業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞から持ち直しの動きがみられたものの、半導体や部材不足等によるサプライチェーンの混乱やロシアによるウクライナ侵攻等による資源価格の高騰、金融資本市場の変動リスクによる景気下振れ懸念等、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の下、貴金属事業におきましては、金価格は、新型コロナウイルス感染症や地政学リスク等を背景に安全資産としての需要増加から総じて上昇基調で推移いたしました。

 プラチナ・パラジウム価格は、年度前半においては中国での排ガス触媒への充填量増加や各国の地球環境問題の取り組みから需要増加が見込まれたものの、半導体の供給不足による自動車生産台数の低迷および電気自動車の台頭による需要減少懸念から下落基調で推移いたしました。

 年度後半においては、ロシア・ウクライナ情勢の悪化を受けパラジウム価格は史上最高値を更新する等上昇基調で推移いたしました。

 業績については、貴金属価格の高騰や金・白金族の集荷量が増加したことにより工場稼働率が高水準で推移したことにより好調に推移いたしました。

 不動産事業におきましては、住宅ローン減税や低金利の継続等、住宅購買環境は良好であるものの、地価高止まりによる仕入価格の高騰、不動産賃貸業界においてはリモートワーク等の拡大を背景にオフィス規模縮小や撤退により空室率の増加が懸念される等、先行き不透明な状況の中、業績は改善傾向で推移いたしました。

 機械事業におきましては、部品・部材不足から納期の正常化に不透明感があるものの、自動車・半導体関連等の受注増加から内外需ともに回復基調であったことから業績は改善傾向で推移いたしました。

 コンテンツ事業におきましては、コロナ禍による物販イベントの規模縮小があったものの、ECサイトでの販売や人気タイトルのグッズ販売が好調であったことから、業績は好調に推移いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりになりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末より1,397,767千円増加し、7,331,491千円となりました。

 増加の主なものは、現金及び預金の増加(3,958,425千円から4,095,519千円へ137,094千円の増加)、商品及び製品の増加(1,059,730千円から1,808,813千円へ749,083千円の増加)及び原料及び貯蔵品の増加(26,578千円から632,262千円へ605,683千円の増加)であります。

 減少の主なものは、売掛金の減少(418,430千円から210,671千円へ207,758千円の減少)であります。

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末より167,041千円増加し、2,501,881千円となりました。

 増加の主なものは、繰延税金資産の増加(98,100千円の増加)であります。

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末より1,148,891千円増加し、2,423,008千円となりました。

 増加の主なものは、前受金の増加(94,332千円から1,089,731千円へ995,398千円への増加)であります。

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末より83,043千円減少し、343,134千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より498,961千円増加し、7,067,230千円となりました。

 増加の主なものは、利益剰余金の増加(350,752千円から899,692千円へ548,940千円の増加)であります。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は51,590,216千円(前年同期39,452,935千円 30.8%増)、営業損益586,700千円の利益(前年同期は273,608千円の利益)、経常損益は509,019千円の利益(前年同期は226,973千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損益は546,852千円の利益(前年同期は175,665千円の利益)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は1,398千円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益も同額増加しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)(収益認識に関する会計基準等の適用)」をご参照ください。

 事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「投資事業」について量的な重要性が乏しくなったため、報告セグメントから「その他」として記載する方法に変更しております。

 貴金属事業におきましては、売上高は47,176,909千円(前年同期36,220,583千円)、営業損益は561,584千円の利益(前年同期340,631千円の利益)となりました。

 不動産事業におきましては、売上高は601,560千円(前年同期159,202千円)、営業損益は28,310千円の利益(前年同期49,688千円の損失)となりました。

 機械事業におきましては、売上高は997,786千円(前年同期805,221千円)、営業損益は37,921千円の利益(前年同期41,013千円の損失)となりました。

 コンテンツ事業におきましては、売上高は2,767,186千円(前年同期2,241,362千円)、営業損益は367,309千円の利益(前年同期427,661千円の利益)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ137,094千円増加し、4,095,519千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は356,589千円(前連結会計年度は622,834千円の獲得)となりました。これは主に棚卸資産の増加額1,482,364千円等による資金の使用があったものの、税金等調整前当期純利益466,282千円及び前受金の増加額995,398千円等による資金の獲得があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は198,826千円(前連結会計年度は43,828千円の使用)となりました。これは主に出資金の払込による支出110,980千円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は19,268千円(前連結会計年度は441,102千円の獲得)となりました。

 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

(キャッシュ・フローの指標)

 

第127期

2019年3月期

第128期

2020年3月期

第129期

2021年3月期

第130期

2022年3月期

自己資本比率(%)

85.81

82.42

79.44

71.87

時価ベースの
自己資本比率(%)

74.31

56.01

112.1

99.65

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

貴金属事業(千円)

40,358,737

131.1

合計(千円)

40,358,737

131.1

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.不動産事業、機械事業、コンテンツ事業は生産活動がないので記載しておりません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減率(%)

貴金属事業(千円)

47,176,909

30.2

不動産事業(千円)

586,830

306.2

機械事業(千円)

996,833

24.2

コンテンツ事業(千円)

2,767,186

23.5

報告セグメント計(千円)

51,527,760

30.8

その他(千円)

62,455

43.1

合計(千円)

51,590,216

30.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱商事RtMジャパン株式会社

22,452,091

56.9

26,960,338

52.3

松田産業株式会社

4,456,278

11.3

6,328,347

12.3

アサヒプリテック株式会社

2,011,231

5.1

3,136,344

6.1

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。

a.財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。

 

b.経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご覧ください。

 

②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。

 

b.資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 当社グループは、運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することに努めております。運転資金は、自己資金を基本としており、自己資金で補うことができない場合は金融機関からの借入を行うことを基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入残高は920,415千円であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,095,519千円であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 また、この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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