業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、引き続き第6波まで拡大した新型コロナウイルス感染症の影響、半導体不足によるサプライチェーンの混乱、いわゆるウッドショックによる木材価格の急騰等により社会生活や経済活動に大きな影響を及ぼしました。また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で原油をはじめとする資源価格及び商品価格が一段と高騰し、今後の景気の先行きはこれまでに経験したことがない不透明な状況にあります。

住宅業界におきましても、国内においては金融緩和政策による住宅ローンの低金利は継続しておりますが、米国の利上げや為替相場の急激な円安等により、日本の金利についても上昇傾向が見込まれます。また、木材価格や鋼材価格の上昇等、先行き不透明な状況にあります。

このような状況の中、当社グループは、「人と地球がよろこぶ住まい」をスローガンとし「エコ&セーフティ」な住まいづくりのもと、様々な提案や社会のニーズに応える事業を通じて、CSV(Creating Shared Value)経営による企業価値の向上をめざしております。2022年2月には環境大臣より、業界における環境先進企業である「エコ・ファースト企業」として認定されました。時代の変化や技術の進化を見据え新しいイノベーションを創出し持続的成長を引続き図ってまいります。また、2021年7月より順次「街の電気店」とパートナーを組み、住まいと暮らしの相談窓口「暮らしラクラク館」をスタートし270店以上の加盟となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績については、売上高、売上高営業利益率については前年比減少となりましたが販売費及び一般管理費の削減等により、売上高51,123百万円(前年同期53,487百万円)、営業利益548百万円(前年同期782百万円)、経常利益545百万円(前年同期872百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益326百万円(前年同期509百万円)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載しておりません。

 

(セグメント別の概況)

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

戸建住宅におきましては、3月には優れた省エネルギー住宅を表彰する制度「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2021」において、戸建住宅商品「life style KURASI’TE(2020年次世代ZEH+モデル)」が「優秀賞」を受賞しました。これにより、特別優秀賞を含め7年連続での受賞となります。また、4月には空気の汚れやウイルス等を解決する室内空気環境提案「スマeAir・プレミアムパッケージ」が「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2022」の部門賞である「STOP感染症大賞」において「最優秀賞」を受賞しました。

また、戸建住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)比率については93%となりました。今後も同比率の向上に取り組むとともに、2022年4月からはZEH水準を上回る基準を標準化してまいります。

 

賃貸・福祉住宅におきましては、2021年4月より脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、賃貸集合住宅においても高い断熱性能や省エネ設備に加えて太陽光発電の導入も含めて、集合住宅のZEHを標準化し普及に努めまいりました。当連結会計年度のZEH比率については、ZEH対応不可のガレージハウスを除き100%となりました。

 

リフォームにおきましては、国家資格である「うちエコ診断士」による省エネ診断や再生可能エネルギーの利用提案を推進し、単価アップを図るとともに、省エネ、省CO2化を進めております。また、社内におけるデジタル化を推進し生産性の向上を図っております。

 

リニューアル流通(既存住宅流通)におきましては、空き家問題の解決やスクラップ&ビルドからの脱却を目指し、提携不動産会社の情報や当社の情報を当社独自のネットワークシステムである「ホープネット」を活用し、事業コンセプトである「エコ&セーフティ」のもと、断熱性や耐震性を向上させた中古住宅リノベーションで中古住宅の購入・売却をサポートしております。

 

フロンティア事業におきましては、太陽光や蓄電池等のエコ・エネルギー設備、鉄骨構造躯体の販売等の新規事業等を担っており、2021年4月からは新会社「サンヨーアーキテック株式会社」として営業を開始しております。

 

この結果、当連結会計年度の住宅事業の業績につきましては、売上高19,869百万円(前年同期21,527百万円)、営業損失665百万円(前年同期542百万円)となりました。

マンション事業におきましては、当連結会計年度においは7棟が新規竣工いたしました。中でもファミリータイプの「サンメゾン神戸新長田」(神戸市長田区・91戸)につきましては、竣工時完売で全戸引渡しまで完了しております。シニア向けマンションにつきましては、大阪府守口市大日駅前複合再開発エリアにて最後の開発となる「サンミット大日」(大阪府守口市・159戸)が竣工いたしました。また、2023年9月竣工に向けてタワーマンションである「THE CROSS CITY TOWER」(大阪市浪速区・190戸)の工事を進めるとともに販売に注力しております。

この結果、当連結会計年度のマンション事業の業績は、売上高27,288百万円(前年同期28,449百万円)、営業利益1,996百万円(前年同期2,288百万円)となりました。

