業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況及び分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、全国的なワクチン接種の促進や段階的な経済活動の再開などにより経済水準が持ち直しの傾向にあるものの、世界的な変異株による感染症拡大などもあり国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。

このような状況の中で、当社グループは「ビューティーテックカンパニー」として、「スピード」「デジタルマーケティング」「クリエイティブ」を強みとして、独自の商品・ブランド開発モデルによって、積極的な新商品開発、マーケティング、市場開拓、海外展開及び事業提携を進めてまいりました。

更に、環境や社会にポジティブな影響を与える事業活動を通して、限られた資源が大切に使われ、誰もが新たな価値を生み出せる社会を目指し、サステナビリティ対応を重点領域としてESGを一層推進していくため、業務執行取締役を主軸としたサステナビリティ委員会を設立いたしました。代表取締役社長の大西洋平を委員長とし、各テーマごとにサステナビリティ担当役員を設置することで、事業とESG推進を両立して参ります。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

 

(a)国内事業

主な事業内容は、当社が開発したブランド商品の日本国内の卸売事業者を通じた小売店及び量販店運営事業者への卸売販売、インターネットを活用した日本国内の一般消費者への直接販売であります。
 国内事業では、持続的な成長に向けて、当社が強みを持つヘアケア、スキンケア、美容家電分野の継続的な投資及び新たなトレンド発掘に注力しました。
 BOTANISTブランドにおいては、2021年3月に実施しましたスタンダードラインである「ボタニカルシャンプー・トリートメント」のフルリニューアル(新デザインの導入や品質の更なる向上、容器全てをプラスチック容器からバイオマス容器へと切り替え、サステナブルなブランドとしてリニューアル実施)について、各チャネルでの販売施策に引き続き注力し、ブランド拡大に取り組みました。また、2021年11月に最高峰ヘアケアライン「BOTANIST PREMIUM(ボタニストプレミアム)」初の限定の香りを採用した「ボタニストボタニカルウィンターコフレ(プレミアムヘアケアセット)」をオンラインストア及びBOTANIST直営店にて発売いたしました。また、同月にBOTANISTでは、売上の一部を活用した森林保全活動として、北海道美幌町の「BOTANISTの森」にて植林を
開始しました。森林保全団体more treesを通じて、売上の一部を森林再生のために活用しており、「植物と共に生きる」をコンセプトに、新しい取り組みも引き続き行っております。
 SALONIAブランドにおいては、メイン商材であるヘアアイロンに加え、ヘアドライヤーでも販売店舗数の拡大を行い、販売も順調に推移しており、売上高の伸長に寄与しました。また、2021年10月に、2021年秋冬限定「NEWCLASSIC」シリーズをオンラインストア及び家電量販店等にて発売いたしました。また、同月、BOTANISTブランドのBOTANISTボタニカルシャンプー&トリートメント、SALONIAブランドのヘア・フェイスケアアイテムなど、合計5商品が2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞するなど、引き続きブランド拡大に取り組み、売上高の伸長に寄与しました。
 その他ブランドとして、クレイビューティーブランドDROASは、2021年9月に「クレイミネラルヘアエマルジョン」「クレイミネラルヘアオイル」をオンラインストア及び全国ドラッグストア等にて発売いたしました。また、2021年10月、シャンプー・トリートメントの新アンバサダーに女優の新木優子さんを迎え、プロモーション活動に取り組み、売上高拡大に寄与しました。また、禁煙をテーマとしたNICOLESSブランドは引き続き販売拡大に取り組み、2021年9月に新規に発売開始しました睡眠中の乾燥・摩擦ダメージに着目したナイトケアビューティーブランド「YOLU(ヨル)」は、オンラインストアや全国ドラッグストア等での販売が好調なことにより、売上高拡大に寄与しました。

 

以上のことから、当連結会計年度の売上高は27,143百万円(前期比20.8%増)、営業利益4,116百万円(前期比67.0%増)となりました。

 

(b)海外事業

主な事業内容は、当社が開発したブランド商品のインターネットを活用した海外の一般消費者への直接販売、並びに海外のインターネット販売事業者、販売代理事業者、美容専門店への卸売販売であります。
 当社においては、一部の取引先に関して、販売価格やブランディングの管理面から徐々に整理を行い、中国においてはアリババグループの越境ECであるTmall Globalを通じた一般消費者への販売、香港、台湾においては同国内に多数の店舗が展開されている化粧品・コスメショップ・小売店での販売に継続的に取り組みました。
 また、艾恩伊(上海)化粧品有限公司において、引き続き2021年5月より販売開始した中国の大手ドラッグストアグループのWatsonsにて、BOTANISTブランドの継続的な販売拡大やアリババグループの運営するECサイトTmall.comにおいても販売拡大に継続的に取り組みました。

