業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社は食料品及び日用雑貨品を主に販売するスーパーマーケット事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における経営環境は、企業収益や雇用環境の改善が続き、緩やかな景気回復の傾向がみられるものの、海外における政治、経済の不確実性等の影響により先行きはなお不透明な状況にあります。また、当社の属する北海道のスーパーマーケット業界では、お客さまの生活防衛意識が依然高く、節約・低価格志向が継続するとともに、人口減少によるマーケットの縮小や業態を超えた競争は一層激しさを増し、厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下、当社はお客さま満足の実現に向けて「基本の徹底と変化への対応」をスローガンに掲げ、変化するお客さまニーズに対応した品揃え、売場づくり、サービスの提供を行い商圏シェアの拡大に取り組んでおります。

 新規出店および大型改装では、2店舗の新規出店と6店舗の大型改装を実施いたしました。新規出店として、8月に「マックスバリュ北1条東店」(札幌市中央区)、11月に「マックスバリュ月寒西店」(札幌市豊平区)を開店いたしました。都市部における限られた敷地で、お客さまが買い回りし易い売場の配置にするとともに、商圏の特性やお客さまのニーズに対応して、簡便、即食、健康を意識した商品やこだわり商品の品揃えを充実いたしました。また、都市型のライフスタイルに対応すべく、店舗2階におくつろぎ頂けるイートインスペースを併設し、多くのお客さまにご利用いただいております。大型改装では、お客さまが買い回りし易い売場の配置に変更し、老朽化した設備の入れ替え等を実施するとともに、ご要望の多い手早く調理が出来る商品や健康志向に対応した商品の品揃えの充実を図りました。

 商品・営業面では、お客さまの節約・低価格志向にお応えすべく購買頻度の高い商品の価格訴求を行ってまいりました。特に低価格でご提供する販売企画「安い値!」では、野菜の販売を重点的に行うとともに、毎週実施の曜日市や毎月恒例の「お客さま感謝デー」等の販売強化を実施してまいりました。また、リニューアルを機にイオンのブランド「トップバリュ」を積極的に売場展開し、販売強化を実施してまいりました。さらに、商品力向上の取り組みとして、野菜の鮮度向上に取り組み、朝に収穫したレタスやとうもろこしを「今朝採れ野菜」として販売することや商品を限定して産地から直接自社センターに入れ店舗に納品する物流の見直しを実施してまいりました。

客数増加の取り組みでは、デジタル販促企画として札幌市内のマックスバリュ店舗を対象とした割引クーポンの配布企画や、ザ・ビッグ店舗においてLINEアプリに登録いただいたお客さまへチラシを配信するサービスを開始し、登録件数が毎月増加しております。今後も効果検証を行い、客数増加に結び付く対策を実施してまいります。

 人事・教育面では、ダイバーシティの取り組みとして、当事業年度から新たに、技術習得を目的とした外国人技能実習生の受け入れを行い、ベーカリーや惣菜商品の製造に取り組んでいただいております。さらに、「働き方改革」への取り組みとして、有給休暇、育児休暇の取得推進を行い、子育て支援サポート企業として厚生労働大臣の認定「くるみん」を2018年4月に取得いたしました。今後も働きやすい職場環境の整備を推進してまいります。

リスクへの取り組みでは、食品表示、衛生管理、労務管理、防災管理に係る内容を重点実施項目として、毎月の店長会議や、商品部員会議、売場担当者会議を通じての教育機会を増やすことで個人のスキルアップとリスクマネジメント体制の基盤固めに努めてまいりました。

これらの取り組みにより、売上高は、1,274億99百万円(前期比102.7%)、客数は前期比100.1%、客単価は同102.6%となりました。既存店の売上高については、前期比100.7%、客数は同98.7%、客単価は同102.0%となりました。また、売上総利益は281億17百万円(前期比103.2%)となり、売上総利益率は、商品の値引きの減少等により前期より0.1ポイント改善し22.1%となりました。

販売費及び一般管理費は、285億63百万円(前期比102.7%)となりました。これは主に人時単価の上昇による人件費の増加、燃料調整単価の変動による電気料金の増加および新規出店や大型改装投資等によるものであります。なお、2018年9月6日に発生した平成30年北海道胆振東部地震等の影響による商品の廃棄や店舗設備等の修繕費用を災害による損失として7億40百万円を特別損失に計上し、当事業年度までに確定した受取保険金7億円を特別利益に計上いたしました。その他、特別損失として減損損失等を計上したことにより当期純利益は4億53百万円(前期比91.9%)となりました。

 

(商品グループ別売上高状況)

