償請求等の発生や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(17)災害及びシステム障害等について

 当社グループの国内拠点は東京、大阪、愛知、兵庫、石川、富山、福井、新潟にエリア分散して事業を展開しており、海外におきましてはニューヨーク、ロサンゼルス、ダラス、上海、ホーチミン、アグアスカリエンテス、ロンドン及びバンコクに事業拠点を有しております。そのため、これらの地域において大規模な地震・風水害等の自然災害や戦争、テロ、その他不測の事故や新型コロナウイルス感染症に代表される新たな感染症が発生し、当該地域の事業所や人的資源等において直接の被害を被った場合や、取引先の採用活動や販促活動・事業活動に支障が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 これらの災害等に対し当社グループは、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し、局地的な災害・事故等の発生時には他拠点からの事業活動・業務支援が行えるように体制を整えてまいります。

 また、当社グループの事業はコンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依存しております。このため、広範な自然災害や事故の発生、コンピュータウイルスやハッカーの侵入等により、システム障害が生じた場合、当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 これらの中でも、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、当社グループは様々な面で影響を受けております。まず、政府からの要請や感染拡大防止の観点から営業時間短縮や休業、イベント自粛等が行われた場合、顧客企業の採用ニーズや販促ニーズが一時的あるいは継続的に減退いたします。これらは感染拡大が沈静化するまで継続すると見込まれるため、今後、新型コロナウイルスの影響が再び拡大、長期化した場合、当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 また、新型コロナウイルスに感染した場合、重篤化するリスクや長期間の隔離・療養が必要とされ、事業に従事できないリスクがあることから、当社グループでは従業員の健康・安全と事業継続に向け、感染拡大の状況に応じて、在宅勤務を推進しております。しかしながら、現状では感染リスクを完全に排除することは困難であり、万一、社内での感染が発生した場合は、事業所の閉鎖や一次休業等の措置により、当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 なお、新型コロナウイルスの収束時期は依然として不透明であり、前述以外の記載されていないリスク及び新型コロナウイルスの最終的な影響については予測しがたく、それらが当社グループの事業活動・業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 これらに対し当社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響等については注視しながら、在宅勤務等により、事業活動が継続できるように対策を行ってまいります。

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