業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

ⅰ 財政状態

 当連結会計年度における総資産は、53,001百万円となり、前連結会計年度と比較して13,465百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加3,215百万円、商標権の増加2,338百万円、のれんの増加4,553百万円によります。

 また、負債合計は17,593百万円となり、前連結会計年度と比較して10,066百万円増加いたしました。これは主に前受金の増加6,259百万円と、長期借入金の増加2,672百万円によります。

 純資産は35,408百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,398百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当の額が2,431百万円減少要因となった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益5,709百万円を計上したことによります。

 

ⅱ 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されております。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 このような環境の中、当社はエステ・サロン事業の強化及び当社グループにおける若年層顧客獲得のために、平成29年11月30日に株式会社セドナエンタープライズの株式を取得し、子会社化いたしました。

 当連結会計年度の経営成績については、第2四半期連結会計期間から新たに株式会社セドナエンタープライズが連結対象となり、前連結会計年度と比較して連結売上高と各段階利益が増加したことに加え、スペシャルケア商品の販売が好調な対面型店舗販売の売上高増加、ラボラボブランドの売上高が引き続き国内外で拡大しております。

 以上により、売上高は50,938百万円(前期比18.7%増)、営業利益は8,747百万円(前期比2.1%増)、経常利益は8,835百万円(前期比0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,709百万円(前期比4.6%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

<ドクターシーラボ事業>

 ドクターシーラボ事業をブランド別に見ますと、ドクターシーラボブランドは、広告販促費を前期比で増加させたことも有り、売上高が増加いたしました。当連結会計年度においては「アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEX」、「VC100エッセンスローション」といった大型商品のリニューアル発売を行い、TVCMを放映するなど、積極的な広告販促活動を行いました。また、「スーパーホワイト377」、スーパー100シリーズの「EGF」などのスペシャルケア商品についても好調に推移いたしました。

 ラボラボブランドは、インバウンド需要の恩恵を最も受けた「スーパー毛穴ローション」が、化粧品全体の売上高増加に大きく貢献いたしました。さらに、「スーパー毛穴ローション」に続くヒット商品にすべく、平成30年4月より新商品「毛穴引き締めマスク」の拡販を進めてまいりました。

 ジェノマーブランドは、高価格帯のブランドとして定期的に既存商品のリニューアル及び新商品の発売を行っており、アンチエイジングブランドとしての認知度の強化・定着化を図っております。

 健康食品については、「美禅食ゼリー」を中心に、インフォマーシャルなどの広告宣伝費を積極的に投下いたしました。平成29年11月にはナノカプセル技術を使用したビタミンCサプリメント「メガリポVC100」を発売いたしました。平成30年1月に発売した医薬品のビタミンタブレット「VCピュア2000」と共に、”ビタミンCと言えばドクターシーラボ”とお客様にイメージして頂けるように訴求を強化してまいります。

 以上により、ドクターシーラボ事業の売上高は、42,999百万円(前期比6.8%増)、営業利益は8,368百万円(前期比2.6%増)となりました。

 

 次にドクターシーラボ事業を販路別に見ますと、通信販売においては新たな販路である外部通販サイトでの売上が順調に推移いたしました。また、新たな顧客層の獲得及びライトユーザーの購入定着化を図るべく、各種キャンペーンの強化や、会報誌の種類を新規に増やすなどの施策を行ってまいりました。しかしながら、前連結会計年度に離脱したお客様の影響が当連結会計年度においても継続し当社が目標としている購入顧客数の回復には至りませんでした。以上により、通信販売の売上高は23,151百万円となり、前期と比較して1.2%増加にとどまりました。

 卸売販売においては、中華圏のお客様に人気がある「スーパー毛穴ローション」のインバウンド効果が、期初予想を大幅に上回る売上高となりました。また、ドラッグストアでの商品取扱店舗が増加したことで、卸売販売の売上高増加に寄与いたしました。以上により、卸売販売の売上高は11,671百万円となり、前期と比較して19.0%増加いたしました。

 対面型店舗販売では、当連結会計年度において7店舗の閉店をした一方で、4店舗の新規開店を行いました。新規顧客獲得及び既存顧客維持のために、継続的なお手入れ会を実施してきたことに加え、来店客数及び来店回数の増加を目的として、来店客へのプレゼント贈呈や、商品の試用・カウンセリングをご提供する機会を多く設けるなどの施策を積極的に行ってまいりました。さらに海外でまだ販売されていない商品の売上が急増するなど、外国人観光客のインバウンド需要拡大により、売上高は好調に推移しました。以上により、対面型店舗販売の売上高は、4,500百万円となり、前期と比較して11.6%増加いたしました。

