有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 冷蔵倉庫事業について
当事業は冷蔵設備が首都圏に集中しているため、この地域において地震・台風・局地的な大雨等の大規模自然災害が発生した場合は、物的・人的被害が予想され、事業が中長期的に中断される可能性があります。この事業中断リスクに対しては、各拠点で使用するシステムの統一化や作業手順の標準化等により、他拠点からの人的支援・応援で中断を短期に終息させる体制の構築を進めています。
(2) 水産食品事業について
水産食品事業につきましては、当社水産事業本部のほか、子会社である株式会社水産流通、中央フーズ株式会社、株式会社せんにち にて構成されております。
当社水産事業本部はえびを中心とした水産物の卸販売を行っております。水産物は市況の変動が激しい商品であり、産地・在庫・消費状況などにより、売上高や収益が大きく影響を受けるリスクが存在しております。そのリスクを軽減するために、想定されるいろいろな状況の分析を行いながら、バランスのとれた営業ができる人材の育成に努めております。
当社の子会社である株式会社水産流通ならびに中央フーズ株式会社は、量販店へのリテールサポートを主業務としており、今後はより多くのお客さまに対応できるパブリック型のセンター施設による効率的な運営を目指しています。しかし、安心・安全に対する問題やオーバーストアによる競争激化から閉店等が発生した場合、売上高の減少などが起こる可能性があります。量販店という単一業態への過度な依存を回避する為に、ネット社会への移行によるネット(通信)販売の需要を捉え、より高度なネット販売対応型機能の構築を進めています。
当社の子会社である株式会社せんにち は、 厚焼玉子、あんこ、水産練製品他 の製造・加工販売業を行っております。原料となる鶏卵につき、何らかの要因(飼料高騰の影響等)で急激な価格変動があった場合、あるいは鳥インフルエンザや温暖化問題等による鶏卵自体の安全性や安定供給の問題が発生した場合には売上高・損益に影響を及ぼす可能性があります。鶏卵の仕入に関しては、関東・関西での鶏卵産地の分散化、地域的な仕入価格の差異による有利な仕入体制の構築等でリスクの低減を図っています。
(3) コンピュータシステム障害について
当社グループの主要なコンピュータシステムにつきましては、水産食品事業の販売管理システム、冷蔵倉庫事業の冷蔵倉庫管理システムなどがあります。外的要因も含めてこれらのシステムに何らかの障害が生じた場合は事業の運営に多大の影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに備えて、運用・開発をするシステム部門に要員の補強をし、管理体制の強化を行っています。また、定期的に情報セキュリティに関する教育・啓発活動を行い、情報セキュリティに対する意識向上を行う事により、リスク低減化を図っています。
(4) 経営成績の季節的変動について
当社グループの事業は水産品を中心商材としておりますので、お歳暮やお正月用食品購入の時期である12月は他の月に比べ売上高および利益が高くなる傾向があります。また、厚焼玉子、水産練製品等の販売に関しては、節分の時期にも売上高および利益が高くなる傾向があります。
(5) 食品の安全・安心について
水産業界で食品の安全性に問題が発生した場合は当社グループの業績も影響を受ける可能性があります。例えば、原料となる動植物そのものや使用する薬品・添加物の安全性への危惧、異物混入、有害微生物、産地偽装、期限改ざん等の問題が考えられます。当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) 経営戦略等」でも述べましたとおり、「安全・安心」な食品の安定供給を目指しております。当社グループは、これらのリスクに対して、各種の認証や資格の取得、安全性を担保する研修への参加、施設改修等ハード・ソフト両面での対策を進めています。
(6) 貸倒れリスクについて
水産・食品業界における中間流通業者や加工業者は、急速な流通構造の変化・原材料の価格上昇・デフレ基調のなか、経営体質が弱ってきております。当社グループは与信管理の徹底を図るほか、顧客構造の多角化を進めておりますが、営業活動において得意先の破綻等が発生した場合、利益に影響を受ける可能性があります。新規得意先および既存得意先における信用情報の調査や得意先訪問による経営状況の確認等により、このリスクの低減化を図っています。
(7) 法令・規則等の遵守について
当社グループにおいて、万一、法令・規則等に対する違反等があった場合、監督官庁による処分を受ける可能性がある他、当社グループの信用を著しく低下させ、業績に多大な悪影響を与える可能性があります。当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1) 経営方針」でも述べましたとおり、「法令・規則等のルールを遵守し、常に“正しい仕事”を意識して行動する」ことを経営姿勢として掲げており、企業の社会的責任を果たすべく、法令遵守に取り組んでおります。過残業による事件に端を発した働き方改革による時間外上限規制に対しては、時間外実態の把握と管理者への状況通知、時間外を軽減する業務の効率化や得意先との調整、業務量に見合った人員の確保等を進めてきました。
(8) 個人情報の漏洩リスクについて
昨今社会問題となっている各種情報漏洩の事件・事故に関連して、会社および個人情報の保護の観点から、当社グループは情報セキュリティ方針を基軸とし、各社において社内規程等の整備等を行うとともに従業員への研修を実施して情報漏洩に対し万全の体制を期しております。ただし、万一、個人情報が流出した場合は、当社グループの社会的信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 新型コロナウイルスに対するリスクについて
2020年に入ってから新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済・社会活動の低下を余儀なくされました。
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) 経営戦略等」でも述べましたとおり、「水産物流通における役割を効率的に果たし、消費者の皆様に水産物の「おいしさ」や「安全・安心」をお届け」することを使命として考えております。食品供給を絶やさないという社会的使命を果たすべく、従業員の健康維持を最優先事項と位置付けてマスク・消毒薬などの備品配布、就労体制の見直し(時差通勤、出勤のシフト制、テレワークの導入)等を行いました。
また、得意先においては破綻・支払延期の要請などが予想されることから、得意先との情報交換をしっかりと行い、未収金の発生の最小化を図っております。
お知らせ