課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は未知未踏を追求し、光技術を用いた新しい産業を創造し、世界一のもの作りを目指すことで、企業価値を向上させるとともに科学技術の発展にも寄与することを経営の基本方針としております。

 光は様々な産業を支える基盤技術となっており、今日における技術革新や電子機器の高性能化、高精度化のためには、光技術のさらなる進化がグローバルな規模で求められています。しかしながら、光と物質との相互作用は自然界における種々の現象の基礎ですが、ほとんどの部分は学術的に未知未踏であり、その本質はほんの一部しか解明されていません。いまだ解き明かされていない領域を探求し、そこから生まれる新しい知識に基づいた応用の可能性をもとに、新しい産業を創成し業容を拡大することで企業価値の増大を目指してまいります。また、当社は人・技術・知識が経営の基盤と考えております。社員一人ひとりが日々の仕事を通じて研鑽し、自分にしかできないことを見つけ出し、当社が取り組む光産業創成に向けての知識、ニーズ、競争力のある技術の開発を行うとともに、「和」の精神のもと、個々の能力の総和以上の総合力を発揮できる企業風土の醸成が必要であるという認識のもと、現場主義による積上げ式の取組を基本としております。

 

(2)中長期的な経営戦略等

 「それがなければ、実現できない」「それがなければ、目的に辿りつけない」「それがなければ、未来と出会えない」。私たちは、自分たちの光技術を「Key Enabling Technology」だと自負しております。一般的な産業構造は最終製品メーカーを頂点にしたピラミッド型です。一方、光応用産業の構造は逆ピラミッド型で、光センサや光源などのデバイスを供給する当社がボトムに位置し、上に向かって産業の規模と領域が広がっていきます。ただし、当社はボトムにいるものの単に部品を供給しているだけではなく、最終製品の性能を高め光応用産業の核となる「Key Enabling Technology」を提供しているのです。当社は、光デバイスからモジュールの方向へと事業領域を上に伸ばしていくことと同時に、お客様との「共創」により新たなアプリケーションを見つけ、光応用産業の逆ピラミッドの角度を広げて応用を広げていきます。また、お客様自身も気づいていないニーズを先取りしていくためには、光技術の応用で新しいビジネスを目指すベンチャーとしての連携や、社内ベンチャーの展開が重要です。今後も当社は、創業以来のベンチャー精神を醸成しながら具現化するとともに、コアとなる光デバイスを強化し、戦略的に光応用産業の幅を広げ持続的発展を図っていきます。

 一方で、長期的な技術開発を行うためにも安定的に利益を生み出し、継続的な成長を続ける必要があります。当社グループは光産業の拡大や経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応するため、中長期的なビジョンのもと、成長に向けた積極的な研究開発や設備投資を行うことで、持続的かつ安定的な高収益体制の構築を目指します。

 

「Key Enabling Technology」及び持続的成長戦略の概念図

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(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長に向けて、収益性の観点からは、売上高営業利益率を重要視しており、具体的には当社連結ベース及び各セグメントにおける営業利益率を主要指標と定め、その向上に努力しております。

 一方、効率性の観点からは、資本コストを的確に把握した上で、ROE(自己資本当期純利益率)を意識した経営を行っております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループを取り巻く経営環境につきましては、一部で企業収益や設備投資に持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大や長期化する部材の調達難、ウクライナ情勢の影響のほか、世界的な金融引き締めによる景気後退懸念など世界経済の先行きは不透明な状況のなかで推移いたしました。

 このような状況のもと、当社の足元の状況としては、医用、産業、分析分野等の主要な業界において、前期からの好調さを維持し、引続き売上げを伸ばしました。特に、世界的な5Gやデータセンター等の半導体関連需要の拡大を背景として、産業用機器向けの半導体関連製品が業績を牽引したほか、医用・バイオ機器も堅調に推移した結果、当期の業績は売上高、利益ともに過去最高を達成いたしました。

 当社グループが追求する光技術の需要は、医用、産業、分析分野など最先端のテクノロジーの領域でますます高くなっており、当社が供給する製品は、世界中のお客様の最終製品の性能を高めるために重要な要素技術(Key Enabling Technology)となっていることを改めて認識しております。

 当社グループといたしましては、引続き、社会が必要とする製品・技術を供給するため、将来に向けて必要な設備投資を進め、事業を牽引するコア技術を磨くとともに、光技術とのシナジー効果が期待される国内外のパートナーとの共創にも積極的に取り組み、当社の事業領域である光応用産業の拡大に挑戦してまいります。

 また、今後の新たな成長への取り組みとして、レーザ事業を新たな事業の柱とすべく注力するとともに、3つの事業部や中央研究所を含めた全社的な連携を強化し、そこから生まれるシナジーを最大限発揮させることにより、中長期的な事業拡大を目指すための経営体制の強化に取り組んでまいります。

 当社グループといたしましては、創業当時のベンチャー精神を忘れず、持続可能な社会の実現に向けて、環境、社会的課題など様々な諸問題にも光技術で貢献することで、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(5)サステナビリティへの取り組み

 ①サステナビリティ基本方針

 当社は、1953年の創業以来一貫して「光」を追究し、光技術を用いた世界一のものづくりを通じて、社会そして科学技術発展に貢献することを基本理念としております。健全で信頼される企業としての成長を目指し、サステナビリティの意識を高く保ち、すべてのステークホルダーと共に事業を推進してまいります。

1.企業倫理の徹底を図り、関係法令、国際ルール及びその精神を遵守するとともに、人権を尊重します

2.環境に配慮、貢献し、健全で持続可能な事業活動を展開します

3.社員を尊重し、能力開発を支援し、働きやすく安全な職場環境を提供します

4.安全かつ高品質な製品・サービスを提供します

5.公正な取引を行い、情報を適切に管理し、不正アクセス、情報漏洩、不正使用等を防止します

 ②推進体制

 当社は、2021年10月に新たにサステナビリティ統括委員会を設置いたしました。サステナビリティ統括委員会は、委員長である管理本部長のもと、全社横断的な対応の推進をはかります。そして、サステナビリティ統括委員会に属する各委員会の活動状況を取締役会に報告して、取締役会の意思を各委員会の活動に反映してまいります。

 

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