課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業としての社会的存在意義を意識し、常に探求心を持って、確固たる技術力・品質により顧客の信頼を得ることを基本に企業活動を行っており、これにより安定的な取引関係を構築し、中長期的な利益につなげていく方針であります。そのためには、全社員一丸となって顧客の期待以上のサービスを提供することが重要であると考えております。

また、健全性を維持し企業の社会的責任を果たす上で、株主や投資者へのアカウンタビリティを経営上重要な事項と認識し、経営及び業務に関する幅広い情報をタイムリーに開示するとともに、株主への利益還元に取り組んでいき、持続的な成長、発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、そして株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループの事業環境は、主要顧客である電子基板メーカーの多様化するニーズに対応するために刻々と変化している中、FPC試作事業については、長期的視点からは徐々に高難度製品など高付加価値タイプに向かうものと考えております。当社グループが継続して成長を続けていくためには、当社グループの認知度・信用度を一層高め、FPC事業を中心とした新たな収益の柱となる事業の構築が必要であると考えており、収益を重視したM&Aの実施等、幅広い視野で検討し経営資源の効率的投入を行うことで、さらなる拡大を目指してまいります。

 

(3)経営環境

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う社会経済活動への影響が長期化し、「VUCA時代」と呼ばれる将来予測が困難な時代において、供給制約や原材料価格の動向による下振れリスクの懸念等は残るものの、ワクチンや治療薬が普及するにつれて事態は、徐々に収束に向かうものと見込んでおります。また、5GやEV向けを中心とした半導体関連需要が世界的に拡大し、製造業の事業活動に広く影響を与えている中、電子基板業界においては、半導体パッケージ基板をはじめとした高機能製品の生産体制の増強が進んでおり、中長期的な市場拡大を予想しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、取り巻く市場環境が依然として厳しい状況にある中、継続的に企業価値の向上を図っていくために、営業利益を安定的に確保することを当面の課題としており、製販一体となって以下の施策を実施してまいります。

① 売上と利益の拡大

コア事業である電子基板事業においては、主力顧客であるカメラ及びディスプレイメーカーへの依存度が高く、業界の市場動向に大きく影響を受けてきました。また、当社グループが取り扱う各種検査機をはじめとした製品群は、米中対立や新型コロナウイルス感染症等の外的要因による設備投資需要の減少に長期的に影響を受けることが、売上と利益の拡大における課題であります。このため、電子基板事業においては、試作から量産までワンストップで対応する強みを活かし、医療機器及びIoT通信機器等の成長分野におけるシェア拡大により小中ロット量産案件の受注を伸ばすとともに、テストシステム事業においては、半導体パッケージ基板関連の旺盛な需要を追い風に、対応する検査機を市場投入することで、売上と利益の拡大に努めてまいります。

 

② 生産効率の向上

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、自動車・医療・通信分野を筆頭に、さらなる市場の発展が見込まれる中、価格競争力、高品質及び安定した供給体制が求められております。また、台湾、中国を中心とした海外メーカーとの価格競争が激化しており、当社グループにおいては、製造工程の自動化と生産管理システムの刷新を進め、歩留まりの向上及びリードタイムの短縮による競争力強化に取り組んでおります。今後は、高難度製品製造工程への設備投資や人材育成を進めることで生産効率をさらに高め、高難度製品の品質向上及び製品の安定供給に努めてまいります。

 

③ 持続的成長に向けたESG経営の推進

当社グループの事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することが企業責務であると認識しており、売上総利益率、ROA(総資産経常利益率)及びROE(自己資本当期純利益率)等の経営指標を意識し企業価値を向上させるとともに、ESGの各分野における社会的課題に取り組んでいく必要があります。ESG経営の実現に向けては、従業員エンゲージメントを向上させ、協働の効果を最大限に発揮させることが重要であると考えており、健康経営・レジリエンス経営の導入、女性活躍の推進及び多様な働き方の支援を行ってまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載の経営環境の中、売上総利益率、ROA及びROEを重要な指標として位置づけており、ROA及びROEについては、具体的な数値目標等は設定していないものの、従業員一人一人が常に利益を意識した活動を実践することにより、経営の収益性及び効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。なお、2022年12月期の売上総利益率の目標数値は28.8%であります。

 

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