課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、創業以来「働いて良かったといえる職場づくり」「社会に存在価値のある職場づくり」を経営理念とし、「建設で拓く豊かな都市づくり」「職域で自己を磨く人こそ建設人」をスローガンに、都市の環境や基盤整備を通して地域社会の発展に貢献できる企業を目指しております。

当社の主力としております特殊土木工事につきましては、上下水道、電力、通信の地中線化、河川の護岸、高速道路等の土留壁工、湾岸周辺の液状化対策、法面の補強工など災害対策を含めた社会インフラおよび都市再開発には必要不可欠であります。住宅関連工事では地盤改良工事や各種基礎補強工事は、個人住宅をはじめとしたさまざまな建築物や土木構造物の基礎を安定させるという重要な役目を担っており、震災や軟弱な地盤が原因で建物が不同沈下した際に、正常な生活を取り戻すことを可能とする構造物修復工事は社会貢献の一助と考えております。建築部門では、土木工事で培ったノウハウを建築現場でも生かしつつリフォームからマンションまで幅広く取り扱っております。

また、昨今は震災以外に豪雨等による自然災害も多く見られ、これらの災害復旧は建設業の役割とする所であり、今後とも当社は土木の専業者として高い技術力と収益力を維持するとともに、社会に貢献できる会社づくりを経営方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は「成長こそ繁栄」「完工伸ばさずして未来なし」「独自性を大切にした地域密着型経営」をモットーに、収益の基本となる売上高ならびに各利益を経営指標としており、経営の効率化と高収益体制の維持を掲げております。

具体的には、当社で設立した工法協会のPR活動を通しての受注拡大と自社所有の大型重機を使用した大型工事の受注を目指します。建築に関しては、新規顧客を獲得する営業活動と技術者の育成、登用による施工体制のさらなる強化を行なってまいります。

その上で、全現場全部署黒字化とすることを目標とし、常に収益改善に努め、コストの縮減意識をもって企業経営に取り組んでまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

第55期は民間建設工事の発注見送りや大型工事の着工延期などが受注活動に大きく影響し、目標とした売上高150億円が未達となりました。一方で着工前施工会議が定着しつつあり、良質工事への意識が高まり収益率は改善しました。また、建設業界はICT化が脚光を浴び今後更にICT化が加速すると見込まれております。これからの時代は施工管理能力とICT管理能力を併せ持った人材を育成していく事が重要と考えております。

第56期につきましては、防災・減災・国土強靱化のための5カ年加速化対策が閣議決定されてから2年目となり、建設投資は第55期と比べ大きな減少は無いと予想されます。再度、売上150億円達成に向けて全支店全営業所で情報を共有し、受注や施工時期に谷間を作らないことと、自社機械の有効活用及び建築事業の営業拡大が目標達成の近道と考えております。

また、SDGsへの取り組みに注力するため第56期より環境部と開発部を統合し、環境開発部へと組織変更いたしました。部署統合による相乗効果を発揮してカーボンニュートラルに向けた太陽光、風力、地中熱発電などの環境工事に注力するとともに、土壌浄化対策など環境分野に貢献してまいります。また、健康、福祉、教育面の平等性や森林の持続可能な利用、地域社会との共存など社会奉仕活動に取り組みながら「建設で拓く豊かな都市づくり」をスローガンに、安心・安全に住み続けられるまちづくりが建設業の使命と考えております。

成熟企業100年を目指し、第64期売上高は200億円を目標としております。

 

(4) 経営環境と会社の対処すべき課題

わが国経済はコロナ禍の情勢が一進一退の状況で続くと予想され、不透明な状況となっており、2年目となる防災・減災・国土強靭化のための5カ年加速化対策など政府建設投資は第55期並みの発注が見込まれております。激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策や予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策など、多くの対策計画に当社はあらゆる技術で社会貢献したいと考えております。また、環境問題が世界的に取り上げられる中、SDGsに対する企業の取り組みも重要視されます。第56期より環境部と開発部を統合し環境開発部へと改め、持続可能な開発目標に向かって経営資源を集中し、より効率的な活動を行ってまいります。特にカーボンニュートラルに向けて太陽光発電、風力発電、地中熱発電など環境に配慮した工事に注力してまいります。

発足後5年を迎える建築事業部はマンション建設工事など堅調に推移しております。今後はコロナ禍により民間設備投資が厳しくなると予想されますので、建築物の老朽化対策としてリフォームや耐震補強なども視野に入れて行きたいと考えております。

少子高齢化により人材確保がより一層厳しい状況になると考えられます。引き続き会社説明会の開催や技術展への出展、求人サイト・求人広告への掲載、インターンシップ制度の積極的な活用により学生への認知度を高めるとともに、社員一人一人が働いて良かったといえる職場づくりを目指してまいります。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得