業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 経営成績等の状況の概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が長期化する中、ワクチン接種の進展に伴い経済活動には回復の兆しが見受けられるものの、緊迫するウクライナ情勢や世界的なインフレが加速してきており、国内経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 当社グループと関連の深い上水道・下水道業界及び住宅機器関連業界におきましては、住宅ローン減税特例措置等の各種住宅取得支援策や人々の生活様式の変化を背景とした住宅需要の高まりなどにより住宅市場が好調に推移したことで、新設住宅着工戸数は前期に比べ回復基調にありますが、足元では住宅資材価格の高騰が続いており、厳しい事業環境にあります。

 このような状況の中、当社グループは2021年5月に公表いたしました中期経営計画「Look Forward 2023」において「成長ドライバーの創出」「事業基盤整備」「ESGを意識した取り組み」を基本戦略に掲げ、各施策に対する取り組みを進めてまいりました。

 当社グループの当連結会計年度における業績につきましては、ナフサ価格の高騰に伴い塩ビ樹脂をはじめとした原材料価格の値上げの影響を受けたものの、新設住宅着工戸数が回復基調にあることで、全般的には堅調に推移いたしました。

 この結果、売上高は218億79百万円(前期実績209億85百万円)、営業利益13億42百万円(前期実績9億29百万円)、経常利益16億28百万円(前期実績12億32百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益7億97百万円(前期実績7億55百万円)となりました。

 

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

①管工機材分野

 管工機材分野につきましては、ナフサ価格の高騰に伴い主要原材料である塩ビ樹脂の3度にわたる値上げの影響を受けたものの、コロナ禍での旺盛な住宅需要の高まりに支えられ、当社の主力製品である戸建住宅向け製品の売上は堅調に推移いたしました。また、中期経営計画の「成長ドライバーの創出」の施策の中で拡充を目指すデザイン性を追求したエクステリアブランド「MELS」の製品群が堅調に推移したほか、同じく注力しているビル設備分野製品である「ビニコア」についても品揃えと新たな市場開拓に取り組み続けたことで、引き続き売上を伸ばしました。

 以上により、売上高は195億63百万円(前期実績188億18百万円)、セグメント利益13億93百万円(前期実績11億9百万円)となりました。

②水処理分野

 水処理分野につきましては、お客様の水処理における「業務の効率化」と「環境保護」を目的とした多様な水処理システムの提案活動を行うとともに、収益改善を図るべく、メンテナンス関連業務や商材販売の強化に注力してまいりました。

 売上面では、大型工事案件の工事進捗に加え、注力しているメンテナンス関連業務の受注増加に伴い前期を上回る結果となりましたが、利益面につきましては、前期から改善はしたものの引き続きセグメント損失となりました。

 以上により、売上高は11億47百万円(前期実績9億99百万円)、セグメント損失43百万円(前期実績80百万円のセグメント損失)となりました。

 

 

③各種プラスチック成形分野

 各種プラスチック成形分野につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けた前年からの回復は依然として鈍く、受注の減少が続いております。受注の減少を補うべく、新規取引先の開拓や自動化による原価低減と徹底した固定費の削減に努めたことで、下期にかけては回復基調で推移しましたが、赤字からの脱却には至りませんでした。

 以上により、売上高は12億32百万円(前期実績15億64百万円)、セグメント損失19百万円(前期実績86百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3億52百万円増加し、452億70百万円となりました。これは主として、現金及び預金が3億82百万円増加したこと等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ1億91百万円増加し、77億49百万円となりました。これは主として、未払法人税等が2億75百万円増加したこと等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1億60百万円増加し、375億21百万円となりました。これは主として、利益剰余金が1億23百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は108億21百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億82百万円の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、17億53百万円の収入となりました(前連結会計年度は21億70百万円の収入)。これは主に、税金等調整前当期純利益13億71百万円や減価償却費10億89百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、6億94百万円の支出となりました(前連結会計年度は6億42百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億44百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、6億76百万円の支出となりました(前連結会計年度は5億38百万円の支出)。これは主に、配当金の支払額6億71百万円等によるものであります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)新型コロナウイルス感染症の影響について」に記載しております。

 

2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1)重要な会計方針及び重要な会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 重要な会計方針及び連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)並びに(追加情報)」に記載しております。

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「1 経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の概況」に記載しております。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況

 「1 経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

②契約債務

2022年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

370

370

長期借入金

60

60

③資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費の他、販売費及び一般管理費等の運転資金需要と、生産体制の合理化、業務の効率化、製品の高品質化等を目的とした設備投資等の資金需要であります。

 運転資金、設備投資等の資金調達については、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しましても自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とすることに変更はないと判断しております。

 今後、新型コロナウイルス感染症が当社グループの資金に与える影響によっては、資金政策を適宜検討していきます。

 

3 生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

イ 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

 管工機材分野      (百万円)

19,821

109.4

 水処理分野       (百万円)

843

123.0

 各種プラスチック成形分野(百万円)

1,411

93.1

 合計          (百万円)

22,077

108.6

  (注)金額は販売価格により記載しております。

 

ロ 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

 管工機材分野      (百万円)

482

85.2

 水処理分野       (百万円)

1

1.3

 各種プラスチック成形分野(百万円)

19

23.2

 合計          (百万円)

503

64.4

  (注)金額は仕入価格により記載しております。

 

 

(2)受注実績

 当社グループの主要製品は大部分が見込生産でありますが、一部(水処理装置及びプラスチック成形分野)については、受注生産を行っております。

セグメント別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

水処理分野

受注高 (百万円)

368

40.2

(水処理装置)

受注残高(百万円)

243

33.9

各種プラスチック成形分野

受注高 (百万円)

1,344

111.5

受注残高(百万円)

150

84.1

  (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2 金額は販売価格により記載しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

 前年同期比(%)

 管工機材分野      (百万円)

19,542

 水処理分野       (百万円)

1,147

 各種プラスチック成形分野(百万円)

1,189

 合計          (百万円)

21,879

  (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 2 金額は、「収益認識に関する会計基準」等を適用した後の金額となっており、前年同期比は記載しておりません。

 3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり

   であります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

渡辺パイプ株式会社

2,641

12.58

2,848

13.02

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