研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,621百万円であり、各セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

1.空間価値ドメイン

働き方改革の推進やコロナ禍を受けてワーカーの働き方は大きく変容し、ワークスタイルの進化は加速、多様化しています。同時にサスティナブルな社会を実現するため環境への配慮を取り入れた製品が求められる中、以下の商品開発を行いました。

(1)タスクチェアー「Monet(モネット)」

 「Monet」は、多様化するワークスタイルやインテリアにフレキシブルに対応しながら永く愛用することができる、サスティナブルなチェアーです。ワークスタイルやインテリアトレンドにマッチする3万通りを超える組み合わせのベースとなる構造体は、オフィス家具ならではのすぐれた耐久性を持っており、座面や背もたれなどのパーツを交換することで、常に最適な状態で使用することができるロングライフ設計を取り入れています。部品の少量化・軽量化、梱包の効率化等により、サプライチェーン全般に関わる二酸化炭素排出量を、当社同等従来品比で約13%削減しました。

(2)パネルブースシステム「Fore(フォーレ)」

 「Fore」は、高い吸音性能をもつパネル素材を採用し、音環境に配慮したパネルブースシステムです。テレワークが急増する一方で、オフィスでのコミュニケーションはより価値のあるものと考えられるようになりました。同時に、Web会議の普及に伴ってオフィスには快適な音環境が求められています。特徴的な凸凹の素材で、見た目にも吸音効果が感じられるとともに、ワーカー同士の会話を促す居心地の良いデザインとなっています。本製品は、快適な音環境と居心地の良さへのこだわりによって、ワーカー同士のコミュニケーション促進に貢献します。

(3)コミュニケーションツール「MAXHUB(マックスハブ)」

 「MAXHUB」は、新たな課題として顕在化しつつある相互コミュニケーションにフォーカスを当てた商品です。Web会議、ホワイトボード、プレゼンテーションの3つの機能を1台に集約、高解像度カメラ・8m先まで収音可能なマイクを搭載したコミュニケーションツールです。ホワイトボードや投影した資料には書き込みが可能なので、相互コミュニケーションができ、リアルでもリモートでもリアルタイムに正確な意思疎通が図れます。コロナ禍だけでなくポストコロナに向けて、会議のアクティブ化、ひいては働き方のアップデートに貢献します。

(4)可動式ブース「WORKPOD FLEX(ワークポッドフレックス)」

 「WORKPOD FLEX」は、電話やWeb会議、一人での作業に最適な個室型のブースです。外観や外装等にシンプルで明快なデザインを採用、多様な空間やレイアウトに対応できるよう、豊富なカラーバリエーションを持ち、背面はパネル仕様とガラス仕様、ドアは右開きと左開きの各2種と外観を用意するとともにソファータイプ、チェアータイプ、スタンディングタイプの3種類から、用途に合わせて選ぶことができます。また、内部の空気循環と温度上昇抑制に配慮した機械給気方式を採用し、人感センサーによって利用時は常に換気された状態が保たれます。調光機能付きLEDライトや卓上コンセント等、ワークに集中できる標準装備も充実しています。

(5)仕事と生活を楽しむワーキングチェアー「ingLIFE(イングライフ)」

 「ingLIFE」は、仕事や学習、食事、ゲームなどの自宅での様々なシーンに対応したチェアーです。体の微細な動きに合わせて座面が360°揺れ動くことで、長時間心地よく座っていることのできるグライディング機能を搭載。体重に合わせて動きが調整されるため、大人だけでなく子どもの使用にも適しており、あらゆる体型・姿勢を心地よくサポートします。リビング空間に馴染むよう考えられたデザインを特徴としており、1脚は大人の仕事用、もう1脚は子どもの勉強用などに設置し、空間をシェアしながら一緒に集中しやすい環境を整えることが可能です。

(6)チームシンキング家具

 「チームで生み出す、クリエイティビティにあふれる場」をコンセプトに開発した商品です。さまざまな動きにフィットし、よりアクティブな姿勢になれる昇降スツール「Join(ジョイン)」、持ち運び、ストックがしやすい軽量ホワイトボード「Mobile Whiteboard(モバイルホワイトボード)」、チーム用モバイル収納「Carrio(キャリオ)」、昇降フラップテーブル「INITIA(イニシア)」を中心に、スライド式パネル「frein(フレイン)」、オフィス用電源供給アイテム「エナジーシリーズ」等で構成、組みあわせて使用します。近年、多くの企業でオフィス勤務だけでなく在宅勤務なども取り入れたリモートワークが普及してきていますが、社員間コミュニケーションの不足や、それによる組織・チーム力低下への不安を抱える企業も増えており、社内プロジェクト等を進める、「チームで集まれる場」への注目が高まっています。