 

ライフサポート事業におきましては、マンション管理、介護・保育施設運営等を担っており、近年特に注力してきた保育事業においては、「サンフレンズ」保育園1施設を2022年4月に開園し、計30園(運営受託1園含む)となりました。また、2022年6月には、3月に竣工した大日シニアマンションにて3ケ所となるリハビリ型デイサービス施設「サンアドバンス」を開業いたします。

「寄り添いロボット」については、医療施設等への販売が堅調に推移しており、自立ブース化したパッケージ販売の開発等、更なる改善・改良に努めてまいります。

また、地方創生の分野においては、和歌山プロジェクトにおいて開発にむけ準備に取り組んでおります。

 

この結果、当連結会計年度のその他事業の業績は、売上高3,964百万円(前年同期3,510百万円)、営業損失5百万円(前年同期104百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローは4,179百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは462百万円の増加、財務活動によるキャッシュ・フローは3,988百万円の減少となり、前連結会計年度末に比べ653百万円増加し、当連結会計年度末には7,838百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4,179百万円の増加(前年同期は6,107百万円の増加)となりました。その主な内訳は、棚卸資産の減少5,954百万円、未成工事受入金の増加1,160百万円、仕入債務の減少2,407百万円、売上債権の増加684百万円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは462百万円の増加(前年同期は106百万円の減少)となりました。その主な内訳は、定期預金の払戻による収入500百万円(純額)、有形固定資産の取得による支出40百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは3,988百万円の減少(前年同期は5,137百万円の減少)となりました。その主な内訳は、長短期借入金4,225百万円の返済(純額)、社債発行による収入500百万円等であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

  a.生産実績

 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

  b.受注実績

 当連結会計年度における実績状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

住宅事業

22,638,673

119.9

13,545,715

マンション事業

24,279,782

111.7

6,173,984

その他

3,964,725

100.7

合計

50,883,181

114.2

19,719,700

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.「その他」は売上高と同額を受注高としており、受注残高はありません。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る受注残高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同期比は記載しておりません。この結果、期首受注残高については、2,079,350千円増加しております。

 

 地域別受注高については、次のとおりであります。

                                         (単位:千円)

関東地方

中部地方

近畿地方

九州地方

合計

13,083,127

5,665,322

25,267,254

6,867,477

50,883,181

 

  c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

住宅事業

19,869,935

マンション事業

27,288,747

その他

3,964,725

合計

51,123,408

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同期比は記載しておりません。

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における売上高については、前連結会計年度と比較して2,364百万円減少の51,123百万円(前年同期53,487百万円)となりました。主として、住宅事業における売上高が前連結会計年度と比較して1,657百万円減少、マンション事業における売上高が前連結会計年度と比較して1,161百万円減少となったことによるものです。

 営業利益については、前連結会計年度と比較して233百万円減少の548百万円(前年同期782百万円)となりました。住宅事業における営業利益が前連結会計年度と比較して123百万円減少、マンション事業における営業利益が前連結会計年度と比較して292百万円減少となりましたが、その他事業における改善や販売費及び一般管理費の削減等に努めたことによるものです。

 経常利益については、前連結会計年度と比較して326百万円減少の545百万円(前年同期872百万円)となりました。主として、前連結会計年度と比較して違約金収入及び支払利息の減少等によるものです。

 親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度と比較し183百万円減少の326百万円(前年同期509百万円)となりました。特別損失は前年度比減少となりましたが、営業利益、経常利益の減少によるものです。

 

 当連結会計年度末の財政状態については、総資産額は46,886百万円となり、前連結会計年度末と比較し5,724百万円の減少となりました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等684百万円、有形固定資産452百万円の増加、仕掛販売用不動産6,548百万円の減少等によるものです。

負債総額は31,838百万円となり、前連結会計年度末と比較し3,850百万円の減少となりました。主な要因は、未成工事受入金3,208百万円、社債500百万円の増加、長・短期借入金4,225百万円、支払手形・工事未払金等2,407百万円の減少等によるものです。

純資産総額は15,048百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,874百万円の減少となりました。主な要因は、利益剰余金1,890百万円の減少等によるもので、この結果により自己資本比率は32.1%となりました。

なお、当期首において「収益認識に関する会計基準」の適用により、繰延税金資産148百万円、未成工事受入金2,082百万円の増加、利益剰余金1,933百万円が減少しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、マンション事業における開発土地及び建築資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、会計上の見積り及び判断を行っております。

 なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

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