課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 経営 方針

当社グループは、2016年4月に、ステークホルダーの皆様に、当社グループの目指す「未来の姿」を明示するため、経営理念に基づく「ニチイビジョン」を策定し、2018年5月には、そのロードマップとなる中期経営計画「VISION2025」(2019年3月期から2025年3月期まで)を公表しております。

その中で、主力の医療関連事業及び介護事業を取り巻く環境の変化や新規事業の損失状況を踏まえ、2019年1月より、教育事業、グローバル事業に係る事業構造改革の断行による中長期戦略の軌道修正を図り、基幹事業を中心とした「原点回帰」戦略に基づき、成長力、収益力の強化を推し進めております。中期経営計画の最終期である2025年3月期の業績目標は、連結売上高5,000億円以上、連結営業利益率10%以上の達成、ROE8%以上且つ15%以上の水準の維持であります。引き続き、ニチイビジョンの実現による中長期的なさらなる成長、企業価値向上の実現を目指してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当社グループが属する介護、医療関連業界においては、少子高齢化の追い風を受け拡大を継続してきた一方で、介護業界における働き手の急速な減少、人件費の上昇及び介護報酬の将来的な改定に伴う対応、医療業界におけるICT化の趨勢、潜在的な病院数の縮小リスク等が相応に存在していると認識しております。また、当社グループにおいて昨今進めてきた教育・ヘルスケア・セラピー・グローバルといった事業の多角化は、当初の想定ほどの事業成長に至らず、既に教育事業においてはCOCO塾事業からの撤退や不採算教室の閉鎖、当社がグローバル事業の一環として進めている中国における事業においても合弁会社を清算するなどの事業構造改革を進めているものの、柱である「人材養成」、「医療関連」、「介護」の3事業を取り巻く事業環境の厳しさに鑑みると、今後も赤字事業の原因特定を進め、収益化に向けた抜本的な改革を断行していく必要があると考えております。

さらに当社グループが今後、中長期的なさらなる成長、企業価値向上を実現し、経営目標を達成するためには、既存事業の収益力強化に加え、今後成長が期待される領域への経営資源の投入が必要であり、これら一連の施策を同時かつ迅速に実行していくためには、社内の経営資源に限定せず、社外からの人材や経営ノウハウを活用し、短期間で着実に実行できる体制を構築することが必要と考えております。

加えて、2019年9月に創業者である寺田元会長が逝去したことにより、これまで寺田元会長が中心となり、経営方針の大きな方向性を定める等の旗振りを実施してきたことにみられるような、強いリーダーシップに基づいた経営体制に代わり、経営陣全員が事業の将来像を共有し、当社の課題に迅速に取り組むことができる集団経営体制を構築することが必須であると認識しております。

また、2020年2月頃より、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国や地方自治体からイベント・外出等の自粛の要請がなされ、これに伴い日本の株式市場が全体として下落傾向にあるところ、当社の営む介護事業や医療関連事業は、かかる状況下でも比較的底堅い需要の上に成り立っていると思われ、現状では当社の事業価値を著しく棄損させるまでの大きな影響はないと考えているものの、一方で、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化によっては、一部の医療機関の閉鎖等による影響及びそれによる当社への影響も考えられ、先行き不透明な状況が続いております。

このような事業環境及び経営環境の中、事業構造改革や中長期戦略の軌道修正を切れ目なく継続しつつ、外部のノウハウを取り入れて、当社の企業価値向上を実現していくことが、当社における既存事業の業務改善、事業構造改革に付随するリスクや経営プロセスの適格な評価とスピード感のある意思決定等を実施して行く上で非常に有益であると判断し、2020年5月8日に発表のとおり、Bain Capital Private Equity,LP(以下、ベインキャピタル)をスポンサーとしたマネジメント・バイアウト(MBO)を実施するに至りました。

ベインキャピタルは全世界で約1,050億ドルの運用資産を持つ国際的投資会社であり、日本においては2006年に東京拠点を開設して以来、約30名のプロフェッショナルにより投資先の企業価値向上に向けた取り組みを進めています。主に事業会社・コンサルティング会社での経験を有するプロフェッショナルを中心に構成されており、一般的な投資会社の提供する資本・財務的支援にとどまらず、事業運営を現場レベルで支援することで着実に成長戦略を実行し、数々の価値向上施策を成功に導いた実績を有しています。

ベインキャピタルが有する高度な経営ノウハウ、特に人材面と資金面における経営資源を活用し、協働することで、当社の中長期的な企業価値を高めるとともに、主力事業を中心とした原点回帰戦略を強力に推進し、持続可能性の高いサービス提供体制を構築してまいります。

 

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