(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の防止対策の進展等から経済活動の持ち直しが見られましたが、原材料の価格上昇や世界的な半導体不足等による景気の下振れ懸念に加え、新たな変異株による感染症の再拡大、さらにはロシアによるウクライナ侵攻に伴う国際情勢への影響等、先行きの不透明感が強まる状況となりました。
当社グループの主力事業が属する国内建設業界におきましては、民間設備投資が回復基調にある一方、技能労働者不足に加え、建設資材等の不足や価格上昇など、厳しい状況が続いております。
このような中、当社グループは状況変化への柔軟な対応を考慮し、中期経営計画「Integrity(誠実)&Initiative(主導権)」の期間をさらに1年間延長し、重点的な基本方針及び目標値を定め、新たな成長に向けての基盤づくりを進めてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の財政状態及び経営成績への影響は軽微であります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,141百万円増加し、27,190百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ13百万円減少し、11,671百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,155百万円増加し、15,519百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結売上高は27,708百万円、営業利益は1,901百万円、経常利益は2,047百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,372百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[建設事業]
当社グループの主力事業である当事業におきましては、受注高は16,299百万円(前連結会計年度比2.5%の減少)となりました。部門別では、産業設備工事が6,351百万円(前連結会計年度比1.6%の減少)、ビル設備工事が3,344百万円(前連結会計年度比30.7%の減少)、環境設備工事が6,602百万円(前連結会計年度比21.5%の増加)となりました。
売上高は、工事の引渡し時期や進捗等の影響により、15,839百万円となりました。部門別では、産業設備工事が6,478百万円、ビル設備工事が4,778百万円、環境設備工事が4,582百万円となりました。
[機器販売及び情報システム事業]
当事業におきましては、空調機や圧縮機などの産業用機器の販売が堅調に推移したこと等により、売上高は5,719百万円となりました。
[機器のメンテナンス事業]
当事業におきましては、設備の修理や保守管理の受注が堅調に推移したこと等により、売上高は5,660百万円となりました。
[電子部品製造事業]
当事業におきましては、半導体の受託加工及び装置開発の受注がともに増加したこと等により、売上高は1,977百万円となりました。
[その他]
その他の事業におきましては、売上高は337百万円となりました。
(注) 上記売上高はセグメント間取引消去前の金額によっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ367百万円減少し7,911百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度に比べ614百万円減少し965百万円(前連結会計年度比38.9%の減少)となりました。これは主に、売上債権の増加額344百万円(前連結会計年度は617百万円の売上債権の減少)、棚卸資産の増加額104百万円(前連結会計年度比5,086.8%の増加)、仕入債務の増加額94百万円(前連結会計年度は1,244百万円の仕入債務の減少)を調整したこと等によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ362百万円増加し1,098百万円(前連結会計年度比49.3%の増加)となりました。これは投資有価証券の取得による支出が1,017百万円、有形固定資産の取得による支出が288百万円あったこと等によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ65百万円増加し263百万円(前連結会計年度比33.1%の増加)となりました。これは主に配当金を274百万円支払ったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
生産、受注、販売の実績については、当社グループが営んでいる事業の大半を占める建設事業では生産実績を定義することが困難であり、また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
よって、生産、受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) 関連情報」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りをしておりますが、新型コロナウイルス感染症の今後の業績への影響は非常に不透明でもあり、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社及び連結子会社の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
[当社グループの経営成績等について]
「3 (1)①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、セグメントの財政状態等につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
[当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について]
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。
[資本の財源及び資金の流動性について]
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金については、内部資金または金融機関からの借入等によっております。
キャッシュ・フローの分析については、「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
自己資本比率(%) |
52.6 |
55.1 |
57.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
23.3 |
34.6 |
29.7 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
・財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、19,595百万円となり、171百万円増加致しました。これは主に電子記録債権が417百万円増加し、現金預金が367百万円減少したことによります。電子記録債権の増加については、営業循環過程での結果であり、特記すべき条件の変更等はありません。なお、現金預金の減少については「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、7,595百万円となり、970百万円増加致しました。これは主に投資有価証券が874百万円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、10,201百万円となり、1百万円増加致しました。これは主に買掛金が366百万円減少し、支払手形が180百万円、電子記録債務が152百万円、工事未払金が131百万円それぞれ増加したことによります。これらの増減については、営業循環過程での結果であり、特記すべき契約上の変更事項等はありません。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、1,470百万円となり、15百万円減少致しました。これは主にリース債務が23百万円、役員退職慰労引当金が13百万円それぞれ減少し、退職給付に係る負債が21百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、15,519百万円となり、1,155百万円増加致しました。これは主に配当金の支払を273百万円行ったこと、親会社株主に帰属する当期純利益を1,372百万円計上したこと等によるものであります。
お知らせ