 海外においては、米国のジョンソン・エンド・ジョンソンのグループ企業主導のもと、主にアジア圏の国を対象とした広告販促活動を積極的に実施し、特に中国・韓国は海外売上全体で占める割合が高く、伸長率も高い国となっております。海外市場での認知度も飛躍的に向上しており、国内におけるインバウンド需要にも好影響を与えるなど、顕著な相乗効果が見え始めております。前第3四半期連結会計期間以降は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのグループ企業の販売額に対する一定のロイヤリティ収入が収益の柱となっております。なお、会計上の観点からでは、売上高は従前よりも減少する一方で、現地における販売促進費を始めとする費用負担が発生しなくなるため収益性が向上することとなります。以上により、海外の売上高は3,675百万円となり、前期と比較して3.9%増加いたしました。

 

<エステ・サロン事業>

 エステ・サロン事業においては、企業別に見ますと、まず株式会社シーズ・ラボは当連結会計年度において3店舗の新規出店を行いました。売上高については、低単価であるフェイシャル、ニキビケアなどは好調に推移いたしましたが、高単価のボディ、ダイエットが低調な販売状況だったため、大幅増加には結びつきませんでした。

 次に株式会社セドナエンタープライズが運営する脱毛ラボについては、前述の通り第2四半期連結会計期間から連結対象となっております。新規メニューを導入するなど、同業他社との差別化を図る施策を実施した結果、広告宣伝費がかさんだものの、物品販売の健闘もあり営業利益は黒字で推移いたしました。

 以上により、エステ・サロン事業の売上高は、7,939百万円(前期比198.3%増)、営業利益は319百万円(前期比25.5%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,215百万円増加し、当連結会計年度末には24,723百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により取得した資金は5,957百万円となりました。これは主に売上債権の増加1,044百万円、法人税等の支払2,366百万円が資金の減少要因となった一方、主な増加要因としては税金等調整前当期純利益が8,827百万円計上されたことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、3,756百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出512百万円と無形固定資産の取得による支出1,513百万円、連結の範囲の変更に伴う子会社株式による支出1,861百万円が資金の減少要因となったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により取得した資金は1,031百万円となりました。これは主に配当金の支払2,433百万円が資金の減少要因となった一方、長期借入れによる収入4,000百万円が主な増加要因となったことによります。

③生産、仕入及び販売の実績

a.生産実績

 生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

前年同期比(%)

ドクターシーラボ事業(千円)

10,160,174

109.6

エステ・サロン事業(千円)

24,160

合計(千円)

10,184,334

109.9

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品仕入実績

 商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

前年同期比(%)

ドクターシーラボ事業(千円)

256,683

92.7

エステ・サロン事業(千円)

441,531

188.0

合計(千円)

698,214

136.4

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

ⅰ セグメント別販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

前年同期比(%)

ドクターシーラボ事業(千円)

42,999,172

106.8

エステ・サロン事業(千円)

7,939,662

298.3

合計(千円)

50,938,835

118.7

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅱ 経路別販売実績

販売経路別

当連結会計年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

前年同期比(%)

通信販売(千円)

23,151,654

101.2

卸売販売(千円)

11,671,512

119.0

対面型店舗販売(千円)

4,500,321

116.6

海外(千円)

3,675,684

103.9

エステ・サロン(千円)

7,939,662

298.3

合計(千円)

50,938,835

118.7

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、

次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱井田両国堂

4,793,495

11.2

5,608,670

11.0

 

(2) 経営成績等の状況の概要

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 当連結会計年度における経営成績等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ⅱ 経営成績」を参照ください。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照ください。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を資本財源の最優先事項と考えております。

 手元流動性につきましては、通常運転資金の2か月分を目安として、確保することとしており、当連結会計年度末の現預金残高は24,723百万円であり、十分に確保している状況であり、健全な財務状況と認識しております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況

 当社グループは、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率及び配当性向を重要な経営指標としております。

 当連結会計年度の売上高営業利益率は、前期比で2.8ポイント減少し17.2%となりました。当連結会計年度の自己資本当期純利益率は、前期比で3.1ポイント減少し、17.5%となりました。当連結会計年度の配当性向は、前期比で8.0ポイント増加し、48.6%となりました。

 

e.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度のおけるセグメントごとの経営成績等につきましては、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ⅱ 経営成績」を参照ください。

 

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