課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは「変化に対応しながら、進化を続け、強力な創造集団として社会の発展に寄与する」経営理念のもと、魅力的なコンテンツを創り続け、放送を始めとする多様な手段で届け続けることによって、豊かな社会に貢献することを目指しています。

2021年4月にスタートした中期経営戦略2021-2025は、大きく変化する事業環境下の諸課題に対処し、進化・成長を続けることを目指した戦略集です。これを実現することで「総合コンテンツ事業グループ」として、力強い成長を図ってまいります。

 

(2) 当社グループを取り巻く環境

2021年の日本の広告費は、コロナ禍の影響で大幅に落ち込んだ前年に比べ 10.4%増、当社グループの主要事業領域である地上波テレビ広告も前年比 11.7%増と大きく回復しました。一方で、2019年に地上波テレビ広告を追い抜いたインターネット広告は、社会のデジタル化を背景に前年比 21.4%と高い伸び率となっており、地上波テレビの広告額とインターネットの広告額の差がさらに広がっています。かかる環境下、当社グループは、地上波広告のメディア価値アップに加え、デジタル広告とのシナジーを継続して強化し、対応していく所存です。

 

(3) グループ中期経営戦略2021-2025「NEW HOPE」

中期経営戦略「NEW HOPE」は「創る、届ける、「新しいシアワセ」を」をビジョンに掲げ、当社グループのありたい姿を描いたものです。それらを実現するために、グループ全社員が目標とし、成長戦略上の役割を明確にするために、4つの重点目標と、事業領域を放送事業、コンテンツ事業、ライフスタイル事業の3事業に分け、事業別戦略を定めました。今後も放送事業戦略の遂行、コンテンツ・ライススタイル事業戦略の強力な推進に加え、新規事業などの後押しにより、2025年度の連結売上高1,000億円必達に向け取り組んでいきます。

 

<重点目標>

1.グループ全体の人材力強化と多様化の推進

2021年度では、グループ人材力強化のための人材育成プランを拡充しました。当社は放送・コンテンツ中心の事業であり、人材こそ経営の最大資源となります。そのため、人材へのさらなる投資を行い、中長期のグループ力アップを目指します。

 

2.放送のチカラの活用と、グループ連携の強化・深化

2021年度では、グループの持つ多様な経営資源を相互に活用し、他にない高付加価値を作るべくグループ連携をスタートさせました。今後もグループ会社間の事業連携を加速させ、新たな価値を顧客に提供し続けます。

 

3.データ利活用体制の構築とデジタル技術の活用促進

2021年度は、データ利活用を促進、新たなテクノロジーに対応したプライバシー・ガバナンス・ポリシーの策定や、経済産業省の「DX認定事業者(DX-Readyの状態)」の認定取得を行いました。また、デジタル・マーケティング、デジタル・セールス強化の取り組みを開始しました。今後もデジタルを活用した業務効率化の推進に加え、ビジネスのデジタル化を通じた新たな価値の提供を推進いたします。

 

4.地域創生と社会課題の解決に資する事業の創造

2021年度では、地域に寄り添い、共に成長していくため、「地域創生ウェビナー」を活発に開催しました。一つの成果として、京都府亀岡市との包括連携協定の締結に至りました。亀岡市・当社の両者で地域活性化の事業モデルを打ち立て、中長期的には関西のみならず日本全国に広げることを考えております。また、地域を応援するふるさと納税サイト「ふるラボ」もスタートさせました。今後も、地方自治体や企業と共に持続的、継続的に社会価値を創り出し、併走パートナーとして地域の活性化に貢献することを目指します。

 

<事業別戦略>

1.放送事業

2021年度は、当社が生み出すコンテンツを一人でも多くのユーザー・視聴者・生活者の皆様に届けられるよう、TVerへの出資など実施。テレビだけでなく配信でも皆様にコンテンツをお届けできるよう、新しい時代の新しいテレビの準備をしております。今後もプロモーション力を有効活用し放送広告収入に新たな付加価値をつけてメディア価値を維持向上すると同時にグループ全体の事業価値底上げを図ります。

 

2.コンテンツ事業

2021年度は、アニメに続きドラマが成長軌道に乗りました。それに続けて、メディアと舞台芸術の新しい価値の創出・進化を目指し、当社グループと株式会社スーパーエキセントリックシアターとの間で演劇プロデュースの合弁会社ABC&SET株式会社を設立しました。また世界市場をにらんで、海外の有力エンターテインメント企業とグローバル・セールスを目的とする番組フォーマット開発及び販売で協業を予定しております。また、音楽事業にも注力し、有望新人アーティストの原石発掘にも取り組んでおります。今後も多様なニーズやデバイスに対応できるよう、グループ連携とM&Aなどを通じて、より効率的なバリューチェーンを構築します。

 

3.ライフスタイル事業

2021年度は、DMM.comとの合弁事業である株式会社ONE DAY DESIGN(2021年1月設立)の通販番組がスタートするなど通販事業などを強化しました。また、海外において、ソーシャル・コマースやライブコマースを運営している事業者へ資本参加し、eコマースの販路拡大や、分散型メディアを活用したマーケティング力強化を推進しました。今後もグループ連携による機会拡大とデジタル領域を活用したビジネスモデルの変革で、既存の事業を強化し、社会課題の解決をテーマとする新規事業領域に挑戦します。

