研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、油圧ショベルの先端に取付け、土木建設、林業、解体、スクラップ処理、産業廃棄物処理、砕石等の作業に使用する各種建設機械アタッチメント並びに資源リサイクル分野における各種破砕処理機(特に木材破砕機)を2つの柱として、これらの分野における専門メーカーとしての豊富な経験と技術の蓄積をもとに優れた商品を開発することを基本方針としております。

国内、海外の各営業拠点からの顧客ニーズ、市場動向の情報等をもとに、新商品具体化の研究開発を推進すると共に成熟期にある商品群については、その高品位化、高品質化、高付加価値化を目指し、競争力のある商品開発をテーマに取り組んでおります。

当社グループの研究開発活動は、国内セグメント、海外セグメントに区別せず実施しております。

なお、研究開発は大阪本社と㈱アイヨンテック朝霞工場、㈱南星機械熊本本社の3拠点で行っており、当連結会計年度の研究開発費は209,227千円であります。

 

(1) TOPシリーズ油圧ブレーカ

当社グループの油圧ブレーカは市場ニーズに応え、世界戦略モデルTOP-Jシリーズのラインナップ化を行っております。当初は2021年度中には小型モデルのTOP-11Jから超大型ブレーカTOP-1000Jの全16機種の投入が完了する予定でしたが、コロナ影響で若干の遅れが出ています、2022年度上期中には国内において全機種投入し販売をいたします。

2020年度より進めておりました協力会社のベトナム工場の新しい建屋は昨年度完成し、現在準備段階で部品の製作を行っています。懸案だった重要設備の熱処理器の設置も終わり、上期中には試運転を行い稼働しブレーカの製造を始める見込みです。

コロナ渦のなか日本よりベトナムへ指導のため渡航ができない状況が続いておりましたが、渡航規制も解かれ、2022年度中には初回ロッドの生産を行いベトナム製造のブレーカを国内でテストをいたします。順調にいけば2023年度上期よりブレーカの量産が始まり、2024年1月よりベトナム製造のブレーカ出荷を全世界へ向け始める見込みで進めております。

今後も国内市場におきましては、若干の増加傾向、海外の油圧ブレーカの需要は拡大傾向にあり、世界規模で油圧ブレーカの環境は、まだまだ伸びしろがあると考えております。

当社グループといたしましては『MADE IN JAPAN』の油圧ブレーカTOP-Jシリーズの全ラインアップを全世界に投入してまいります。

 

(2) サイレントTS-Wクラッシャー・TS-Wカッター・TSRCクラッシャー

多くのさまざまな解体現場で好評を得ております大割機TS-Wクラッシャーについては、耐久力を向上させ、メンテナンス性能にも優れた新型WDシリーズへのモデルチェンジを進めております。顧客ニーズを反映し、細分化したシリーズ展開を行い超小型機種TS-WB250から超大型機種TS-WB2400Vまでの豊富な14機種のラインナップ化により、顧客ニーズへのきめ細かい対応が実現できました。昨年度も新たに中間サイズのTS-WD720Vをラインナップに加え高い評価を得ております。

鉄骨カッターのTS-Wカッターも好評を得ております。切断能力とメンテナンス性能を向上させたWBシリーズへのモデルチェンジを積極的に行い、昨年度は国内外最大級の鉄骨カッターTS-WB1300CVをラインナップに加えることが出来ました。現在、更なる超大型機械の開発も進んでおります。

クロスカッター刃を採用し幅広いシーンで活躍できるクロスカッターシリーズも、昨年度は最小サイズのTS-W450XCVと最大サイズのTS-W1600XCVの2機種をラインナップに加え解体作業の効率化に寄与いたしております。今年度、更に大型のクロスカッターTS-W2100XCVの開発を計画しております。

近年増加傾向にあります、従来機では解体が困難な鉄筋・鉄骨とコンクリートが混在しているSRC構造の建物解体に適したTSRCクラッシャーも高い評価を頂いており、今年度も大型サイズTSRC-1500Vの市場投入を計画しております。

