業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、2,832百万円(前年同期比20.5%増)となりました。これは主として、たな卸資産が減少した一方、売上債権並びに現金及び預金が増加したことによるものであります。

固定資産は、2,000百万円(同3.7%減)となりました。これは主として、有形固定資産が減価償却により減少したことによるものであります。

(負債)

流動負債は、973百万円(前年同期比11.4%増)となりました。これは主として、未払法人税等及び流動負債のその他に含まれる未払消費税等が増加したことによるものであります。

固定負債は、1,242百万円(同7.7%増)となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、2,617百万円(前年同期比9.0%増)となりました。これは主として、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が断続的に発出された中、新たな変異株の感染拡大及び金融資本市場の変動等に懸念は残るものの、ワクチン接種の進展、財政・金融政策等の効果及び海外経済の改善により、総じて持ち直しの動きがみられました。

当社グループが属する電子基板業界は、5G、EV及び産業機器等の成長分野における半導体の旺盛な需要を受け、パッケージ基板関連メーカーを中心に設備投資が進み、台湾、中国及び韓国の電子基板メーカーとの競合により、製品の高機能化や新技術の開発が進展し活況を呈しました。

このような経済環境の下、鏡面研磨機事業において販売は減少したものの、電子基板事業、テストシステム事業及び産機システム事業において販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。

これらの結果、連結売上高は3,917百万円(前年同期比23.4%増)と、前連結会計年度に比べ742百万円の増収となりました。

損益については、鏡面研磨機事業において売上高が減少したことに伴う影響はあったものの、電子基板事業及びテストシステム事業の売上総利益率が上昇したことや、産機システム事業において売上高が増加したことに伴う影響により営業利益121百万円(前年同期は425百万円の営業損失)、雇用調整助成金等の助成金収入を営業外収益に計上したことにより経常利益253百万円(同314百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益241百万円(同630百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(電子基板事業)

ディスプレイメーカー向けの販売は減少したものの、FPCメーカー並びに電子モジュールメーカー及びカメラメーカーをはじめとしたセットメーカー向けの試作・量産案件の受注増により販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、利益率の高い試作案件の受注増及びエレクトロフォーミング製品の採算性の向上に加えて、人員配置の見直しにより売上総利益率が上昇したことから、増益となりました。

その結果、売上高2,471百万円(前年同期比20.9%増)、セグメント利益562百万円(同185.5%増)となりました。

(テストシステム事業)

外観検査機及び消耗品である検査治具の販売は減少したものの、国内外の大手基板メーカーの設備投資需要の回復に伴い、通電検査機、既販売分の改造案件及びメンテナンスの受注増により販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響及び在庫機の販売等に伴う売上総利益率の上昇により黒字転換いたしました。

その結果、売上高886百万円(前年同期比63.7%増)、セグメント利益51百万円(前年同期は148百万円のセグメント損失)となりました。

(鏡面研磨機事業)

グラビア印刷用ロール向け砥石等の研磨に使用する消耗品の販売は増加したものの、顧客の設備投資に対する慎重姿勢の影響により研磨機の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。

その結果、売上高235百万円(前年同期比44.1%減)、セグメント損失5百万円(前年同期は30百万円のセグメント利益)となりました。

(産機システム事業)

製造ラインにおける大型設備案件及びカバーガラス等の新規仕入商材案件の販売が増加したことに加えて、産業用ロボット関連の不採算案件が一部納品できたことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により損失が縮小いたしました。

その結果、売上高325百万円(前年同期比91.5%増)、セグメント損失63百万円(前年同期は123百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が165百万円、投資活動により使用した資金が7百万円、財務活動により獲得した資金が60百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ222百万円増加し、当連結会計年度末には691百万円(前年同期比47.4%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、165百万円(前年同期は50百万円の獲得)となりました。これは主として、売上債権401百万円の増加により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益258百万円に加え、たな卸資産132百万円の減少及び減価償却費126百万円により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、7百万円(前年同期は43百万円の使用)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入18百万円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出7百万円及び保険積立金の積立による支出6百万円により資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、60百万円(前年同期は74百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出399百万円及び長期未払金の返済による支出52百万円により資金が減少した一方、長期借入れによる収入550百万円により資金が増加したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,111,857