 農産、水産、畜産、サービスデリ(惣菜)の各生鮮食品グループにおいて、農産グループの野菜については、お客さまの節約志向に対応して、購買頻度の高い商品を低価格でご提供する「安い値!」の販促企画を強化し、多くのお客さまからの支持が得られております。また、果物では、前年度に天候不順で品不足になったみかんを安定的にご提供することができたため、販売点数が大きく伸長し売上に貢献いたしました。水産グループでは、カツオたたき、さんまなど炙り加工した刺身商材の品揃えを充実させることにより刺身類が好調に推移いたしました。畜産グループでは、輸入の焼肉用の品揃えを充実したことにより牛肉、豚肉が好調に推移いたしました。サービスデリ(惣菜)グループでは、和惣菜や揚げ物、インストアベーカリーグループでは、均一価格商品の売上が伸長いたしました。

 デイリー(日配)、グロサリー(加工)グループでは、平成30年北海道胆振東部地震の影響により、飲料水、缶詰類、レトルト食品、カップ麺などの商品が大きく伸長しました。また、調理に手間のかからない簡便調味料商品の品揃えの見直しをすることにより、香辛料、中華調理素材、調味料などの商品が好調に推移しました。さらに、リニューアルを機にトップバリュ「ベストプライス」商品を販売強化したことにより売上増加に貢献いたしました。

 家庭用品グループにつきましても、地震の影響により、乾電池、カセットボンベなどが伸長いたしました。

 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ13億48百万円増加し、372億78百万円となりました。

 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ10億29百万円増加し、279億33百万円となりました。

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ3億18百万円増加し、93億45百万円となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、営業収益1,292億81百万円(前期比102.6%)、営業利益13億36百万円(同109.2%)、経常利益13億52百万円(同110.7%)、当期純利益は4億53百万円(同91.9%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ4億21百万円増加し、11億4百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は前事業年度に比べて3億96百万円増加し、24億85百万円となりました。

収入の主な内訳は、減価償却費16億76百万円、税引前当期純利益7億82百万円、保険金の受取額6億58百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額7億36百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は前事業年度に比べて10億79百万円減少し、27億35百万円となりました。

収入の主な内訳は、建設協力金の回収による収入2億29百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出28億49百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は前事業年度に比べて10億40百万円減少し、6億72百万円となりました。

収入の主な内訳は、長期借入れによる収入40億円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出21億円、短期借入金の減少額10億34百万円であります。

 

③仕入、及び販売の実績

 a.仕入実績

 当社は、食料品及び日用雑貨品を主に販売するスーパーマーケット事業及びその付随業務の単一セグメントであるため、「仕入及び販売の実績」については、商品グループ別に記載しております。

 商品グループ別仕入実績

商品グループ名

当事業年度

(自 2018年3月1日

  至 2019年2月28日)

(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

農産

14,812

14.9

104.1

水産

7,761

7.8

101.5

畜産

9,183

9.2

101.1

サービスデリ(惣菜)

6,957

7.0

102.0

デイリー(日配)

22,636

22.8

103.5

グロサリー(加工)

33,780

34.0

101.7

インストアベーカリー

669

0.6

107.9

食品計

95,801

96.3

102.5

家庭用品

3,355

3.4

103.8

衣料品

212

0.2

99.0

その他

109

0.1

93.7

非食品計

3,677

3.7

103.2

合計

99,478

100.0

102.5

(注)1 その他は、催事等であります。

2 金額は仕入価格で表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 b.販売実績

① 商品グループ別売上高実績

商品グループ名

当事業年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

(百万円)

構成比(%)

前年同期比(%)

農産

17,104

13.4

104.4

水産

9,830

7.7

102.3

畜産

12,332

9.7

102.5

サービスデリ(惣菜)

10,636

8.3

101.7

デイリー(日配)

30,102

23.6

103.7

グロサリー(加工)

41,432

32.5

101.7

インストアベーカリー

1,245

1.0

103.8

食品計

122,686

96.2

102.7

家庭用品

4,354

3.4

103.6

衣料品

323

0.3

95.9

その他

135

0.1

93.7

非食品計

4,813

3.8

102.7

合計

127,499

100.0

102.7

(注)1 上記金額は、商品グループ別直営売上高であり営業収入は含まれておりません。

2 その他は、催事等であります。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 地域別売上高実績

地域別

当事業年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

前年同期比(%)

売上高(百万円)

構成比(%)

石狩振興局

マックスバリュマルヤマクラス店(札幌市)

他44店舗

64,986

51.0

103.1

胆振総合振興局

マックスバリュ新花園店(苫小牧市)

他7店舗

10,410

8.2

99.0

上川総合振興局

ザ・ビッグ宮前通店(旭川市)

他3店舗

7,710

6.0

117.3

留萌振興局

マックスバリュ留萌店(留萌市)

1店舗

1,465

1.1

99.2

釧路総合振興局

ザ・ビッグ文苑店(釧路市)

