業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較情報については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の感染拡大による断続的な緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で、個人消費を中心に下振れ圧力が強い展開が続きました。この間、ワクチン効果、ウィズコロナ対策が定着する中、各種制限措置は段階的に緩和されましたが、新しい変異株の感染拡大に加え、半導体や各種部材の需給逼迫もあり、景気回復のペースは鈍い状況にあります。

世界経済については、先進国を中心にワクチン普及に伴う行動制限緩和により景気回復が進展してきましたが、一部の地域では感染再拡大の動きが見られる他、物流やサプライチェーンの混乱が顕在化しています。また、2022年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻、及び各国の対ロシア経済制裁措置により、世界経済への影響が懸念されるなど、依然不透明な状況にあります。

当社グループの主要ユーザーであります医薬品業界は、研究開発コストの増大に加え、これまで2年に1度だった薬価改定が毎年実施されるなどの医療費抑制策の強化への対応を迫られています。また、ジェネリック医薬品市場においても、政府が進めてきた普及促進策の効果が一巡し、成長が鈍化することが予想されている中、一部のメーカーの製造体制不備により、業界全体として品質や安定供給に関する体制整備が求められています。

このような事業環境のもと、当社グループは、第8次中期経営計画(2021年2月期~2023年2月期)を策定し、お客様、新製品、グローバル、成長などをキーワードに新しく以下の7つの経営目標を掲げました。

①グループ連携

②完全顧客視点

③イノベーション重視

④グローバル経営

⑤成長戦略の実行

⑥業務改革と働き方改革の推進

⑦コンプライアンス/コーポレートガバナンスの重視

この経営目標を達成することにより、個別の市場環境に影響されにくい経営体質の構築を図り、当期は、連結売上高185億円、連結営業利益11億円の達成を目指して、グループ一丸となって活動してまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は176億32百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は9億81百万円(同11.6%減)、経常利益は10億32百万円(同21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億43百万円(同44.0%減)となりました。

機械部門においては、受注が好調に推移しましたが、海外子会社においてサプライチェーンの混乱による部材調達逼迫という外的要因の影響を大きく受けて、出荷が大幅に遅延する結果となりました。

また、国内においては、使用見込みがなくなった設備の減損損失や、著作権侵害事案に係る和解関連費用などの特別損失計上を余儀なくされました。

前連結会計年度は、米国子会社 FREUND-VECTOR CORPORATION において、米国政府によるコロナ対策補助金約2億円により営業利益以下の各利益が増加したほか、保険金収入約1億円等の特殊要因がありましたが、当連結会計年度はその特殊要因がないことを勘案すれば、実質的には前連結会計年度とほぼ同水準の営業利益・経常利益となっております。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

・機械部門

造粒・コーティング装置を主力とする機械部門においては、イタリア子会社Cos.Mec S.r.l.の連結子会社化もあり、売上高は増加となりました。一方、前述の通り受注は好調に推移したものの、特に海外においてサプライチェーンの混乱という外的要因による出荷の遅れに加え、米国子会社FREUND-VECTOR CORPORATIONにおいて前期にあった補助金収入が今期にはないため、営業利益は減少となりました。

この結果、売上高は118億36百万円(同6.0%増)、セグメント利益は6億23百万円(同40.5%減)となりました。

 

・化成品部門

医薬品添加剤は、国内向け、海外向けともに好調に推移し、また、原価低減を進めた結果、売上高、営業利益ともに増加となりました。

食品品質保持剤は、昨年に引き続きコロナ禍によるデパート、テーマパークでのお菓子の売上が低迷する影響を受けましたが、スーパー、コンビニでのお菓子の売上が好調であったこと、及び原価低減を進めたこと等により、売上高、営業利益ともに増加となりました。

一方、健康食品は、大口ユーザーからの受託終了の影響により売上高は大幅減少となりましたが、低利益率案件のため営業利益は微減に止まりました。

この結果、売上高は57億95百万円(同3.6%増)、セグメント利益は8億84百万円(同62.0%増)となりました。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億98百万円増加し、222億73百万円となりました。この主な要因は、仕掛品が9億32百万円、原材料及び貯蔵品が8億15百万円増加したことによるものであります。

また、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億2百万円増加し、79億19百万円となりました。この主な要因は、電子記録債務が2億35百万円減少したものの、前受金が16億35百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億95百万円増加し、143億54百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3億53百万円減少(前年同期は1億84百万円の増加)し、41億45百万円となりました。

当連結会計年度各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は7億1百万円(前年同期は22億80百万円の増加)となりました。これは、たな卸資産の増加14億30百万円の減少要因があったものの、前受金の増加15億65百万円、減価償却費5億70百万円等の増加要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は6億80百万円(前年同期は17億26百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億60百万円、無形固定資産の取得による支出2億36百万円等の減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は4億27百万円(前年同期は3億71百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払3億35百万円によるものであります。

 

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

機械部門(千円)

10,631,388

95.0

化成品部門(千円)

4,998,196

105.3

合計(千円)

15,629,584

98.1

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

化成品部門(千円)

532,199

93.4

合計(千円)

532,199

93.4

 

(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

機械部門

15,621,186

126.1

10,574,211

159.8

合計

15,621,186

126.1

10,574,211

159.8

 

(注) 1.化成品部門のうち医薬品添加剤と食品品質保持剤は、販売計画に基づいた見込生産によっておりますので記載を省略しております。

2.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

d. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年3月1日
  至 2022年2月28日)

前年同期比(%)

機械部門(千円)

11,836,513

106.0

化成品部門(千円)

5,795,729

103.6

合計(千円)

17,632,243

105.2

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループは、健全な財政状態の維持と流動性確保および自己資本の充実を財務方針としております。事業成長に向けた投資資金需要に対しては、投資の内容、手許流動性の水準、資本コスト、資金調達環境、自己資本比率などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資する方法により対応しております。

 

 

 

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