業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当企業集団の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績及び財政状態に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

また、「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と時価算定の会計処理が異なることから、以下の経営成績及び財政状態に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当企業集団の当連結会計年度の業績につきましては、産業関連部門においてシステム構築が大幅に増加したことに加え、産業関連部門及び公共関連部門においてクラウドビジネス拡大などによりシステム運用管理も増加したことから、売上高は24,794百万円(前年同期は24,658百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は81百万円減少しております。

 

損益面につきましては、一部大口不採算案件の発生影響があったものの、新型コロナウイルス感染症対策にて低下していた要員稼働率の回復や個々の案件収支の改善などによる利益の押し上げにより、営業利益は819百万円(前年同期は802百万円)となりました。一方、前年に実施した固定資産売却による不動産賃貸料の減少等により、経常利益は878百万円(前年同期は887百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益も602百万円(前年同期は736百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の営業利益及び経常利益はそれぞれ6百万円増加しております。

 

連結のセグメント別売上高は、次のとおりです。

 

①  金融関連部門

SMBCグループ向け取引におきましては、システム構築案件は堅調に推移した一方、受託しているBPO業務量の減少などによりシステム運用管理が減少しました。また、SMBCグループ向け以外のシステム構築案件が減少したことなどから、売上高は7,031百万円(前年同期は7,383百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は54百万円増加しております。

 

②  公共関連部門

前年に導入が進んだ自治体基幹システムのクラウド化による利用料収入の増加や新型コロナウイルスワクチンの接種券発行対応などによりシステム運用管理が増加しました。また、兵庫県下複数自治体の庁舎移転に伴う大口案件の獲得によりその他の情報サービス及びシステム機器販売が増加したことから、売上高は6,798百万円(前年同期は6,447百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は8百万円増加しております。

 

③  産業関連部門

一部大口不採算案件が発生したものの、ERPソリューションに関するシステム構築案件が好調であったことやクラウド及びネットワーク構築案件の増加によりシステム運用管理が増加したことなどから、売上高は10,965百万円(前年同期は10,827百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は145百万円減少しております。

 

 

当連結会計年度末における財政状態は、期末に大口案件の売上が集中し、期末時点の売上債権残高が大幅に増加した一方、仕入債務の支払いが先行したことによる現金及び預金の減少を主因として、総資産は22,287百万円(前連結会計年度末は22,824百万円)となりました。純資産につきましては、利益剰余金の増加を主因として、17,341百万円(前連結会計年度末は16,814百万円)となりました。この結果、自己資本比率は77.8%(前連結会計年度末は73.7%)となっております。

なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の当期首残高が40百万円増加したこと等により純資産が増加しております。

また、時価算定会計基準等の適用により、純資産は39百万円増加しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末比1,318百万円減少し、7,403百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比912百万円減少し、187百万円のマイナスとなりました。資金が減少した主な要因は、期末に大口案件の売上が集中し、期末時点の売上債権残高が大幅に増加したことに加えて、仕入債務の支払いが先行した結果、当期末の資金が一時的に減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比807百万円減少し、561百万円のマイナスとなりました。資金が減少した主な要因は、前年同期において固定資産及び投資有価証券の売却による収入により前年同期の資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比6百万円減少し、569百万円のマイナスとなりました。資金減少の主な要因は、リース債務の返済及び配当金の支払いによるものであります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

  システム構築

5,467

94.9

  システム運用管理

1,230

88.5

  その他の情報サービス

176

112.4

  小計

6,874

94.1

公共関連部門

 

 

  システム構築

2,876

98.6

  システム運用管理

1,742

109.9

  その他の情報サービス

879

115.5

  小計

5,499

104.4

産業関連部門

 

 

  システム構築

5,623

103.5

  システム運用管理

2,039

107.7

  その他の情報サービス

1,188

97.5

  小計

8,851

103.6

合計

21,225

100.5

 

(注) システム構築の生産高については、当連結会計年度の販売実績高に仕掛増減額の販売高相当額を加味し、算出しております。なお、それ以外につきましては、販売高を記載しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

 

 

  システム構築

5,411

99.4

1,987

92.2

  小計

5,411

99.4

1,987

92.2

公共関連部門

 

 

 

 

  システム構築

2,962

100.3

1,008

109.2

  小計

2,962

100.3

1,008

109.2

産業関連部門

 

 

 

 

  システム構築

5,147

93.0

1,121

59.7

  小計

5,147

93.0

1,121

59.7

合計

13,522

97.1

4,118

83.1

 

