課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、社員の一体感を高め、社員全体が一丸となってパワーを発揮できる組織とし、未来のために貢献できる会社を目指したいとの思いの下、「社員すべてが心と力を合わせ、企業の発展と成長を通じて、未来のより良い環境作りに貢献する。」を経営理念とし、以下の3つの責任を果たしてまいります。

①個人責任  人間性と技術力を磨き、最高のサービスをお客様に提供します。

②企業責任  社員相互が信頼し合い、安心かつ働きがいのある会社を作ります。

③社会責任  お客様、投資家、株主から信頼され、社会から必要とされる会社を作ります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、企業価値を向上させると共に株主価値を高めるため、事業規模拡大の成果を示す売上高と、収益性向上による利益拡大の成果を示す営業利益、経常利益を重視しております。また、財務体質強化の観点からは、実質有利子負債の削減を重視し企業経営に取組んでまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

生産年齢人口の減少やウィズコロナ時代の到来等に伴い、労働生産性の向上や働き方の改善等を含む、より多様なIT活用方法の提案が求められております。当社は、社会の営みを観察し、時代の流れを見極めた新たなソリューションの創出及び新規事業領域の開拓等により成長を続けていく考えです。

また、当社ブランドの認知向上に資する製品・サービス・共同研究等への投資及び事業活動を通じて、環境にやさしく、広く社会に認知される企業像を目指しております。更には、従業員がこれまで以上に働きがいと誇りを実感できる企業文化を醸成するため、ビジョンの浸透や従業員エンゲージメントの強化にも努めてまいります。

これらの取組みにより、多彩な事業ポートフォリオにより外部環境に影響されにくい盤石な経営基盤を持つ当社は、BtoB市場における存在感を一層高め、更なる企業価値向上を図ってまいります。

①公共関連事業

国内においては、当社が住基カードの時代から携わるマイナンバーの活用やデジタル庁の創設等、当社の成長が期待できる国策が着々と進んでおります。引続き、大規模な公共システム開発で培う専門的な知見を次世代に継承すると共に、先端技術の適用にも注力してまいります。これまで以上に、多くの新規案件を完遂できる高い組織力を備え、顧客にとっても替えのきかないビジネスパートナーのポジションを不動のものとすべく施策を尽くし、更なる安定成長を図ってまいります。

②エンタープライズ事業

新規顧客からの受注比率が高い事業構造であるため、先端ニーズを捉えダイナミックなデジタル変革にも対応し、中規模以上の組織に必要となる主要な技術を同一部門で取扱う稀有な存在として、担う役割を広げております。4大クラウド等を機軸としたソリューションのほか、時代を先読みする独自の総合的なITソリューションを強みに、更なる新規案件の獲得と事業領域の拡大を図ってまいります。

③広域ソリューション事業

需要が高まる先端技術の獲得と、既存顧客における安定的な案件の獲得及び新規顧客への積極的なアプローチをバランスよく進めております。更に広い顧客のニーズに応えるべく、短期間で低コストかつ高品質を実現するローコードでのアプリケーション開発にも一層注力してまいります。また、DX推進の専属部門を軸に部門間連携を強化し、東名阪における新たなビジネスチャンスの拡大・獲得を図ってまいります。

 

④イノベーション事業

大手取引先であると同時に、事業推進パートナーとしての関係を築いてきた日本アイ・ビー・エム㈱と、同社より分社化したキンドリルジャパン㈱との更なる関係醸成を積極的に進めるべく、長年培ってきたインフラ設計・構築、メインフレーム業務、システム開発等の技術を基に、新たな業務領域の案件の獲得に注力してまいります。他方で、自社製品を主軸としたソリューションの提供等、技術者数に依存しない事業領域の拡充を進めることで、事業基盤の更なる安定化と当社ブランドの認知拡大の両立を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

ウィズコロナの新しい生活様式・働き方に適応する社会とITとの関わり方は多様化が一層進むことが予想されます。また、最終ユーザーの業界に影響を及ぼし得るインフレ圧力の高まりによる影響にも警戒が必要です。当社は、より広く、より長期的な視野で、事業継続力及びコーポレートガバナンス体制を強化し、信頼性を高め、持続的な成長を実現してまいります。

また、IT人材の高需要に伴い、高スキル人材の獲得競争も激化し、人件費は高まる傾向にあります。従業員がかけがえのない経営資源である当社としましては、一層の採用強化及び従業員定着率向上に繋がる取組みに注力することで対応いたします。

当社は、高い付加価値を維持継続するための教育・研修投資と働き方改革等を進めると共に、当社の魅力を広く社会に伝え、企業価値の向上に努めてまいります。

また、各セグメントにおける主な課題は、以下のとおりであります。

公共関連事業においては、比較的景気変動に強い事業セグメントではありますが、国全体の景気後退に伴い間接的に影響を受ける場合があります。また、予算縮減及びオフショアによる受注単価抑制の継続が予想されるなか、事業の成長を担う中核人材の高齢化も徐々に進んでおります。一方で、政府のDX進展に伴い見込まれる案件増加を吸収できる、さらに高い組織的な対応力が課題となります。なかでも、DX案件を実行することのできる人材の確保及び社内育成並びにノウハウ等の共有が最重要課題と認識しております。公共案件に長く携わる中で得てきた知見やノウハウを社内で共有し、先端技術を持つ人材の拡充に注力してまいります。

エンタープライズ事業においては、主となる最終ユーザーの多くが法人企業であり、為替変動・インフレ進行等に起因し景気の循環が鈍化する等顧客の業況が悪化した場合、案件の縮小・延期・中止等により、事業計画を余儀なく変更する可能性があります。同セグメントの顧客ポートフォリオには常に新規顧客を一定割合組入れられていることから、新たに獲得した案件においてもトラブルを未然に防ぐプロジェクトマネジメントの強化が重要な要素となります。今後、一層のストックビジネス比率向上等により、市況変動に強い安定した収益源の確保に注力してまいります。

広域ソリューション事業においては、為替変動・インフレ進行等に起因し顧客の業況が悪化した場合、案件の縮小・延期・中止等により事業計画を余儀なく変更する可能性があります。足元で直接的な影響は生じておりませんが、為替変動の影響を受けにくい、市況変動に強いビジネスモデルの確立を図ってまいります。また、請負案件・一次請け案件を増やし利益率向上に繋げるため、プロジェクトマネジメントを実行できる人材の育成・確保にも継続的に注力してまいります。

イノベーション事業においては、特定顧客との強固なパイプが当セグメントにおける安定的な収益基盤となる一方で、その依存度が他セグメントと比較して相対的に高くなっております。顧客の事業成功に伴走する形で確かな信頼を得ることにより、特定顧客の事業方針変更や業績不振等に影響されない強固な事業基盤の構築に努めてまいります。他方で、暗号、電子透かし、ビーコンや指向性受信機等、自社製品の拡販によるストックビジネス比率の向上及び自社ブランド強化にも注力してまいります。

これらの取組みによって、当社の企業価値向上を図ることで顧客基盤を拡大し、将来に亘り安全・安心な社会作りに貢献してまいります。

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