 

<2021年度の業績>

中経初年度だった2021年度の業績は、上記事業別戦略を推し進めた結果に加え、広告市況のコロナ禍の回復が想定を上回ったことで、連結売上高851億円(数値計画比3.8%増)営業利益42億3百万円(同82.7%増)と計画を上回りました。

 

 

単位:百万円

 

2021年度
(当初計画)

2021年度
(実績)

売上高

営業利益

売上高

営業利益

グループ連結

82,000

2,300

85,100

4,203

 

 

▽報告セグメント別

 2021年度
 (当初計画)

2021年度
(実績)

売上高

営業利益

売上高

営業利益

放送・コンテンツ

67,800

1,700

71,348

3,654

ライフスタイル

14,200

900

13,751

874

 

 

 

 

<2025年度に向けての数値計画>

今後も、重点目標・事業別戦略を着実に推し進めていくことで、さらなる利益の拡大と企業価値の向上を図り、2025年度までに連結売上高1,000億円の達成を目指します。

 

重点目標(定量 2025年までの数値計画)

単位:百万円

 

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

グループ連結

91,000

4,000

94,000

4,500

97,000

5,000

100,000

5,700

 

 

▽報告セグメント別

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

放送・コンテンツ

75,200

3,300

77,000

3,200

79,300

3,600

81,000

3,800

ライフスタイル

15,800

1,000

17,000

1,600

17,700

1,700

19,000

2,200

 

 

(注)報告セグメント別の営業利益についてセグメント外(表外)で、毎年「その他調整額 △3億円」を見込んでいます。

 

<成長投資戦略>

資本効率を意識しながら、チャンスとリスクについて十分に検討し、強力な管理・バックアップ体制の下、必要な機能やIP・資源を獲得する手段として、設備投資、コンテンツ投資、M&A等を行っています。

 

(4) その他の対処すべき課題

1.サステナビリティへの取り組み

サステナビリティ(持続可能性)をめぐる諸課題にグループ全体で取り組むことは、社会および当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けて、重要な課題であると認識しております。このような課題に対応すべく、当社では2021年8月「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。当委員会では「朝日放送グループは、変化に対応しながら進化を続け、強力な創造集団として社会の発展に寄与する」という経営理念に沿って、「環境」「社会」「グループ」の3つの分科会を通じて、グループ全体で戦略的にサステナビリティをめぐる課題に取り組んでおります。2021年10月には委員会で「朝日放送グループ サステナビリティ方針」を定めました。

 

<朝日放送グループサステナビリティ方針>

朝日放送グループは、「経営理念」に沿って、メディアの使命と責任を果たし、持続可能な社会の実現と持続的な企業価値の向上を目指します。

 ・SDGsの達成など社会課題解決への取り組みを加速します。

 ・ESG経営をグループ全社で横断的に推進します。

 ・グループ各社は、サステナビリティ活動によって相互の連携とシナジーを促進します。

 

上記方針に従い、2022年1月には具体的な環境への取り組みとして「ABCグリーン宣言」を発表いたしました。

 


 

ABCは、2013年から太陽光発電事業に、いち早く取り組むなど環境に優しい放送局を目指してきましたが、この「ABCグリーン宣言」は、今後さらに、グループ全社で気候変動への対応など様々な環境対策を一層進め、グリーン社会の実現へ貢献しようとするものです。

その第一弾として、2022年に、大阪本社屋で使用する電力を実質100%再生可能エネルギー由来に変換するなど各目標を掲げて、2025年には、ABCグループでCO₂フリー電力化の実現を目指します。そして、その後も持続的にABCグループ全社で環境に配慮した取り組みを行い、カーボンニュートラルの実現を目指します。

引き続き、環境問題や多様性の推進などサステナビリティの諸課題にグループ全体で取り組むべく、サステナビリティのマネジメントについては、以下のESGに関連する各方針に従って、推進してまいります。

 ・「朝日放送グループ環境方針」(E)

 ・「朝日放送グループCSR基本方針」≪行動指針≫(E,S)

 ・「COLORFUL化推進取組方針」(S)

 

2.報道機関としての責務を果たすためのBCP

新型コロナウイルスの感染収束に向け、放送を通じて正しい情報の発信に努めてまいりましたが、今後もより一層の注意と配慮をもって正しい情報の発信に努めてまいります。

また、今後発生が予測される大災害においても、従業員の安全を守りながら放送を途絶えさせることなく、報道機関としての責務を果たしていけるように、BCP事業継続計画を整備し、体制を維持・強化してまいります。

 

3.プライム市場上場会社としてのガバナンス

当社は2022年4月4日より、東京証券取引所において、プライム市場に移行しておりますが、プライム市場のコンセプトに基づき、ステークホルダーの皆様の期待に応えるべく、より高い水準のガバナンスを維持しながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

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