事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

 当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社への投資判断は、本項及び本文中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、また、当社への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。
 

(1) 市場変動リスクについて

 当社は、顧客ニーズに的確に応えられ、かつ価格競争力がある企業を目指し、生産性・稼働率向上、技術力向上、品質改善に努め、常にコストダウンを念頭においてローコストオペレーションを行い企業基盤の強化を図っております。しかし、受注価格の急速な下落や、競争企業の参入の増加や海外生産拠点とのコスト競争がより激しくなっていくこと、技術革新等により既存技術の陳腐化・旧式化が起こり、新技術への対応が遅れることにより優位性が失われること、また国際情勢等の急激な変動等により、顧客の事業展開に直接影響が及び受注の予測が困難な状況が発生することなどにより、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 今般、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急速な経済状況の悪化が明らかとなりました(本報告書提出日現在)。国内においては各種産業の現場で需要の大きな減少による業績の悪化が発生し、各企業が業績の落ち込みに苦しむ状況下において、当社も顧客からの受注状況に変化が見られます。次事業年度の業績については本報告書提出日現在不明であり、営業活動を通じて情報収集に努めておりますが、案件の減少が予測され、当社の業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。顧客との条件交渉等を通じてテレワーク体制での案件を受注し、また継続することで、状況に応じた勤務形態により社員の新型感染症への感染を避けつつ安全に配慮した業務の体制整備が重要と考えております。
 

(2) 受注、システム開発上のリスクについて

 システムの受託開発業務においては、受注時に想定した以上に工数が嵩む場合や、成果物に瑕疵があること等により追加工数が発生した場合、受注した案件が不採算となり当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、成果物の検収後におきましても、当社又は当社の外注委託先の責任に帰する重大なシステム障害が発生した場合には、当社の信用が損なわれ、補償問題が発生するなど、その後の事業展開、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。受託開発案件を手掛けるには、プロジェクト原価の算定に習熟した経験者を揃える必要があり、社内研修等を通じて知識の習得に努めておりますが、開発現場での経験が何より重要であり、当面の間、実践での経験を積ませることに重点を置いております。当事業年度において受託開発業務は行っておらず、また、次事業年度においても受託開発業務を行う予定は無く、当面の間当該リスクが発生する可能性はありません。

 

(3) 特定の主要取引先への依存リスクについて

 当社では、新規顧客の開拓やその受注拡大を目指し、特定の主要取引先への依存度の低減に努めておりますが、現在の主要取引先との取引関係及び受注条件に著しい変更が生じた場合には、当社の経営内容及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 営業活動の基本方針は、顧客の選択と集中であり、第二、第三の柱となる主要顧客の開拓を常時行っており、契約単価のより高い契約先への移行を実施することで大口の顧客を補完する顧客を可能な限り獲得しました。今後もこの方針を継続し、過度な依存を減らすことでリスクの低減を図ります。
 

(4) 稼働工数の十分な確保ができないリスクについて

 当社の事業形態であるソフトウェアの開発業務に係るエンジニアとしての人員を確保するためには、新人の採用から教育・養成、中途人員の採用、外注業者の獲得等が考えられます。IT業界の活況時においては、開発現場での作業量が増加することにより工数・人員が逼迫し、個々人の負担を減らす意味でも追加の人員投入が必要となります。
しかし、人手不足により人件費が高騰し、社員給与、外注業者との契約額等にその影響が及び、事業計画による売上を達成するため当初予定していた稼働工数の確保が困難となり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社社員の給与水準については、評価制度の見直しによる増額を行い、資格取得を奨励し、社内研修の実施等と共に各社員の技術力の向上を図り、契約単価を引き上げることを図っております。外注業者との契約額についても、会社の利益を損なわない範囲で可能な限り増額に応じております。また、複数人員でのチーム化が可能な体制での案件獲得等により、付加価値のある契約金額を目標とする営業活動を行い、一人当たりの単価を上げる交渉を行っております。これらの施策により社員の流動化を最小限に留め、また外注業者の新たな獲得等により稼働工数の維持に努めております。
 

