(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大により社会・経済活動の持ち直しの動きも長続きしておりません。二度目の緊急事態宣言も発出され、社会・経済活動の持ち直しの動きも長続きせず、収束時期の見通しが困難な状況が継続しております。個人消費、企業収益においては業種により二極化の様相が強まっており、全般的な景気の先行きにつきましては不透明な状況が続くものと思われます。
住宅業界におきましては、住宅ローン減税やすまい給付金、低金利住宅ローンの継続などを下支えに、新型コロナウイルス感染対策を徹底しながら受注、販売活動を継続しておりますが、新設住宅着工戸数が弱含みで推移する中、事業環境の好転は見出しにくい状況となっております。
こうした状況の中、当社グループは、住宅展示場、建売住宅やマンション等分譲住宅見学会での感染拡大防止策を講じた完全予約制による商談の実施や、Webを中心とした新規顧客獲得など、コロナ禍における新しい受注活動に取り組むことで、住宅市場動向の急速な変化に対応し、住まいに関する多種多様なニーズを捉え、継続的な収益に結び付けるため、将来を見据えた事業ポートフォリオの最適化を目指した取り組みを推進してまいりました。
住宅請負事業におきましては、市場におけるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への関心の高まりに対応するため、ZEH仕様住宅の普及に向けて積極的な受注活動を継続推進するとともに、在宅勤務・学習を快適に、効率的・効果的に行うためのワークスペースや、万一の際の備蓄品確保にも有用な大収納空間「蔵」など工夫やアイデアを盛り込んだ新商品を投入し、住宅展示場の模様替えでの目に見える提案により、ニューノーマル時代に安心して暮らしを楽しむ新しい住まいのニーズの掘り起こしに注力してまいりました。また、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策のため、住宅展示場や完成現場では、Webによる予約制のイベント見学会にも取り組み、受注活動を行ってまいりました。
分譲事業におきましては、人との接触無く見学いただける分譲住宅の動画配信や、Web予約での分譲地・分譲住宅見学会の集客活動に注力するほか、ミサワホームブランドの分譲マンション「アルビオ・ガーデン」シリーズにつきましては、広島県広島市西区における販売継続に加えて、新たに広島県福山市での販売を開始するなど、まちづくり事業への取り組みを展開してまいりました。
リフォーム事業におきましては、戸建住宅、アパート、戸建貸家等、オーナー様からの大型リフォーム工事に加え、国が推奨する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」による、住宅性能の向上に係るリフォーム工事に取り組んでまいりました。
これらの活動の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 24,579,229千円 (前年同期比 6.9%減 )、 営業利益378,099千円 (前年同期比 196.2%増 )、 経常利益417,933千円 (前年同期比 138.6%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益161,156千円 (前年同期比 71.4%増 )となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
住宅請負事業
住宅請負事業部門の売上は、戸建住宅(木質、鉄骨、MJ Wood)と賃貸用のアパート等の請負によるものであります。当連結会計年度は、戸建住宅の受注減少に伴い、引渡棟数が減少したことから減収減益となりました。
この結果、売上高13,919,879千円(前年同期比8.8%減)、セグメント利益400,181千円(前年同期比11.2%減)となりました。
分譲事業
分譲事業部門の売上は、建売分譲住宅、住宅用地、分譲マンションの販売及び買取再販事業によるものであります。当連結会計年度は、建売分譲住宅、住宅用地の販売が減少したものの、広島市西区における大型分譲マンション1棟が完成、引渡となったことから売上高は前年並みとなり、増益となりました。
この結果、売上高5,668,847千円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益407,746千円(前年同期比197.5%増)となりました。
リフォーム 事業
リフォーム事業部門の売上は、増改築、インテリア、エクステリアなどの請負によるものであります。当連結会計年度は、大型リフォーム工事を中心に、全般的な工期長期化等の影響もあり、減収減益となりました。
この結果、売上高3,602,744千円(前年同期比11.1%減)、セグメント利益311,794千円(前年同期比24.5%減)となりました。
その他事業
その他事業部門の売上は、借上アパートの転貸による家賃収入や不動産の仲介料収入及び損害保険の代理店収入などによるものであります。当連結会計年度は、手数料収入、メンテナンス工事収入が増加したことにより、増収増益となりました。
この結果、売上高1,387,757千円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益53,821千円(前年同期比615.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が239,646千円となり、前連結会計年度末に比べて996,397千円減少し、当連結会計年度末には4,743,856千円となりました。
当連結会計年度は、当社グループでは、主に販売体制の強化を目的とした設備投資を行っており、事業所の改築、駐車場・環境整備を中心に8,249千円の設備投資を行いました。
事務所の改築においては、倉敷支店福山店の改築として965千円を住宅請負事業・分譲事業・リフォーム事業・その他事業に係る設備として投資を行いました。
事務所の駐車場整備においては、岡山支店社屋の駐車場整備として5,071千円を住宅請負事業・分譲事業・リフォーム事業・その他事業に係る設備として投資を行いました。
また、事務所環境整備においては事務所エアコンのやり替えを岡山支店で212千円、倉敷支店2,000千円を住宅請負事業・分譲事業・リフォーム事業に係る設備としての投資を行いました。