 

以上のことから、当連結会計年度の売上高は1,288百万円(前期比43.4%増)、営業損失416百万円(前連結会計年度は営業利益64百万円)となりました。
 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は28,397百万円(前期比21.5%増)となりました。また、営業利益は2,335百万円(前期比54.4%増)、経常利益は2,330百万円(前期比67.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,244百万円(前期比37.5%増)となりました。

 

 

②財政状態の状況及び分析

当社グループの財政状態の状況及びその要因につき、次のとおり分析しております。

 

A) 流動資産

連結会計年度における流動資産は、13,280百万円となり、前連結会計年度末よりも871百万円増加いたしました。その主な内訳は、現金及び預金が465百万円減少し、商品が771百万円増加したことによるものです。

B) 固定資産

連結会計年度における固定資産は、780百万円となり、前連結会計年度末よりも24百万円増加いたしました。その主な内訳は、有形固定資産が25百万円、無形固定資産が33百万円減少し、繰延税金資産が101百万円増加したことによるものです。

C) 流動負債

連結会計年度における流動負債は、5,440百万円となり、前連結会計年度末よりも、287百万円増加いたしました。その主な内訳は、買掛金が786百万円減少し、未払金が589百万円、未払法人税等が678百万円増加したことによるものです。

D) 固定負債

連結会計年度における固定負債は、204百万円となり、前連結会計年度末よりも、868百万円減少いたしました。その主な内訳は、長期借入金が859百万円減少したことによるものです。

E) 純資産

連結会計年度における純資産は、8,415百万円となり、前連結会計年度末よりも、1,476百万円増加いたしました。その主な内訳は、新株予約権の行使により資本金が111百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,244百万円増加したことによるものです。

 

 

 

③キャッシュ・フローの状況及び分析

当社グループの各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につき、次のとおり分析しております。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、6,199百万円(前連結会計年度比542百万円減少)となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は573百万円(前連結会計年度は2,743百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,361百万円の計上、たな卸資産の増加額783百万円、仕入債務の減少額728百万円、未払金の増加額619百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は118百万円(前連結会計年度は41百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の増減による支出76百万円、有形固定資産の取得による支出84百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は739百万円(前連結会計年度は2,214百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出944百万円、株式の発行による収入223百万円によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当社グループは生産設備を有しておらず、生産は行わないため、記載を省略しております。

 

(b)受注活動

当社グループは、受注から販売までの期間が極めて短いため、記載を省略しております。

 

(c)仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績は、14,125百万円(前年同期比25.5%増)となりました。なお、当社グループは販売エリアを基礎としたセグメントから構成されており、全セグメントで共通して仕入活動を行っているため、セグメントごとの金額は記載しておりません。

 

(d)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

前年同期比(%)

国内事業(百万円)

27,109

120.7

海外事業(百万円)

1,288

143.4

合計(百万円)

28,397

121.5

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

(注)2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社あらた

6,828

29.2

7,980

28.1

株式会社大木

3,128

13.4

3,301

11.6

 

(注)3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

 

③資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要は、売上原価である商品仕入や認知度向上のための広告宣伝費や販売促進費、販売費及び一般管理費である人件費であります。これらの資金需要及び短期の運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入金による資金調達により充当することとし、長期の運転資金や設備投資につきましては、金融機関からの長期借入金、新株発行による調達資金により充当することを基本方針としております。

なお、当社のキャッシュ・フローにつきましては、「キャッシュ・フローの状況及び分析」に記載のとおりであります。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

  ⑤経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

  ⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社は、経営上の目標の達成状況を売上高成長率及び営業利益率の経営指標を重視して判断しております。

当連結会計年度における売上高は、 28,397 百万円と前連結会計年度の 23,363 百万円に対して前期比 21.5 %増加しております。営業利益率については、当連結会計年度で8.2%と前連結会計年度の6.5%に対して上昇しておりますが、これらの指標につきましては引き続き改善できるよう努めてまいります。

 

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