業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、再び緊急事態宣言が発令さ れるなど依然として厳しい状況が続いておりましたが、日本国内では様々な感染予防策が講じられ、ワクチン接種が進むにつれて感染拡大が抑えられたことにより、経済活動が正常に戻りつつあります。しかしながら、世界的には、再び感染が拡大している地域もあり、今後の変異株の動向等、先行き不透明な状況が続くものと認識しております。

日本の農業を取り巻く環境は、農業の成長産業化に向けて農政改革が推進されており、農林水産物・食品の輸出額や農業所得が増加傾向にあり、新規就農支援、認定農業者制度や法人化等を通じた経営発展の後押しにより青年層の新規就農者や法人経営体が増加するなど、成果が着実に現れてきております。一方で、基幹的農業従事者の減少や高齢化が一層進む中、日本の農業を持続的に発展させていくために、農地や設備などの有形資産とともに、技術、ノウハウ、人脈といった無形資産を次の世代へ引き継いでいく事業継承も克服すべき課題となっております。加えて、農業は自然資本に直接関わっている産業であるために環境の影響を大きく受けます。近年の異常気象や大規模な自然災害の激甚化により、農作物の不作や野菜価格の高騰、気候の変動による適期作業のタイミングが難しくなってくるなど様々な問題が懸念されております。また、労働力不足等に直面している日本の農業においては、植物工場やロボット、ICTを活用した生産体系の仕組みを開発し、AI等の先端技術の活用による「スマート農業」の実装を加速させていくことがますます重要となっており、生産力の向上と持続性の確立をイノベーションで両立させていく必要があります。労働生産性の向上と現場作業の省力化・効率化や情報共有の簡素化により、生産管理データの活用による需要予測や計画的な供給生産システムの構築などとともに、現場の諸課題を解決することが期待されております。また、世界的に持続可能性に配慮した環境負荷低減の実現が目指されています。あらゆる産業で持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が目指される中で、ますます環境対応が重視され、具体的な対応が求められています。農業の業界においても、将来を見据えた持続可能な食料システムをつくることが急務となっており、環境に配慮した資材や仕組みを選択している先端事例の情報収集により、流通の効率化と合理化に向けた現場の環境整備に取り組むことが事業成長の機会になるものと捉えて、積極的な行動変容が求められております。

このような状況の中、当社グループは、「人々の食と暮らしを豊かにする」を企業理念に掲げ、国内外の農産物の生産及び安定供給に深く関わる農業の果たす社会的役割に責任を持ち、安定的な成長と収益の改善を目標として取り組んでまいりました。

当社グループの当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、国内外での営業活動が制限されましたが、従業員の感染対策を徹底し、新規顧客訪問や営業活動及び生産活動を継続してきた結果、売上高5,372,134千円(前期比3.4%)の増収となりました。損益面につきましては、生産体制や生産工程の見直しを行うことにより製造コストの圧縮を図り、国内外での活動が制限されたことによる移動費等が抑えられたことにより、販売費及び一般管理費が減少した結果、営業損失54,184千円(前期は営業損失124,479千円)、経常損失56,881千円(前期は経常損失132,395千円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、本社農場の設備投資に伴い交付決定をしておりました「産地生産基盤パワーアップ事業費補助金」等に基づく補助金収入262,487千円計上と圧縮積立金の計上及び税効果会計の適用等による法人税等調整額65,511千円を計上したことにより、122,198千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失214,423千円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

 

(野菜苗・苗関連事業)

当事業部門におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が制限される状況の中、感染対策を行った上での顧客訪問を行い、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した圃場案内や製品紹介などの営業活動を継続してまいりました。また、他社との差別化を図るため、キュウリのワクチン接種苗の販売強化及び生産体制の構築、ホームセンター向けに花苗の企画提案等を行ってまいりました。生産体制につきましては、本社農場で閉鎖型育苗施設の新設や育苗施設の改築が行われ、2021年2月より稼働を開始しており、日本国内の気候変動が従来以上に複雑に顕在化し、農業生産の活動に対する影響が懸念されている状況において、閉鎖型育苗施設の本格稼働は、年間を通じて安定したウリ科の苗供給ができる生産体制を可能といたしました。今後も、生産者の高齢化等により生産規模の縮小が進み競合他社との受注競争も増すことが想定されるため、グループ一丸となり品質の安定化を第一に新たなサービスや製品の提案に取り組んでまいります。