今後の社屋改築、展示場新設等の設備投資は、自己資金でまかなう予定であります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、258,110千円(前年同期は1,300,693千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が239,646千円となり、減価償却費が96,302千円、たな卸資産が1,609,120千円減少し、未成工事受入金・分譲前受金が1,681,604千円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は、2,366千円(前年同期は13,972千円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入が50,000千円、有形固定資産の取得による支出が47,117千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、1,256,874千円(前年同期は696,320千円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,009,484千円、長期借入金による収入が310,000千円、短期借入金の純減額500,000千円、配当金の支払額57,375千円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社)では、生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
住宅請負事業 |
12,037,123 |
95.9 |
7,394,257 |
79.7 |
分譲事業 |
4,735,627 |
72.1 |
1,208,490 |
56.4 |
リフォーム事業 |
3,767,658 |
107.1 |
859,240 |
123.8 |
その他事業 |
1,387,757 |
101.9 |
- |
- |
合計 |
21,928,166 |
91.4 |
9,461,988 |
78.1 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前期以前に受注した工事で契約内容の変更により請負金額が変更したものについては、受注高にその増減を含めております。
3.その他事業については、施工期間が短く繰越工事量が少ないため、受注高は販売実績により表示しており、受注残高については表示しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
住宅請負事業(千円) |
13,919,879 |
91.2 |
分譲事業(千円) |
5,668,847 |
99.3 |
リフォーム事業(千円) |
3,602,744 |
88.9 |
その他事業(千円) |
1,387,757 |
101.9 |
合計(千円) |
24,579,229 |
93.1 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
当社グループの2020年度の経営成績は、売上高 24,579,229千円 、 営業利益378,099千円 、 経常利益417,933千円 、 親会社株主に帰属する当期純利益161,156千円 となりました。
当連結会計年度の販売実績は、業績予想の26,100,000千円に対し24,579,229千円の94.2%と減収とはなりましたが概ね達成いたしました。
当連結会計年度では、経費削減を継続し、費用対効果の明確化、業務効率化に取り組んでまいりました。利益率改善にも取り組み、コア事業による経営の黒字化に取り組んでまいりました。
営業活動では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により大規模イベントは行えませんでしたが、住宅展示場、建売住宅やマンション等分譲住宅見学会での感染拡大防止策を講じた完全予約制による商談の実施や、Webを中心とした新規顧客獲得など、コロナ禍における新しい受注活動に取り組んでまいりました。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響もあり、 第1四半期連結会計期間の受注は前期同期比18.1%減少となりましたが、第2四半期連結会計期間での受注は前期同期比4.4%減少とし、第3四半期会計期間の受注は前期同期比9.5%減少、第4四半期会計期間の受注は前年同期比4.3%減少と減少幅を抑えてまいりました。
住宅請負事業では、第1四半期会計期間の受注こそ前年同期比19.9%減少となりましたが、第2四半期連結会計期間の受注は前年同期比5.7%減少、第3四半期連結会計期間の受注は前年同期比2.7%増加、第4連結会計期間の受注は前年同期比4.8%増加とコロナ禍における新しい受注活動により上向き、当連結会計年度の受注も前年同期比4.1%減少に留め、受注高においては前年比95.9%となりました。
分譲事業では分譲マンションで1棟竣工し一部未販売住戸があるものの、引渡しを行った事により、当連結会計年度の売上に大きく貢献しております。しかし、前連結会計年度では分譲マンションの竣工はなかったものの、未販売住戸の受注・引渡による売上があったため、受注高は前年同期比27.9%減少、受注残高は前年同期比43.6%減少となっております。
リフォーム事業では、第1四半期連結会計期間の受注こそ前年同期比25.6%減少となりましたが、第2四半期連結会計期間以降好調を維持し、当連結会計年度の受注は前年同期比7.1%増加し、受注残高は前年同期比23.8%増加いたしました。
工期の波を減らし業績安定化、受注残の工程管理の徹底も継続し、さらなる工期平準化にも取り組みました。また、繁忙期が平準化されることにより、休日の確保など処遇改善にも効果を上げ、経費削減も図れております。建築協力業者への安定発注にもつながり、安定的な業者確保も図れております。
この結果、売上高は前期比93.1%となり、営業利益は前期比296.2%、経常利益は前期比238.7%となりました。しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、所有する固定資産につきまして、特別損失に減損損失を159,531千円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は 161,156千円 となり 、 前期比171.4%となりました。
