研究開発活動

5【研究開発活動】

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は16,710百万円であり、報告セグメント毎の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)自動車セグメント

当連結会計年度には、当社グループ独自のガス分析技術として開発が完了した「IRLAM(アーラム)™」を活かし、温室効果ガスやPM2.5の発生源となりうる成分を計測する車載型排ガス測定装置やエンジン排ガス測定装置に搭載するガス濃度分析計を開発、次期排ガス規制を見据え、上市しました。また、自動車業界において加速する電動化への取り組みとして、バッテリー、燃料電池、水素生成の水電解などに向けた評価・計測ソリューション技術をグループ内で揃え、電動車両やエネルギー分野における開発や試験要求に対して、トータルソリューションを提供できる製品、アプリケーション開発を進めています。コネクテッド・自動運転の分野では、設計から実車検証までを包括的に支援する開発エンジニアリング総合施設を開設し、グループ各社にて各地域の自動運転技術開発ニーズに応える新製品やサービスの研究開発を続けています。

当セグメントに係る研究開発費は5,020百万円であります

 

(2)環境・プロセスセグメント

当連結会計年度には、ガス計測分野では、IRLAM技術を活かし、石油化学プラントの生産性、品質向上や環境負荷低減などの課題解決に貢献するレーザーガス分析計を上市しました。また、半導体や鉄鋼などの製造プロセス効率化に貢献する放射温度計を開発、上市しました。水質計測分野では、環境規制対応を目的とした生産プロセスの排水における全有機体炭素(Total Organic Carbon)を計測するTOC計を開発、上市し、グローバルでの水質計測事業の拡大を加速しています。

当セグメントに係る研究開発費は1,799百万円であります。

 

(3)医用セグメント

当連結会計年度には、近年需要が拡大している動物市場向けの血糖値検査装置を開発しました。主力製品である血球計数測定装置および免疫測定装置については、グローバル市場での事業拡大を目指し、開業医と病院・検査センターに向けた製品のラインアップ拡充を目的とし、新製品を開発しています。また、感染症の流行を契機とした検査機器の性能や精度に対する要求の高まりを受け、高感度で迅速な診断を実現する新たなPOCT(注)機器の研究開発に着手しました。さらに、部材調達難にあって柔軟な設計変更を実施することで、製品供給を安定させ確実にお客様に提供できるよう努めました。

当セグメントに係る研究開発費は2,625百万円であります。

 

(注)POCT(Point of Care Testing):開業医、診察室や、病棟及び外来患者向け診療所など「患者に近いところ」で行われる検査の総称

 

(4)半導体セグメント

当連結会計年度には、半導体の微細化、集積化に伴う製造過程でのガス流量制御に対応した圧力式マスフローコントローラー、露光工程で拡大する検査ニーズに応えるレティクル/マスク異物検査装置等を開発、上市しました。また、半導体製造におけるウェットプロセス向けでは様々な薬液中の溶存酸素管理を可能にする溶存酸素モニターを開発、上市しました。大学や研究機関との共同研究などにも継続して投資し、要素技術のすそ野拡大に努めました。

当セグメントに係る研究開発費は4,135百万円であります。

 

(5)科学セグメント

当連結会計年度には、株式会社島津製作所が保有する高速液体クロマトグラフと当社グループが保有するラマン分光分析装置を融合させた計測システムを共同開発し、両装置をつなぐ専用ソフトウェアを上市しました。従来のラマン分光分析装置よりも100倍以上の超高精度で判別するとともに、複雑な構造を持つ化合物の計測および未知成分の検出などに貢献します。固体中酸素・窒素・水素分析装置では、分析精度を維持しながら徹底的な効率化に取り組み、分析時間とランニングコストを約40%低減する新製品を開発、上市しました。X線技術関連では、従来よりも短時間での元素イメージング測定を実現した微小部X線分析装置を開発しました。各種先端材料の研究開発や品質管理、製造プロセスにおいて効率的な測定に貢献します。

当セグメントに係る研究開発費は3,128百万円であります。

 

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