+22.6

テストシステム事業

656,707

+65.1

鏡面研磨機事業

216,656

△44.4

産機システム事業

203,949

+99.1

合計

3,189,171

+22.1

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値であります。

2.金額は販売価格によっております。

3.産機システム事業は、上記生産実績の他、商品の仕入実績が仕入金額で414,776千円あります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,500,335

+22.6

112,004

+35.5

テストシステム事業

750,710

+26.8

162,122

△45.6

鏡面研磨機事業

311,038

+44.1

99,050

+330.1

産機システム事業

173,989

△32.5

98,176

△60.6

合計

3,736,073

+20.3

471,352

△27.8

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,471,008

+20.9

テストシステム事業

886,857

+63.7

鏡面研磨機事業

235,018

△44.1

産機システム事業

325,056

+91.5

合計

3,917,940

+23.4

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「同 ② 経営成績の状況」に記載しております。

経営成績の分析については、当連結会計年度は、売上高が3,917百万円(前年同期比23.4%増)となり、前連結会計年度に比べ742百万円の増収となりました。

売上原価は売上高の増加の影響はあったものの、主として利益率の高い製品の受注増の影響により、2,726百万円(同7.3%増)となりました。売上原価率は69.6%となり、前年同期より10.4ポイント低下いたしました。

販売費及び一般管理費は、主として支払手数料の増加により、1,070百万円(同1.0%増)となりました。売上高販管費率は27.3%となり、前年同期より6.1ポイント低下いたしました。

営業利益は121百万円(前年同期は425百万円の営業損失)となりました。売上高営業利益率は3.1%となり、前年同期より16.5ポイント改善いたしました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、132百万円の収益計上となりました。

経常利益は253百万円(同314百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は6.5%となり、前年同期より16.4ポイント改善いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は241百万円(同630百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は6.2%となり、前年同期より26.0ポイント改善いたしました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載の状況下において、電子基板事業では、新たな顧客層の案件獲得に向けてFPCの多層化や薄型化といった高度な技術要求に対応できるよう材料メーカーや大学との共同開発を推進していくとともに、今後ますます市場が成長すると見込まれる医療機器分野を重点攻略分野と捉え、高難度製品等の試作から量産までを見据えた生産体制の強化に注力してまいります。また、テストシステム事業では、品質管理要求の高まりや労働環境の変化に伴う自動化・省力化ニーズの増加による検査機の需要を取り込むことに加えて、世界的な半導体関連市場の活況を受け、半導体パッケージ基板向けの検査機の開発・上市を目指すなど競争力のある検査機の製品ラインアップ拡充を図り、受注の獲得につなげてまいります。鏡面研磨機事業では、受注の平準化及び部材調達の効率化を図り生産性を向上させることで、利益の確保に努めてまいります。産機システム事業では、需要が旺盛な産業用ロボット関連のシステムインテグレーションサービスの早期収益化を目指し、引き続き事業基盤の構築に注力してまいります。具体的な当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況については、当社グループは売上総利益率、ROA及びROEを重要な指標として位置づけており、これらの指標の向上に努めることを経営上の目標としております。

当連結会計年度においては、売上高は当初予想を下回ったものの、主として利益率の高い製品の受注増の影響により、売上総利益率は目標数値28.6%より1.8ポイント上昇、前年同期より10.4ポイント上昇し30.4%となりました。また、ROAは前年同期より12.1ポイント改善し5.5%、ROEは前年同期より33.1ポイント改善し9.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約(当座貸越極度額1,565百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は691百万円、流動比率は291.1%であります。

なお、当連結会計年度末現在において重要な資本的支出の予定はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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