売上面におきましては、閑散期の受注拡大と大規模菜園向けの営業活動推進、ホームセンター向けの多品目強化推進により増加となりました。特に北海道、東北においては、育苗センター・他社育苗業者の生産能力減を背景として、主にキュウリ苗を中心に受注が増加いたしました。一方で、九州においては、トマトの市況価格低迷による品目転換と買い控えが顕在化している状況下、同業他社との競争が激しくトマト苗の受注が減少いたしました。損益面におきましては、本社農場、ベルグ福島の生産設備新設及び改築により生産に使用する消耗品や減価償却費が増加した一方で、技術指導に当たっている熟練社員を含め、ピーク時に接ぎ木に専念させることで生産効率が改善するなど、各農場において生産体制や生産工程の見直しが行われたことにより原材料や労務費の増加が抑えられました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,131,401千円(前期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)459,826千円(前期比23.8%増)となりました。

 

品目分類別の売上高は次のとおりであります。

品目分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

トマト苗

2,237,477

95.9

キュウリ苗

1,401,973

108.1

ナス苗

360,405

103.8

スイカ苗

345,680

103.5

メロン苗

248,772

102.1

ピーマン類苗 (注1)

229,794

103.5

その他(注2)

307,295

107.1

合 計

5,131,401

101.3

 

(注1) ピーマン類として、ピーマン・パプリカ・シシトウ・トウガラシをまとめて表示しています。

(注2) 玉ねぎ苗、葉菜苗、花苗等を含んでおります。

 

規格分類別の売上高は次のとおりであります。

規格分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

ポット苗(7.5㎝~15㎝)(注1,2)

2,365,452

103.5

当社オリジナル(アースストレート苗、ヌードメイク苗、e苗シリーズ、高接ぎハイレッグ苗、ウィルスガード苗、ツイン苗)(注2)

1,722,706

100.9

セル苗(406穴~72穴)(注1,2)

956,847

97.1

その他

86,395

101.8

合 計

5,131,401

101.3

 

(注1) ポット苗は、ポリエチレンのポット(ポリ鉢)で育苗した一般的な苗(当社においては、主に断根接ぎ木苗にて育苗した苗)であり、ポットのサイズが大きくなると苗のサイズも大きくなります。セル苗は、小さな穴が連結した容器(セルトレー)で育苗した苗であり、穴数が増えると苗のサイズが小さくなります。

(注2)ツイン苗は、ポット苗、セル苗の規格分類へ区分しておりましたが、当第3四半期連結累計期間より当社オリジナル製品へ区分を変更しております。

 

 

納品地域分類別の売上高は次のとおりであります。

納品地域分類

売上高 (千円)

前期比 (%)

北海道・東北

848,060

111.7

関東

1,707,929

101.7

甲信越(注)

433,977

105.9

中部・北陸

306,651

100.0

近畿・中国

516,303

99.5

四国

404,328

100.3

九州・沖縄

914,150

92.7

合 計

5,131,401

101.3

 

(注) 静岡は「甲信越」に含めて表示しております

 

(農業・園芸用タネ資材販売事業)

当事業部門におきましては、家庭園芸向けに品種提案を行ってきたことによるPB品種種子の販売強化、生産者向けに土壌病害における有効な効力をもつ肥料などの商品提案を含めた幅広い営業活動を行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の再拡大により営業活動やお客様との商談も制限されておりますが、新規顧客への販売推進を行いながら、研究開発部門における商品の効果的な利用方法の発掘、関連会社での優良種子の品種の改良・開発、農業関連メーカーとの商品開発などを行い商品ラインナップの充実を図り売上拡大に向けて取り組んでまいります。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高79,453千円(前期比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)1,328千円(前期はセグメント損失4,452千円)となりました。

