課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)会社の経営の基本方針

当社グループは、お客様・地域に根差し、情報伝達サービスを中心としたソリューションの提供により社会の課題を多角的に解決し、生活者のより豊かな暮らしに貢献することを使命としております。

創業以来、「総合的に商業や商売、商流について研究する」という社名の由来どおり、お客様企業やその属する市場を研究し、本質的な課題の発掘から解決の企画・提案、実行、検証までを総合的に支援することで、お客様企業が効果的かつ効率的な販売促進活動を実現できるよう支援を行い、お客様企業にとってなくてはならない「共創のパートナー」となることを目指してまいりました。

常にお客様企業を中心に、既存の事業や考えの枠を越え、時流を先取りしながら課題解決のためにチャレンジをすることで、より付加価値の高い商品やサービスの提供を行ってきたことが、他社との差別化・競争優位性につながっております。

これからも、これら当社グループの強みを活かしながら、企業のみならず地域社会とそこに暮らす生活者に目を向け、より広く課題解決の提案を行ってまいります。

 

 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社を取り巻く印刷・広告業界においては、紙媒体の需要はデジタル化やペーパーレス化に加え、資材の価格高騰も相まって減少傾向にあり、特に当社が主力としている商業印刷では、新聞紙発行部数の減少に伴い折込チラシが減少しています。年賀状印刷においても、需要は減少しており、この傾向は今後も続くものと予想されます。また、デジタルメディアの台頭により、消費者の購買における行動様式が複雑化していることに加え、ライフスタイルや価値観の多様化により、よいモノを生産すれば売れる時代は過去のものとなりました。

当社は、創業以来、印刷物というモノを売るのではなく、お客様企業の販売促進という視点から、マーケティングを含んだ幅広いサービスの提供を行ってまいりました。

昨今の市場環境の変化の中にあっては、こうした販売促進の効果を主眼として、届けたい情報を、届けたい人に、届けたいタイミングでお届けすることがより重要となっております。当社としては、これまで以上に市場や企業の分析、紙とデジタルとの使い分けや有効な連動の提案、デジタルメディアの効果的な活用、多様なメディアを用いたクロスメディアマーケティングの提案など、分析に基づく多角的なソリューションを用意するとともに、情報伝達の手段であるコミュニケーションツールやデジタルコンテンツの制作に力を入れてまいります。特に、当社の強みである自社発行のフリーペーパーの有効な活用に重点を置くとともに、他社とは異なる着眼点からニッチな分野におけるハイレベルなコンテンツの制作・運用によって、より付加価値のあるサービスの提供を目指します。

また、販売促進支援の枠を越え、当社が持つ設備やノウハウ、顧客基盤を活かして、主力の印刷・広告業界以外へ販路を拡大していくことも重要です。現在、年賀状印刷事業のノウハウを活かし、主に得意先企業からBPO事業としてデータエントリーやコールセンターサービスなどの業務を受注しておりますが、新たに大型案件の継続的な獲得や、新規企業・自治体からの受注獲得を目指してまいります。他にも、独自の商品販売網や製造・供給網を活かした物販事業、地域BWAを活用した電気通信事業、観光促進・移住促進等地方創生事業などの分野で、当社の持つリソースを有機的に活用した展開を行います。また、グループ会社それぞれの強みを活かし、リソースやアイデアの活用により新たな試みを行うほか、独自の技術を有する他社とのアライアンスも選択肢のひとつとして、その可能性を模索します。

 

 

 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上記のような経営環境において経営戦略を遂行する上では、以下の点が当社グループの課題であると認識しており、その解決法を模索しながら着実に実践していくことが重要であると考えております。

 

  ① 組織体制の構築・部門連携

日々刻々と変化する企業や生活者の多様なニーズに対応するためには、当社のもつソリューションサービスを有機的に連携させ、新たな知恵を生み出し、効果的にアプローチしていくことが重要であり、当社グループの課題ともなっています。企画・営業、IT、制作、生産部門といった各組織の壁を越えた連携のため、経営層のみならず、部門を越えた担当者レベルでのミーティングやプロジェクトの開催、並びに戦略的な人事及び組織体制の構築によりこれら課題に対応してまいります

 

  ② コスト削減・資産の効率的な運用

今般、燃料や原材料といった製造コストの高騰が顕著になっており、コスト削減と資産の効率的な運用が大きな課題となっております。当社グループにおいては、積極的に外注業務を見直し、自社でリソースを確保して内製化を行っているほか、印刷工程の見直しやAIソリューションの開発による各作業工程のオートメーション化を推進しております。

また、年間を通して偏りがある工場の稼働状況に対して、通年稼働に向けた取組みの強化と、人員の効率的な配置によるコスト削減により高効率生産を追求し、安定的な収益構造を目指してまいります。

 

  ③ 人財の育成、イノベーションの起こりやすい環境の整備

変化の激しい時代において、時流を先取りし、顧客企業や消費者のニーズを把握して新しい技術、ソリューションの開発をしていくための要は人財であり、その獲得・育成が課題となっております。

総合的な視野で課題解決の提案ができる人財、イノベーションによる価値の創造を自発的に行える人財、デジタルコンテンツ作成など高度なスキルを持つ人財の確保・育成に対して積極的な投資を行います。

また、社員の意識向上やイノベーションが起こりやすい環境づくりも重要です。企業理念の浸透とエンゲージメント向上に向けた取組みを行っていくとともに、働きやすい環境や、誰でも積極的にチャレンジしやすい環境づくりを行ってまいります。

 

   ④ 外部環境変化への対応

新型コロナウイルスの感染拡大により、社会経済活動の制限や広告費の減少が顕著となるなど印刷・広告業界にとっても厳しい状況が続いたほか、生活様式の変化によりニューノーマル時代への対応が迫られています。また、近年の原材料価格や物流コストの上昇は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響により拍車がかかっております。

これら、先の見通せない外部環境の変化への対応は、当社グループの大きな課題となっております。当社グループとしては、随時現況分析を行うとともに、リスクをチャンスに変えるべく、経営戦略の柔軟な見直しを進めてまいります。

 

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