(注) システム構築以外の業務については、継続業務が大半であり、業務も多岐にわたり把握することが困難なため、システム構築についてのみ記載しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

前年同期比(%)

金融関連部門

 

 

  システム構築

5,579

  システム運用管理

1,230

  その他の情報サービス

176

  システム機器販売

44

  小計

7,031

公共関連部門

 

 

  システム構築

2,877

  システム運用管理

1,742

  その他の情報サービス

879

  システム機器販売

1,297

  小計

6,798

産業関連部門

 

 

  システム構築

5,903

  システム運用管理

2,039

  その他の情報サービス

1,188

  システム機器販売

1,833

  小計

10,965

合計

24,794

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合

(%)

販売高

(百万円)

割合

(%)

富士通㈱

4,302

17.4

4,459

18.0

㈱三井住友銀行

2,531

10.3

2,221

9.0

 

 

なお、上記の販売実績以外に、㈱三井住友銀行の情報システム部門で行っているシステム関連機能については、㈱日本総合研究所を通じて取引しており、同社、同社子会社の㈱日本総研情報サービスへの販売実績は、次のとおりであります。

㈱日本総合研究所

1,538

6.2

1,793

7.2

㈱日本総研情報サービス

145

0.6

138

0.6

 

 

2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、販売実績の前年同期比(%)は記載しておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当企業集団の当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社の経営課題は収益力の向上と考えており、外部環境の変化に影響を受けない収益体質への転換を図っております。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、安定的な礎を一層強化することを目的として重点的に取り組む5項目を確実に進めてまいります。

当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当企業集団の当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、本社ビルの設備更改等による支出を主因とする投資活動による資金減少や、リース債務の返済を主因とする財務活動による資金減少を見込む一方、期末に大幅に増加した売上債権の回収による資金増加を主因とし、営業活動による資金増加を見込むため、翌連結会計年度末の資金は当連結会計年度末に比べて増加する見込みであります。

なお、設備投資の所要資金については、主に自己資金を充当し、必要に応じてリースを利用する予定であります。

 

セグメントごとの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの課題・対策については、次のとおりであります。

 

①  金融関連部門

SMBCグループの情報化投資は堅調に推移しております。このため、引き続きSMBCグループ取引に最注力し、既存案件に対する取り組み方法の見直しを進め、品質と生産性の向上を両立させて利益率の向上を図ってまいります。また、これまで得意としてきた情報系システム等の業務領域を拡大させるとともに、システム基盤の構築案件への取り組みを強化してまいります。

 

②  公共関連部門

自治体との直接取引は、既存顧客における基幹システムの更改案件が一巡していることに加え、大きな制度改正等も予定されていないため、自治体周辺業務や文教向け自社ソリューションの競争力強化を図ってまいります。また、2025年に集中することが想定される自治体基幹システムの標準化やガバメントクラウドに対する準備に注力するとともに、その後を見据えた商品強化と新商品の企画検討に着手いたします。

 

③  産業関連部門

一般民需分野における情報化投資は、デジタル化・オンライン化など新たな生活様式への対応やDX関連投資等の需要が強まることが見込まれることから、関西圏の地元企業のニーズに確実に対応するほか、首都圏ならびに中京圏での顧客対応力の強化を図ってまいります。また、クラウドやリモートワークの進展による通信量や処理量の増加を背景に、より高度なサービス提供等によるITインフラビジネスの拡大を図るほか、情報セキュリティに関するサービスの拡充にも注力いたします。

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

受注損失引当金

当企業集団は、ソフトウェアの請負契約に基づく開発案件のうち、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。

開発案件の総原価の見積りに当たっては、お客さまからの要求事項をもとに、見積範囲、システム規模、リスク等を踏まえ、システム開発原価基準に基づき工数、原価を算出し、見積原価額を決定しておりますが、仕様の変更や作業内容に想定外の不具合が生じた等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。

このため、一定規模以上の開発案件については、事業部に加え、社内において品質・生産性の全般を管理している品質管理部による「見積検討会」を開催し、見積審査を行うとともに、経営会議メンバーによる「システム案件協議会」において案件毎の進捗状況の確認を行う体制としております。加えて受注損失引当金を計上する案件については決算期毎に品質管理部にて引当金額の妥当性を検証しております。

なお、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後2023年3月期の一定期間にわたり当該影響が継続すると仮定しておりますが、個々の開発作業の見積原価に与える影響は、開発原価の大部分を人件費が占めており変動要素が少ないことから、現状軽微であると判断しております。

 

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