今後は、2021年10月18日に株式交換契約を締結し、2021年11月30日を効力発生日として連結子会社となった伊予農産株式会社や肥料メーカー等協力企業との連携をさらに深め、顧客開拓や新たな商品提案を行ってまいります。さらに、現在推進中のワクチン接種苗に使用している製剤について、2022年1月より販売権が移管され植物ワクチン製剤を一手に取り扱うことになったため、ワクチン接種苗と共に、国内での普及活動を強化してまいります。

 

(海外事業)

当事業部門におきましては、前連結会計年度から新型コロナウイルス感染症の影響により、中国国内での生産及び営業活動の制限が続いております。この様な厳しい環境に対応するため、鉢花の生産販売事業を中断し、また現地生産者との競争が激しくなってきたことから債権回収を徹底するため、苗及び青果物の販売を抑制しております。経費面につきましては、生産を縮小したことにより人員や生産設備の減少し製造コストが減少いたしました。また、2017年12月に中国北京に設立した北京欣璟農業科技有限公司につきましては、中国国内での農事業の企画・運営会社として準備を進めておりましたが、現地企業との条件交渉が長期化していた上に、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、中国国内での活動休止を余儀なくされました。このような状況において、単独で現地での活動及び交渉を進めることが困難であると判断し解散をいたしました。

今後は、アフターコロナを見据えた新たな体制作りと施策に改めて取り組んでいくことが重要であると判断し、様々な可能性のある中国の農業関連マーケットでの事業展開を見直す必要性があると判断しております。引き続き、中国での肥料販売、韓国では肥料販売に加え日本国内向けの種子や苗の輸出に注力してまいります。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高29,646千円(前期比38.4%減)、セグメント損失(営業損失)37,099千円(前期はセグメント損失63,828千円)となりました。

 

 

(小売事業)

当事業部門におきましては、前連結会計年度より小売事業を行うファンガーデン株式会社を連結範囲に含めました。小売事業は、総合園芸店を2店舗運営しており、店舗及びインターネット販売を通じて家庭園芸を行う一般消費者からプロの生産者向けに、当社が生産した各種苗を始め、地域の生産者に出品していただき、様々な植物や青果物、農業関連資材等を販売しております。また、店舗外営業にも注力しており、観葉植物のレンタル販売や愛媛県内の青果物や農産物の加工品の予約販売にも積極的に取り組んでおり、新規パートナーとの取引が売上の拡大に繋がっております。経費面につきましては、店舗の販売体制強化のため、人員を増加し人件費等が増加しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により店舗でのイベント開催が縮小され広告宣伝費等が減少したことで、販売費及び一般管理費の増加が抑えられました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高131,632千円、セグメント損失(営業損失)は11,513千円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べ182,225千円(8.1%)増加の2,427,034千円となりました。これは、10月の売上減少及び取引条件の変更により受取手形及び売掛金が147,431千円減少した一方で、現金及び預金が235,636千円、電子記録債権が128,316千円増加、新型コロナウイルス感染症の影響により海外からの輸送が不安なこともあり、培土等の調達を事前に行ったため、原材料及び貯蔵品が18,738千円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べ249,626千円(10.3%)増加の2,667,172千円となりました。これは、本社農場及びベルグ福島の生産設備が完成したことにより、建物及び構築物が351,580千円増加し、建設仮勘定が167,285千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べ185,050千円(7.3%)減少の2,344,831千円となりました。これは、本社農場の生産設備の中間金支払いに伴う繋ぎ資金及び運転資金を返済したことにより、短期借入金が177,930千円、また、支払手形及び買掛金が36,740千円、未払金が57,879千円が減少したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度と比べ509,876千円(51.3%)増加の1,504,187千円となりました。これは、本社農場の新設設備に対する設備資金及び運転資金の調達により、長期借入金が421,101千円、資産除去債務が15,554千円が増加したこと等によるものであります。また、本社農場の設備に対して圧縮積立金の計上等に伴い、繰延税金負債が65,385千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末と比べ107,025千円(9.4%)増加の1,245,188千円となりました。これは、利益剰余金が109,501千円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ235,636千円(32.3%)増加の964,407千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、481,540千円(前連結会計年度は311,441千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益202,842千円、減価償却費243,376千円、売上債権の増減額19,115千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、△523,091千円(前連結会計年度は△605,584千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出△502,766千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、278,826千円(前連結会計年度は533,961千円の収入)となりました。これは、短期借入れによる収入677,930千円、短期借入金の返済による支出△855,860千円、長期借入れによる収入804,000千円、長期借入金の返済による支出△332,409千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗・苗関連事業