他3店舗

8,150

6.4

103.7

後志総合振興局

マックスバリュ手宮店(小樽市)

他3店舗

6,352

5.0

98.8

空知総合振興局

マックスバリュ滝川店(滝川市)

他7店舗

11,289

8.9

98.4

日高振興局

マックスバリュ静内店(新ひだか町)

他1店舗

3,028

2.4

108.5

渡島総合振興局

マックスバリュ石川店(函館市)

他5店舗

6,014

4.7

101.9

十勝総合振興局

マックスバリュ稲田店(帯広市)

他8店舗

8,090

6.3

98.6

合計

127,499

100.0

102.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 単位当たり売上高

項目

当事業年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

前年同期比(%)

売上高

127,499百万円

102.7

売場面積(平均)

157,277㎡

101.1

1㎡当たり売上高

810千円

101.5

従業員数(平均)

4,826人

100.4

1人当たり売上高

26,419千円

102.3

(注)1 売場面積(平均)は、「大規模小売店舗立地法」に基づく面積であり、稼動月数により算出しております。

2 従業員数(平均)には、臨時従業員(1日8時間換算期中平均人数)を含んでおります。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 1㎡当たり売上高及び1人当たり売上高については、千円単位で表示しております。

 

④ 主要顧客別売上実績

 該当事項はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性の存在により、見積りと異なる場合があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 当社の当事業年度の経営成績は、以下のとおりです。

 

(営業収益)

 当事業年度は、2店舗の新規出店や6店舗の改装等により、営業収益は1,292億81百万円(前年同期比102.6%)となりました。その内容は、売上高1,274億99百万円(前年同期比102.7%)、営業収入(主に不動産賃貸収入)17億82百万円(前年同期比99.9%)であります。

 

(営業総利益、販売費及び一般管理費)

 営業総利益は、売上高が好調に推移したこと等により298億99百万円(前年同期比103.0%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、改装による一時的な費用の発生や、人時単価の上昇による人件費の増加等により285億63百万円(前年同期比102.7%)となりました。

 

(営業利益)

 営業利益は13億36百万円(前年同期比109.2%)となり、営業収益営業利益率は1.0%となりました。

 

(営業外損益)

 営業外損益は、リサイクル材売却収入51百万円、補助金収入19百万円等により営業外収益が1億21百万円、支払利息71百万円等により営業外費用が104百万円となりました。その結果、経常利益は13億52百万円(前年同期比110.7%)となりました。

 

(特別損益)

 特別利益は、災害に係る受取保険金の計上により7億円となりました。また、特別損失は、災害による損失7億40百万円、減損損失4億39百万円の計上等により12億70百万円となり、税引前当期純利益が7億82百万円(前年同期比96.4%)となりました。

 

(当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税3億99百万円、法人税等調整額△69百万円の計上により、当期純利益は4億53百万円(前年同期比91.9%)となりました。

 

b.財政状態

(資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べて1.8%増加し、102億27百万円となりました。これは、未収入金が3億47百万円減少したものの、現金及び預金が4億21百万円、商品が96百万円それぞれ増加したこと等によります(なお、現金及び預金の詳しい内容につきましては、「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 ④キャッシュ・フロー計算書」をご参照ください)。

 固定資産は、前事業年度末に比べて4.5%増加し、270億51百万円となりました。これは、建物(純額)が8億92百万円、長期前払費用が4億81百万円それぞれ増加したこと等によります。

 この結果、総資産は、前事業年度末に比べて3.8%増加し、372億78百万円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、前事業年度末に比べて0.6%減少し、211億41百万円となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が6億51百万円、流動負債その他に含まれる未払消費税等が2億29百万円それぞれ増加したものの、短期借入金が10億34百万円減少したこと等によります

 固定負債は、前事業年度末に比べて20.4%増加し、67億91百万円となりました。これは、長期借入金が12億47百万円増加したこと等によります

 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて3.8%増加し、279億33百万円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は、前事業年度末に比べて3.5%増加し、93億45百万円となりました。これは、繰越利益剰余金が3億14百万円増加したこと等によります。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

d.キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

資本政策につきましては、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主様への利益還元との最適なバランスを考慮し、実施していくこととしております。

また、当社における資金需要の主なものは、設備投資資金や事業に係る運転資金であります。

当社は、必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しておりますが、安定的な財源確保のため、複数の金融機関から借入による資金調達を行っており、今後も継続する方針であります。

 

f.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、売上高営業利益率の他、経常ROA(総資産経常利益率)ならびに経常ROE(自己資本経常利益率)を効率分析の重要指標として位置づけております。

 今後さらに重要指標の向上に向け、収益構造の一層の強化を図るとともに、商品回転率の向上による在庫効率の改善など重点課題を明確にして取り組んでまいります。

 

 

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