次年度においては、コア事業での経営の安定化で事業計画を達成してまいります。そのためには、売上利益率の更なる改善、販管費の削減、経常利益率の改善を行って参ります。新型コロナウィルス感染症(COVID‐19)の影響により、大型イベント自粛による集客機会の減少が見込まれる中、オーナー様を通じた紹介獲得、不動産業者加盟協力会のMRD、銀行、提携法人との情報交換による紹介情報等の獲得や、WEB限定商品の開発等に取り組んでまいります。営業集客基盤の更なる構築、利益率の改善、費用対効果の明確化による有効な販売対策の策定、受注残高管理の徹底及びリフォーム事業の販売・施工効率の向上を推進して参ります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2〔事業等のリスク〕に記載のとおりでありますが、その中でも特に、当社グループは受注の殆どが個人を中心とした民間への依存であることから、企業業績、雇用情勢、住宅ローン利用を前提とした場合の金利変動、住宅取得にかかる諸税制の優遇度合い、建売分譲住宅、住宅建築用土地、分譲マンションの販売価格に影響を及ぼす地価変動など、経済情勢に大きく左右される可能性があります。特に、分譲マンション事業においては、工事完成後引渡と同時に売上計上となりますが、当該案件の規模及び完成時点での受注状況により売上戸数の変動幅が大きくなるため、経営成績に重要な影響を与える可能性が高くなります。また、新型コロナウィルス感染症(COVID‐19)を抑制するため、活動制限を余儀なくされる等の影響により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、連結会計年度における受注高及び連結会計年度末における受注残高を重要視しております。
「(1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 b.受注実績」をセグメント別に分析した場合、分譲事業における分譲マンション事業においては、当該案件の規模により受注から売上まで1年を超えるものもありますが、それ以外は受注から1年内に売上計上するものがほとんどであり、また、工事及び受注内容によっては同一年度内で受注・売上が完結する場合もあることから、その動向により目標達成状況を把握し、経営方針・経営戦略に活かすよう努めております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
住宅請負事業
住宅請負事業では、売上高は8.8%減少となり、受注高及び受注残高は前年同期を下回りました。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により大規模イベントは行えませんでしたが、住宅展示場、建売住宅やマンション等分譲住宅見学会での感染拡大防止策を講じた完全予約制による商談の実施や、Webを中心とした新規顧客獲得など、コロナ禍における新しい受注活動に取り組んでまいりましたが、前連結会計年度を上回るまでの回復には至りませんでした。セグメント利益についても、受注業務の効率化や費用対効果を検証した販促費用の支出削減、受注残高の管理徹底による工期平準化及び組織改革による業務効率の向上等を図るなど、コスト削減等に努めましたが、前年同期比11.2%の減少となりました。
分譲事業
分譲事業では、建売販売において、前年同期並みの販売高を達成しました。広島市西区で建築中でありました分譲マンションは、自前での販売を行うことにより、受注業務の効率化や費用対効果を検証した販促費用の支出削減等行い、受注は堅調に推移しました。当分譲マンションは2021年2月に竣工し、一部の未販売住戸を残してはおりますが引渡を行い、また、前連結会計年度で竣工し一部未販売でありました分譲マンション住戸の引渡しを行いました。分譲事業においても、集客等において若干の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響を受け、当連結会計年度においては、分譲マンションの竣工が無く、売上高は0.7%の減少となりました。一方でセグメント利益は197.5%増加となりました。
リフォーム事業
リフォーム事業では、売上高は前年同期比11.1%減少となりました。前連結会計年度からの大型受注による売上があったものの、消費税増税後の消費マインド低下の影響により、特に大型受注の件数が減少しました。「グリーン住宅ポイント制度」を活用した受注を獲得すべく、各種イベント開催等により集客を図りましたが、消費者の「グリーン住宅ポイント制度」に対する反応も高く、受注回復に貢献しました。工期短縮によるコスト削減のため、工程管理による業者の適時配置や、リフォーム設計等の体制の充実、事務の効率化にも取り組みましたが、セグメント利益は24.5%の減少となりました。
その他事業
その他事業では、賃貸管理件数の増加に伴い売上、利益が増加したことに加え、メンテナンス工事収入も増加したことより、売上高は前年同期を1.9%上回りました。
当連結会計年度においては、当社が保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の兆候が認められる当該固定資産に係る回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失159,531千円を特別損失に計上しました。
これらの結果、売上高は前期比6.9%減、営業利益は前期比196.2%増、経常利益は前期比138.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比71.4%増となりました。
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)については、拡大防止対策等、今後も継続して行ってまいります。
今後、第四波、第五波と感染が拡大することで、経済への影響が長期化した場合は、追加的なコスト削減等、計画の見直しを含め、速やかに検討してまいります。
資産、負債及び純資産の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、10,596,035千円(前連結会計年度末は13,258,009千円)となり2,661,974千円減少しました。これは主に現金及び預金が996,397千円、未成工事支出金が1,147,858千円、未成分譲支出金が137,281千円、分譲土地建物が255,874千円、完成工事未収入金及び売掛金が4,496千円、その他が115,169千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、4,241,225千円(前連結会計年度末は4,344,720千円)となり、103,495千円減少しました。これは主に退職給付に係る資産が252,062千円、投資その他の資産のその他が28,716千円増加する一方、投資有価証券が21,828千円、有形固定資産合計が235,382千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、7,303,022千円(前連結会計年度末は9,894,472千円)となり、2,591,449千円減少しました。