文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、設立以来、「思いやり・信頼・感謝」というキーワードを経営理念とし、「お客様・社員・家族・地域社会・環境への思いやり」、「会社・技術・社員への信頼」、「お客様・家族・仲間・仕事への感謝」を標榜し、解体事業を「環境ビジネス」の一環と捉え、社業を通じて人にやさしい環境づくりに貢献していくことを企業理念としております。この企業理念・経営理念の下、当社の持続的な企業価値向上に努めると共に、社業を通じて持続可能なエコ社会の実現を目指してまいります。
当社は、2018年12月に東京証券取引所ジャスダック市場に上場を果たすことができ、名実ともに新たなステージへの第一歩を踏み出すことができました。この上場を機に、2020年5月に新たな中期計画TANAKEN“ビジョン100”を策定し、5年先を目途とした“当社のあるべき姿”を示すと共に、当面の売上目標100億円の早期達成を目指すことといたしました。営業戦略としては、当社成長戦略として掲げている、
1. 既存取引先との深耕と新規顧客の開拓
2. 大型再開発案件及びマンション・公団等の建替え案件の獲得
3. 新たな潮流を捉え、地方案件も含めた新たな解体需要の案件化
4. 官庁市場への参入
の4点を引き続き推進してまいります。また、長年かけて築き上げてきた当社のビジネスモデルである“相談を起点とした営業の好循環”を維持拡大することにより、当社の安定的な業容拡大を支えるリピート顧客の拡充を図り、また、当社の良好な収益基盤を支える“元請工事比率”の維持・拡大を図っていくことで、計画の達成と当社の持続的企業価値向上に努めてまいります。
(3) 経営環境
当社が属する建設業界においては、建築受注が回復傾向にあるものの、資材調達への懸念が高まっているうえ、建設技能労働者の需給が依然として逼迫しており、コスト面で不安の残る状況が続いております。そのような中で当社が専業とする解体事業におきましては、高度経済成長時代に建築された建物の維持・更新時期の到来に伴う老朽化建物の増加、ネット社会到来に伴う産業構造の変化、再開発案件の活発化等を背景に、引き続き堅調な受注環境が続いております。
なお、当社におきましては、現時点で新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響は見られておりませんが、先行きについては不透明であることから、現時点で入手し得る適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しておりますが、今後の事業環境の推移を注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。
上記の基本方針・経営戦略並びに経営環境を踏まえ、対処すべき課題を抽出し、課題に対処するための各種施策を実施し、競争力の強化、経営全般にわたる一層の効率化を推進し、当社の持続的な企業価値の向上に繋がる経営基盤の強化を図ってまいります。
①持続的業容拡大に向けた営業力の強化
既存取引先との深耕と新規顧客の開拓、大型再開発案件及びマンション等再生案件の獲得、新たな社会潮流を
捉えた解体需要の案件化、官庁市場への参入が当面の課題であり、大阪営業所を起点とした地方案件の取込みが順調に推移していること等を踏まえ、営業人員を拡充し、一層の対応力強化を図ってまいります。
②業容拡大のための現場社員の増強と現場バックアップ体制の強化
中期計画に掲げた当面の売上目標100億円の達成のためには、現場社員の増強と現場バックアップ体制の充実が当面の課題であり、有資格者を中心に現場社員目標人数の早期確保に努めてまいります。また、現場ITサポートシステム“ALMIGHTY”の一層の活用と利用徹底を図ること等により、施工管理・現場運営の均質化や生産性向上を推進してまいります。更に、SDGsへの取組の一環である大気汚染防止法の改正に伴う建物事前調査を担える有資格者の育成にも取り組んでまいります。
③内部統制システムの充実とガバナンスの強化
当社は、企業の社会的責任を果たすと共に、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の効率を高めながら公正性、透明性を確保し、また、ステークホルダーとの適切な関係を保ちながら、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めることを基本方針としております。この方針のもと、「改訂コーポレートガバナンス・コード」(東京証券取引所公表)を念頭に内部統制システムの充実に努め、一層のコーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。
④技術開発部の活動強化
引続きBIM(注)三次元モデルの更なる活用強化により、図面の整合性・作業時間の短縮を図り、設計・見積の生産性の向上に努めると共に、三次元図書による提案力の強化を図ってまいります。
(注)BIM(Building Information Modeling:コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに建築物のデータベースを追加していく、あらゆる工程で情報活用するためのソリューションであり、変化する建築の新たなワークフローです)
⑤安全管理体制の強化・充実
労働安全衛生マネジメントシステムISO45001に則した管理・運営を徹底することで、一層の安全衛生管理体制の強化・充実を図ってまいります。また、前期に発足した協力業者による安全協力会を通じた合同パトロールの実施や事故情報の共有等により、安全管理体制のレベル向上を図ってまいります。
⑥DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と情報セキュリティ強化
建設業務向けERPシステム「PROCES.S」の活用促進の他、オンライン上でのデータ保存サービスやWeb会議等のアプリケーションを搭載した「Microsoft365」の導入等により、業務の効率化・均質化を図ってまいります。更には、電子帳簿保存法への対応等も絡め、業務効率化に加え、ペーパーレス化等に有効なシステムの導入検討を適宜進めてまいります。また、データセンターの委託先をより安全性の高い企業へと変更するとともに、併せてネットワークの強化を実施することで、近年大きくクローズアップされているサイバー攻撃への備えに万全を期します。
⑦働き方改革の推進
新型コロナウイルス感染症の蔓延が収束しないこと等により、実施が滞っている当社元請現場での土曜日休業について、目標として「一斉休業日」を設定し、施主との交渉を促進してまいります。また、引続き毎週水曜日を“ノー残業デー”とし、原則定時退社とすることでメリハリのある職場環境にしてまいります。
⑧執務環境の抜本的な見直し
コミュニケーションの円滑化促進による業務効率化向上を主な狙いとして、本社機能を1フロアに集約できる場所へ移転することを検討いたします。
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