 

(3) アタッチメント旋回方式 ARTS(アーツ)&電磁切換え式

当社旋回型アタッチメントの多機種に採用し多くのユーザーに高評価を得ております。

ASGシリーズ(旋回式摑み機)ASG30Rを35Rにモデルチェンジしました。RDF(複合操作)を標準とし操作性に優れていると高評価を頂いております。

また、ASG60R、130Rの掴み部(アーム)の形状をお客様の要望に新設計をして対応しております。

 

 

(4) サイレントコワリクン

再生コンクリートプラントや解体現場等の小割作業において国内トップシェアを誇るサイレントコワリクンシリーズに関しては、ユーザーの要望と意見を設計に取り入れて開発したマグネット付コワリクンの高評価を頂いておりますが、高電圧式のマグネットを搭載している、OSC-GMシリーズのOSC-250GMAをBタイプにモデルチェンジし更に耐摩耗性を強化しました。本機により更なるシェアアップを目指します。

 

(5) アイヨンカプラー

油圧ショベルの大型化に伴い、アタッチメント交換の際に重い取付けピンを抜き差しする作業は危険を伴い多くの時間が必要となっていました。当社では短時間で安全にアタッチメントの交換が行える、20t~200tショベル用のアイヨンカプラーSE200~SE2000のシリーズ5機種を市場導入し高い評価を頂いております。昨年度はほぼ全ての機種に耐久性強化対策を施すことで更なる信頼性アップに貢献しております。今後さらに現場環境の改善、安全性の向上と省力化を実現する商品の開発を進めてまいります。

 

(6) 海外向けアタッチメント

海外では解体アタッチメントとして、ソーティンググラップルのニーズが高いため開発に取り組み、12tクラスの量産化を開始し、更に20tクラスと6tクラスを開発しシリーズ化を行いました。

また海外市場で要望が多い圧砕機(コワリクン)の破砕歯溶接不要のボルト交換式モデルに関しては、更に耐摩耗性を考慮した破砕歯の開発を行い2機種に採用しました。

 

(7) O-ATTA(アタッチメント稼働状況管理システム)

油圧ショベル側システムに依存することなく、アタッチメントの「状態(稼働・停止)」「位置」「記録(稼働時間)」を把握出来、アタッチメントの効率的な管理と適切なメンテナンス実施に寄与するオリジナルデバイスと管理ソフトを開発しています。実証テストを元にデバイスの試作,改良を繰り返し、量産に向けたデバイスの小型化,電波の送受信感度の向上,バッテリーの長寿命化を進めています。管理ソフトについても、ユーザーから頂いたご意見を参考にシステムの改善と新機能の追加による利便性の向上を図っています。

 

(8) ストローク式プロセッサ

15tクラスのショベルに搭載するプロセッサ(造材機)で、狭い作業道において谷からの傾斜送材でヒノキの太い枝までも払いやすい機種の開発要望に対応し、シリンダ伸縮によるパワフルなストローク式のプロセッサNSP-45を開発しました。

 

(9) スイングヤーダ

15tショベルに搭載するスイングヤーダIW-33Aのバックテンション(ワイヤーを張り上げるための圧力設定)の調整を、オペレーターが車外作業を無くすようキャブ内から全て操作が出来る仕様を開発しました。

 

(10) バンブーシャー(竹伐りフェラーバンチャ)

竹専用のアタッチメントとして、ミニショベル用の竹伐りフェラーバンチャのプロトタイプと改良タイプを開発しましたが、(フェラーバンチャとは立木を伐木する装置)型式をバンブーシャーNBS―35Fixとして商品化いたしました。

 

(11)ハイブリッドバケット

農林水産省も推奨する高性能林業機械の開発として、伐倒・根掘り・集積・地均しなど何役もの作業が可能なハイブリッドバケットOHB-120発売しました。予想を上回る受注となっております。

シリーズ化に向け20tクラスと6tクラスを開発しています。

 

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