3,773,869

99.8

農業・園芸用タネ資材販売事業

海外事業

6,193

54.1

小売事業

合計

3,780,063

99.7

 

(注) 1.金額は、当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.農業・園芸用タネ資材販売事業及び小売事業については、該当ありません。

 

b.商品及び製品仕入実績

当連結会計年度における商品及び製品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗・苗関連事業

102,017

119.9

農業・園芸用タネ資材販売事業

61,944

97.7

海外事業

25,321

82.3

小売事業

76,937

合計

266,220

148.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗・苗関連事業

4,836,332

100.1

477,945

94.9

農業・園芸用タネ資材販売事業

海外事業

2,912

127.0

109

小売事業

合計

4,839,244

100.1

478,055

94.9

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.農業・園芸用タネ資材販売事業及び小売事業については、該当ありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

野菜苗・苗関連事業

5,131,401

101.3

農業・園芸用タネ資材販売事業

79,453

93.3

海外事業

29,646

61.6

小売事業

131,632

合計

5,372,134

103.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は5,372,134千円(前期比3.4%増)となりました。詳細につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は4,041,138千円(前期比1.6%増)となりました。

本社農場の生産設備の新改築、ベルグ福島の植物ワクチン製造設備の新設等により減価償却費等が増加したものの、生産計画の見直しにより種子等の原材料費が圧縮されたことや、各農場での生産体制見直しなどにより生産効率が改善され労務費など製造経費の増加を抑えることができました。

この結果、売上総利益は1,330,996千円(前期比9.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,385,180千円(前期比3.1%増)となりました。

前連結会計年度より連結貸借対照表上はファンガーデン株式会社を連結範囲に含めておりましたが、当連結会計年度より連結損益計算書につきましても連結範囲に含めたため小売事業の販売費及び一般管理費が増加しております。また、野菜苗の出荷数量の増加に伴う荷造運賃費、事業拡大及び新規事業等への取り組みに伴い人員を増加したことによる人件費の増加、ホームページのリニューアルに伴う広告宣伝費の増加等によるものであります。

この結果、営業損失は54,184千円(前期は営業損失124,479千円)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は受取手数料5,386千円、補助金収入3,524千円等により12,440千円となりました。営業外費用は支払利息8,375千円、持分法による投資損失5,229千円等により15,137千円となりました。この結果、経常損失は56,881千円(前期は経常損失132,395千円)となりました。

 

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は補助金収入262,487千円等により262,707千円となりました。特別損失は関係会社株式評価損999千円、関係会社清算損1,656千円等により2,983千円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は202,842千円(前期は税金等調整前当期純損失130,869千円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等合計は80,912千円(前期は55,763千円)、非支配株主に帰属する当期純損失は269千円(前期は非支配株主に帰属する当期純利益27,791千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は122,198千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失214,423千円)となりました。

 

 b.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、農業を取り巻く国内外の環境変化、法的規制、地震や台風等による大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しております。当社グループでは、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための人材育成や組織体制の整備、内部統制の強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めて参ります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、野菜苗・苗関連事業における生産設備の新設及び改修等の設備資金、既存事業拡大及び成長戦略の柱である多角化や海外事業での事業投資や技術研究開発投資及び経常の運転資金があります。これらの資金需要に対して、設備等の投資資金については、金融機関による長期借入、運転資金については、金融機関による短期借入を必要に応じて調達する方針としております。

また、当社グループの主要事業である野菜苗・苗関連事業は、季節変動が大きく、第1四半期では支出が先行し営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスになる傾向にあります。その季節的な変動の中で、事業に必要な資金を確保し、機動的かつ安定的な資金調達を行うため、金融機関6行と当座貸越契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(固定資産の減損)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性の評価)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が追加計上される可能性があります。

 

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