これは主に未払法人税等が22,951千円、その他が218,882千円それぞれ増加し、買掛金・工事未払金及び分譲事業未払金が264,457千円、未成工事受入金及び分譲事業受入金が1,681,604千円、短期借入金が707,156千円、完成工事補償引当金が180,364千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、1,467,932千円(前連結会計年度末は1,978,293千円)となり、510,361千円減少しました。これは主に長期借入金が492,328千円及びその他が14,417千円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、6,066,305千円(前連結会計年度末は5,729,964千円)となり、336,341千円増加しました。これは主に利益剰余金が103,627千円増加し、その他有価証券評価差額金が19,477千円、退職給付に係る調整累計額が213,251千円がそれぞれ増加したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が239,646千円となり、前連結会計年度末に比べて996,397千円減少し、当連結会計年度末には4,743,856千円となりました。
当社グループの資金は、売上代金回収からの自己資金によりまかなっておりますが、自社分譲用地の取得や分譲マンション建築資金等の調達は、金融機関からの借入金を運転資金として調達しております。
当連結会計年度におきましては、新たに建築中の分譲マンションについてマンションプロジェクト資金として金融機関と融資契約を取り交わしております。この分譲マンションの着工に伴い、着工金の資金として金融機関から借入を行っております。
営業活動によるキャッシュ・フロー で増加した資金は、258,110千円(前年同期は1,300,693千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が239,646千円、展示場等の取得に伴い減価償却費が96,302千円となり、たな卸資産が1,609,120千円減少したことによるものであります。
また、当連結会計年度において竣工した分譲マンションが1棟あり、受注販売をしたことに加え、前連結会計年度において在庫となっていた分譲マンションの未販売住戸を当連結会計年度において受注・販売したことによる減少であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー で増加した資金は、2,366千円(前年同期は13,972千円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券に計上しておりました利付国債が償還期限を迎え、その償還による収入が50,000千円、また、老朽化しておりました展示場を営業集客力向上を図るため、岡山支店で1棟、山口支店で1棟を新たに建築したこと等による有形固定資産の取得による支出が47,117千円があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローで減少した資金は、1,256,874千円(前年同期は696,320千円の減少)となりました。これは主に、長期の安定的な運転資金確保のため新規に310,000千円の融資を取り組んだことにより増加し、長期借入金の純減額が699,484千円となりました。余剰資金による短期運転資金の積極的な返済を行ったことにより、短期借入金の純減額が500,000千円あったこと、配当金の支払額57,375千円があったこと等によるものであります。
資本の財源及び資金流動性については、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する事を基本方針としております。
短期運転資金及び少額の設備投資については、自己資金及び金融機関からの短期借入を資金調達の基本としております。マンション事業等のプロジェクト資金、多額の設備投資及び長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金を資金調達の基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は 4,729,641千円 となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は 4,743,856千円 と前連結会計年度末と比べ 996,397千円減少 しております。
当社のキャッシュ・フローの状況において、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響は限定的と認識しております。 今後必要とされる主な資金として、分譲マンション工事代金がありますが、すでにプロジェクト資金として金融機関との融資契約を完了しております。また、通常の運転資金につきましても、金融機関との当座貸越契約により極度額を設定しており、その範囲で当面の資金は確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営者は、決算基準日における資産・負債の数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。経営者は、貸倒債権、住宅等の品質保証、従業員の退職給付費用に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。
・貸倒引当金
貸倒債権については、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権は、個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を引当計上しております。
・完成工事補償引当金
住宅等の品質保証については、過去の保証実績率を基礎に各連結会計年度に対応する発生見込額を引当計上しております。重大な保証案件が発生した場合には、その発生見込額を引当計上しております。
・退職給付引当金
従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して引当計上を行っております。
・繰延税金資産
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
・固定資産の減損処理
連結 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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