(5) 経営幹部層の後継者不在リスクについて

 現在の取締役会等の執行体制から有能な人材を登用した新たな執行体制への移行を考慮し、後継人材を選定するに当たり、ふさわしい候補が存在しない場合には経営層の人材不足により社長以下、将来の取締役候補が不在となり執行体制に影響が及び、当社の意思決定、経営判断等が著しく悪化することが想定され、当社の事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。後継者の育成については、本事業年度より幹部社員候補を選定し、幹部社員研修を定期的に開始しました。幹部社員であることの意識付けや幹部社員が心得るべき義務と責任について候補者に理解させ、日常の業務内容に部下の指導と評価を導入し、指導者としての幹部社員の評価制度の見直しに着手しております。人材の登用については、本社・支店の区別なく、本人の了解を得た上で支店勤務から本社勤務への異動を実施し、幹部候補生として養成を行っております。

 

(6) 情報セキュリティリスクについて

 企業活動においてコンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まっており、ソフトウェア、ハードウェアの不具合やコンピュータウイルスの侵入によって情報システムへの障害や情報漏洩等のリスクが高まります。また、ソフトウェア業である当社は、業務の特性上、取引先の機密情報を取り扱うことがあります。当社においては、ISO27001(ISMS)の認証を取得し、危機の管理・保全、情報セキュリティの高度化、運用ルールの設定や従業員教育のシステムを確立し、情報セキュリティの保全に万全を期しております。
 特定個人情報の管理については、特定個人情報管理規程を設け、より厳密な安全管理措置を講じておりますが、万一、当社又は当社の外注委託先の責任に起因するネットワークシステムや情報システム機能の低下や停止、または情報漏洩事故等が発生した場合には、当社の信用が損なわれ、その後の事業展開、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。全社員を対象に年2回の情報セキュリティ研修の受講を義務付け、各社員の意識向上に努めております。また、実際に情報セキュリティ事故が発生した場合における連絡体制は、自然災害等の発生に対応する災害対策マニュアルで定める緊急連絡網を活用しております。
 

(7) コンプライアンスに関するリスクについて

 当社は、事業の運営に当たって、労働者派遣法、職業安定法、下請代金支払遅延等防止法、労働基準法等の関係諸法令の規制を受けております。これらの法令等に違反した場合には、法令による処罰、訴訟の提起等が予想され、社会的な制裁を受けることにより顧客の信頼を失墜し、契約の継続に影響を及ぼす可能性があります。
 全社員を対象に年2回のコンプライアンス研修の受講を義務付け、各社員の意識向上に努めております。研修の内容もハラスメントやインサイダー情報等、時事問題を多く取り上げ、社会的影響度の高い事案を扱うことで、受講する社員への意識付けを強くする工夫を行っております。
 

(8) 自然災害等のリスクについて

 地震、台風・豪雨、火山噴火等の自然災害や、事故・テロ等の予測不可能な事由により、本社及び支店や取引先が壊滅的な損害を受ける可能性があります。そのような場合、売上高が低下し当社のその後の事業展開、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
 自然災害の発生時に備えて災害対策マニュアルを策定し、避難場所の設定や緊急連絡網の整備・確認等を通じて実際の発生に対応可能な体制を構築しております。
 また、定期的な避難訓練や防災設備の点検を実施し、有事における対処能力を高めるとともに一時的な避難場所として事業所内に留まることを想定し、食料や医薬品の備蓄を進めております。
 

(9) 新型感染症等疾病感染拡大のリスクについて

 新型コロナウイルスの感染拡大により、当社の管理体制、営業体制の感染症等に対する基本的な体制の在り方について、従来の認識及び対応はほとんど具体策がない状態でありました。新型感染症の拡大による急速な社会状況の変動による経済状況の悪化により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 今般、この急激な社会状況の変化に対応し、当社も社員の安全を第一と考え、政府や自治体の要請に基づき、可能な限り以下の施策を実行しております。

 ①会社への出勤を取りやめ、テレワーク体制を整備し実施

 ②必要に応じ出勤する場合、オフィスでの過密状態を避け四段階の時差出勤を実施

 ③ITツールの活用によるウェブ会議、リモート面接による採用活動等を実施

 ④顧客との交渉により、可能な案件は顧客事業所、工場での作業をテレワークに移行

今後もこのような状況が継続することを前提とし、テレワーク勤務や時差出勤等を継続し、ITツールを駆使したより安全で無駄の無い業務形態を確立してまいります。

 

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