 以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、520百万円となりました。

 

2.ビジネスサプライドメイン

 当連結会計年度における研究開発費の金額は、0百万円となりました。

 

3.グローバルステーショナリードメイン

 顧客のシーンごとに未充足ニーズを見出し、当社ならではの価値ある商品、差別化された商品を世の中に出すことで、お客様に支持され続ける商品づくりを目指しております。

 際立った価値を提供できる商品や、新たな着眼点で既存の商品の価値を見直すことにより顧客ニーズに応える商品として、以下の商品を開発・発売しました。

(1)ビジネスバッグ&アクセサリーブランド「THIRD FIELD」

 「さぁ、オフィスを持ちだそう」をブランドメッセージとして掲げ、収納用品としての移動中の快適さに、仕事中に活用できる機能を加えることにより、近年急速に浸透する場所を選ばない働き方(Activity Based Working)の環境作りをサポートするビジネスバッグ&アクセサリーブランドです。自立する機能を持ち省スペースで使用できる「スタンドバックパック」など計5アイテムをラインアップしました。

(2)紙とペンの組み合わせから書き心地をデザインした「PERPANEP」

 「紙とペンの巧みな出会い」をコンセプトに、これまで培ってきた紙の抄造技術を元に開発した「ツルツル」「さらさら」「ザラザラ」3種の紙質から選べるノートとペンの新ブランドです。

デジタル化による生産性・効率性の向上が進む一方、今日、クリエイティブを豊かにするプロセスとして手で「書く」ことに改めて注目が集まっており、1908年に和帳(和式帳簿)の製造を開始して以来、110年余りにわたって「書く」ことに真摯に向き合ってきた経験を活かし、紙とペンの相性が生む「書き心地」までデザインしました。

(3)キャンパスノートのための修正テープ

 多くの学生が使用しているキャンパスノートの中紙にテープの色を合わせ、修正した箇所を目立ちにくくしたキャンパスノートのための修正テープです。テープの太さもノートのA罫・B罫の幅に合わせているので、はみ出すことなくぴったり修正することができます。

さらに、業界初*の「メタルプレート」を採用することで、プレートのしなりによって、より良いテープの切れと定着を実現しています。 *当社調べ

(4)本当の定規

 コクヨデザインアワード2014優秀賞受賞の「本当の定規」は、一般的な定規のように「太さ(幅)がある線」ではなく、幾何学の定義でいうところの線=「太さ(幅)がない線」で目盛りを表現した定規です。2017年に商品化され、コクヨ公式オンラインショップ「コクヨショーケース」とコクヨ直営ショップ「THINK OF THINGS」の限られたチャネルでの取り扱いを行っていましたが、多くのユーザーからの支持を得たことから、全国に販路を拡大しての販売を開始いたしました。

(5)オール紙ファイルシリーズ

 製品のすべてを紙で作ったファイリング用品<オール紙>シリーズを2004年から提供してきましたが、持続可能な社会を目指す環境意識の高まりを受け、フラットファイル(厚とじ)とペーパーホルダー(窓付き)を新たにラインアップに追加しました。フラットファイル(厚とじ)は、とじ具の押さえ板に紙パルプを水溶性のでんぷんで固めた紙成型品を使用しており、200枚までの書類を収容することができます。ペーパーホルダー(窓付き)には、トレーシングペーパー製の窓をつけることで、書類を入れたままでも内容が確認できるようになっています。また、色によって書類が分類できるように、5色のカラーバリエーションをご用意しています。

 以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、824百万円となりました。

 

4.その他

 当連結会計年度における研究開発費の金額は、19百万円となりました。

 

5.全社(共通)

 次世代の働き方や学び方の研究をベースにコクヨグループの新たな商品やサービスに関しての開発を行い、当連結会計年度における研究開発費の金額は、256百万円となりました。

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