(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として先行き不透明な状況にありますが、感染対策を徹底しワクチン接種等を推進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、企業収益や雇用情勢等の動きには一部で改善の動きもみられるようになりました。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の事業につきましては、主力である石炭事業部門や新素材事業部門において、新型コロナウイルス感染症拡大により稼働率が低下していた顧客の回復傾向がみられました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や住石山陽採石株式会社の連結除外に伴う固定資産等の減少があったものの、商品及び製品並びに売掛金等が増加したことから、前連結会計年度末に比べて4,525百万円増加し、21,575百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、資産と同様に住石山陽採石株式会社の連結除外に伴う固定負債等の減少等があったものの、仕入債務や短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,277百万円増加し、4,222百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、剰余金配当の実施による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,248百万円増加し、17,353百万円となり、自己資本比率は80.4%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の事業につきましては、主力である石炭事業部門や新素材事業部門において、新型コロナウイルス感染症拡大により稼働率が低下していた顧客の回復傾向がみられました。
当連結会計年度における経営成績は、売上高12,404百万円、経常利益2,356百万円(前年同期は経常損失33百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益2,267百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失94百万円)と増収増益となりました。
また、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、従来売上高に計上していた一部の取引を除外しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照下さい。
なお、北海道地区において住友石炭鉱業株式会社(現当社子会社住石マテリアルズ株式会社、以下「住石マテリアルズ」といいます)が経営した炭鉱等の元従業員等であった15名が、住石マテリアルズに対しじん肺疾患による損害賠償金を求めておりましたが、和解金67百万円(特別損失に計上)を支払い終結いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
石炭事業部門では、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症からの世界経済回復に伴うエネルギー需要増加を受けて石炭価格が大幅に上昇したこと、また、出資先の豪州ワンボ社からの配当金(2,128百万円)が寄与し、売上高は11,721百万円(前年同期比34.0%増)、セグメント利益は2,629百万円(前年同期比773.5%増)と増収増益となりました。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」の適用に伴い、一部の売上高(△2,747百万円)を除外しております。
新素材事業部門では、当連結会計年度は、スマートフォン、化合物半導体、自動車部品向け研磨材販売が好調に推移したことから、売上高は360百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント利益は90百万円(前年同期比206.3%増)となりました。
採石事業部門では、当連結会計年度は、西日本の採石場子会社全株式を地元企業に譲渡したため、東北方面の採石場1山体制となりました。また、2021年12月まで順調であった原子力関連及びその他プロジェクト工事が、年明け以降大雪により中断された影響を受け、売上高は323百万円(前年同期比57.1%減)、セグメント利益は35百万円(前年同期比69.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、1,164百万円減少し、3,402百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,314百万円の計上等があったものの、売上債権859百万円や棚卸資産5,372百万円の増加等により、3,033百万円の支出(前期は1,452百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の売却による収入364百万円等により、445百万円の収入(前期は36百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額178百万円の支出等があったものの、短期借入金の増加1,630百万円等により、1,421百万円の収入(前期は299百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
新素材事業部門(百万円) |
83 |
109.3 |
採石事業部門(百万円) |
227 |
50.1 |
合計(百万円) |
311 |
58.7 |
(注)1.金額は販売原価であり、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、採石事業部門において連結子会社であった住石山陽採石株式会社の全株式を譲渡し、期首除外したこと等によるものであります。
(2) 受注実績
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
石炭事業部門(百万円) |
11,721 |
134.0 |
新素材事業部門(百万円) |
360 |
129.3 |
採石事業部門(百万円) |
323 |
42.9 |
合計(百万円) |
12,404 |
126.8 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、採石事業部門において連結子会社であった住石山陽採石株式会社の全株式を譲渡し、期首除外したこと等によるものであります。
3.当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、従来売上高に計上していた一部の取引を除外しております。
4.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度の東レ株式会社及び当連結会計年度のWambo Coal Pty Limitedについては、各期の当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Wambo Coal Pty Limited |
- |
- |
2,128 |
14.0 |
水島エネルギーセンター株式会社 |
1,475 |
15.1 |
2,043 |
13.5 |
王子グリーンリソース株式会社 |
1,572 |
16.1 |
1,865 |
12.3 |
東レ株式会社 |
2,214 |
22.6 |
- |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 及び 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1.当社グループの当連結会計年度の経営成績等
(1) 売上高
当連結会計年度の連結売上高は、主力である石炭事業部門や新素材事業部門において、新型コロナウイルス感染症拡大により稼働率が低下していた顧客の回復傾向がみられました。
また、出資先の豪州ワンボ社からの配当収入につきましては、石炭市況の回復により復配したこと等もあり、12,404百万円となりました。なお当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、従来売上高に計上していた一部の取引を除外しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
(2) 営業利益
当連結会計年度の連結営業利益は、売上高増収等により、2,343百万円(前連結会計年度は営業損失63百万円)となりました。
(3) 経常利益
当連結会計年度の連結経常利益は、2,356百万円(前連結会計年度は経常損失33百万円)となりました。
(4) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、2,267百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失94百万円)となりました。
(5) 自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)
当連結会計年度の自己資本比率は、親会社株主に帰属する当期純利益計上等により80.4%(前連結会計年度は88.6%)となり、自己資本利益率(ROE)は14.0%(前連結会計年度は△0.6%)となりました。
2.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
3.当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
4.資本の財源及び資金の流動性
運転資金並びに石炭中継基地等への投資については、手元資金及び一部銀行借入で対応しております。
また石炭市況の変動等により運転資金等の調達を実施いたしますが、営業活動による収益、豪州ワンボ社からの継続的な受取配当金等の営業キャッシュ・フローを財源に、引き続き有利子負債の圧縮を進めてまいります。
当連結会計年度末現在において重要な資本的支出の予定はありませんが、今後も財務体質の改善と強化を図ってまいります。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
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